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宇治市議会(行政視察報告 令和8年度) 3
議会運営委員会の行政視察報告
年月日:令和8年5月25日(月曜日)~5月26日(火曜日)
視察先:足立区(東京都)、文京区(東京都)
出席委員:宮本委員長、渡辺副委員長、中村、大河、今川、岡本、稲吉、西岡、金ヶ崎の各委員
正副議長:木本議長、鳥居副議長
足立区(5月25日)
【調査項目】
議会改革の取組について
『区の概要』
- 区制施行:昭和7年10月1日
- 人口:70万6,421人(令和8年4月1日現在)
- 面積:53.25平方キロメートル
1.議会改革の取組について
(1)特徴的な取組について
(1)映像配信
ケーブルテレビとユーチューブの2つのチャンネルを使って生配信している。東京23区でケーブルテレビとユーチューブ両方で生配信しているのは足立区のみ。
(2)会議資料の閲覧
基本的に全ての資料をホームページに掲載している。議案書は定例会初日の6日前(議員への議案発送と同日)、質問通告書は定例会初日の前日、委員会資料は委員会終了後、速やかに公開している。
(3)会議録の速報版
従来は会議から1か月後をめどに公開していたが、それでは速報版にならないということで、現在は本会議及び予算・決算特別委員会では会議から7日から10日前後、委員会では会議から5日前後で公開している。
(4)会議の傍聴
基本的に誰でも、乳児でも傍聴できる。また、傍聴席での水分補給を委員会は令和4年から、本会議は令和7年から可能とした。
(5)傍聴に関するその他の取組
手話通訳者の派遣を無償で実施したり、音を聞き取りづらい方向けに難聴用磁気ループを設置し、受信機の貸出しも実施している。また、議会棟内の一室を託児室として活用し、傍聴者に対して本会議の映像及び委員会の音声を傍聴できるようにしている。
(6)住民参画に関する取組
令和5年から学生団体主催で中高生数十名が参加する「モギ区長選」を区議会にて開催し、議長や議員、教育長、選挙管理委員会委員等も参加している。議員はオブザーバーとして参加し、学生に向け講評を実施する等、主権者教育の推進に取り組んでいる。また、令和6年2月に議場コンサート(新日本フィルハーモニー交響楽団メンバーによる弦楽五重奏)を開催し、84名の定員に対し1,000名を超える応募があった。
(7)バリアフリー化
現在、車椅子の議員が2名いるため、議場や委員会室等、随所をバリアフリー化している。議場では、演壇の床をリモコン操作によって昇降できるよう改修し、車椅子に座ったまま発言できるようにしている。
(8)文書質問
議員の質問機会の拡充・確保を目的として、年に1回だけ、定例会会期中に文書により執行機関に質問することができる制度を導入している。テーマは2つまでで、1つのテーマにつき5項目まで質問可能。議長を通じて文書質問書を執行機関に提出し、回答期限は提出日から2週間程度。令和元年9月から導入し、現在まで計57件の実績がある。
(9)議会活動と育児等の両立支援策
議員研修会や議員連盟等の会議に原則1歳までの子供を同伴しての出席を可能とする、ベビーシッターの人件費、宿泊費、交通費等を議員が負担すれば、子供同伴の視察も可能とする、妊婦の議員は着席しての質問を可能とする、議員全員を対象としたハラスメント全般の研修を実施する等の対策を行っている。
(10)区議会ジュニアページ(区議会ジュニアハンドブック)の制作
令和7年3月、小学校高学年・中学生を対象に、区議会や選挙制度に対する理解と関心を高めるため、区議会ジュニアページをホームページに開設し、冊子も発行した。議会のことだけではなく、選挙に関する内容も盛り込み、選挙から議会のことまで、一冊で分かるものとした。教育委員会の指導主事や選挙管理委員会にも協力を得ながら制作し、冊子完成後は投票所や中学校・高校における模擬投票時に配布している。
(2)ペーパーレス化について
(1)導入までの経緯
平成27年6月に議会制度のあり方検討会を設置し、議会制度に関する様々な課題の検討を開始。平成30年4月にタブレット端末及び会議システムのサイドブックスの導入を決定し、令和元年9月からペーパーレス会議システムの運用を開始した。
(2)ペーパーレス化資料
本会議関係では、開会通知、議案書、質問通告書、委員会審査報告書等、委員会関係では、招集通知、次第、委員会資料、全員協議会資料、議会関連例規類集等、その他ほぼ全ての紙資料をペーパーレス化している。
(3)議案・委員会資料等の運用方法等
議案は本会議招集日の6営業日前、委員会資料は開催日の4営業日前に、執行機関から提出されたデータを事務局担当者がサイドブックスに掲載している。
(4)導入経費・運用経費
導入経費は、タブレット端末に約53万円、サイドブックスに約35万円。運用経費は、年間でタブレット端末(55台)に約335万円、サイドブックス(350ライセンス)に約113万円。
(5)実績
令和元年9月からペーパーレス化を実施し、初年度は削減枚数約6万7,000枚、ペーパーレス化率34.6%と非常に少なかったが、令和2年度からはペーパーレス化する資料を増やしていったこともあり、徐々に右肩上がりで増加し、令和7年度は約56万枚、66.4%となっている。
(3)ICT(AI)に関する取組について
令和8年3月、全議員を対象に、講師を招いてAIに関する議員研修会を開催した。研修会を開催したことを区議会だよりに掲載したが、その記事もAIが作成した。
また、議会事務局におけるAIの活用として、議事録作成における自動翻訳ソフトの活用、議会だより作成における要約、誤字脱字チェック、議員提出議案、意見書案等の草案作成における活用、議事運営における特殊事例発生時の対応方法の検索、先進事例調査における活用等が上げられる。
2.その他
ペーパーレス化率が66.4%になっているが、今紙ベースで残っているのは何なのか。ペーパーレス化するに当たり、まず何を導入して、どう拡大してきたのか。議員が審議・審査する際の受けとめ方は。会議録の速報版の実務は誰がして、決裁機構はどうなっているのか。文書質問における質問内容や答弁の共有化や市民への広報、位置づけは。質問通告書の出し方は。質問の順番の決め方は。委員長口述書もペーパーレスなのか。本会議の開会通知や議案書のペーパーレス化に当たり、議員から懸念を示されなかったのか。導入経費やレンタル料は議会費か。ペーパーレスを開始したそもそもの趣旨は。小学校高学年・中学生対象の区議会ハンドブックは、冊子を発行して配付したのか。ペーパーレスにしたものの、紙に戻ったものはあるのか。資料の作成や差し替えに係る職員の業務負担の変化は。当初想定していなかった課題や改善点は。議員や職員の習熟度のスピード感はどうだったか。タブレットの使用に対する勉強会の実施状況は。最終的にはペーパーレスを何%にする目標なのか。区当局もタブレットを見て答弁しているのか。タブレットがインターネットにつながらない、またバッテリーが切れた場合の対応は。オンライン会議の実施状況は。等の質疑がなされた。
「足立区視察の様子」
文京区(5月26日)
【調査項目】
ペーパーレス化の推進について
その他ICTの取組について
『区の概要』
- 区制施行:昭和22年3月15日
- 人口:23万6,683人(令和8年4月1日現在)
- 面積:11.29平方キロメートル
1.ペーパーレス化の推進について
(1)実施に至る経緯について
平成28年に当時の議長より、ペーパーレス化推進の発案があり、その後、令和2年3月まで、タブレット端末・通信料の費用負担(議会費か政務活動費か)やタブレット端末の在り方(貸与か個人端末使用か)を検討した。令和2年12月に各課題を再検討し、令和3年度当初予算の議会費に同一端末40台分(議員34台、事務局6台)のリース費用を計上した。
令和3年1月に情報通信端末使用ルール検討会を設置し、導入スケジュールやフォルダ構成、委員会での運営方法等の具体的な運用を検討。同年2月から3月にかけて、ペーパーレス会議システムにサイドブックスを選定し、また、貸与端末を10.9インチのiPadに決定した。
令和4年3月からタブレット端末を貸与し、全議員を対象とした操作研修を実施。同年5月の常任委員会からペーパーレスを試行し、同年11月定例議会から本格導入した。また、ペーパーレス化運用マニュアルを策定した上で、本格導入後も随時検討会を開催し、運用ルールを改善していった。
その後、令和6年2月から9月にかけて、次期リース端末について協議し、2分割で見るには画面が大きいほうがよい等の理由で13インチのiPadに決定した。
(2)費用について
令和8年度は、タブレット端末を当初より4台増やし、計44台分のリース料に245万5,200円、サイドブックスの使用料に99万円となっている。
(3)運用方法について
ペーパーレス化は議会の全ての会議を対象としており、原則全ての資料を対象としているが、予算書、決算書及び主要施策の成果については、ページを指定して質問する運用としているため、紙資料とデータを併用している。
サイドブックスには会議資料のほかにも、会議録や請願・陳情、会派の結成届等の各種様式、区議会の先例集や申合せ事項、23区議会が行った調査結果等を格納している。
委員会等運営の留意事項としては、タブレット端末の充電に関する取扱いや、紙資料の持ち込みを可とすること、委員会審査等で資料ページを指定するときはPDFデータ上のページ番号を指定すること、一般の傍聴者には従前のとおり紙資料を配付する等がある。
議会のペーパーレス化に合わせて、区の理事者側も議会対応のペーパーレス化を行っており、議員も理事者も同じ資料の見え方になるよう統一している。
(4)導入効果について
議会のペーパーレス化に合わせて理事者側も議会対応のペーパーレス化を行い、全庁的に紙使用量の大幅な削減が実現したほか、印刷等に係る職員の事務作業時間が軽減された。また、波及効果として、庁内各部署における資料のペーパーレス化が急速に進んだ。令和5年度に検証したペーパーレス効果としては、令和4年11月から令和5年10月の1年間で、議会関係資料として約40万枚、全庁的には約185万枚の削減となった。
また、サイドブックスに多様な資料を格納しているため、キーワード検索により、資料のアクセス、検索性が向上した。
(5)運用開始後の変更点、課題等について
セキュリティーの観点から、サイドブックスは貸与しているタブレット端末のみアクセス可能としていたが、PC等議員所有の端末からアクセスしたいとの要望があり、使用端末を事前に届け出る形式で利用可能とした。また、会派や議連の中で資料を共有したいとの要望があり、所属議員のみ閲覧・編集可能な会派フォルダ、議連フォルダを作成した。
委員会運営については、資料に通し番号を振ることや、理事者からの説明の際には資料を一つ一つ順番に開く形にする等を求めた。
その他、サイドブックスに格納している資料が議員のSNSに掲載されることが頻繁にあったため、情報公開手続きを経るよう注意喚起した。
2.その他ICTの取組について
(1)議会中継
本会議(一般質問、区長施政方針・所信表明)、予算・決算審査特別委員会を対象に、生中継・録画中継を文京区議会中継サイトで配信している。
(2)議員登退庁システム
令和6年度よりネットワーク型の議員登退庁システムを導入し、既存の表示盤をモニター表示に変更するとともに、議員がスマホやパソコン等でも登退庁状況を操作・確認できるようにした。登退庁状況は事務局、理事者も自席のパソコンで確認可能。また、システム導入に合わせて、会議開催情報もモニター表示に変更した。
(3)請願提出オンライン化
地方自治法改正を受け、令和6年5月よりオンラインでの請願提出を可能とした。提出方法は、まず請願者が請願書と請願入力確認チェック表を紹介議員全員にメールで提出し、紹介議員が内容を確認した上で区議会事務局にメールで提出する。紹介議員から区議会事務局へのメール提出をもって、請願を受理したものとしている。
(4)リアルタイム字幕
本会議場及び委員会室傍聴席でリアルタイム字幕システムを導入している。なお、本会議及び予算・決算審査特別委員会生中継においても、リアルタイムで字幕表示を配信している。
3.その他
タブレット端末の通信費の負担はどうなっているのか。アプリを入れる際の扱いは。招集通知等の取扱いは。登退庁盤の確認は部長級・課長級の職員も可能か。登退庁システムの導入費用は。申合せ等があるが、まだ課題となっている部分はあるか。予算書・決算書のペーパーレス化は難しいか。ペーパーレス化によって委員会審査の様子は変わったか。計画の冊子をペーパーレス化した際に、審査はうまくいっているのか。機器の扱いが不慣れな議員へのサポートは。一般質問や答弁はペーパーレス化しているのか。動画を使った質問はあったのか。動画を使っての質問の議論はあったか。サイドブックスのメモ機能やしおり機能はどういったものか。サイドブックスは容量に課題があるが、全ての資料を置いているのか。区当局は委員会審査等には紙資料を持ち込んでいるのか。等の質疑がなされた。
「文京区視察の様子」





