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第7回 市民と市長の対話ミーティングを開催しました (テーマ:認知症の人にやさしいまち・うじを目指して)

印刷ページ表示 更新日:2019年11月5日更新 <外部リンク>

第7回 市民と市長の対話ミーティング 開催結果

 市民と市長の対話を通し、市民参画・協働を推進するとともに地域力の向上を図り、新しい宇治に向けたまちづくりを推進することを目的とした「市民と市長の対話ミーティング」を実施しております。

 第7回目の今回は、参加者の皆さんにコーヒーをお出しし、認知症カフェの雰囲気を感じていただきながらミーティングがスタートしました。「認知症の人にやさしいまち・うじを目指して」をテーマに、さまざまな立場の皆さんにご参加いただき、活発な意見交換が行われました。

日時

平成26年11月22日(土曜日)午後2時~3時30分

場所

イサク事業所 どうほうの家second

ミーティング参加者

勝谷 幸子 様 (宇治市介護者(家族)の会会員、公益社団法人認知症の人と家族の会京都府支部世話人)

桂 淑子 様 (南宇治地域包括支援センター職員)

佐野 友美 様 (中宇治地域包括支援センター認知症コーディネーター)

高林 実結樹 様 (NPO法人認知症予防ネット理事長)

中西 俊夫 様 (公益社団法人認知症の人と家族の会会員)

中西 美幸 様 (公益社団法人認知症の人と家族の会会員)

橋本 光仁 様 (デイサービスセンターくりくま職員)

松川 照代 様 (宇治市介護相談員)

森 俊夫 様 (京都府立洛南病院副院長)

市長挨拶

 次のとおり、山本市長から挨拶がありました。

市長挨拶(要旨)

 本日は皆さん大変お忙しい中、第7回市民と市長の対話ミーティングにご参加をいただき誠にありがとうございます。この市民と市長の対話ミーティングは私が市長に就任するに当たり、市民参画と協働の推進のために、昨年度より新たにスタートした事業で、過去には教育、ワークライフバランス、宇治茶の振興、健康長寿、子育て、特別支援教育をテーマにミーティングを開催し、市民の皆さんと活発な意見交換を行い、大いに市政運営の参考とさせていただいたところでございます。7回目の今回は「認知症の人にやさしいまち・うじを目指して」というテーマで皆さんにお集まりいただきました。宇治市では健康長寿日本一のまち、そして「認知症の人にやさしいまちづくり」に取り組んでおります。

 昨年ロンドンで初めて認知症サミットが開催され、今や認知症が国際的な課題として捉えられているといえますが、今年はその認知症サミットに関わる国際会議が11月5日から7日まで日本で開催され、安倍首相はその会議の中で認知症に関する新たな国家戦略を年内に策定するよう、厚生労働省に指示したと発言をされました。その中身の集中支援チームというのは、宇治市ではすでに実施をしておりまして、森先生にもお世話になり、認知症については非常に進んでいるという認識がございますけれども、我が国においても、ますます認知症に対する施策の重要性が増してきているところでございます。

 こうした中、この国際会議の視察先に本市は自治体で唯一選ばれ、7日の最終日に海外の専門家らが本市の認知症カフェを視察され大変良い評価をいただいたところでございます。認知症カフェは府立洛南病院の森俊夫副院長と宇治市福祉サービス公社のご協力のもと、昨年度から実施している事業で、認知症の人やその家族、地域住民、医療や福祉の専門職が普段着で気軽に参加できる場として市内6ヶ所で開催していただいております。今回の会場であるイサク事業所は来年2月から認知症カフェを開催していただく予定であり、本日は認知症カフェの雰囲気を感じていただきながら、皆さんからご意見をいただき、「認知症の人にやさしいまちづくり」を目指して、実りのある場としたいと考えておりますので、どうぞお願い申し上げます。

市長挨拶の画像

ミニレクチャー「認知症をめぐる状況と宇治市の取り組みについて」

 認知症疾患医療センター京都府立洛南病院 森 俊夫副院長より、「認知症をめぐる状況と宇治市の取り組みについて」次のとおりご講演いただきました。

 女性の平均寿命が86歳であり、85歳から89歳の年齢階層では、二人に一人が認知症、ご夫婦がそろって長生きをするとどちらかが認知症になる確率が100%になり、認知症は、誰にとっても避けて通れない普遍的な問題です。

 認知症対策へのすぐに克服したい課題は3つ。初期のケアの不在によるケアの切れ目、診断後のサポートの不在、認知症の疾病観(イメージの悪さ)。この課題への宇治市の取り組みとして、認知症カフェが動き始めました。カフェは、切れ目なく連続したケアを提供する最初の拠点となり、診断後のサポート体制の起点にもなります。また、認知症のイメージを変えるために、認知症の当事者が登場できる場でもあります。認知症の疾病観、イメージを大きく変えていくには、当事者の言葉に勝るものはありません。

 11月7日には、G8を宇治にお迎えしました。宇治市にとってはこれまでの集大成であり、山本市長と当事者が一緒にG8を迎えたことには大きな意味があります。安倍首相が、当事者の視点を施策に入れた認知症国家戦略を強調していますが、宇治市はすでにそれをやっているということです。また、その当事者を中心としたカフェを見ていただきました。カフェは、宇治が作ろうとしている社会のイメージでもあります。

 認知症になってからの人生戦略が可能なまちづくりをしていくことが、これからの宇治の使命かもしれません。

ミニレクチャー「認知症をめぐる状況と宇治市の取り組みについて」の様子の画像

参加者の主な発言(皆さんと認知症との関わりについて)

  • 妻が若年性アルツハイマー。地域包括センターに相談するまでは、最悪の時期だった。妻自身も、自分で何をしていいのか分からなくて、物を投げつけたり、徘徊したり、最後には生きていても意味がないから死んでしまいたい、と言うようになった。認知症の人にとって不安を少しでも取り除いてあげることが大事。薬もあるが、家族の力が1番大きい。テニスサークルも良いが、デイサービスで、他の高齢者の介護をすることで、ニコニコして帰ってくる。認知症になって、自分の居場所が無くなった。それが、デイサービスに行くことによって、人に奉仕できることが、大きな成果だったようだ。
  • (若年性アルツハイマーで、デイサービスに通っているが、)デイサービスでは、私が一番若くて動けるので、高齢者の食事のお手伝いや、1人で歩けない人の介護をしている。食事も作ったり、一緒に椅子を運んであげたりしているうちに、仲間に入ることになって、今とても楽しい。
  • 数年前まで、福祉事務所に勤務しており、その業務の中でたくさんの認知症の方との関わりがあった。また、要介護4の姑との関わりもあった。姑だけでなく、私自身が孤立しないために、宇治市介護者家族の会と、認知症の人と家族の会に入会し、会員の皆さんの経験や、励ましの言葉で元気をもらったので、今は認知症の電話相談や、サポート講座の講師もしている。
  • 平成19年に介護相談員になったちょうどその頃から、高齢化社会が進み、認知症の話題が多くなった。また、各施設を訪問する中で認知症の方と接触することがあり、それが関わりの始まり。
  • 母の在宅介護、ボランティア、認知症予防ゲームの推進のためNPO法人を立ち上げての活動、と40年以上認知症に関わっている。認知症になった人は、簡単なリズムも取れなくなる程身体の動きが悪くなるが、この予防ゲームをするとリズムが取れるようになり、生活リズムにも良い影響が出てくる。
  • 地域包括支援センターで、65歳以上の方の相談窓口で、多くの認知症の方の相談を受け付けている。ご家族で散々悩んで、迷って来られる所なので、できるだけ敷居を低くしたい。また、医師と事例検討会ケアネットや、市民向け研修会を実施したり、自分自身の勉強のために、いろんな事例を研究したり、勉強会に参加したり日々研鑽を積んでいきたいと思っている。
  • 介護関連の施設で働いて20年になり、いろんな方々と出会い、教えていただいく中で、情緒の交流がそこで生まれてきた。人間関係など、今から始められることがたくさんあり、そこからまた新しい何かが生まれ、明日頑張っていこうという糧になり、私自身も糧を得て勉強させていただいている。デイサービスだけでなく、カフェなど、人と人とがつながる場が増えて行けば、「認知症の人にやさしいまち」になるのではないかと思う。
  • 昨年度、宇治市で「初期認知症総合支援事業」が始まると共に、認知症コーディネーターとして仕事をする中で、また、レモンカフェを運営する中で認知症の方と関わる。また、個別訪問や、家族支援プログラムなどの事業でもお会いすることが多い。事業を重ねていく毎に、カフェ仲間に教えていただくなど、来年度3年目で、事業とコーディネーターというポジションが確立していけば良い、と思う。
  • 91年から認知症を診察するようになり、2007年から、師匠の「宇治で何かをやってみないか?」という遺言を、自分なりに引き受け、現在に至る。

ミーティングの様子の画像

市長の主な発言

 私も認知症カフェ、連続講座には参加させていただいている。今日のお話や、連続講座でのお話は、理に適っており、宇治市長としては、その体系の上に立って施策の展開を一緒になってすることが大事。また、「認知症の人にやさしい」ということは、認知症の人にとっての施策でないといけない、と言うことで今日は、認知症当事者の方や、認知症の人に近いところでお仕事をされている方のお話を聞くテーマを選ばせていただいた。

 認知症の人とそのご家族は、不安を抱えて日々を過ごしておられ、その不安を安心に変えることができるのは、何よりも周囲の理解や優しさが重要だと認識している。

 理に適う認知症の対策と優しさ、そして認知症予防を合わせて「認知症の人にやさしいまち」がある、と思っている。

ミーティングの様子の画像

参加者の主な発言(「認知症にやさしいまち」のイメージ)

  • 結婚して40年、宇治に住んで38年、妻が認知症と分かって半年だが、宇治に住んでいて良かったと思う。地域包括中心に友達の輪が広がっているので。今後ともこのまま過ごしていきたい。
  • 夫と一緒にどうしたら良いかということを、仲間に相談し合っている。仲間がどんどん増えていくのが一番うれしい。
  • 姑の在宅介護の時には、近所の人に大変お世話になった。昼間に一人でいる時に、徘徊している姑に「ちょっとどこ行くの?」と声を掛けていただき、職場に連絡をもらったりもした。宇治のどこに行っても、地域で守っていけて、孤独にならない、皆さんが声掛けしてもらえる、そして声掛けできるようなそんな「まち」になれば良いなと思う。
  • 介護のサービスに対するニーズは高まっているが、行政だけに任すのではなく、自分たちのことは自分たちでもできるように、という「まち」になれば良いと思う。認知症になっても、いろんな感情は残っている。上手に話をもっていくと、昔のことやいろんなことをお話ししていただけるので、私自身も勉強させてもらっている。
  • 認知症に対する偏見は、今はかなり薄れているが、認知症になったらおしまい、という概念はまだある。認知症予防という言葉に対する偏見さえもある。そういう偏見が全部無くなった時に「やさしいまち」が自然にできていく時だと思っている。
  • 認知症であっても無くても、ちょっと困った人がいたら「どうしはりました?」「何かお手伝いしましょうか?」というようなことが、自然と口にできるようなまちが、「やさしいまち」かと思う。また、消費者被害や虐待など、高齢者の方が巻き込まれるトラブルが非常に多い。悪事が横行しないまちであることも必要。
  • 地域で見守り、見守られ、見守る関係が普段からあればずいぶん暮らしやすくなる。一番大事なのは、認知症になっても、自分の役割がある、仕事がある、ということ。
  • 周りが理解するという環境整備が大事。環境整備をどうしていくか、と考えた時に人とのつながりが出てくる。なかなか、人に助けて、と言うのは言いにくいことだと思うが、それが言える関係、環境を作っていくことは非常に大事。
  • 川の向こうと、こっちと線引きが無いような地域になったら良い。地域包括支援センターにも、認知症の話をしてください、という依頼をいただくが、まだまだ認知症にならないためのお話を、という依頼が多い。どうしたら皆が住み慣れた地域で暮らしていけるか、というところも含めてお話を、という依頼をいただけるような、そういう線引きの無い地域になることが、「やさしいまち」かな、と思う。
  • 認知症に生きる人たちが、私たちのこの世界をどう見ているか、そこへ思いを寄せない医療やケアというのはどこか的外れに違いない、というのが私の師匠、小沢さんが言いたかったことであり、「認知症の人にやさしいまち」の出発点は明らか。認知症の人たちから見た世界を中心に、認知症を生きる人たちがちゃんと登場し、その人とその家族が発言できる、そして私たちの役割は、それを拾い、形を与えること。宇治の優れたところは、それを市長が拾っていただき、行政として一体としてやれるというところ。それが出来ているのは、京都の中、日本の中でも宇治だけではないか。先進国の認知症国家戦略と同じ水準だと思う。宇治のここから先の動きに注目しているし、期待している。

ミーティングの様子の画像

市長の主な発言

市民の人が認知症を正しく理解し、認知症の人やその家族をやさしく支える基盤が地域にあり、不安を感じた時には相談する人や場所があって当事者が望むケアを受けることができる制度の道筋があり、認知症になっても住み慣れた地域で、家族とともに安心して暮らすことができるまち、それが認知症の人、自らの言葉で語られたとき、宇治市は認知症の人にやさしいまちになると思います。これが、私の基本的なイメージです。

 宇治が、認知症対策のトップに立てているのは、まず森先生がいらっしゃるということ。そして、洛南病院・黄檗病院があって、医師会の協力があること。さらに、実働部隊として福祉公社が頑張っている。介護予防の運動もしていただいている、といろんな面で、皆の支えがあってトップに立てている。

ミーティングの様子の画像

参加者の主な発言(「認知症にやさしいまち」を実現するために必要な取り組み)

  • 若くして認知症を発症した人が、なにか社会にご奉仕できるような支援があれば、もっともっと生き生きと生きられると思う。市長にもそういった施策をお願いしたい。
  • 「認知症にやさしいまち宇治」は少しずつつながっていくと思う。自分も負けずに、家族と一緒に頑張っていきます。
  • 入り口として「来ていいよ、行けるよ、参加できるよ、楽しめるよ」から、そこで「お手伝いしてくださいね」というような形を作り、そこに認知症の人だけではなく、地域に声を掛けて、皆の地域を作っていく、というのを提案していただきたい。それに対する援助も欲しい。
  • そして、医療と介護の一体化も必要。認知症の人を病院に連れて行くのは大変。もっと在宅医療が進めば良い。施設でも看取ってもらえない現実がある。家で看取り、家族、地域で頑張って形になれば良いと思う。
  • 認知症の人が、就職ということが無い。宇治市で嘱託などで採用される予定があれば良い。また、タッチパネル方式の5分でできる簡単な認知症をチェックできる機械をロビーに置けないか。そこに、認知症の人がいて、簡単な案内ができるようになれば良い。早期発見で国保料の節約にもなるのでは無いか。
  • 誰もが罹り得る病気として正しい情報、知識を持つことが大事。暗いイメージがあるので、アクティブな認知症の方もいる、という情報の発信をしていけたら。また、認知症の有る無しに関わらず、困っている人に声掛けや、お手伝いなど、行動できる人が増えたら良い。
  • 認知症当事者を嘱託として働いてもらい、アイディアを出してもらって認知症の行方不明者を早急に探すシステムを作るなど色んなことができる。
  • 認知症の方をケアすることが出来れば、認知症が有る無しに関わらず誰にとっても住みやすいまちになるのではないか、と思う。
  • コミュニケーションを取って、きちんと意思疎通ができる環境を作ることが大事。両者の交流で人間関係を作っていくことが、認知症の人にとってやさしいまちになっていくことだと思う。
  • 一般市民の方の認知症疾病観を変えていくこと、正しい理解をしていただくことが大事。「安心サポーター養成講座」を小学生や中学生など、幅広い団体の方が受けてくださると、知識がより広がる。また、利用の仕方が制限されないサービスである「レモンカフェ」のような流動的な役割を持つ居場所やサービスを作って行けたら。
  • 「認知症を生きる人たちから見た」というキーワードを基にして、これまでの蓄積があり今日に至っているので「認知症にやさしいまち・うじ」は必ずできる。それを加速させるには、認知症の当事者とそのご家族に語っていただくことが一番必要。それには、ご本人がカミングアウトするという大きな壁がある。社会を変えようとする当事者の登場が必要だが、社会が変わらないと当事者は登場出来ない。当事者の人たちが発言しやすいワーキンググループを核として作り、そこで宇治市とディスカッションしながら「認知症にやさしいまち」というのを具体的に検討していくことが必要。
  • もう1つは、予算配分。入口問題という初期のケアが欠落している。今までは、後手に回ってそこでお金を動かしていたのを、入口の部分で予算配分することが、結局は大きく予算を節約することになる。そういうところへ、宇治市民全体の同意・合意を形成しながら動かしていく、というのが大きなポイント。

まとめ

 最後に、山本市長から次のようなまとめの挨拶があり、ミーティングを終了しました。

 本日はありがとうございました。「認知症の人にやさしいまち」に対する思いを、それぞれの立場からお伺いし、「認知症の人にやさしいまちづくり」が大切だと思った。そのために、宇治市として宣言、ということも具体的に考えていかなければならない。宣言は何のためにするかと言うと、19万宇治市民が皆で認知症の人にやさしいまち、という共通認識を持って対応していく、これは観光振興でも子育てでも障害福祉でも同様のことが言えるが、特に認知症の問題は皆で支えるということを約束する、というものになり、具体的に着手していきたい。

 私は、看取りということについても非常に関心を持っているが、これは、介護報酬という国でしっかりやってもらわないといけない課題がある。今、宇治市で取り組むことを全国一、また、世界と肩を並べるためには、京都府との連携が欠かせない。京都府の認知症総合センター構想についても、連携してやっていきたい。また、連携したことを、他の市町村に広め、引いては日本にも広げて生きたい、と言うくらいの思いでいる。いずれにしても、府に強力に働きかけて努力をしていきたい。

 最後に、認知症の取り組みというのは、財政に限りがある中であり、将来大きなお金を使うなら事前にどのように使うか、というのも経営であると思う。タッチパネルなど、予防に関しても検討していきたい。

 今後とも、森先生や福祉公社、医師会など、皆さんと協働してすばらしい宇治市の「認知症にやさしいまちづくり」に取り組みたいと思う。

 本日は本当にありがとうございました。

集合写真の画像