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第31回紫式部市民文化賞選考委員特別賞 小説『ソクのいた日』

印刷ページ表示 更新日:2021年10月14日更新 <外部リンク>

第31回紫式部市民文化賞選考委員特別賞 小説『ソクのいた日』

受賞の言葉(代々 百々さん)

「選考委員特別賞」を受賞して

 世界に誇る古典『源氏物語』ゆかりの宇治に住んで、「紫式部市民文化賞」に憧れがありました。しかし、目の前の日々の生活に追われ、まともに本を読む機会すら長い間失っていました。

 古希に近づきふと我に返ると、自分が本当にやりたかったことが改めて見えてきました。人生の黄昏時であっても、好きな事に取り組めることは有り難い。作品は、保護犬に家族が救われる話です。

 遅ればせに、著名な作家の作品や色々なものをガツつくように読んでみると、その数々の作品群の偉大さに圧倒されるばかりです。

 この度「選考委員特別賞」という栄えある賞をいただき、暗闇を手探りで歩いていて一筋の光に出会ったように大変嬉しく思っています。このお励ましを胸に、微々たる精進を重ねたいと存じます。誠にありがとうございました。

代々百々 写真


【著者略歴】

昭和25年 滋賀県生まれ

佛教大学 国文学科卒業

コロナ禍の前、大阪文学学校に1年半在籍

令和3年8月 『ソクのいた日』 文芸社より刊行(電子書籍化)

作品紹介と講評(木股 知史 選考委員)

 大谷家では、次男新(中一)、長女紗世(高一)が不登校の状態にあり、母の保子は夫の両親との不和に苦しんでいた。保子は、犬に触れることで、家族の心が優しさを取り戻せるかもしれないと考えて、動物愛護センターから茶色の柴犬の雑種を引き取る。犬はソクラテス(愛称ソク)と名付けられ、大谷家の一員となった。子どもたちの不登校や進路の悩みなど、大谷家にはさまざまな困難が降りかかるが、愛犬ソクの視点から事態がとらえられ、嫁と姑、親と子ども、妻と夫のかかわりにある問題点が照らし出される。ソクは人間たちの考えのせまさを照らし出す鏡のような存在となり、やがて子どもたちも自立の道を歩み始める。