ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 ホーム > 文化事業 > 第35回紫式部市民文化賞 紀行文『回想のアーミデール─ある昆虫研究者の異文化体験』

本文

第35回紫式部市民文化賞 紀行文『回想のアーミデール─ある昆虫研究者の異文化体験』

印刷ページ表示 更新日:2025年10月7日更新 <外部リンク>

第35回紫式部市民文化賞  紀行文『回想のアーミデール   -ある昆虫研究者の異文化体験』

受賞の言葉(松良  俊明さん)

 この度は選出していただきありがとうございました。

私はアリジゴクという昆虫の生態・行動を研究してきた関係上、オーストラリアで研究を行う機会を得ることができました。今から30数年前の話であります。滞在先はアーミデールという小さな地方都市にある大学でした。その大学には学生らが暮らすカレッジ(学寮)がいくつかあり、そのうち最も格式高くまた様々な伝統的行事の残っているカレッジに半年間滞在しました。地方都市ならではの豊かな自然と明るく素朴な人々との交流は今でも私の心に残っています。

その後も幾度かオーストラリアを訪れましたが、ここに綴った最初の思い出が私には最も印象が深いものがあります。今回、宇治市が市民向けに企画されている本事業に応募することで、自分の心に残ったさまざまな事柄を回想してみました。老人の昔語りではありますが、一昔前のかの地の人と自然の一断面を一個人の目から記述しました。

 

q

 

【著者略歴】

1947年 大阪市生まれ

京都大学農学部農林生物学科卒業

京都大学大学院農学研究科博士課程修了

京都教育大学理学科教授を経て、

現在、京都教育大学名誉教授、京都市青少年科学センター学術顧問

作品紹介と講評(選考委員 藤井  直)

本作品は、今から30数年前に昆虫研究のために訪れたオーストラリアでの約半年間にわたる回想録ですが、当時の日記やフィールドノート、写真などから掘り起こされた内容は、まるで現在進行形で起きている出来事のように、生き生きと描かれています。現地での多岐にわたる体験がテンポ良く展開されており、一つ一つのエピソードに引き込まれ、楽しく読み進めることができる作品です。とりわけ、現地の歴史や文化に関する考察・評価や、多くの人々との心温まる交流、研究旅行中の様々なハプニングなどが、時に自虐的に、あるいはユーモアや皮肉を交えながら丁寧に描かれ、心揺さぶられる異文化体験記であり、本賞に相応しい作品として高く評価するものです。

 


お知らせ
宇治市文化芸術振興基本計画
宇治市文化芸術推進委員会
宇治田楽
文化芸術活動動画配信事業
後援名義使用申請手続
文化センター
高校生文化芸術祭典~FUN×FAN×FES~