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第34回紫式部市民文化賞ユース賞 小説『春のみなとは知らねども-女陰陽師と鬼女の散逸譚-』

印刷ページ表示 更新日:2024年10月10日更新 <外部リンク>

第34回紫式部市民文化賞ユース賞 小説『春のみなとは知らねども-女陰陽師と鬼女の散逸譚-』

受賞の言葉(小野田  磨柚さん)

  この度は「紫式部」を冠する賞に宇治市民ユース部門で選出いただいたこと、誠に有り難く存じます。

  私と『紫式部市民文化賞』の出会いは、高校生の頃。「いつか自分の書いた作品が選ばれたら...」と一人郵便局に駆け込み、応募しました。結果受賞とはなりませんでしたが、成長の緒となりました。

  成人後も「いつか、いつか」と折を見て心慰みに送っておりましたが、29歳の最後の年に、「いつか」では困る、ユース賞が設けられたこの機を逃してならない、と腰を据えてラストチャンスとばかりに書き上げました。その豊かな過程を賜われて、またさらにこのような素晴らしい賞を頂く形で報われて心から嬉しいです。

  作中では、生まれ育った宇治の風景や日本文学の調べを織り交ぜつつ、日々の暮らしのなかで磨き続けた日本語の表現で、慈しみを込めて綴ってゆきました。過去の学びや気づき、出来事、環境、人々に感謝の意を表したいと思います。

  この作品自身が宇治市の文学の歴史の一端として小さくも名を連ねることを望外の喜びとして、今後とも初心を忘れることなく邁進したく存じます。
ありがとうございました。

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【著者略歴】

1994年生まれ
2017年 京都教育大学教育学部国語領域 卒業
2019年 京都教育大学大学院教科教育専攻 国語教育専修 修了
2020年〜現在 京都府井手町立泉ヶ丘中学校勤務​

作品紹介と講評( 選考委員   外山   敦子 )

   舞台は平安の都。女でありながら陰陽師として一族の捨て駒になることを父に命じられた占野数多(せんのあまた)は、身投げするひとを助けるのだという鬼女によって、宇治川へと導かれてゆく―。
  陰陽師を素材とする作品は数多い。だが、本作は「女陰陽師」という架空の設定が新しく、そこに「宇治の橋姫」というご当地要素を融合させた意欲作である。平安時代を舞台とした主人公の成長物語のなかに「生きる意味の見出しがたさ」という現代的な問題意識があり、緻密に計算されたストーリーをエネルギー溢れる筆致で描き出した点を高く評価する。若い作者の今後に期待したい。


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