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宇治市議会(行政視察報告 令和元年度) 8

印刷ページ表示 更新日:2020年3月16日更新 <外部リンク>

総務常任委員会の行政視察報告

年月日: 令和2年2月6日(木曜日)~2月7日(金曜日)
視察先: 藤沢市(神奈川県)、熱海市(静岡県)
出席委員: 長野委員長、中村副委員長、西川(友)、角谷、渡辺、鳥居、金ヶ崎の各委員

藤沢市 (2月6日)

【調査項目】

  • ふじさわシティプロモーションについて

『市の概要』

  • 市制施行:昭和15年10月1日
  • 人口:43万4,716人(令和元年12月1日現在)
  • 面積:69.56平方キロメートル

1.ふじさわシティプロモーションについて

  1. 藤沢市の観光について

     藤沢市の観光客数は、平成13年の919万727人から平成30年には1,839万2,019人と16年前から比較すると大幅増となっている。
     その要因としては、(1)観光施設のリニューアル、(2)観光キャラバン隊によるPR、(3)映像作品による観光誘客の3点が上げられる。

  2. 藤沢市の現状と課題について

     藤沢市への愛着度については、市民アンケートで98%が好きと回答しており、定住意向についても97%が住み続けたいと回答している。また、株式会社読売広告社が実施した調査では、愛着、継続居住意向ランキングで全国1位となっているなど、市民からの強い愛着と定住意向がうかがえる現状である。
     一方、ブランド総合研究所が実施している地域ブランド調査では、魅力度199位、認知度205位となっており、都市としての認知度が低く、都市のブランド力の向上が課題となっている。

  3. ふじさわシティプロモーション推進方針について 

     藤沢市では、都市のブランド価値を高めることによって「知名度」や「存在感」が向上し、持続的に活性化していくことを目的とし、平成26年6月にふじさわシティプロモーション推進方針を策定した。
     主な推進方策としては、(1)統一的なプロモーション(市のイメージを端的に捉えたコンセプトを設定することによって、市の価値や優位性を明確にし、統一したプロモーションを展開)、(2)パートナーシップによるプロモーション(市民・関係団体・市民団体・企業等と行政が連携・協働し、パートナーシップによるプロモーションを展開)、(3)効果的な情報発信によるプロモーション(さまざまなターゲットを意識し、発信する内容等を的確に組み合わせ、情報を最適な形で伝達)の3点を上げており、中間年である平成28年度の見直しでは、その推進方策を強化している。
     現在は、第2期のふじさわシティプロモーション推進方針(2019年度から2023年度まで)を策定し、取り組みを進めている。

  4. 主な取り組み及び今後の取り組み予定について

     キャッチフレーズ「キュンとするまち。藤沢」やロゴマーク、公式マスコットキャラクター「ふじキュン♡」の制作や応援組織「ふじさわファンクラブ」の立ち上げ、「ふじさわシティプロモーションテーマソング&ダンス」の制作やプロモーションビデオの制作等をこれまでに行っている。
     また、今後の取り組みとしては、LINEスタンプの作成やインスタグラム等のSNSを活用したプロモーション、ご当地婚姻届の作成などを予定している。

  5. その他

     委員からは、シティプロモーションに取り組む前と後での変化について、公式マスコットキャラクターの名前の決め方について、流入人口のターゲットについて、関係人口をふやすための取り組みについて、シティプロモーション推進方針策定に至る経過について、新たに観光シティプロモーション課ができたことによる効果について等の質疑が行われた。

藤沢市視察の様子の画像
「藤沢市視察の様子」

熱海市 (2月7日)

【調査項目】

  • 行財政改革について

『市の概要』

  • 市制施行:昭和12年4月10日
  • 人口:3万6,559人(令和元年11月末現在)
  • 面積:61.78平方キロメートル

1.行財政改革について

  1. 行財政改革実施に至る経過について

     熱海市では、景気低迷等による市税収入の大幅な減少、社会保障費の増大などの影響を受けて、基金を取り崩しての厳しい財政運営を余儀なくされてきた。
     さらに、公営企業会計では一般会計からの繰入金が十分でなかったこと、適正な料金改定を長期に渡り実施しなかったことなどにより不良債務が増大するなどしていた。
     このままでは財政再生団体に転落することが必至であることを周知するため、平成18年12月に「財政危機宣言」を発表、平成19年度から23年度までの5カ年で財政を健全化するために取り組むべき事項を定めた「熱海市行財政改革プラン」を平成19年11月に策定し、財政健全化に向けた取り組みを行った。

  2. 主な取り組みと成果について

    (1)人件費の削減として、職員数の100名以上削減、特別職員・一般職員の給与カット、各種手当の見直し等を実施し、約10億3千万円の削減。
    (2)庁舎等建設事業、熱海駅前広場整備事業、中学校改築・耐震補強事業等の投資的事業の中断、見直しの実施。
    (3)在宅老人福祉事業、敬老の日記念行事事業、し尿収集事業等の事務事業の整理・廃止、民間活力導入により約2億6千万円の削減。
    (4)市税収納率を平成19年度80.5%から平成23年度84.9%へ向上。
    (5)粗大ごみ・可燃ごみ等のごみ処理の有料化により約3億円の収入増の実現。
    以上が、主な取り組みであり、その成果としては、(1)公営企業会計の資金不足(不良債務)額の大幅な圧縮、(2)基金残高の増加、(3)市債残高の減少、(4)金融機関からの一時借入金を抑制などが上げられる。また、得られた成果をもとに庁舎等建設事業や熱海駅前広場整備事業等の大規模プロジェクトに着手している。

  3. 熱海市行政経営指針について

     上記を初めとするさまざまな行政改革等への取り組みをこれまで行ってきたが、そのノウハウを活かしながら、自分たちの町の問題を一つ一つ解決につなげていくことで、市民の満足感や納得感を追及する「質の行政改革」を進め、熱海市役所を行政経営体へと変革させるために、新たに熱海市行政経営指針を策定した。
     「質の行政改革」では、以下の4つの項目を改革の柱に掲げ、その項目ごとに改革に取り組んだ。

    職員・組織(ヒト)の行政改革

    職員数の減少や業務の質の変化を踏まえた職員の行動や能力の改善と組織の改善を進める。

    事業・施設(モノ)の行政改革

    事務事業の改善、公共施設等の効率的管理運営及び民間資金を活用した事業実施を進める。

    事業予算(カネ)の行政改革

    受益と負担の明確化、投資効果の追求、財政運営の健全化を進める。

    知識(チエ・情報)の行政改革

    行政とは異なるヒトの知恵などを利用した効果的な政策立案や地域協働を進める。

  4. 主な取り組みと成果について

     項目ごとに、人材育成ビジョンの見直し、豊洲での移住促進イベントの実施、公社等外郭団体の解体、施設使用料金の見直し等の取り組みを行った。
     事業予算(カネ)の行政改革の部分では、公営企業会計における資金不足(不良債務)額が平成23年度の16.8億円から平成28年度にはゼロ円に減少、年度末基金残高が平成23年度の30億円から平成28年度には48億円に増加するなどの成果を上げている。

  5. 人事評価制度の運用状況等について

     職員・組織(ヒト)の行政改革の一環として平成28年度より人事評価制度の運用を開始している。
     評価方法は、自己評価、一次評価及び二次評価(上司による評価)の平均値を評価点とし、その評価点をもとにS・A・B・C・Dの評語を付与する形となっている。また、評価結果は本人にフィードバックされる仕組みとなっている。
     人事評価の処遇反映としては、上半期の評価結果を当該年度の12月の勤勉手当で加除し、下半期は翌年度の6月の勤勉手当で加除するとしており、加除については、評語がSで、かつ、評価点平均上位5%の者をプラス5%、評語がDで、かつ、評価点平均下位5%の者をマイナス5%としている。また、人事評価を人事異動の際の参考としている。
     評価結果が本人にフィードバックされたり、勤勉手当に反映されるため、自分を見つめなおす機会につながる、高評価者はモチベーションの向上につながる、いい加減な仕事ができなくなるなどといったメリットがある一方、評価者によって評価のつけ方に差が生まれる、主観的な評価になる恐れがある、低評価者はモチベーションの低下につながるなどどいったデメリットがある。

  6. その他

     委員からは、財政危機宣言を発表した経緯について、経常収支比率の推移について、観光客数・観光消費額について、公共施設等の基金について、勤勉手当を加除した際の影響額について、相対評価の導入について、職員採用試験の見直しについて、行財政改革を行った際の市民の反応について、職員数削減の手法について、見直しを行った手当について、解体した公社について等の質疑が行われた。

「熱海市視察の様子」
「熱海市視察の様子」