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宇治市議会(行政視察報告 令和8年度) 1
総務常任委員会の行政視察報告
年月日:令和7年5月18日(月曜日)~5月20日(水曜日)
視察先:大和市(神奈川県)、川崎市(神奈川県)、豊島区(東京都)
出席委員:稲吉委員長、角谷副委員長、渡辺、大河、岡本、鳥居、佐々木の各委員
執行部:山田危機管理監、大北政策企画部長
大和市(5月18日)
【調査項目】
文化創造拠点シリウスについて
『市の概要』
- 市制施行:昭和34年2月1日
- 人口:24万5,209人(令和8年4月1日現在)
- 面積:27.09平方キロメートル
1.文化創造拠点シリウスについて
(1)運営の概要について
運営は株式会社図書館流通センター(1~5階、図書館の管理・運営)、サントリーパブリシティサービス株式会社(1階ホールの管理・運営)、株式会社小学館集英社プロダクション(6階、貸館業務)、株式会社明日香(3階、こどもの国の管理・運営)、株式会社ボーネルンド(遊具の提供)、横浜ビルシステム株式会社(清掃・メンテナンス・警備)の6者で共同企業体「やまとみらい」を組み運営している。ただ、「やまとみらい」は法人格がないため、代表企業である株式会社図書館流通センターが行政との契約締結を行っている。
(2)建設の経過について
平成22年に基本計画を策定し、平成23年にパブリックコメントを行った。パブリックコメントでは341件の意見が出され、ホールは1,000席以上、環境に配慮した建物とするなどの意見があった。行政は提出された意見をまとめ、平成24年に業者選定し、清水建設株式会社が施工を行った。平成26年7月に着工し、平成28年7月に竣工、平成28年11月3日に開館を迎えた。
管理・運営を行う指定管理者である「やまとみらい」は平成27年3月議会で議決され、決定した。
(3)施設の特徴について
特徴が2点あり、1点目は全館が図書館であること。全ての図書にICタグを装備し、シリウス内であればどこで図書を閲覧してもよく、5階の図書を1階のカフェで読んだり、会議室に持ち込んだりできる。貸出しは各階の自動貸出機により、利用者自身が手続をすることで自宅に持ち帰ることができる。
2点目は市民の居場所づくりに取り組んでいること。シリウス館内は図書館部分を含めて多少の会話と蓋つきの飲み物の持込みを許可しており、食事も4階と6階の屋外テラスと2階の市民交流ラウンジ(有料)、6階の市民交流スペースで可能としている。図書閲覧席もシリウス内に1,000席を設けており、居心地のよい居場所づくりと本と出会える空間づくりを目指している。施設の利用ルールはあまり厳しくなく、利用者のマナーに委ねられており、それが居心地のよさにつながっている。
(4)施設の概要について
シリウスの各階にコンセプトを設けており、図書もそのコンセプトに応じたものを各階に配架している。1階は「感動が生まれる感性と創造の場」として、1,007席のメインホールと272席のサブホールのほかに、可動式パネルを備えたギャラリーがある。2階は「楽しく語り集う市民交流のフロア」として、85席の市民交流ラウンジ(有料)を設けている。通常の閲覧席との違いは有線LAN、専用の電源・印刷スペースを設けており、セカンドオフィスとしての利用が可能である。その他、大和市役所大和連絡所、大和市イベント観光協会が入っている。3階は「思い切り遊んで学ぶ大和こどもの国」として、3歳から小学校2年生を対象とした親子の遊びの広場「げんきっこ広場」(有料)があり、専門スタッフが様々な遊びを提案している。その他、子供に特化した施設としてゼロ歳から2歳を対象としたちびっこ広場や相談室、保育室のほか、楽器演奏やコーラスに適した大・中・小の3つのスタジオがある。4階は「くつろぎながら本に親しむ健康都市図書館」として、健康コーナーや健康テラスがあり、毎日、何かしらの健康イベントを実施している。健康度見える化コーナーでは自由に健康器具が利用できるほか、毎週木曜日には管理栄養士や保健師が常駐し、健康相談を受けることができる。5階は「調べて学ぶ図書館」として、読書室があり、館内で唯一静かな環境で読書ができる部屋となっている。6階は「仲間と集い学ぶ生涯学習センター」として、予約なしで利用できる218席ある市民交流スペースぷらっと大和がある。その他、講習室、調理実習室、会議室、文化創造室、和室などがあり、大和市役所図書・学び交流課が入っている。
(5)その他
委員からは、6つの事業者が共同で運営している難しさについて、敷地内に神社があることについて、過去に計画されていた住居部分がなくなった理由について、維持管理経費について、にぎわっているがゆえの土日の空席の問題など今後の課題について、32者が所有していた土地の取得方法について、整備費について、整備費のうち国や県の補助金等について、事業実施を決断したのは市長の考えかについて、施設使用料は他の6施設と同程度の設定なのかについて、施設前の道路(プロムナード)の幅が広いことの経過とプロムナードを活用したイベントの実施等について、当初の指定管理者募集時には行政側が音頭を取ってジョイントベンチャーを組んだのかについて等の質疑がなされた。
「大和市視察の様子」
川崎市(5月19日)
【調査項目】
災害時のAI・SNSによる情報収集と発信について
『市の概要』
- 市制施行:大正13年7月1日
- 人口:156万1,800人(令和8年4月1日現在)
- 面積:144.35平方キロメートル
1.災害時のAI・SNSによる情報収集と発信について
(1)災害発生時の初動対応について
災害対策本部の初動対応は災害対策本部規程に定められている班ごとに対応する。災害システム班は広報活動を担っており、市民への広報として、コールセンターや防災行政無線の運用を行うほか、議員や報道に対する広報活動として、議会への提供資料や報道発表資料の作成、ホームページの更新を行っている。また、防災ポータルサイトやスマートフォンで確認できるアプリの運用のほか、SNSとして市の公式Xやライン、メールニュースかわさき(メールマガジン)の発信を行っている。初動時の発信内容は災害対策本部の立ち上げ状況や避難指示などで1時間をめどに情報を集約し、新たな情報を発信するよう努めている。
(2)市民が災害時に情報を入手する方法について
市が発信する情報提供のチャネルを増やし、市民が複数の情報入手方法を組み合わせることで効果的に情報を得ることができるようにしている。また、啓発班が通常時から「備える。かわさき」を発行し、情報入手方法の啓発に努めるとともに、「備える。かわさきマガジン特別号」を年3~4回発行し、災害時の備えを啓発している。
情報入手方法は13のチャネル((1)同報系防災行政無線〔屋外スピーカー〕、(2)同報系防災行政無線〔戸別受信機〕、(3)防災テレホンサービス、(4)メールニュースかわさき「防災気象情報」、(5)エリアメール・緊急速報メール、(6)かわさき防災アプリ、(7)川崎市防災ポータルサイト、(8)川崎市ライン公式アカウント、(9)川崎市危機管理本部公式X、(10)かわさきFM、(11)防災ラジオ、(12)地上デジタル放送、(13)ケーブルテレビ)を用意している。
(3)総合防災情報システムについて
1.情報収集について
AIが目を見張る進化を遂げていることから、令和元年度から総合防災情報システムの構築を検討し、令和3年度から本格稼働した。稼働後はシステムのSNS等被害確認機能を活用し、インスタやXなどのSNS上に上げられた災害等の情報を収集して、AIにデマ情報などの取捨選択をさせた上で、1時間ごとに被害状況をまとめており、この情報を第一報として捉え、初動対策班が情報の正確性を確認した上で初動対応に当たっている。
被害情報の取りまとめは、本来は現場確認後に被害情報等をシステムへ入力して情報を集約すべきであるが、大規模災害発生時は職員が参集しづらいこともあり、SNSから広く情報を収集するこの機能は有益である。
また、かわさき防災アプリは市民へ情報発信するほか、職員が貸与されている公用スマートフォンから現場でアプリに直接被害状況を入力することが可能となっており、早期の情報集約に役立てられている。また、平時はアプリを活用して職員へのeラーニング研修を実施している。
2.情報発信について
情報発信は13のチャネルがあるが、市公式Xを主に活用しており、災害時だけでなく、平時から防災の啓発、気象情報などを発信している。災害発生時には防災ポータルサイトで緊急情報、避難所開設情報などを発信している。
(4)同報系防災行政無線について
市内334基の計画で進めてきた屋外スピーカーの設置は令和8年度の4基をもって終了する。設置は避難所である小・中学校や駅前、大きな公園、土砂災害警戒区域を中心に、近隣町内会長の了解を得る中で進めてきた。ただ、スピーカー頼みの広報では、電波状況や風雨の音により聞き取りづらい場合があるため、情報は同報系防災行政無線を含めた13のチャネルを組み合わせて複合的に得てもらうよう市民に広報している。
戸別受信機はメーカーの製造が中止されたことから、更新はしておらず、令和7年度からは防災ラジオを導入し、戸別受信機の代わりに、原則、65歳以上、または障害者手帳を持っていて、スマートフォンを持っていない世帯に900台を無償貸与した。令和8年度も2,000台を準備している。
(5)その他
委員からは、公用スマートフォンの貸与人数について、情報発信として13あるチャネルの利用実態の把握について、同報系防災行政無線の更新費用等について、防災アプリのダウンロード数について、公式Xのフォロワー数増への取組について、情報発信ツールが多いことによる発信作業の煩雑さについて、同報系防災行政無線の防災以外の活用方法と運用について、戸別受信機の運用は終わるのかについて、メールマガジン等の運用状況と発信の仕組みについて、行政が災害状況を確認する方法について、総合防災情報システムへの入力権限について、総合防災情報システムの導入及び保守の費用について、新総合防災情報システムということは旧システムは全く別の物であったのかについて、防災アプリと防災ポータルサイトは総合防災情報システムの一部なのかについて、防災アプリに災害時に市民が入力できる機能があるがその運用について、公式ラインの情報を限定している理由について、基本方針を定めた上で情報発信チャネルを増やしてきたのかについて、多言語対応のチャネルの状況について、観光客に対する即応性のある災害情報の発信について等の質疑がなされた。
「川崎市視察の様子」
豊島区(5月20日)
【調査項目】
としまエコミューゼタウン(PREの活用)について
『区の概要』
- 区制施行:昭和7年10月1日
- 人口:29万6,034人(令和8年4月1日現在)
- 面積:13.01平方キロメートル
1.としまエコミューゼタウン(PREの活用)について
(1)庁舎建て替えの経緯について
平成27年に池袋駅から徒歩5分の場所から現庁舎の場所へ庁舎移転して運用を開始した。旧庁舎は昭和36年に完成し、総工費4億3,000万円、総面積が1万3,000平方メートル、地下1階、地上4階で当時は都内3番目の大きさの庁舎であった。高度成長期を迎えて区の業務が膨らみ、本庁舎だけでは業務が賄えず、別館や分庁舎A・Bなどの建物が増え、区民の利便性が悪くなったほか、老朽化も進み、平成23年の東日本大震災の際には庁舎に被害が生じ、特に分庁舎は被害が大きく使用に堪えない状態となった。
よって、平成8年に庁舎建て替えの計画があったが、財政難で庁舎建設基金を使い果たし、庁舎の建て替えは必要だが予算が確保できない状況に追い込まれた。
(2)新庁舎建設の流れについて
新庁舎の整備では、平成15年に公共施設再構築の検討の中で新庁舎候補地が3か所選定された。旧庁舎地での建て替えも検討されたが予算確保が困難なことから、平成21年に旧庁舎の土地を定期借地として貸し出し、収入を得ることと、移転先を学校や児童館のあった南池袋2丁目の再開発地区とすることに決定した。結果として、定期借地権の収入をもって、実質的に経費ゼロで新庁舎の建設を行った。平成23年には施工業者を決定し、平成27年5月に新庁舎開設となった。
移転先となる再開発地区の市街地再開発事業は、平成16年に開発事業協議会を設立し、平成21年に都市計画決定を告示、平成22年に市街地再開発組合の設立が認可された。
(3)新庁舎等の概要について
新庁舎は1階の一部と3~9階、住宅が11~49階となる複合施設となっている。敷地面積は約8,324平方メートル、規模は地下3階・地上49階で、延床面積の約9万4,750平方メートルのうち、新庁舎占有部分は約2万5,500平方メートルとなっている。建物用途は庁舎・店舗・事務所・共同住宅・駐車場である。
維持管理については、住宅部分の管理がブリリアタワー池袋住宅管理組合、庁舎・店舗・事務所の管理がとしまエコミューゼタウン非住宅管理組合、全体を管理するとしまエコミューゼタウン全体管理組合の3管理組合をもって管理している。
(4)新庁舎等(市街地再開発事業)と旧庁舎地区の資産活用について
新庁舎として必要な庁舎床の約2万5,500平方メートルのうち、約1万700平方メートルを権利床として、市街地再開発地区(新庁舎建設地)の従前資産である小学校・児童館と権利変換して取得し、残りの庁舎床、約1万4,800平方メートルを旧庁舎地の定期借地権によって得た191億円のうち、135.9億円を使って保留床として新たに購入した。定期借地権で得た地代の残額は約55億円で、新たな起債を発行することなく新庁舎を整備することができた。
(5)新旧庁舎を中心としたまちづくりについて
旧庁舎跡地は、映画館・芸術文化劇場・ライブ劇場・オフィス棟などからなるHareza池袋としてにぎわっており、旧庁舎周辺と新庁舎周辺の2か所を南北区道で結ぶ「ダンベル型のまちづくり」で町の回遊性を高めているほか、旧庁舎周辺エリアにある中池袋公園、新庁舎周辺エリアにある南池袋公園、池袋駅西口にある池袋西口公園の3つの公園を拠点にして緑豊かな公共空間を形成するグリーンループ構想に取り組んでいる。
(6)その他
委員からは、定期借地権の契約に係るスライド条項などの有無について、ランニングコストの見込みと旧庁舎時との比較について、分譲マンション購入者への市役所撤退のリスク説明について、事業スキームは民間事業者が提案したのかについて、旧庁舎跡地の活用と新庁舎建設は一体のものとして取り組んだのかについて、事業全体の設計及び取りまとめは区が行ったのかについて、定期借地権の公募の手法等について、定期借地権の公募の際にまちづくりのイメージをどのように募集要項等で表現したのかについて、定期借地権の契約に当たっての議会の議決について、分譲マンション下に区役所が入っていることに対する住民の意見について、公共施設の整備時には在住者や通勤者などの人口スケールを意識して対応することについて、新庁舎建設地地権者の建設前後での意見の変化について、建設時にZEBReadyの認証を取得したことについて、分譲マンションの入居率について、分譲マンションにおける相続問題や外国人への転売リスク等について、財政難となった原因について、小学校統廃合の経過がある中で最近は人口増に転じているが現在の小学校の状況について等の質疑がなされた。
「豊島区視察の様子」





