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【イベントレポート】「平等院で聴く能《融》―素謡と舞囃子による上演―」

更新日:2024年3月31日更新 印刷ページ表示

日本が世界に誇る演劇「能」で触れる『源氏物語』の世界​

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 令和6年2月11日(日曜・祝日)、能楽に触れるイベント「平等院で聴く能《融》―素謡(すうたい)と舞囃子(まいばやし)による上演―」を開催しました。会場となったのは世界遺産・平等院の塔頭、浄土院本堂。会場には応募総数640を超える中から抽選で選ばれた94名が参加しました。イベントの概要から当日の雰囲気、そして参加者の声をレポートします。​

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 「能」は650年以上の歴史を持つ、日本が世界に誇る演劇のひとつ。今回は参加者の皆さまに能の台本を舞台上で謡い舞う素謡や、謡と囃方の演奏に合わせて舞う舞囃子を通して、能楽に触れていただきました。

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 出演は、京都で謡をつないできた京観世五軒家のうち唯一残る林喜右衛門家の十四世当主・林宗一郎さん(能楽観世流シテ方)はじめ、能楽観世流シテ方7名、囃子方4名、計11名の豪華な顔ぶれです。素謡や舞囃子では、能面や装束は用いず、紋付袴姿で登場します。

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 主な演目は、世阿弥の名作《融》。前半は素謡、後半は舞囃子で上演されました。この作品は光源氏のモデルの一人としても知られる左大臣源融を主人公とし、源融の邸宅であり、光源氏の邸宅のモデルと言われる六条河原院が荒廃したあとのお話。源融の霊が現れ、ここでの暮らしや京都の名所について語り、最後には月の都へ帰っていくというストーリーです。ほかにも『源氏物語』宇治十帖の最後を飾るヒロイン《浮舟》や、平等院にゆかりをもち、源平合戦で果敢に平家一門に立ち向かった《頼政》など盛り沢山な内容でした。

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 素謡からは言葉の持つ美しさを感じることができたり、仕舞や舞囃子からは舞手の個性がうかがえたり、またハイライトシーンを凝縮して鑑賞することができたりと、興味深く能を拝見することができました。

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 また途中、司会進行を務める能楽観世流シテ方田茂井廣道(たもいひろみち)さんによる、初心者にもわかりやすく面白い能の解説や、囃子方4名による能楽囃子のワークショップで、会場は和やかなムードに。浄土院本堂のご本尊が見守る厳かな雰囲気の中、演者の皆さんを間近に、臨場感をたっぷりと味わえる貴重な公演となりました。また、ご当地感満載の演目で、歴史ロマンに浸り思いを馳せることができました。

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 会場には能面や能装束、扇の展示も。特に印象深かったのが能装束です。こちらは今も京都の西陣で織られている西陣織。能装束の中でも特に豪華で代表的なのが唐織です。『源氏物語』を彷彿とさせる優雅なデザインの装束が展示されていました。

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 上演終了後に参加者の方に感想をお伺いしました。

 平等院の近くにお住まいの堀内さんご夫婦。今年1月に京都テルサで行われた『光る君へ』初回放送パブリックビューイング&トークショー会場で配布されたチラシがきかっけで応募されたそう。「初回放送のパブリックビューイングもかなり抽選倍率が高かったと聞きましたが、こちらのイベントも大変人気だったようで。運を使い果たしちゃいましたかね(笑)」。続けて感想を伺うと「能を何度か見に行っているが、これほど間近に見たことがなかったので大迫力でとても満足。解説もわかりやすくてとてもよかったです」。さらに「大河ドラマをきかっけにもっとたくさんの方に地元・宇治を知っていただけると嬉しいですね」とお話をしてくださいました。

【用語解説】
素謡・・・一曲すべてを所作や囃子を使わず、着座し、謡のみで上演する。
独吟・・・曲の一部を一人で謡う。
仕舞・・・曲の一部を能面・装束を用いず、紋付袴のままで舞う。
舞囃子・・・一曲の中で見せ場を、囃子方の演奏と謡に合わせて舞う。能面・装束を用いず、紋付袴のままで舞う。

 

 


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