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公共交通について考えよう
そもそも公共交通って何?
公共交通とは、鉄道・バス・タクシー・飛行機・船舶などで、誰もが一定の料金を支払うことで、乗ることのできる交通のことを言います。
宇治市内では、鉄道・バス・タクシーが運行されています。
今、公共交通はどうなってるの?
公共交通の利用は、自家用車の普及や少子高齢化による通勤・通学の減少等の影響を受け、年々減少しています。特に、路線バスの減少は大きく、全国の総輸送人員が昭和45年には約100億人であったのに対し、平成24年では約41億人と半数以下に減少しています。(出展:自動車輸送統計年報)
それに伴い、全国の乗合バスについては、過去5年間で約8,160キロメートルの路線が完全に廃止、また、鉄道については、過去5年間で約7ヵ所約105キロメートルの路線が廃止されました。(出典:平成23年度国土交通省調査による)
この状況が続けば、利用の多い一部の鉄道・バスを除き多くの路線が廃止されてしまいます。これは、宇治市においても例外ではなく、『公共交通がないまち宇治』になってしまうかもしれません。
公共交通がなくなるとどうなるの?
家庭に自家用車があれば公共交通の必要性は低いかもしれません。しかし、自家用車のない家庭では、生活をする為に必要なものです。無くなってしまえば、自由に買物も通院もできなくなってしまう家庭が増えてしまいます。
『買い物難民』と言う言葉をご存知でしょうか?高齢者等の公共交通でなければ遠くまで移動できないにもかかわらず、地域に電車やバスが運行されていない為、自由に買い物ができない状態にある人を指します。
今後、路線の廃止が進むことや、高齢化が進むことにより、この『買い物難民』は急速に増えていくとも言われています。また、一度廃止された路線を再度運行することは難しい為、運行されている今のうちに対策を考える必要があります。
公共交通を守るためには
公共交通を守るためには、市民の皆さんが真剣に考え行動していただく必要があります。鉄道会社やバス会社が勝手に運行していると言う考えでは、今後、運行を続けることは難しくなっていきます。地域の皆さんが自ら一員となり公共交通を守ろうと言う意識を持つことが必要です。
たとえば、自家用車で移動する際、10回に1回だけバスに代えてみてはどうでしょうか?バス会社の運賃収入が上がって、路線の存続が可能になり、バスを必要とされている方の移動手段が確保されるかもしれません。また、道路を運行する車が1割減れば、交通渋滞はずいぶん解消され、自家用車を運転する人にとっても利点があるかも知れません。
まだまだあるよ 公共交通のいいところ
小学生には
- 社会性の向上
- 鉄道やバスなどでは騒がず静かにすることを覚えることができます。
- 高齢者等には、席を譲る等のマナーを覚えることができます。
- 切符を買う、料金箱にお金を入れる等の経験をすることができます。
- 駅名、バス停名を聞くことで地名を覚えることができます。
大人には
- 自家用車の購入費や維持費を考えれば割安になります。
- 自家用車による交通事故が回避できます。
- 自家用車を利用するより、カロリー消費が大きくなります。
- 運転しなくて良いので、出先で飲酒ができます。
- 読書や休息などで移動時間を有効利用できます。
- 普段と違う道を通ることで、意外な発見があるかもしれません。
社会的には
- 交通量の減少
- 交通渋滞の緩和
- 交通事故のリスクの軽減
- 環境への負荷
- 1人あたりの移動にかかるCO2排出量が、自家用車より少ない公共交通を利用することにより、エコの実現
- 経済の活性化
- 交通事業者の収益増により地域経済の活性化
- 鉄道駅周辺、バス停周辺における商業施設の活性化
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