ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 ホーム > 組織でさがす > 議会事務局 > 宇治市議会(行政視察報告 令和7年度) 6

本文

宇治市議会(行政視察報告 令和7年度) 6

印刷ページ表示 更新日:2026年2月12日更新 <外部リンク>

議会運営委員会の行政視察報告

年月日:令和8年1月22日(木曜日)~1月23日(金曜日)
視察先:筑紫野市(福岡県)、佐賀市(佐賀県)
出席委員:宮本委員長、渡辺副委員長、中村、大河、今川、岡本、稲吉、西岡、金ヶ崎の各委員
正副議長:木本議長、鳥居副議長

筑紫野市(1月22日)

【調査項目】

議会基本条例の評価・点検について
ICTの取組について

『市の概要』

  • 市制施行:昭和47年4月1日
  • 人口:10万6,401人(令和7年12月31日現在)
  • 面積:87.73平方キロメートル

1.議会基本条例の評価・点検について

(1)条例制定の経緯
 平成21年12月に各会派より選出された10名の委員で構成する議会活性化調査特別委員会を組織し、先進事例の調査・研究等を開始。平成23年6月からは議員全員で構成する議会活性化調査特別委員会を組織し、現状の課題の整理・検討やパブリックコメントの実施等を経て、条例案を確定。平成25年2月27日に可決、同年4月1日より施行した。

(2)条例の概要・特色
 条例は、前文、第1章、総則、第2章、議会及び議員の活動原則、第3章、市民と議会の関係、第4章、市長等と議会との関係、第5章、自由討議の保障及び拡大、第6章、政務活動費、第7章、委員会の運営、第8章、議会及び議会事務局の体制整備、第9章、議員の政治倫理、身分及び待遇、第10章、議会改革の推進から成り、特色としては以下の7点が挙げられる。
 (1)議員(委員)同士が市政の課題について議論し合う議員間討議の機会を設け、政策立案や政策提言を積極的に行う(第4条)
 (2)委員会の運営に公聴会及び参考人制度の活用(第8条第1項)
 (3)請願・陳情を市民の政策提案と受け止め、誠実な審査を行う(第8条第2項)
 (4)議員別の賛否の公表(第9条第1項)
 (5)議会として市民に対して、議案等の審査過程や経過を報告、または市民との意見交換の場として、議会報告会の開催(第11条)
 (6)議会の会議等での一問一答方式の導入(第13条第1項)
 (7)市長等の議員への反問権の付与(第13条第2項)

(3)評価・検証の手法
 各議員が条例の評価を行うに当たり、評価時点で各条文の目的、原則等に即して、議会運営が実践されているかどうかという観点に立って評価をしている。そのため、評価時点での議会の在り方に即した内容になっているかを評価し、必要があれば修正を行うという内容で評価・検討を行っている。
 検証は2年ごとに行い、全議員に条例の達成状況検証シートを配付し、議員が条ごとに現状の評価を5点満点として点数をつけ、課題、今後の対策等を記入する。提出された検証シートの取りまとめ、条ごとの現状の評価平均点のグラフ化、課題の整理を行い、議会改革推進会議において集計結果を報告する。

(4)評価・検証の結果
 共有された課題として、以下の4点が挙げられた。
 (1)公聴会や参考人招致制度の活用
 (2)論点及び争点を明確にし、議論が深められる質問づくりをする
 (3)多様な意見が出やすいような委員間討議の運営を望む
 (4)予算・決算で議会の意思を表明できた。さらに提言・立案まで検討していく
 また、2年ごとに議会改革推進会議の総括として、活動内容、新たな成果、今後の課題等を報告し、現状及び今後の方針について協議した上で、新たな年次計画として、当面の議会改革を作成している。

(5)今後の課題と取組
 直近では令和6年度に評価を行い、条例改正の必要性があると感じている議員もいたが、議会改革推進会議の中で、当面、現状のままでいくということとなった。次回の評価は令和8年度に予定しており、条例等の改正の意見が多く出た場合は改正に取り組む必要が出てくることも考えられる。

2.ICTの取組について

 昨年度までは、議会ICTソフトプロジェクトチームとハードプロジェクトチームという2つのPTで検討を行っていたが、今年度からは議会ICTプロジェクトチームという1つのPTで、SNS・タブレットの活用、委員会中継の検討、音声文字化モニター表示実施の検討、委員会会議録の検索システムの検討等を行っている。

(1)SNS・タブレットの活用
 SNSとしては、平成27年からフェイスブックを、令和6年からインスタグラムを議会活動やお知らせ等で活用し、LINEも議会内での連絡に活用している。フェイスブックはインスタグラムに連動して自動更新される。LINEは過去に公私混同したような事案もあったが、現在は活用基準を策定し改善している。
 タブレットは、令和元年度に全議員が私費で購入の上、活用を開始し、令和6年7月からは議員も含め全庁的に導入された。同年9月定例会からペーパーレス化を開始し、1年間の試行期間を経て、令和7年9月定例会から完全ペーパーレス化した。各種会議資料の閲覧は、令和6年6月まではグーグルドライブで、議会運営委員会等の議会独自の会議で活用。同年7月以降はサイドブックスで、本会議・委員会等でも活用。また、議員のスケジュールについては、グーグルカレンダーを活用。

(2)議場等における機器の活用
 本会議・委員会等で使用する資料はサイドブックスに掲載し、タブレットを活用して会議を行っているが、タブレットと議場システムが連動していないため、本会議のライブ・録画中継では参考資料を配信できていないが、令和8年度に予定している議場システム更新に合わせて、ライブ・録画中継で資料を配信する予定。また、議長次第書等の口述もペーパーレス化し、議長もタブレットを用いて議事進行を行っている。委員会等においては、予算書、決算書、委員会審査資料などもペーパーレス化している。

(3)議場等の環境整備
 市役所内は、災害対策の一環としてWi-Fi環境が整備されており、議会フロアもWi-Fiが使用可能。また、タブレットはSIM契約もしており、市役所外でも使用可能。

(4)今後の取組
 今後は委員会中継の検討、会議録検索システムへの委員会会議録の導入の検討を行う予定。音声文字化モニター表示は、令和8年度の議場システム更新に合わせて、傍聴席にモニターを設置して実施する予定。

3.その他

 評価・検証を形骸化させないために、特に意識していることやその仕組みは。議員1人1人の意識についての取組は。全議員が無記名で検証シートを提出するのには驚いたが、出てきた意見をどう集約し、どう反映していくのか。議会改革推進会議で確認される年次計画どおりに進まないのではないかと思うが、どう合意形成を図るのか。政策立案の提言書はどう提出しているのか。今まで議員提案の条例等を出したことはあったのか。図書室委員会からの提案書は、議会改革推進会議として出されてるのか、それとも議長名で出されてるのか。議会改革推進会議の幹事会と全体会の役割分担は。年次計画で定例会ごとに設定されている議題をどのように議論していくのか。基本条例そのものは改正には至ってないが、議論を重ねる中で今焦点になっていることは。議会改革推進会議の議事録はあるのか。議会改革推進会議の副委員長が2名なのはなぜか。自由討議や議員間討議はどういったタイミングで行うのか。議会改革推進会議は定例会ごとに開かれるのか、休会中は開催されないのか。ペーパーレスは紙資料とハイブリッドで行っているのか。事務局の業務軽減につながっているのか。議会ICTプロジェクトチームはどういう組織なのか。令和8年度から稼働する議場システムにはどんな配信システムを使用する予定なのか。議会ICTプロジェクトチームは有志なのか、会派代表なのか。ペーパーレスの試行期間1年間の中で大きな問題はあったのか。等の質疑がなされた。

 筑紫野市視察の様子

「筑紫野市視察の様子」​​​​

佐賀市(1月23日)

【調査項目】

議会運営等改革検討会(議会基本条例の検証)について
ICTの取組について

『市の概要』

  • 市制施行:平成17年10月1日
  • 人口:22万5,391人(令和7年12月31日現在)
  • 面積:431.81平方キロメートル

1.議会運営等改革検討会(議会基本条例の検証)について

(1)議会運営等改革検討会の設置及び位置づけについて
 平成17年の合併前の旧佐賀市で設置、合併後の新市においても設置されており、議会運営の改革、議会設備の改善等について検討・協議が行われている。位置づけは地方自治法第100条第12項に定める協議又は調整を行うための場で、原則公開としている。委員は会派及び諸派から選出された9名から成り、定数及び構成メンバーは2年ごとに見直している。所管事項は議会改革に関することで、主なテーマは基本条例の検証だが、議会運営委員会からの諮問や議会改革に関する任意の事項も取り扱う。会議運営については、委員間での自由活発な議論を展開し検討会としての意見集約を図るが、会議が円滑に進むよう委員は会派内調整を行った上で案件等や意見等を出す。また、この議論の中には議会事務局も参加している。

(2)検証の手法について
 検証には検証シート(個票)と検証シート(総括表)を用いることと合わせて、重点検証条文分類表を作成し、A~Cの分類で重点的に検証を行うこととしている。まず、個票で条文ごとに、取組内容、今後の課題、検証結果を協議し、意見集約した結果を総括表に記載していく。検証の結果、条文の見直しの必要が生じた場合は別途協議を行う。検討会は月に1回程度開催し、協議した結果を会派に持ち帰り、次回の検討会で再度協議する形で検証を行っている。検証のサイクルは任期の4年間で最低1回となっている。

(3)検証後の効果について
 検証はこれまでの間で3回行われており、1回目が平成29年9月、2回目が令和元年9月、3回目が令和6年7月で、1回目の検証の結果、第6条、市民との関係の基本原則、第7条、議会広報の充実、第8条、議会報告会、第10条、市長等による政策等の形成過程の説明の計4条について一部改正を行っている。あとの2回の検証では条例改正には至っていないが、早急に検討を要する課題として、第3条、第12条、第13条、第15条、第16条、第18条、第21条の計7条について課題が示された。

(4)今後の課題と取組について
 条例の検証についてはおおむね反映されているが、議会運営委員会に検証内容を報告する際は改善案まで提案すべきではないかとの意見がある。また、議会改革に関する任意の事項についてはあくまでも検討会(内部機関)としての検討結果であり、検討会の意思は十分に尊重するものの、それを議会意思とするか、具体的にどういう方法で実施するか等については議会運営委員会において判断されるため、検討会の提案が必ず通るとは限らないという課題がある。

2.ICTの取組について

(1)ペーパーレス化について
 平成26年9月の議会運営等改革検討会からの議会のICT化に関する答申を受け、議会運営委員会で具体的な検討を開始し、平成28年2月に議会内のペーパーレス化(タブレット端末の導入等)の方針を確認。同年12月定例会から一部運用を開始した。各種議案資料や議会発行物をペーパーレス化し、実績値としては年間約11万枚を削減しているが、人件費等を含めた具体的な経費削減額については積算していない。また、予算・決算関係の資料については冊子を使用しており、完全ペーパーレス化はできていない。

(2)機器及びアプリケーションについて
 タブレット端末は13インチのiPadAirをリースで使用。グーグルワークスペースを活用しており、ファイル管理及び共有機能として、サイドブックス、グーグルドライブを、スケジュール管理及び共有機能として、グーグルカレンダーを使用している。
 平成28年10月にタブレット端末の運用に関する要綱、タブレット端末使用基準を定め、会議等で資料を見るためのものとしているため、1か月の通信容量は7ギガとしている。

(3)議場等の環境整備について
 議場には壁掛けのモニターはなく、議席にもマイクがないような状況だが、令和7年12月定例会から質問席の横に一般質問用のモニターを設置した。本会議は地元ケーブルテレビによるテレビ中継(ライブのみ)とインターネット動画配信(ライブ・録画)を行っているが、テレビ中継を見た方からも好評で、質問した議員の半分程度がモニターを使用した。また、傍聴席にモニターを2台設置し、委員会の会議録支援システムとして導入しているAmivoiceを活用した字幕と、議員の顔が見える映像を表示している。併せて、議場の壁際(議長席に向かって左側)にモニターを設置し、質問議員の氏名や質問項目を表示することで、誰がどういったテーマで質問しているのかを分かりやすく示している。

(4)今後の課題と取組について
 タブレット端末は使用者によって操作習熟度に差があり、資料の閲覧やメモ機能を使用する際にスムーズにいかない場合がある。また、議場の機器の更新については、大規模改修に合わせた抜本的なICT化が必要になると考えている。

3.その他

 検討会の中で意見が分かれた際にどう合意を図っていくのか。検証の結果、行動に変化は見られたのか。4年の任期が終わった後、どのように引き継いでいくのか、継続性の部分で何か考えはあるか。検討会の会議録は全文記録なのか。予算書等は今後ペーパーレス化するのか。計画物の冊子等や本会議の会議録はペーパーレス化しているのか。等の質疑がなされた。

佐賀市視察の様子

​​​「佐賀市視察の様子」​