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西浦東町内会は、近鉄小倉駅の北側に位置する、約385世帯の自治組織です。令和2年4月に市から西浦東集会所の無償譲渡を受け、集会所地域移行支援補助金・民間集会所支援補助金を活用しながら集会所の設備の充実や改修を行い、コミュニティ活動の場づくりに取り組まれています。
西浦東町内会では、「遊びを通して親睦を深め会員同士が共助の精神を身に付け、団結力を高める」ことを町内会のモットーとしており、会員親睦会など様々な町内会活動を行ってきました。そのような中で、町内会活動のさらなる活性化を図るため、集会所が地域コミュニティの場として、今まで以上に活用されていくように、地域の主体的な運営を目指して無償譲渡を受けました。
「西浦東集会所管理運営委員会」を中心にこれまでできなかった集会所の使い方についても検討しながら地域を活性化していきたいと考え、新たな活動が生まれる場として地域の皆さんが気軽に、使いやすい集会所にするための改修を行い、地域活動に活用する備品を整備しました。
令和2年度に書画カメラやプロジェクターを整備したことで、会議中にすぐに情報共有することができるようになりました。また、テレビやBD/DVDプレイヤーも整備し、集会所がいろいろな世代にとって気軽に集まれる場となるように工夫しています。
令和4年度には公園側の集会所の屋根に電動オーニングを整備しました。これは、「公園で子どもを遊ばせているとき、親しい友達同士で、ちょっとお茶しながら話せるところがあったらいいなぁ。」という会員の希望から実現したものです。電動オーニングの設置によって、夏の暑い日も日陰の中で過ごせるほか、テーブルを出して何か持ち寄ったものを広げながら、楽しくくつろげる場所を提供しています。後述する西浦東「安全・安心」inフェスで電動オーニングを利用してカフェテラスを開くと、大好評でした。
また、令和5年度には集会所の台所改造を行い、IH化を図りました。子どもたちから高齢者まで、地域の皆さんにとって気軽に、安全に集会所を利用してもらいたいという思いから、集会所機能の充実に向けて取り組んでいます。
従 来から実施していた、会員の親睦を図るための地蔵盆夏まつり、秋まつり、会員日帰りバス旅行の実施に加え、令和3年度から、防災啓発イベントの西浦東「安全・安心」inフェスを実施しています。
令和4年度では、避難訓練、初期消火訓練、心肺蘇生訓練、通報訓練などを行ったほか、起震車体験も行い、有事の際に安全を最大限に確保できるよう努めています。そのほか、電動オーニングを利用したカフェテラス、野菜の即売会、移動販売車、縁日も企画し、楽しみながら集い合える工夫をしながら、地域交流と訓練を通して、共助の意識を高めることができました。また、高齢者を対象とした西浦東いこいの会も定着した事業です。
▲2023 西浦東「安全・安心」inフェスの様子(令和5年3月12日実施)
町内会活動が56年目となる中、地域の活動拠点として、改修を経た西浦東集会所がリスタートを切りました。これから西浦東集会所を使って行われる様々な地域活動への思いは町内会員の皆さんにも大きく伝わり、今まで以上に「団結力」が増しました。そのおかげで、町内会員の方から「これ集会所に飾れんかなあ。」「こんな備品置いてくれると助かるわ。」等アイデアをもらうことがよくあります。しかし、今後の課題も多く、建物の修理や耐用年数から来る立て替え費用の捻出、管理上の対応等、後に続く世代に不安を残さないため、手立ての検討が必要です。しかし、今はこの集会所が、地域の皆さんから「狭いながらも充実した便利な集会所」として利用していただければ幸いだと思っています。
地域活動の真の目的は、「住んで良かった、これからも住みたい町づくり」の実現にあります。自分たちが生まれ育った故郷は、年をとっても忘れることなく思い出がたくさんあります。この町で生まれ育った子どもたちが「私の故郷は宇治市小倉町です。」と胸を張って言えるような地域にしていきたいため、地蔵盆・祭礼等の文化行事や、会員親睦会等の取り組みによる、会員同士の[絆」「団結力」を養う事が必要です。地域活動の拠点となる集会所運営では、「地域の人たちの憩いの場」となるように発展を目指し、無償譲渡を受けた集会所を町の宝物として活用していきたいと思います。