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宇治市議会(行政視察報告 令和元年度) 1

印刷ページ表示 更新日:2019年11月5日更新 <外部リンク>

市民環境常任委員会の行政視察報告

年月日: 令和元年8月28日(水曜日)~8月29日(木曜日)
視察先: 豊島区(東京都)、府中市(東京都)
出席委員: 坂本委員長、木本副委員長、松峯、今川、大河、関谷、佐々木の各委員

豊島区 (8月28日)

【調査項目】
としまビジネスサポートセンターについて

『区の概要』

  • 区制施行:昭和7年10月1日
  • 人口: 29万422人(令和元年7月1日現在)
  • 面積: 13.01平方キロメートル

1.としまビジネスサポートセンターについて

(1)立ち上げに至る経緯と目的について

 世界同時不況の影響により中小企業の廃業が多くなり相談がふえてきた時期に巣鴨信用金庫がすがも事業創造センター(S-biz)を平成21年に設立した。
 巣鴨信用金庫から地域事業者のサポートを行い、地域活性化の手伝いをしたいと連携・協力の提案があり、協働を進めることとなった。平成22年度に相談と支援機能を重視した「としまビジネスサポートセンター」(としまビジサポ)が誕生した。
 としまビジネスサポートセンターは、地元金融機関や産業団体等、関係機関が一体となった新しい協同による運営形態を特徴としている。利用者の要望・必要に合わせて、様々なサポートメニューをワンストップで提供している。地域活性化のため行政と民間が協力し中小企業支援部署を設置する全国初の試みである。
 資金から経営戦略まで様々なサポートを提供するとともに、関係団体との連携により、起業希望者や中小企業者の「困った」を一緒に解決していく。

(2)サポートについて
  1. 起業・創業サポート
    相談員:創業相談員(巣鴨信用金庫、東京信用金庫、区専門員)
    相談内容:起業の基礎知識、起業計画書作成、起業融資のあっせん、特定創業支援
  2. 売り上げ拡大サポート
    相談員:ビジネスコーディネーター(巣鴨信用金庫)
    相談内容:販路開拓・拡大、情報発信、ブランディング
  3. 資金サポート
    相談員:金融相談員(区専門員)
    相談内容:融資あっせん、資金計画の相談、豊島区補助金
  4. 労務サポート
    相談員:社会保険労務士(東京都社会保険労務士会豊島支部)
    相談内容:各種保険・助成金、雇用前の基礎知識、人事・労務管理
  5. 経理・税務サポート
    相談員:税理士(東京税理士会豊島支部)
    相談内容:経理全般、税金関係知識、事業継承・休廃業
  6. その他経営サポート
    相談員:その他専門家(弁護士、中小企業診断士、ITコーディネーターなど)
    相談内容:中小企業法務、知的財産、商標登録、情報発信
(3)融資、補助金について
  1. 融資
    • 提携金融機関(約25社)の融資が低利で利用可能。
    • 信用保証料の一部補助。
    • 起業資金については利子・保証料共に自己負担ゼロ。
      小企業資金については、上限額を1250万円から2000万円へ上げたことによって平成29年度から平成30年度大きく利用者がふえた。
  2. 補助金
    • ホームページ作成支援
      ホームページを新規作成する際の費用の一部を補助。
    • 見本市出展支援
      見本市・展示会等で自社商品のPRをする際、出展費用の一部を補助。
    • 専門家派遣支援
      都で実施している専門家派遣の利用料の一部を補助。
    • その他公的補助金申請支援
      国や都で実施している創業補助金の申請についてアドバイス。
(4)活躍の場の提供について

 創業期の方向けのシェアオフィスである「としまスタートアップオフィス」を平成29年7月に開設。シェアデスク、会議室、商談室等を設置しており、この場所を法人登記することが可能。月額の施設利用料は1万円で、定員は15名となっている。

(5)女性のための起業支援について

 豊島区で「起業したい、起業した、事業経営している」女性をサポートする「サクラーヌbiz応援プロジェクト」を実施している。プロジェクトを通じて、女性起業家や経営者のネットワーク強化やビジネススキルの向上、起業に向けた準備に関するサポート等を行なっている。
 起業を目指す仲間と交流しながら、自分の強みを見つけ、ブランド化し集客につなげるためのプランを作成する起業塾、ネットワークづくりやビジネスチャンス創出のための女性限定の交流会などを行なっている。

(6)相談件数について
相談件数

 

 

窓口相談件数

 

 

男女比率(男性)

 

 

男女比率(女性)

 

 

平成26年度

 

 

2,917件

 

 

76.4%

 

 

23.6%

 

 

平成27年度

 

 

2,946件

 

 

73.0%

 

 

27.0%

 

 

平成28年度

 

 

3,260件

 

 

64.8%

 

 

35.2%

 

 

平成29年度

 

 

3,122件

 

 

67.5%

 

 

32.5%

 

 

平成30年度

 

 

3,109件

 

 

68.4%

 

 

31.6%

 

 

(7)課題と今後の方針について
  1. ビジサポの周知
    アウトリーチ・商店街との連携強化、広報強化。
  2. ワンストップからプラットホームへ
    事業継承への対応、連携団体との連携強化。
  3. 利用者の交流促進
    としまフェス・としまMONOづくりメッセへの出展募集、交流会の開催、民間企業との連携。

「豊島区視察の様子」の画像
「豊島区視察の様子」

府中市 (8月29日)

【調査項目】

  • 府中市パートナーシップ宣誓制度について
  • 府中市食べきり協力店制度について
  • ふちゅうごみ資源物分別アプリについて

『市の概要』

  • 市制施行:昭和29年4月1日
  • 人口: 26万742人(令和元年7月1日現在)
  • 面積: 29.43平方キロメートル

1.府中市パートナーシップ宣誓制度について

(1)概要について

 近年、性の多様性については徐々に社会的な認識が進んでいるものの、依然として、性的マイノリティーに対する差別や偏見によって、当事者の方が様々な困難を抱える状況は少なくないと言われている。
 このような中、東京都では2020オリンピック・パラリンピックの開催都市として人権尊重の理念が社会に浸透した都市となることを目指す、東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例を平成30年10月に制定している。
 府中市においても、平成30年第3回市議会定例会において「同性パートナーシップの公的承認についての陳情」が提出され、採択されるなど東京2020オリンピック・パラリンピックの開催を契機に、多様性を認め合う共生社会の実現に向けた機運が高まっている。
 このことから、法律上の効果を生じさせるものではないが、一方または双方が性的マイノリティーである2人の関係について、パートナーの関係にあることを証明する制度「府中市パートナーシップ宣誓制度」が制定され、平成31年4月1日から制度が開始されている。

(2)宣誓者への影響について

 パートナーシップ宣誓書受領証を提示することで、2人の関係について、パートナーの関係にあることを証明することができ、一部民間事業者において夫婦同様のサービス提供を受けることができる。

(3)市民・職員への周知等について

 市民へは広報ふちゅう・ホームページへの掲載や商工会議所・医師会へ依頼して周知している。また、職員にはパートナーシップ宣誓制度の実施に関する庁内説明会での周知や「LGBT・パートナーシップ宣誓制度」の人権啓発研修を実施している。

(4)今後の展開や予定について

 性的マイノリティーに対する偏見や差別を根絶し、多様性を認め合う社会を実現できるよう、法整備を含めた国の動向を注視しつつ、引き続き、制度の周知をはじめ、東京都等とも連絡しながら、市職員はもとより、市民に対する人権意識の啓発に努めていくことが重要であると考えている。

2.府中市食べきり協力店制度について

(1)概要について

 料理の提供者もお客様も気持ちよく食事に関わることができるよう、提供された料理の食べ残しを減らす取り組みを実施している飲食店を登録し協力店として紹介する制度。
 協力店の主な取り組みとしては(1)小盛りメニューやハーフサイズメニューを導入していたり、(2)要望に応じて食材を調整している、(3)食べ残しを減らすためのポスターなどを掲示している、(4)食べ残した料理の持ち帰りに対応している、(1)から(4)のいずれか1つ以上実施すれば登録することができる。
 商店街連合会や商工会議所などに協力の依頼をしており、飲食店に対して案内文書を送付して募集した。協力店は、登録の目印となる専用ステッカー、ポスターなどを掲示している。

(2)導入に至った経緯について

 府中市において、ごみの組成分析を行なったところ燃やすごみの約半分が生ごみという結果が出た。この生ごみに含まれる食品ロス対策の必要があったことと、事業所との協力をしていってはどうかという意見があり、府中市内の飲食店等での食品ロス削減を推進することと市民への食品ロス削減の意識啓発を図ることを目的として制度がはじまった。

(3)協力店のメリットについて

 協力店に登録することによっての大きなメリットとしてはないが、協力店に登録していることで市のホームページで紹介されるというPR効果と食べ残しが減ることで処分する経費が減ることが考えられる。

3.ふちゅうごみ資源物分別アプリについて

(1)概要について

 スマートフォンを使って、ごみに関する情報をいつでもその場で確認することができるアプリで平成31年1月21日から配信を開始している。日本語版のほか、英語・中国語・韓国語に対応した外国語版も配信している。

(2)主な機能について
  1. 収集日カレンダー
    お住まいの地域を設定してごみ・資源物の収集日を確認することができる。
  2. ごみ分別辞典
    品目ごとに分別方法を確認することができる。50音順のほか、ワード検索で簡単に調べることができる。
  3. アラート機能
    前日や当日の設定した時間に通知をしてくれるので、ごみ・資源物の出し忘れを防ぐことができる。
  4. ごみの出し方
    分別の種類ごとに、出し方や注意事項などを確認することができる。
  5. マップ機能
    粗大ごみシールや指定有料袋の取り扱い場所などを、一覧からだけではなく地図で検索することができる。
  6. お知らせ
    市が発信するごみや3Rについての情報、イベントや台風・大雪などによる収集の遅延などを確認することができる。
(3)導入に至った経緯について

 平成22年2月にごみ袋の有料化が行なわれ、それに対応する形でごみ資源物分別辞書を作成して全戸配布していたが、費用的な問題があり新しい辞書については全戸配布する冊数が作成できなくなり、転入者や希望者へのみの配布となっていた。
 古いごみ資源物分別辞書を持っている市民との認識のずれが生じるようになってきたことやごみの分別マナーが悪い若年層にも受け入れられやすく常に新しい情報を配信できるということでアプリの導入に至った。

(4)導入に係るコストについて

 導入基本費用43万2,000円、外国語対応カスタマイズ費用16万2,000円、外国語翻訳費用38万8,800円で合計98万2,800円。

(5)今後の課題について

 どのような方法でさらなる周知を図り、利用者をふやしていくのかが課題となっている。

「府中市視察の様子」の画像
「府中市視察の様子」