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説明会の様子
説明会の様子
財団法人松殿山荘茶道会(しょうでんさんそうちゃどうかい)の所有する松殿山荘(しょうでんさんそう)のある場所は、平安時代後期に関白・藤原基房が造営した邸宅「松殿(まつどの)」の跡地と伝えられており、平安貴族に関する数少ない別業遺跡として、重要な遺跡であると考えられます。
宇治市では遺跡の保存措置を検討するために、内容や遺存状況を確認する目的で発掘調査を行いました。
松殿跡はこれまで発掘調査が行われたことがなく、今回が初めての発掘になります。
調査では山頂を巡る土塁状の高まりの一部を発掘し、土塁であることを確認しました。通常の平安貴族の邸宅は敷地の周囲を築地塀が巡りますが、松殿跡では土塁が巡る特異な構造であることが判明しました。土塁の築かれた年代等、遺跡の全容解明には今後さらなる調査が必要です。