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宇治市議会(行政視察報告 令和8年度) 6

印刷ページ表示 更新日:2026年9月8日更新 <外部リンク>

総務常任委員会の行政視察報告

年月日: 令和8年8月18日(火曜日) ~ 8月19日(水曜日)
視察先: 浜松市(静岡県)、秦野市(神奈川県)
出席委員: 稲吉委員長、角谷副委員長、渡辺、大河、岡本、鳥居、佐々木の各委員
執行部: 福井市長公室長、大北政策企画部長

浜松市(8月18日)

【調査項目】

庁内データ分析基盤SaaSについて

『市の概要』

  • 市制施行:明治44年7月1日
  • 人口:77万5,238人(令和8年6月1日現在)
  • 面積:1,558.11平方キロメートル

1.庁内データ分析基盤SaaSについて

(1)取組状況と背景等について
1.背景等について
人口減少・高齢化による職員の不足、財源の縮小、制度の複雑化や住民ニーズの多様化など、自治体を取り巻く環境が変化しており、限られた人材・財源で行政サービスを維持し、新たに出てくる課題にも対応することが必要となる。今後は経験や勘に基づいた意思決定や政策判断を行うのではなく、EBPM(根拠に基づく政策立案)の考え方が重要となる。よって、浜松市では令和6年度に市独自でデータ分析基盤を構築し、令和7年度には自治体が共同利用できる分析基盤のSaaS化をつくば市と共同提案し、総務省の自治体フロントヤード改革モデルプロジェクトに採択された。令和8年度にはまちSHiRUの使用を開始した。
※SaaS…インターネット経由で利用するクラウド型のソフトウェア・サービス
2.導入効果について
令和6年度の独自導入時と令和8年度のまちSHiRU導入時を比較すると、SaaS化により導入経費が約26%削減した。また、令和6年度から始めていることからデータ分析の可視化のために作成されたダッシュボードが100を超え、庁内でもデータ分析の考え方が浸透してきた。なお、分析結果をエビデンスとして使用したケース数をKPIに設定しており、令和7年度は24件をエビデンスとして使用した。

(2)庁内データ分析基盤SaaSの事業概要について
市役所内で年金医療課では年金情報を、市民課では住基情報など、各部署でさまざまなデータを保有しているが、例えばデジタル・スマートシティ推進課が情報分析のために各課にデータ提供を依頼しても個人情報の関係などですぐにデータの提供を受けることは難しい。よって、庁内で保有しているデータを抽象化処理して、庁内部局横断で分析業務に活用できるようにすることがSaaSの目的である。
データの流れについては、住基データなどが毎月自動で連携アプリケーションを通じてBCL(自治体クラウドシステム)に送られ、送信データがマイナンバーカードに基づく場合は、ここで個人を特定できる情報の削除などを行い、部局横断で使用できるデータに加工する。構築環境はJ-LISのBCLを採用していることから個人情報の流出の心配はなく、接続はLGWANとなるので職員が自席で分析することができる。データ分析には総務省統計局も採用しているTableauを採用している。

(3)個人情報保護法との関係について
従来はEBPMでデータ分析などを行う際は個人情報の問題が壁となっていたが、総務省で政策立案等の目的で基幹業務データを統計加工して利用することが可能との整理がされたので、今回の取組が可能となった。

(4)データ分析基盤の活用想定について
住基データには地域や年齢、国籍などの情報があるので、その属性を可視化することで、外国人住民動態に基づく支援の検討ができたり、将来人口推計の活用も可能となるので、小・中学校などの公共施設の需要予測や適正配置の検討にも活用できる。実際に住基ベースの死亡数予測、給水区別人口予測、介護保険施設の需要予測による施設適正配置の検討、国民健康保険の被保険者推計、発券機導入による来庁者の分析、観光者・宿泊者数の分析などに活用している。

(5)課題について
データ分析活用の機運醸成と人材育成が課題となっている。現状ではデータ分析のライセンスをデジタル・スマートシティ推進課に集約し、担当課の相談を受けてデジタル・スマートシティ推進課でダッシュボードを作成しているが、Tableauハンズオン研修や市長・部長等の上席への活用紹介などを行うことにより課題解決に努めている。来年度からはAIの導入を検討しており、今後はAI活用による分析支援も見込まれる。

(6)その他について
委員からは、データのタイムラグについて、アーカイブの参照について、使用できる職員数について、ランニングコストについて、住民アンケートを処理する場合のデータフローについて、Tableauの費用について、Tableauは簡単に使うことができるのかについて、税情報などを連携すればさらに活用が広がると思うがどうかについて、障害や健康の情報を連携することへの考え方について、ガバメントクラウドとの関係について、SaaSでのデータ保管に係るセキュリティーについて、データクレンジング等の作業について、つくば市との共同提案であるが当初の経緯について、個人情報に係る総務省のQAを追記してもらってまで取り組んだ浜松市の熱量について等の質疑がなされた。

 浜松市

「浜松市視察の様子」​​​​

秦野市(8月19日)

【調査項目】

行財政調査会について

『市の概要』

  • 市制施行:昭和30年1月1日
  • 人口:15万9,346人(令和8年6月1日現在)
  • 面積:103.76平方キロメートル

1.行財政調査会について

(1)概要について
行財政調査会は、「秦野市附属機関の設置等に関する条例」に基づく、市長の附属機関であり、執行機関からの諮問に対して調査・審議し、その結果を答申、または意見を建議する役割を担っている。所掌事項は基幹計画の進行管理・評価並びに行財政経営・制度の最適化に関することである。
調査会は10名の委員で構成し、学識経験者や市長が必要と認める者の中から市長が委嘱する。任期は委嘱日の属する年度の翌年度末までで再任も可能である。

(2)はだの行政サービス改革基本方針実行計画について
秦野市では、人口減少や少子高齢化社会の中で市民生活や地域の営みを充実させる縮充社会の実現を目指し、令和3年度から「はだの行政サービス改革基本方針実行計画」を推進している。従来の歳出削減を中心とする量の改革から行政サービスの質的向上を重視する質の改革に重点を移したことが特徴である。
計画の体系は5つの改革の柱(仕事の改革、職員(ひと)づくりの改革、担い手をつくる改革、公共施設の改革、歳入・歳出面の改革)、8つの改革項目、57の具体的な取組で構成されている。
※縮充社会…人口が減少し、経済が縮小していく中であっても、地域の営みや市民生活が充実したものになっていく社会

(3)令和7年度評価及び総括評価報告書について
評価に当たっては、改革主管課による自己評価、庁内組織による内部評価に加え、行財政調査会が専門的な知見と市民の視点から外部評価を行っている。
令和7年度の評価は令和6年度の実績、令和7年度当初の取組状況、その後の見込みを基に評価するとともに、計画の最終年度として5年間の総括評価を行った。本計画では、PDCAサイクルを早め、取組年度中に評価を行い、その結果を踏まえて計画を柔軟に見直す仕組みを採用している。これを5年間継続した結果、ほぼ全ての取組が達成され、効果額を含む目標の達成度も高く、実効性のある計画として機能したと評価されている。

(4)第2期はだの行政サービス改革基本方針実行計画について
1.策定の趣旨について
はだの行政サービス改革基本方針実行計画での5年間の成果と課題を引き継いだのが第2期はだの行政サービス改革基本方針実行計画となる。令和3年度からスタートした秦野市総合計画の基本構想に基づき、縮充社会の実現をキーワードに行政改革を推進しており、今後も持続可能で安定した行政サービスを提供していくため、5つの改革の柱を掲げ、その方向を示している。本計画では、市民満足度や行政サービスの「質」を高める改革と行政のスリム化など「量」の改革の両面から取組を進め、相互に作用しながら全体の成果を高めていくよう各個別計画と連携して取り組んでいる。
2.位置づけと計画期間について
本計画は秦野市総合計画の基本構想と後期基本計画の下に位置づけ、第2期はだの行政サービス改革基本方針で示した改革の方向性を具体的な事業として実行するものである。計画期間は令和8年度から令和12年度までの5年間である。
3.第2期はだの行政サービス改革基本方針実行計画の推進体制について
各課による自己評価と庁内組織による内部調査を行った上で、行財政調査会において計画全体の総括的な外部評価を行うことにより、庁内だけで評価を完結せず、外部の視点を取り入れながら改革を進める仕組みとしている。評価結果は次の取組の推進につなげるとともに、市ホームページなどを通じて広く市民に公表している。
4.個別事業実行計画の推進体制について
市長を委員長とする行財政経営最適化委員会が外部評価の結果を踏まえ、新たな取組を含む実行計画の見直しを決定する。また庁内の最適化推進部会が内部評価や現状分析を行うとともに、各課は取組の実績、自己評価、改善を担当している。
5.目標設定と評価について
この計画ではEBPM(根拠に基づく政策立案)を推進するために、ロジックモデルの考え方を取り入れて、目標設定と評価を行っている。単に事業を実施したかだけではなく、その事業によって期待した効果が得られたかをできる限り具体的な手法によって評価する形としている。計画期間中の改革による目標効果額は一般会計で36.7億円を予定している。
6.進行管理について
各課の取組の後、4月から7月に自己評価、8月に内部評価、9月から10月に行財政調査会の外部評価を行う。10月から翌年2月に取組を見直し、予算へ反映した上で3月に計画の改定を行う。

(5)その他について
委員からは、学校水泳指導事業委託の取組内容について、市民の満足度増に向けて職員が重視して取り組んでいることについて、職員の満足度に対する評価手法について、PDCAサイクルを1年で回しているが予算反映のタイミングが最も繁忙なのかについて、デジタル化の推進に関する市の考え方について、委員の選任に関する市の方針について、行財政調査会に対する市民の意見・要望の状況について、行財政調査会で活発な議論をしてもらうための工夫について、ロジックモデルの考え方を取り入れた評価(効果)の具体的な内容について、行政としてはアウトプット・アウトカムのどちらを目標に設定しているのかについて、行財政調査会が調査する分野・計画の範囲について、行財政調査会の設置当初の経緯について、計画ごとに審議会を設けるのではなく行財政調査会で一体的に調査していることのメリットについて、行財政最適化委員会の設置当初の経緯について、行財政調査会の歴代委員の人選方法について、行財政調査会の取組に係る議会報告のタイミングについて等の質疑がなされた。

​​秦野市

「秦野市視察の様子」​