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救急を予防しましょう!! 宇治市消防本部
救急事故の原因は、日常生活における突然のアクシデントによるものが多く、言いかえれば、常日頃からの心がけ一つで予防できるケースもたくさんあります。
皆が油断することで、危険な事故は気付かぬうちに忍び寄ってきます。
身の回りにあるものが、危険因子とならないよう、救急事故を未然に防止する意識をもちましょう。
子供の救急事故と予防策
子供の救急要請の多くは、風邪や発熱などの急病です。
健康な体づくりのために、次の点に気をつけましょう!!
- 好き嫌いせずに、栄養のある食事をとる。
- 十分な睡眠をとる。
- 手洗い、うがいの習慣をつける。
風邪や発熱以外にも、家庭内で思わぬ事故が起こるのも子供の救急要請の特徴です。
家庭内での事故と予防策!!
1 異物・誤飲事故
何でも口の中に入れる行動をとるので、誤って飲み込んでしまうと思われるものは、手の届かない所に置くようにしましょう。
2 熱傷事故
熱傷の原因は熱湯や熱い飲み物等さまざまですが、熱傷を起こす可能性のあるものは、置く場所に十分注意しましょう。
3 入浴事故
深さ10cmほどでも溺れてしまうことがあるので、子供だけでの入浴は避けましょう。
4 薬物中毒事故
不必要な薬は常に整理し、子供の手の届く所には置かないようにしましょう。
小さいやけどやケガでも、子供にとっては命に関わることがあります。このような事を予防するには、「子供の目線」になって物事を考える必要があります。
高齢者の救急事故と予防策
高齢者の場合、ちょっとした転倒でも骨折しやすくなったり、食べ物を喉に詰まらせ窒息したりする危険性があります!
高齢になると現れる体の変化と予防策!!
1 身体のバランスがとりにくくなる。
- 日頃からこまめに体を動かしましょう。
- 食生活に気をつけましょう。
2 自宅内で、わずかな段差でもつまずいたり滑ったりしやすくなる。
- 室内の段差をなくし整理しましょう。(例:じゅうたんをめくれないように固定する)
- 階段や廊下・浴室に手すりを設置しましょう。
- 階段等に滑り止めを設置しましょう。
- 靴下は滑りにくいものを履くようにしましょう。
3 食べ物を飲み込む機能が弱くなる。
食べ物を細かく刻み、少しずつ食べるようにしましょう。
身の回りの環境を見直し、体調・体力管理に十分気をつけ、「体全体の衰え」を少しでも予防すれば、高齢者の転倒やケガの予防ができるものと考えられます。
熱中症の予防
熱中症とは、暑い環境によって発生する障害の総称です。
熱中症は重症度により「熱けいれん」、「熱疲労」、「熱射病」の3つに分類されます。
特に熱疲労、熱射病には注意しましょう。熱疲労は主に脱水によって起こり、熱射病は体温の異常な上昇によって起こります。熱中症による死亡事故も発生しているので、熱中症についての知識を身につけ、熱中症事故を予防しましょう。
熱中症が起こりやすい条件
環境
気温、湿度、直射日光などが関係します。周囲の温度が上がると、身体から熱が放出されにくくなり、体温を超えると逆に身体に熱吸収が起こってしまいます。
屋外だけではなく、屋内でも熱中症は起こります。
運動
運動をすると筋肉から熱が発生します。特に激しい運動は体温を上げるので、暑い環境下では熱の放出は起こりにくくなります。
個人
肥満傾向の人、体力の低い人、暑さに慣れていない人、体調の悪い人は熱中症を起こしやすいと言われています。
熱中症の予防策!!
- 運動はなるべく涼しい時間に行いましょう。
- 運動時はこまめに休憩をとりましょう。
- こまめに水分補給をしましょう。
- 軽装で通気性のよいものを着ましょう。
- 外出時は帽子をかぶりましょう。
- 屋内では風通しを良くし、冷房を使用し、室温に気をつけましょう。
- 車内への幼児の置き去りは絶対にやめましょう。
熱中症かもしれないと思ったら!!
- 日陰やクーラーのきいた室内など、涼しい場所に移動する。
- 衣服をゆるめて寝かせる。
- 冷たい水で濡らしたタオルを首や脇の下にあて、あおいで体を冷やす。
- 自分で飲めるようなら、0.1%から0.2%くらいの食塩水かスポーツドリンクなどで、水分を補給する。
暑さへの耐性は個人差があります。自己管理することを忘れずにお願いします。
特に子供や高齢者は熱中症になりやすいので、家族の方々の注意が必要です。
脳卒中とは?
脳卒中は、血管病変による脳の障害の総称で、脳内出血、くも膜下出血、脳梗塞等に大別されます。
1 脳内出血
脳の血管が破れて出血を起こすもので、多くの場合深い昏睡とともに半身のマヒが起こります。脳内出血の原因には、過労、精神不安、寒冷刺激などが多く、活動中に起こることが多いです。
2 くも膜下出血
脳は、くも膜という膜でおおわれており、くも膜と脳の表面との間にある小さな動脈にこぶがあると、血圧が上がったときなどに破れて出血し、くも膜下出血になります。
頭痛がひどく嘔吐があり、意識が混濁しますが、四肢のマヒは通常起こりません。
3 脳梗塞
動脈硬化等のために動脈が狭くなったり、あるいは動脈や心臓内にできた血の塊が脳の動脈に流れ込み、詰まってしまうために起こるもので、その血管によって栄養を受けている部分の脳組織に、血液が行かなくなり破壊されて、脳の軟化を起こします。突然発症するもの、段階的に憎悪するもの等、病型によりさまざまですが、多くの場合、初期症状としてめまい、頭痛、舌のもつれ、手足のしびれなどがみられ、半身のマヒや昏睡などになります。
4 予防対策
脳卒中の危険因子は、高血圧、喫煙、糖尿病、大量飲酒、肥満であることが挙げられます。毎日の生活の中で食事内容に十分配慮しつつ、適度な運動をし、喫煙や大量飲酒を避けるようにしましょう。定期的に健診を受け、健康状態を確認しておきましょう。
※突然次のような症状が起こったら、迷わず119番!!
- 突然、体の片側だけの運動ができなくなったり、感覚が鈍くなった。
- 突然、片側の目がみえにくくなったり、物が二重に見える。
- 突然、話せなくなったり、理解できない、ろれつが回らなくなった。
- 突然、今までに経験したことのない激しい頭痛が起こった。
胸が痛い!!
胸痛を起こす病気には、食道がん、食道憩室、肺炎、自然気胸、肺がん、胸膜炎、肺梗塞、狭心症、心筋梗塞、大動脈瘤、肋間神経痛、帯状疱疹、横隔膜ヘルニア、胆石症などいろいろなものがあります。
胸の痛みは、そのまま放置しておくと生命を脅かすこともあります。急に激しい運動をして胸の痛みを感じたときは、すみやかに運動を中止しなければなりません。急に激しい運動をすると、心臓に負担がかかってしまいます。
※次のような症状が起こったら、迷わず119番!!
- 胸の真ん中に突然生じて持続する強い痛み。
- 胸が締め付けられるような苦しさ。
- 痛みとともに冷汗が出て、顔色が悪い、息苦しい。
浴室事故の防止
浴室事故は、脱衣所や浴室の温度と浴槽の湯の温度差に高齢者の体が順応できず浴槽内で意識を失ったり、浴槽内で滑ってバランスを崩しなかなか体勢を直せず溺れてしまうケースと、洗い場で滑ってバランスを崩し転倒して骨折や打撲するケースがあります。事故防止には双方の対策が必要です。
高齢者自身だけでなく、家族や周りの人が一緒に安全点検し、必要な工夫を心がけることが大切です。
入浴時の注意と工夫!!
- 寒い季節は脱衣所や浴室は暖めてから入りましょう。
- シャワーの温度に気をつけましょう。
- 家族に声をかけてから入浴しましょう。
- 入浴の前後に水分補給をしっかりしましょう。
- 入浴直前直後の薬の服用は避けましょう。
- 浴槽はまたぎやすく底は滑らない工夫をしましょう。
- 飲酒後の入浴は避けましょう。