

タイミングが
降、これに近づ
ますし、もっと良い
意欲を持っています。
挫折
―失敗から学んだこと―
茶作りを始めた
20
歳代の頃、初めて出
品茶を作りました。 「お茶は畑のフォア
グラ」 と言われます。大量の肥料を与え、
100
%に近い遮光をした結果、驚くような
お茶が出来ました。しかし、一度植えつ
けたら永年収穫が出来るお茶の木を、一
帯全て枯 せてし いました。当時はす
ごくショックでしたが、お
茶の木はここまでやっ ら
枯れてしまう、という上限
を知りました。上限を知っ
た経験は今に活きています。
それを
20
歳代で知ることが
出来たのは、今となっては
良かったと思っています。
至極である理由
まず、宇治の土壌、宇治
川がつくりだす気候は、お
茶を栽培するには最適です。
この地 選んだ先人には本
当に頭が下がります。
1
年
365
日の結晶
遮光を行うのが
1
日早い。雨のため摘
採が
1
日遅れる。それだけで
大きく変わります。そのた
365
日、芽を観察して、摘採の直前
に茶葉を食べてテイスティングし
の時期を判断します。
結果の答え合わせは一年に一度だけで
す。自然は毎年同じ条件ではあ せ
ん。理想とする状態に対して自然から受
ける 「ふり幅」 をいかにして小さくするの
か、経験と技術で挑んでいます。
そうして出来た
28
年度の碾茶は数十年
に一度の出来でした 一昨年 (
27
年度) の
一番茶を摘んだ後から、摘採まで全ての
この地で、ど
という理想をし
雨が多い時や猛暑が
への対処法は、宇治の茶
なって考えています。今年
り、来年度はもっと品質の高い
来年度は更に品質の高い茶を作っ
たい。先人から受け継いできたものを
分も次の世代へと繋げていかなければな
らない。そういう思いで、栽培に適した
土壌、気候風土のこの宇治で、労を惜し
まずに最高品質の碾茶を作り続けていく
から、宇治の抹茶は つの時代でも変わ
らず最高級なのです。
抹茶は高い?
一服
ちょっと
その
1
1
缶 (
30
g
)千 円 〜
2
千円程
度の宇治抹茶の場合、
1
服 (
1
杯)あたり
1
・5
g
で点てた場
合、
1
服
50
円〜
100
円です。自分
で点てれば高級な宇治抹茶でも
高くないのです。
道具も必ず必要なものは茶筅
だけです。概ね
2
千円程度のも
のを選ぶと良いでしょう。
二重の遮光ネットやよしずで日照が調整されている
覆下栽培が行われている辻喜代治さんの茶園
3