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緑ケ原自治町内会は、近鉄大久保駅、伊勢田駅から見て、西側の平地に位置し、約430世帯で構成される自治組織です。「高齢化」「役員のなり手不足」に直面されながらも、問題解決に向けた町内会の改革に取り組まれています。
全国的に少子高齢化が進行するなか、緑ケ原自治町内会でも例外なく高齢化の波に直面しています。会長をはじめとする執行部では、高齢化による「役員のなり手不足」により、町内会運営に黄色信号が点滅していると感じていました。
緑ケ原自治町内会の役員は、会長を含めた6名の執行部員と23名の組長の計29名で構成しています。役員の就任の際は、組長は概ね輪番制で役がまわるため比較的容易に決まりますが、高齢化や役務負担感から、執行部員の選任には苦慮していました。
しかし負担を感じる一方で、緑ケ原自治町内会で生まれ育ち、町内会に愛着を持ち、ふるさととしての町内会運営を求める方が大勢います。緑ケ原自治町内会では、町内会活動を維持するために役員の確保が必要だと考え、役員の負担軽減に取り組みました。
緑ケ原自治町内会では、役員の負担を軽減するため「役員役務の削減」に取り組んできました。そして令和元年度の大きな決断として「恒例行事のカット」や「会議回数の削減と会議時間の短縮」などの思い切った役務削減を講じるとともに、組長に就任する周期を均等化するため「組編成の見直し」を行いました。
「役員の負担軽減」や「組編成の見直し」を行った結果、役員の負担は大幅に削減され、仕事の有無や年齢に関わりなく、また体調が万全でなくてもほとんど負担感なく、多くの人が務められるものになりました。
積極的な改革に取り組む、緑ケ原自治町内会では、「高齢化社会は高齢者自身が支えていくものだと強く感じる」というような意見も聞こえてきています。
▲文化祭の様子
町内会運営の改革に取り組む際に、会員への周知に役立ったのは町内会の広報紙でした。
緑ケ原自治町内会では「緑ケ原新聞」という広報紙を毎月発行しています。
町内会運営といえば、役員に就任していない年は、イベント以外の町内会活動にふれる機会が少ない町内会・自治会もあるのではないかと思います。
緑ケ原自治町内会では、広報紙にイベント情報だけでなく、町内会の活動や集会所の空き状況などを掲載し、活動の周知や、地域の活性化に努めています。
また、緑ケ原自治町内会では、町内会のお金の使い方について、アンケートを実施し、会則の一部改正をするなど、会員の声を積極的に吸い上げることや、より運営を円滑に行うことなどに継続的に取り組んでいます。
以前は加入するのが当たり前だった町内会。近年は加入しない世帯が増え、加入していても「役が回ってくるなら脱会する」という声が聞こえることもあります。町内会は加入を強制し、脱会を拒否することはできません。しかし、順番に回ってきた役員を嫌って脱会されることが続くと町内会の崩壊につながりかねません。
町内会は、近隣で暮らすことになった奇跡的なめぐり合いによって構成されています。緑ケ原自治町内会では「持ちつ持たれつ」の気持ちで、会員みんなが助け合いながら、町内会運営、ふるさとづくりをしていきたいと思っています。
「役員の負担軽減」などの環境づくりが、全会員一丸となっての町内会運営につながっています。
町内会は地域の暮らしに必要な組織です。児童の安全確保や災害時の助け合いなどは、行政頼みでは限界があります。誰でも何かできることがあるはずです。やってみると意外と楽しい、達成感があるといったやりがいが見つかります。
町内会を「義務」と思わず、地域に関わっていける「権利」と考え、みんなで住みやすい街をつくっていきたいと考えています。
▲地蔵盆でのビンゴ大会の様子
※令和2年時点の情報です。