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宇治市議会(行政視察報告 令和5年度) 2

印刷ページ表示 更新日:2023年10月12日更新 <外部リンク>

総務常任委員会の行政視察報告

年月日: 令和5年8月28日(月曜日)~8月29日(火曜日)
視察先: 高岡市(富山県)、金沢市(石川県)
出席委員: 岡本委員長、西川(康)副委員長、西川(友)、坂本、関谷、金ヶ崎、佐々木の各委員

高岡市(8月28日)

【調査項目】

消防指令センターの共同運用について

『市の概要』

  • 市制施行:平成17年11月1日
  • 人口:164,526人(令和5年8月31日現在)
  • 面積:209.57平方キロメートル

1.消防指令センターの共同運用について

(1)県西部消防指令センターの概要について

平成26年1月から高岡市・氷見市・砺波地域消防組合(砺波市・小矢部市・南砺市)の3団体において消防指令事務共同運用を開始、令和3年4月からは高岡市・氷見市において消防の広域化を行い、組織を統合したため、現在は高岡市・砺波地域消防組合の2団体で共同運用を行っている。

令和5年4月1日現在の高岡市消防本部(高岡市・氷見市)の管内人口は20万8,798人、消防職員数は278人で、砺波地域消防組合消防本部(砺波市・小矢部市・南砺市)の管内人口は12万3,118人、消防職員数は185人である。

消防指令センターは、高岡市・砺波地域消防組合消防指令事務協議会として会長(高岡市消防長)、副会長(砺波地域消防組合消防長)をはじめ、職員22人で組織されている。設置場所は高岡市消防本部内、処理方式は協議会方式、共同処理する業務は119番通報受信・出動車両の選定及び出動指令・広域応援出動要請・ドクターヘリの出動要請などがある。

(2)消防指令センターの共同運用に至った経緯等について

平成23年5月に砺波地域消防組合から高岡市に消防指令業務の共同化の申し入れがあり、共同運用に関する勉強会を設置し、共同で研究を行うこととした。また、以前から高岡市と広域連携について研究を行っていた氷見市も勉強会に参加することとなった。

共同運用勉強会は、現状把握、効果と課題の洗い出し、先進地視察など計14回開催し、その後、構成団体間の基本事項(開始時期、センター位置、派遣職員数等)に関する合意に向けて共同運用推進委員会を計2回開催した。さらに、システム改修、応援協定等の事前準備を行うため、共同運用準備委員会を計3回、専門部会を計19回開催し、各議会において協議会規約を議決後、消防指令事務協議会が設置され、消防共同指令センター拡張整備事業の契約、工事などを経て、平成26年1月に共同運用が開始された。

(3)消防指令センターの共同運用による効果について

共同運用開始に際して、市民サービスの向上を図るため、「富山県市町村消防相互応援協定」に加えて「高岡市・氷見市・砺波市・小矢部市・南砺市・砺波地域消防組合相互応援協定」を締結し、火災出動のみならず、救急・救助等についても市域を越えた応援が実施できるようになった。

応援区分は「直近応援」、「即時応援」、「通常応援」、「特別応援」の4種類があり、「直近応援」では、最先着できる救急隊等が、直ちに市域外へ出動する体制とし、救急出動の現場到着所要時間が約20秒短縮できた。

また、指令業務配置職員の効率化による現場職員増による消防力の強化や消防救急無線システムのデジタル共同整備費、消防指令システム部分改修事業費、毎年の維持管理費の低廉化につながった。

(4)消防指令センターの共同運用による課題について

派遣元消防本部の管轄外からの通報受付に際して、土地勘が少ないことで処理に手間取ることが懸念されたが、統合型位置情報通知システムを活用するなどで対応している。

また、当初は指令センター管内の2つの医療圏(高岡・砺波)で救急プロトコールに相違があったが、共同運用後に両医療圏のプロトコールを統一し、合同プロトコールを策定して救急活動の効率化を図ったほか、合同で救急救命士の再教育事業を行うなど、医療圏相互の連携強化に取り組んでいる。

(5)今後の展開について

指令事務をはじめ、消防の各分野において、他都市と連携することが市の消防・救急体制の強化につながると考えられるものについては、今後も連携の強化を図っていく。

(6)その他

委員からは、人員や費用の削減について、砺波地域への出動件数について、富山市との連携について、指令センターへの派遣人数の算出方法について、指令センターの予算の按分方法について、共同運用後の各自治体の費用負担について、議会への報告について、協議会規約について、共同運用に至るまでの過程の市民に対する透明性について、共同運用に対する市民の反応について、砺波地域消防組合が消防の広域化には加わっていない理由について、指令センターへ派遣されている職員及び他市に応援へ行った職員の給与の支払者について、土地勘を得るための努力について、今後の消防の広域化への思いについて等の質疑がなされた。

「高岡市視察の様子」
「高岡市視察の様子」

金沢市 (8月29日)

【調査項目】

金沢市デジタル戦略2.0について

『市の概要』

  • 市制施行:明治22年4月1日
  • 人口:445,522人(令和5年9月1日現在)
  • 面積:468.81平方キロメートル

1.金沢市デジタル戦略2.0について

(1)概要について

「誰ひとり取り残さないデジタル戦略都市・金沢」を基本理念とし、(1)新しい生活様式における行政サービスの提供、(2)職員の働き方を改革するスマートワークの実践、(3)地域社会におけるデジタル化の促進、(4)デジタル社会の担い手の育成、(5)デジタル化を実現するための環境整備、の5つを基本方針に掲げているが、非常に速いデジタルの進展に合わせて、1年に1度ではなく、七、八か月後には基本方針のバージョンアップをしているのが特徴的である。

 DXの推進に当たっては、令和3年4月にデジタル行政戦略課を設置、外部人材として、早稲田大学政治経済学術院教授の稲継裕昭氏をスマートワーク推進アドバイザーに招聘、外部委員も交えた金沢市DX会議を設置し、令和4年度にはDXアクションプランを策定するなど、取組を進めている。

(2)主な取組及び効果について

まず、業務の効率化の取組として、人間がコンピュータ上で行っている定型作業をロボットで自動化する「RPA」と印字や手書き文字を高精度で認識しデジタル化する「AI―OCR」を導入している。その効果として、避難行動要支援者名簿入力業務では3万4,000件の入力、想定作業時間約5,816時間の業務が約87%削減の737時間となる等の事例があり、令和3年度では49業務で約9,834時間、令和4年度では105業務で約1万2,153時間の削減につながっている。

次に、行かなくていい市役所の取組として、令和2年12月に市の手続きのオンライン化の原則を明記したデジタル行政推進条例を制定し、令和3年3月には電子申請の証明書等の郵送料を無料化する条例改正を行うなど、電子申請サービスの拡充に努めており、HPVワクチンの定期予防接種では全体の44%が電子申請となり、入札参加資格申請では、電子申請により作業時間、保管場所の削減につながっている。

また、事前に申請項目を入力するとQRコードが発行され、来庁された際にQRコードを読み込むと、記入済みの申請書が出力されるという申請書の事前作成サービスや窓口でのキャッシュレス決済を拡充するなど、書かない、待たない市役所の取組も進めている。

次に、ペーパーレスの取組として、フリーアドレスを導入している。フリーアドレスにすることで、パソコンが有線接続から無線接続となり、自由に持ち運びができるようになり、自席ではなく、職場内の自由な席で仕事をすることになるため、紙があると不便な環境を作り出している。

フリーアドレス導入の職員へのアンケートでは、快適である、職場内のコミュニケーションが活性化した、ペーパーレス化が進んだ、生産性の向上につながっているなどが多数を占める結果となっている。

また、ペーパーレス会議や電子決裁の推進にも取り組んでおり、令和4年度には、ペーパーレス会議の実施率は100%、コピー機の利用枚数は令和元年度比で42%の削減、電子決裁は市長決裁のものまで全てが対象となった。

 以上のようなペーパーレスの取組により、年間で電気料10%、消耗品費(PPC用紙)12%、消耗品費(プリンタートナー)10%、人事異動の配置換えに伴う修繕費58%の削減など、合計1,004万円の経費の削減につながっている。

最後に、人材育成の取組として、連携協定に基づき、日本マイクロソフト株式会社と株式会社システムサポートの協力の下、5月~11月に約200時間かけて、2~3以上の課を経験している概ね30代の職員を対象にデジタル行政推進リーダー育成研修を実施しており、令和3年度と4年度に20人ずつが研修を受講している。

(3)その他

委員からは、職員数の削減について、DXを進めているが市民をサポートする職員は配置されているのかについて、内部の人材を育成することで外部委託を削減していくのかについて、町内会の加入率及びマイナンバーカードの普及率について、町内会等でのデジタル化の推進の取組について、デジタル戦略を推進するに当たっての予算について、デジタル戦略の進め方について、RPAの詳細について、RPAやAI―OCR等の導入費用について、DXの推進に当たっての議会の反応について、議会でのペーパーレスの取組について、デジタル行政推進リーダー育成研修受講者の男女比の変化について、フリーアドレスの導入方法について、職員へのアンケートは常時取っているのかについて、デジタル行政推進リーダー育成研修は時間外に行っているのかについて、デジタル行政推進リーダー育成研修のスケジュールについて、DXアクションプランの今後の進め方への思いについて等の質疑がなされた。

「金沢市視察の様子」
「金沢市視察の様子」