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宇治市議会(行政視察報告 令和8年度) 4
建設・水道常任委員会の行政視察報告
年月日: 令和8年5月27日(水曜日)~5月28日(木曜日)
視察先: 防府市(山口県)、周南市(山口県)
出席委員:服部委員長、金ヶ崎副委員長、中村、山崎、徳永、西岡、荻原の各委員
執行部: 松原技監、米田都市整備部長
防府市(5月27日)
【調査項目】
インクルーシブ遊具について
『市の概要』
- 市制施行:昭和11年8月25日
- 人口:11万2,254人(令和8年4月30日現在)
- 面積:189.37平方キロメートル
1.インクルーシブ遊具について
(1)概要について
誰もが共に遊べる環境の実現に向け、インクルーシブ遊具の整備を積極的に推進している。令和4年度にメバル公園(防災広場)へ3基(1,000万円)を設置した。
令和5年度には市内全小学校区の公園等へ65基(6,500万円)を整備した。
続く令和6年度からの3か年計画では、大平山山頂公園への設置を進めるほか、令和8年度完成予定の市内全小学校への導入(8,500万円)や、こども家庭センターへの整備(6,900万円)も進行中である。
県事業の補助金を活用した幼稚園、保育所等への支援、さらに自治会によるコミュニティー助成金を活用した設置事例もある。
(2)事業実施に至る背景について
第6次総合計画である「輝き!ほうふプラン」は第5次総合計画の成果を踏まえ、今後5年間に実施する事業を具体的に示したものである。その中で、未来を開く子供の育成は柱の一つであり、妊娠期から切れ目のない支援の構築や教育の町日本一を目指す方針が掲げられている。
市長は、子供たちが元気に育つ環境づくりへの強い思いと、子供の平等を重視する姿勢を示してきた。この平等という考え方が、特定の地域だけでなく、市内全小学校区でインクルーシブな環境を一斉に整備するという方針につながっている。地区による格差をなくし、市内全域で子供たちを積極的に応援する体制構築を目指している。
(3)主な取組及びその成果について
国のこども基本法や2050年カーボンニュートラル宣言の方針を受け、子育て支援と環境対策を融合させた「インクルーシブ遊具整備事業」を推進している。
事業の背景には、大平山での森づくりプロジェクト等の取組があり、市内全17小学校区の中でも子供が多い公園を対象に、木製のインクルーシブ遊具を設置することで、誰もが遊べる環境の創出を目指している。公園がない地域では自治会館の広場等を活用し、児童遊園や都市公園を優先しつつ、地域ごとの設置条件を丁寧に精査した。この事業は、令和5年度の当初予算において、子育て・子供応援及びカーボンニュートラル推進の重要施策として位置づけられている。
(4)今後の課題と取組について
次期総合計画では未来の扉を開く、子供の育成を重点に掲げ、子供視点に立った施策を未来への投資として推進している。行きたくなる学校・遊び場づくりを柱とし、インクルーシブ遊具の整備や、身近な公園から広域的な公園までをつなぐネットワークの構築を全市的に展開している。また、子育て支援のみならず、林業やカーボンニュートラルを見据えた2050年の森づくりプロジェクトや、大平山を活用した産業力強化にも注力している。大平山の景観やツツジなどの地域資源を生かした案内体制を整備し、市内外から人が集まる魅力的なまちづくりを継続・発展させていく方針である。
課題としては、資材の調達難や納期遅延が常態化する中、単年度での事業実施は困難となっており、債務負担行為の設定など、複数年を見据えた柔軟な計画策定が不可欠である。
また、施設等の整備拡大に伴う維持管理負担の増大を見越し、持続可能な財源確保と計画的な修繕を両立させ、安全・安心な公共基盤を維持しなければならない。既存遊具の更新においても、定期点検と利用実績のデータを基に客観的な優先順位を策定し、記録を確実に蓄積することで、効率的かつ安全な管理体制を構築する必要がある。限られた資源の中で、将来を見据えた持続可能な運営が強く求められている。
(5)その他
委員からは、令和8年度に各小学校に整備予定のインクルーシブ遊具の財源について、インクルーシブコーディネーターについて、小さい公園でも設置できるインクルーシブ遊具について、プロポーザルの手法及びインクルーシブ遊具に用いられる木材の指定について、インクルーシブ遊具導入後の維持管理について、インクルーシブ遊具で人気の高い遊具について、室内向け遊具について、屋内公園について、車いす用インクルーシブ遊具について、インクルーシブ遊具の使用方法の案内について等の質疑がなされた。
「防府市視察の様子」
周南市(5月28日)
【調査項目】
橋梁長寿命化修繕計画について
『市の概要』
- 市制施行:平成15年4月21日
- 人口:13万2,152人(令和8年4月30日現在)
- 面積:656.29平方キロメートル
1.橋梁長寿命化修繕計画について
(1)概要について
周南市橋梁長寿命化計画は、老朽化が進む市内の道路橋を安全に維持するため、予防保全型管理へ移行することを目的としている。具体的には、定期点検の結果に基づき橋梁の状態を的確に把握し、損傷が軽微な段階で計画的な修繕や補強を行うことで、橋梁の延命化を図っている。これにより、ライフサイクルコストの縮減と将来的な予算の平準化、並びに市民の安全・安心な通行の確保を目指している。
(2)計画策定に至る背景について
橋梁長寿化修繕計画は、平成24年度に橋長15メートル以上の橋梁を対象に策定され、平成26年度には全橋梁へと対象を拡大した。
これまでの計画は外部委託により県計画を踏襲してきたが、県と市では施設規模や財政状況等の諸条件が異なる。そこで、現場を熟知した職員が本市の実情に即した独自の取組を反映できるよう、令和2年度に直営での計画更新を敢行した。さらに令和4年度には、新技術の導入や、集約化・撤去の考え方を追加した。
(3)主な取組及びその成果について
ついで活動とは「現場確認した“だけ”、掃除する“だけ”は、移動時間を考えるともったいない。現場確認した“ついで”に清掃することで橋の機能を少しでも回復させる。」活動である。こうした延命化活動の一環として、職員による点検時に、浮きコンクリートの叩き落し、鉄筋の簡易防さび処理、ガードレールの防さび・美観向上、水切りの設置など、自分たちでできる補修を行って橋の長寿命化を図っている。
地方の道路管理者には専門家が少ないのが現状であり、まずは橋に親しむことで苦手意識を少しずつ克服していくことが大切である。現場の現状をしっかりとチェックし、それを計画に反映させることで、インハウス(自組織内)でのメンテナンス体制を更新している。
(4)今後の課題と取組について
第3次周南市まちづくり総合計画に基づき、インフラマネジメントの推進を本格化。第1フェーズでは、橋守隊による市民理解の促進や予防保全への転換、インフラストックの適正化を当たり前の姿として定着させた。これに加え、令和7年度までは国交省支援事業を通じ、新技術活用によるメンテナンスの生産性向上を図った。山口県・下松市・光市との広域連携による「群マネ」と、令和8年度開始の「インフラマネジメント事業」で第2フェーズへ移行し、事後保全から「予防保全」「集中投資」「トリアージ」「DX」を組み合わせた手法へ転換した。予防保全を基本としつつも柔軟な管理を行っている。
(5)橋守隊について
行政・民間技術者・教育関係者が連携し、インフラメンテナンスを日常生活の延長として捉える市民参加型の活動である。堅苦しい行政手続きを避け、清掃や補修体験などのアクティビティーを楽しさと結びつけることで、子供から大人までが能動的に学び、インフラの現状や重要性を共有している。
この活動は、他人事だったインフラ維持を自分事へと変え、市民と管理者の間に良好なコミュニケーションを生み出している。将来の土木技術者を育むとともに、地域全体でインフラを守る文化を醸成し、持続可能なメンテナンスの仕組みとしてみんなごとに昇華させることを目指している。
(6)その他
橋守隊のメインターゲットが子供ということで学校との連携があるのかについて、山口県・下松市・光市と連携するに当たり意思疎通を図る上で調整の難しさ、苦労があったかについて、橋守隊の職員の休日出勤について、点検業務を進めることで地元建設業者の受注機会が減少することに対する懸念について、塩害対策のメンテナンス技術等について、職員の資格取得について、広域連携について、職員の意識向上を図る上でどのような研修等を実施しているかについて、土木職員の転職について、長寿命化計画の策定を外部委託から直営にしたことによるメリットについて等の質疑がなされた。
「周南市視察の様子」





