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宇治市議会(行政視察報告 令和4年度)  4

印刷ページ表示 更新日:2022年11月7日更新 <外部リンク>

産業・人権環境常任委員会の行政視察報告

年月日: 令和4年8月30日(火曜日)~8月31日(水曜日)
視察先: 豊橋市(愛知県)、浜松市(静岡県)
出席委員: 大河委員長、岡本副委員長、松峯、鈴木、関谷の各委員

豊橋市(8月30日)

【調査項目】
穂の国とよはし電力株式会社設立にかかる経過について

『市の概要』

  • 市制施行:明治39年8月1日
  • 人口:37万846人(令和4年10月1日現在)
  • 面積:262平方キロメートル

1.穂の国とよはし電力株式会社設立にかかる経過について

(1)穂の国とよはし電力株式会社設立にかかる経過の概要について

豊橋市は従来より様々な環境・エネルギー政策を行っていたが、市域における温室効果ガス排出量に関しては国の示す目標を達成することが難しい状態となっていた。そのため、民間企業のエネルギー事業に関するノウハウ・リソースの活用を行い、官民一体となった取組を行うこととしたもの。

バイオマス利活用センターにおいて生ごみと下水汚泥等を処理した発電及び太陽光発電を主として発電した電力を調達(「つくる」)し、穂の国とよはし電力株式会社が「つなぐ」役割として公共施設等に供給を行い、公共施設等がそのエネルギーを「つかう」ことでエネルギーの地産地消の促進を行うもの。

(2)事業実施に至った背景について

<1>市の取り組み

豊橋市では、環境・エネルギー政策に取り組んでおり、以下のような事業を行っている。

・530(ごみゼロ)運動…「自分のゴミは自分で持ち帰りましょう」との合い言葉のもと、ごみを拾い歩く運動。豊橋市は同運動の発祥の地である。

・バイオマス利活用センターの整備…生ごみや下水汚泥等を活用した発電を行う施設を整備している。

・再生可能エネルギーの導入…市の遊休地を活用した太陽光発電所の設置等。

・エネルギー関連補助事業…家庭での再生可能エネルギー導入等への補助。

・「世界首長誓約/日本」へ署名…「世界気候エネルギー首長誓約」とは、持続可能でレジリエント(強靭)な地域づくりを目指すとともに、パリ協定の目標の達成に地域から貢献しようとする自治体の首長が誓約するもの。平成30年10月に署名。

一方で、市域における温室効果ガス排出量の削減については、従来の市単独での取組では国の示す目標達成が難しい状況であったため、民間企業のエネルギー事業に関するノウハウ・リソースの活用を行い、官民一体となった取組を行うこととなった。

<2>エネルギー指針策定

「豊橋市地産地消エネルギー指針」を策定し、「2050年 再生可能エネルギー利用100%のまち とよはし」を市の目指す姿とし、豊橋市役所としては、市の公共施設に係る使用電力を100%再生可能エネルギー由来の電気で賄うことを目標とした。

<3>事業化可能性調査

「豊橋市エネルギーの地産地消事業 事業化可能性調査 検討委員会」を組織化した。バイオマス利活用センターの運営者である株式会社豊橋バイオウィル、同センターの経営・管理に関わるJfeエンジニアリング株式会社と豊橋市で事務局を構成し、新電力に精通する有識者を委員に加える形とした。

(3)主な取組について

<1>地域新電力会社の設立

令和2年10月「豊橋市地域新電力事業に関する連携協定」を締結し、Jfeエンジニアリング株式会社、豊橋市、豊橋信用金庫の共同出資による「穂の国とよはし電力株式会社」を設立した。

<2>事業スキーム

事業スキームを以下のように策定した。

フェーズ1…バイオマス利活用センターや太陽光発電所等の市内再エネ発電所からの市有施設への電力供給を開始。

フェーズ2…市未利用地に太陽光発電の新設により地産電源を拡充し、地産地消率を向上。

フェーズ3…電力供給を行う市有施設の拡大。

<3>事業目標

目標として掲げた「2050年 再生可能エネルギー利用100%のまち とよはし」を実現するために、市の公共施設に係る使用電力を100%再生可能エネルギー由来の電気で賄うことを目指していく。

まずは、2030年に市の公共施設に係る使用電力を50%再生可能エネルギー由来の電気で賄うことを目標としている。

<4>事業化によるメリット(事業開始当初)

本事業により、再エネ電源比率が向上し市の同比率が10%を達成したほか、地域新電力会社の電力への切替えにより年間約400万円の歳出削減が見込まれ、事業収益を市に還元することで環境施策の政策コストに充当可能となり、二酸化炭素排出量が年間5,558トンの削減が可能となった。

<5>電源調達先施設(事業開始当初)

事業開始当初は8施設から電源調達。令和4年3月末時点で調達先は計11施設となっている。

<6>電源供給先施設(事業開始当初)

事業開始当初は市役所本庁舎等、小中学校等77校へ電源供給。令和4年3月末時点で供給先は計123施設となっている。

<7>ゼロカーボンシティとよはし

11月6日に浅井市長が2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロにすることを宣言した。

(4)その他について

委員からは、バイオマスを活用することとした経緯について、地域特性として下水汚泥が多く発生するのかについて、民間と協働することとした経緯について、市民へのPRについて、同取組で電気代が割高になっていないのかについて、社会情勢の変化に伴う損失は出ていないのかについて、太陽光パネル設置に係る規制及び地域への説明方法について、家庭の生ごみの分別及び市民の理解について、ゼロカーボン宣言を行うに当たって誰の思いが強かったのかについて、太陽光パネルの設置の規制に関して市街地や住宅地で整理しているのかについて、コロナによって影響はあるのかについて、ゼロカーボンシティ推進課の業務範囲について、地域環境の相談を受ける部署もあるのかについて、バイオマス利活用センターの整備に要した費用について、費用削減のための工夫について、Jfeエンジニアリングと豊橋市とは昔から関わりがあったのかについて、バイオマス利活用センターの整備を決断したのは誰なのかについて、市出資も含めてPpa事業を行うこととした原動力について、庁内の情報共有について等の質疑がなされた。

toyo

「豊橋市視察の様子」

浜松市(8月31日)

【調査項目】
Yes!家康プロジェクト浜松について

『市の概要』

  • 市制施行:昭和44年7月1日
  • 人口:79万3,615人(令和4年10月1日現在)
  • 面積:1558.06平方キロメートル

1.Yes!家康プロジェクト浜松について

(1)Yes!家康プロジェクト浜松の概要について

令和5年大河ドラマ「どうする家康」の放送を契機に、官民一体となったオール浜松で、観光振興及び地域経済の活性化に取り組むもの。

その体制においても官民一体としており、「家康プロジェクト推進本部」は市長をトップとした市役所全庁体制で組織し、役員会の位置づけの「家康プロジェクト推進協議会 幹事会」は地元金融機関、公共交通機関、観光事業者、自治会連合会等民間団体で組織し、誘客、食、街なか、交通輸送の分野別分科会は官民一体となった組織としている。

(2)事業実施に至った背景について

令和5年大河ドラマ「どうする家康」の放送を契機として、大河ドラマを活用した誘客による観光振興で、コロナ禍で傷んだ市内経済のV字回復を目指し事業実施するもの。

平成29年大河ドラマ「おんな城主 直虎」に際しNHKと協働して大河ドラマを活用したプロモーションを数年にわたり行い、大河ドラマ館やイベントを開催した。その時に築いた関係や経験を基に本事業を実施している。

(3)主な取組及びその成果について

<1>大河ドラマ館の設置

現在設置工事中の施設を令和5年1月に開館予定としており、ドラマで使用された小道具や衣装、ストーリーやキャスト紹介のパネルの展示等を行う予定である。なお、ドラマ館に加えて、特産品販売を行うショップ棟、オフィス棟、イベント広場や駐車場を含む外構整備を行う。

市民参加型ドラマ館開設準備として、令和4年6月に葵のご紋を模した外構アスファルト部分に家康への想いやドラマ成功の祈り、未来の浜松へなど市民に自由に描いてもらうイベントを実施した。530名の参加応募があった。大河ドラマに期待する市民や大河ドラマファンのメッセージとしてウェブやSnsにより情報発信を行った。

<2>「徳川家康公ゆかりの地 浜松」PRロゴマークについて

オール浜松で観光振興による地域経済活性化に取り組む機運を醸成するため、「徳川家康公ゆかりの地 浜松」をPRするオリジナルロゴマークを作成。個人・法人に関わらず、商品等の販売(商用利用)名刺・フライヤー等によるPR(一般利用)に無料で使用可能としている。

<3>「Yes! 家康プロジェクト 浜松」事業の募集

浜松市の魅力を全国に発信するとともに、観光振興による地域経済の活性化を図るため、地域が一体となって使用する共通の事業名称を決定した。地域を盛り上げる各種事業やイベントを募集し、「家康公ゆかりの地 浜松」特設ホームページ等で、応援事業の情報を発信するなどプロモーションを支援する。

<4>機運醸成イベントの開催

浜松市内、近隣地域の大河ドラマ機運醸成のため、NHK大河ドラマ関係者によるトークショーイベント、歴史専門家による講演会イベント、地元大学生と地元企業による商品開発マッチングイベントなどさまざまなイベントの開催を企画している。

(4)今後の展開や取組について

<1>大河ドラマ館「期待と希望の応援メッセージプロジェクト」

大河ドラマ館施設内の土間部分や敷地内イベントスペースの外周通路アスファルト部分に家康公や大河ドラマ出演者へのメッセージを自由に描いてもらうイベントを6月に続いて9月、10月にも実施予定。

<2>他自治体との連携

1.岡崎市・静岡市との連携

岡崎市は1月のドラマ館オープンに向けて6月16日に岡崎城を閉館し、リニューアルオープンする。静岡市は駿府城公園エリアに歴史博物館がオープンし「徳川・今川・東海道」がテーマで家康公をたどる展示を予定している。

2.四天王ゆかりの地との連携

徳川四天王が在城したゆかりの地への連携を提案している。(愛知県岡崎市、同県豊橋市、千葉県夷隅郡大多喜町、三重県桑名市等)

3.遠州9市町による広域連携

家康公にゆかりのあるものをまとめた周遊マップを作成し、「遠州地域」を周遊してもらう。(浜松市、磐田市、掛川市、袋井市、湖西市、御前崎市、菊川市、牧之原市、森町)

4.山梨県との連携

「信玄公祭り」と「家康公祭り」での連携企画を行う。

(5)その他について

委員からは、同様にドラマ館を設置する岡崎市との違いをどのように出していくのかについて、岡崎市の使用するプロモーション用ロゴマークについて、三館めぐりの入場料について、経済効果はどのように考えているのかについて、印象的なネーミングについて、将来にわたって浜松と家康の繋がりを演出するのかについて、大河ドラマが終わった後のドラマ館をどうするのかについて、ツイッターを活用したPRについて、事業費の規模と市の持ち出しはどれくらいなのかについて、協議会立ち上げ時のPRについて、NHKとの関わり方について等の質疑がなされた。

hama

「浜松市視察の様子」