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【イベントレポート】いと楽し!紫式部デー in 源氏物語ミュージアム

更新日:2024年4月26日更新 印刷ページ表示

「コテンラジオ」公開収録の様子

歴史・文学ファンが『源氏物語』の聖地で平安時代に思いを馳せるひととき​​

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 令和6年3月17日(日曜日)に、全国から歴史・文学ファンが『源氏物語』の聖地・宇治市に集結しました!イベントの概要から当日の雰囲気、そして参加者の声をレポートします。

 この催しは、大河ドラマ『光る君へ』放送を契機に宇治の歴史・文化・観光の魅力を発信する「紫式部ゆかりのまち宇治魅力発信プロジェクト」の一環として行いました。会場は、宇治市が世界に誇る『宇治市源氏物語ミュージアム』(以下、源氏物語ミュージアム)。高倍率の抽選をくぐり抜けた当選者の皆さんが駆けつけました。

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 源氏物語ミュージアムは、古典文学の最高峰と称される『源氏物語』の世界を体感しながら、平安時代の文化を学び親しむことができる、世界でたった一つの専門博物館です。

 今回のイベントは3つのコンテンツ、「歴史キュレーションプログラム『コテンラジオ』の公開収録」、「なりきり平安装束体験」、「雅な平安貴族との撮影の宴」で構成。それぞれご紹介します。

ファン堪能!「歴史キュレーションプログラム『コテンラジオ』の公開収録」

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 14時から、Apple Podcastランキング 歴史カテゴリ1位の歴史キュレーションプログラム「コテンラジオ」の公開収録が行われました。コテンラジオは2018年から始まったコンテンツですが、実は公開収録が行われたのはわずか2回。数少ない貴重な機会を逃すまいと、北は北海道、南は沖縄まで応募者多数の中から、抽選で選ばれた約80人が会場に詰め掛けました。ちなみに応募総数は500名以上、コテンラジオの人気ぶりがうかがえますね。

 拍手の中登場したのは、コテンラジオの樋口聖典(きよのり)さん、深井龍之介さん、ヤンヤンさんこと楊睿之(ようえいし)さんの3人(写真上 左から)。宇治に来るのは今回が初めてだそうで、最初に宇治の印象を聞かれると、「雰囲気と香りがいいところっぽい」と、ふんわりした回答で会場はひと笑い。その後「いとおかし、源氏物語。紫式部が紡ぐ宮廷恋模様」をテーマに、トークが繰り広げられました。

 トークは終始、当時の貴族社会の考え方や社会構造など、時代背景の説明を織り交ぜながら行われたため、今まで何となくそういうものなのだろうと受け止めていた描写も、「そういうことだったのか」「だからこう描かれているのか」と、本当の意味で理解できる内容に。
また、輝く才能と容姿をもちながらも臣籍降下した光源氏を、「設定もりもりの世界最強のイケメン。アイドルでいうと絶対センターで踊らせてもらえないけれども、グループナンバーワンの人」と表現するなど、現代の感覚に落とし込んだユニークな解説で、会場は盛り上がりました。

 深井さん・ヤンヤンさんの幅広い知識と、進行および聞き手役の樋口さんの絶妙なコメントで、予定された2時間はあっという間に過ぎ、最後は質問タイムとフリー撮影タイムに。来場者から飛び交う「樋口さん、ポーズを変えてくださーい」「ヤンヤンさん、メガネをとってー」などのリクエストに、3人が笑いながら応えるという和やかな雰囲気の中、公開収録は終了しました。

 今回の収録は「コテンラジオ」のPodcastやYoutubeで配信予定です(時期未定)。ぜひ、チェックしてみてください。

気分は平安貴族!「なりきり平安装束体験」

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 「なりきり平安装束体験」のコンセプトは、「源氏物語の聖地で、平安時代の装束に身を包み平安貴族になりきってもらおう」です。平安時代の文化をこよなく愛するSNSインフルエンサーの皆さんが衣装の監修およびマイ衣装の貸し出し、さらに着付けに至るまでご協力くださいました。

 早速着付けスタート。インフルエンサーの皆さんが着付け師となり、ものの10分、手際よく行います。少し緊張したおももちで完成を待つ参加者さんでしたが、完成した姿を鏡で見ると皆さんニッコリ!着替えてすぐ館内へ繰り出し、源氏物語ミュージアムのシンボル、牛車の前で記念撮影をしました。

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 地元宇治市からご参加くださった田中さんご夫婦(上写真)。お二人とも、とっても衣装が似合っています!まるで源氏絵巻から飛び出してきたかのよう~。

 写真左は「小袿(こうちき)」。高貴な女性の普段の着こなしで、外出時はこのように裾を上げます。このスタイルを壺装束と言います。帝の前に出るときのみ華やかな十二単「(じゅうにひとえ)」を着用していたんだとか。ちなみに十二単は后妃たちに仕える女房たちのお仕事着でもあります。

 上写右は、「狩衣(のうえ)」。男性貴族の外出着です。もともと鷹狩りの際に着ていた活動しやすい衣服で、今でいうところのスポーツウェアやポロシャツなどのカジュアルウェアみたいなもの。烏帽子(えぼし)はプライベートでかぶります。

 田中さんご夫婦は、コテンラジオの公開収録&平安衣装体験を応募。なんと、ダブル当選した、豪運の持ち主でした!!「平安装束は思ったよりも軽く、機能的で着心地がいい。これを着て平安貴族が生活していたんだな~と、リアルに感じられてテンションがあがりました」とコメントをいただきました。

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 続いて感想をおうかがいしたのは、隣町の京都市伏見区からご参加くださった田中さん親子。

 「子どもの頃から漫画『あさきゆめみし』の大ファンで、実は“平安女子”なんです」と教えてくれたお母さま。「娘たちも漫画が大好きだから、ぜひイベントに参加してみたいと思いました。人気ドラマのロケ地にもなった源氏物語ミュージアムに来ることができてとてもうれしいし、参加費もお手頃でありがたかった」とお話をしてくださいました。

インフルエンサーと記念撮影も!「雅な平安貴族との撮影の宴」

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 「雅な平安貴族との撮影の宴」では、華やかな平安衣装を身にまとったインフルエンサーさんたちが源氏物語ミュージアム各所に出没。来館者の皆さんとの記念撮影で大盛り上がり!平安時代へタイムトリップした気分を楽しむことができました。
 京都出身で平安文学の研究者でもある六畳院(ろくじょういん/上写真)さんを中心に全国から精鋭5名が集結しました。

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 平安文学を研究する人間にとって、まさにここは“聖地”だと話す六畳院さん。御簾(みす)越しに光源氏や薫、匂宮が女性を見る『垣間見(かいまみ)』は、物語に何度も登場する代表的な場面なんだとか。

 「この垣間見というシチュエーションを見事に再現している展示(上写真)が本当に素晴らしいですね。今日は昔からの夢が叶った日でした。この場所で、平安装束を身に着けて垣間見体験できる日が来るとは感慨深いです。このような特別な場所で心強い仲間と一緒にイベントができたことがすごくうれしかったし、記念すべき日となりました」と六畳院さん。

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 さらに六畳院さんはこう続けます。「鎌倉、室町、安土桃山、江戸時代にもそれぞれの平安装束というものがありました。いつの時代も平安時代の装束を規範にトレンドが変遷していて興味深いです。本日が現代の平安装束であっていいんじゃないかなと。平安の文化がいつの時代の日本人に、憧れる文化でありつづけていることを、今回の大河ドラマを通じて多くの人が気づくきっかけになってほしいですね」。

さいごに

 紫式部デーには、『源氏物語』の聖地うじにたくさんの歴史・文学ファンが集まり、平安時代に思いを馳せるひとときを過ごしました。参加者はイベントを通じて紫式部の人間性、時代背景に思いをはせる機会となり、また源氏物語が描く貴族社会の風俗や情景を追体験し、その深い世界観に触れることで、日本文学の精華である『源氏物語』の魅力を再発見しました。

 


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