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第21回 市民と市長の対話ミーティングを開催しました (テーマ:「源氏物語のまち宇治」の魅力 ~源氏物語ミュージアム20周年を迎えて~)

印刷ページ表示 更新日:2019年11月5日更新 <外部リンク>

第21回 市民と市長の対話ミーティング 開催結果

 市民と市長の対話を通し、市民参画・協働を推進するとともに地域力の向上を図り、新しい宇治に向けたまちづくりを推進することを目的とした「市民と市長の対話ミーティング」を実施しております。

 第21回の今回は、「源氏物語のまち宇治」の魅力 ~源氏物語ミュージアム20周年を迎えて~をテーマに、さまざまな立場の皆さんにご参加いただき、活発な意見交換が行われました。

【日時】 平成30年11月22日木曜日14時~

【場所】 源氏物語ミュージアム 講座室

【ミーティング参加者】

・吉水 利明 様 (一般財団法人宇治市文化財愛護協会 理事長)

・石﨑 利壽 様 (宇治観光ボランティアガイドクラブ 代表幹事)

・小島 よし枝 様 (宇治観光ボランティアガイドクラブ)

・片山 明久 様 (京都文教大学総合社会学部 准教授)

・兼井 茜 様 (京都文教大学総合社会学部 4回生)

・市橋 公也 様 (宇治市教育支援センター センター長)

市長挨拶

次のとおり、山本市長から挨拶がありました。

市長挨拶(要旨)
 皆さんこんにちは。宇治市長の山本正でございます。本日は、皆さん大変お忙しい中、「第21回市民と市長の対話ミーティング」にご参加いただき、誠にありがとうございます。

 この市民と市長の対話ミーティングは、対話を通して、市政への市民参画・協働を推し進めるとともに地域力の向上を図り、新しい宇治に向けたまちづくりを推進することを目的としております。過去には、「教育」「子育て」「防災」「観光」など、幅広いテーマで市民の皆さんと活発な意見交換を行い、その中で頂戴しました貴重なご意見は、市政運営の参考にさせていただいてきたところでございます。

 第21回目となります今回は、「「源氏物語のまち宇治」の魅力~源氏物語ミュージアム20周年を迎えて~」をテーマに開催いたします。

 宇治市源氏物語ミュージアムは、平成10年11月にオープンし、9月14日には2回目のリニューアルオープンをしました。そして、今月8日には、お蔭さまで開館20周年を迎えることができました。これもひとえに本日ご参加いただきました皆さんをはじめとする市民の方々、関係各位のご支援、ご協力の賜物であり、ここに厚くお礼を申し上げます。

 さて、本日は、宇治市文化財愛護協会、宇治観光ボランティアガイドクラブ、教育関係者の皆さんにお集まりいただきました。皆さんには、平素から本市の教育行政や観光等に格別のご尽力を賜っておりますことに、心より御礼を申し上げます。本市は、『源氏物語』をはじめ、世界文化遺産の平等院や宇治上神社など、歴史的、文化的な資産に恵まれております。また、本市では、平成24年度から全小・中学校で小中一貫教育を実施し、学力の向上とともに、児童・生徒の豊かな人間性を育むため、宇治市の豊富な歴史・文化遺産などを活用した「宇治学」を通して、知的好奇心や探究心をはぐくむとともに、主体的・対話的で深い学びに向かう力を育成する取組を推進しているところでございます。

 本日は、日頃から様々な形で本市の教育や観光と深く関わっておられる皆さんに、それぞれの立場から忌憚のないご意見をいただきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

市民と市長の対話ミーティングの様子

参加者の主な発言(宇治市の豊富な歴史・文化遺産の魅力について)

・資産が沢山ありすぎて、こういったところはあまりなく、京都市に次いで宇治市ぐらいでしょう。そういったことで、新たな宇治の文化的景観、宇治川の太閤堤、それから二子山古墳の国の史跡指定、そういったものがまた新たに付け加わったので、今後、それを市がどんなふうに活用をされていくのかを教えてほしいと思います。

・私にとって源氏物語ミュージアムはものすごく敷居が高い所です。(ガイド利用者を)お連れしてお話はさせてもらうが、自分自身がものすごく興味を持って、おすすめできるポイントをこれから作っていかなければと思っています。私は食べることが好きなので、貴族の、上流階級の人が良いものを食べていたというのは関心を持って説明させてもらっています。では、市民は何を食べていたのか、ものすごく興味があるので、市民生活と上流階級の生活との差は何かをもっと知りたいところです。貴族はこれですとある程度言えるのですが、その差について対比が説明できれば一番いいなという視点で、もっとガイドができればと思っています。

・お客様を案内させて頂く時に、宇治や京都や奈良、またそれ以外にも何かの繋がりがないかというのを少し調べて繋がりがあるところをお話しすると皆さんとても喜んでくださいますし興味を持ってもらえるので、宇治はそういう位置であることをよくお話ししています。

市長の主な発言

 源氏物語というのは、五十四帖のうち最後の十帖が宇治が舞台で、夢やロマンという意味において歴史的に素晴らしい舞台であり、そういう意味でここにミュージアムを作ったということです。歴史公園の位置づけについてですが、歴史公園は源氏物語ミュージアムとも連携をしていきたいと思っています。まずは宇治川沿いに茶畑を作り、そして「宇治学」で、子どもたちが茶畑で生活体験などもする。また「お茶の京都」というのを12市町村で去年1年取り組みましたが、これを一過性のものにしないために戦略的拠点にここを使っていきたい。歴史公園を作ることによって天ヶ瀬ダムの放流森林公園、あるいは茶業研究所、関西電力の志津川の発電所のなども含めてその拠点にしていくということです。

 それから、二子山の名勝指定については、源氏物語ミュージアムと少し離れるかもしれません。宇治橋から見事に二子山が見えるのですが、二子山に開発の話が出たため、これは困ったものだなということになりました。開発申請がされれば手続きをし、申し込みを受け付けしなければいけないということがあり、非常に悩んだ末、文化庁と十分相談し、「二子山については名勝指定という方法があります」という示唆をいただいた結果、名勝指定とさせていただきました。

 名勝指定をしている区域をさらに広げて、景観その他歴史的なものは守っていきたいという考え方です。名勝指定になれば国庫補助も8割が可能ということで、名勝指定は二子山だけで終わることなく区域を徐々に広げていきたいと思っています。

 最近、市民やNPOの方から「日本書紀から古事記、万葉集などもたくさんあるから、もっと注目して」というご意見もあるのですが、今のところ本市としては、たとえば、あげまきの古蹟(こせき)、さわらびの道などを含めて源氏物語をテーマにしたまちづくりを進めていきたいと思っています。源氏物語ミュージアム名誉館長の瀬戸内寂聴先生が、20周年リニューアルオープンの時に「平安時代の自然と歴史と文化と景観を持つこの宇治市は素晴らしいものを残しているのだからもっと国内外にPRしたらどうか」というふうにおっしゃっているところです。

 それから「市民の生活は」と言われたらまずお茶があると思います。このお茶について覆下栽培して、手摘み、そして手揉みということで全国でも宇治のお茶は非常に品質が高いといわれています。そういうものに携わる人たち、あるいは貴族に仕える人たちの生活があったと思います。京都市からこの別院、今で言う別荘に、一番偉い人は牛車で来たということです。昨年、皇太子様がお見えになった時に、牛車の研究をしておられるということで、最初に市長に質問があったのは牛車のことでした。

 また、ガイドさんが魅力ある宇治市をどうやってPRしているか、非常にありがたいお話です。世界遺産が人口19万未満の都市に2つあるというのは珍しいかもしれません。瀬戸内先生がおっしゃったように、自然を残して文化歴史を大事にするという気風、先人たちの努力が今の宇治市に繋がっていると思います。したがって名勝指定もこういうことを通じて今の文化をもっと磨いて、そして次の時代へというのが今の我々に課せられた大きな使命だということで、文化財の行政についても取り組んでいるところです。その辺のPRをしていただいたらありがたいなと思います。

参加者の主な発言(宇治市の豊富な歴史・文化遺産のもつポテンシャルについて)

・市長から非常に沢山の文化財の活用や保護しながら伸ばしていくという姿勢をお伺いできて非常に良かったと思います。観光の視点から見ると確かにそういう文化財、世界遺産、お茶、それから宇治橋の上に立つと千年前と同じ景色を楽しめるなど、非常に魅力的なところが多々あると思います。

 ただ、自分の研究と少し引き合わせて、少し違う面に注目しますのは、『物語』というキーワードについてです。大学の研究活動として、宇治市や観光協会、それからなにより源氏物語ミュージアムに大変お世話になりながら、一緒に研究会を組んでおり、その研究会の名前を「物語観光研究会」と付けています。物語観光という言葉は我々で創起したのですが、どういう意味で使っているかといいますと、ひとつには、例えば宇治にはもちろん源氏物語という千年前の物語があり、そして近年では宇治出身の作家さんで武田綾乃さんが、「響け!ユーフォニアム」という小説を書かれまして、それを宇治市のアニメーション制作会社である京都アニメーションさんがアニメ化しました。3年前に発表されたのですが、非常に人気が出まして、その物語の中に宇治の風景がふんだんに組み込まれているというストーリーになっている。そういう物語を読んで、宇治は非常に物語に恵まれているのだと非常に感動して、その追体験をするという楽しみが一つあると思います。

 もう一つ、近年面白いなと思うのは、追体験するだけではなくて、たとえば「響け!ユーフォニアム」であれば吹奏楽のアニメなので、楽器を吹ける人は黙っていられない、吹きたいという思いが生じ、みんなで一緒に吹奏楽団を作られたりなど、ファンによる吹奏楽団、そして舞台となった、宇治の文化センターの大ホールで演奏したり、そういういわゆるファンといいますか、一般住民の方の創作活動、創造的な活動というのが一方で生まれている。そのように物語を一方では追体験、一方では創造活動ということで重層的に楽しむ、そういう観光が生まれてきているじゃないかと、それを物語観光と呼んで、どのように展開しているのかと研究したいと考えました。これは学芸員の家塚さんに教えていただいたのですが、更級日記を書いた菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)が非常に源氏物語を好んで、お父さんが奈良に出張に行く時に付いて行って、わざわざ宇治を回って、帰りも宇治を回って二回聖地巡礼をして帰ってらっしゃる。帰りにはあまりにも感動して詩まで詠んで創造活動までしている。千年前から同じようにそういう総合的な活動をされてらっしゃるということを知り得ました。そんなふうに考えますと、単なる観光というのは経済活動としてだけでなくて、旅行者の方が自ら創造も加えてその当地の文脈を上書きしていくような文化活動にもなりうるのではないかと。これは観光学者である私はそれなりに日本の観光地を知っていますが、なかなかこういうことは生まれていません。ですから、本当に宇治で精神的な観光が今や生まれつつあるという、いわゆるフロントランナーといった意義に注目しております。

市民と市長と対話ミーティングの様子

市長の主な発言

 物語観光という新しい分野で、「響け!ユーフォニアム」もなぜこんなに来ていただけるのかというと、若い方に人気のあるアニメということに加え、大吉山も含めて非常に見事に描かれているということです。

 先日、大垣市で開催されたアニメサミットに呼ばれたのです。そこで私が申し上げたのは、自然や歴史や文化、景観のことです。この歴史のある場所に新たな「響け!ユーフォニアム」というアニメに挑戦しているという構図を我々は大事にしたいと、したがって、あくまでも自然と歴史と文化を重要視していきたいという考え方の上で「響け!ユーフォニアム」がある。例えば、京阪電車が後援して文化センターでは吹奏楽の甲子園みたいな聖地になりつつあるのですが、宇治中学校が吹奏楽で、全国で金賞を取るといった快挙もあり、そういう意味では自然と歴史と文化などの、いろんな素材があるところは強いよねということで、大垣市の市長が「やはり宇治市って素晴らしいな」と、「そういう意味で魅力を感じます」と、「我々の努力は歴史まで行きません」というようなことをおっしゃっていました。

 本市のPR動画も30代40代を中心にPR動画をゲーム風に出したら60万もアクセスがあり、それも素材があってこそだと思います。ただ問題は、歴史があるから、文化財があるから「これでいいか」ということではなく、「これを磨いて、現代の者が守って次の世代へ」という努力がないと、廃れていくのではないかと思います。それから観光の分野では、現在590万人の観光入込客数を、東京オリンピックの2020年には750万人を目指しています。

 一方、宇治の観光はどちらかというとリピーターを大事にできる観光地だと思うので、それほど歴史も文化もあるので、「何度も行きたい宇治市」も目指したいなという思いでございます。

参加者の主な発言(観光ボランティアとしてどのように宇治の魅力を子どもたちに伝え、子どもたちから何を感じているか)

・小学生は、頭が柔らかいので、例えば「宇治橋は誰が作ったんや」といった質問から入ってきます。そのため、どのように答えたらいいのか悩むことが非常にあります。

 「宇治学」の中で、蛇口をひねったらお茶が出るというのは、他市の学校から見れば「そんなことどうしてるのか」と驚きますが、当たり前になってしまうとあまり価値がわからないものです。そのため、小学校にもそういう独自のいいものがあるよと話しています。取り組んでほしいなと思うのは、市役所の前にある琵琶園のような茶園を学校に作って、茶摘み体験をしてほしいです。

 そういうのが芽生えてきたら、宇治の魅力が身に付いて、どこに行っても宇治の良さをいいこといっぱい教えてもらっているなとわかるようになります。そういうことが身についていれば色んなところで海外に出て行っても、いろいろな場面で役立つと思います。「響け!ユーフォニアム」の話も、京都アニメーションはものすごく中国の人に人気があります。特に若い世代の男性が多いですが、情報発信を非常にした結果だと思います。韓国のホンチョンという所から、宇治はどうやってお客さんに来てもらっているのか、それを調べたいという方もおられました。

 市長にも色んなところに発信してもらいたいなと思います。そうすると私たちも色んなお客さんが来られて、色んなところで自分たちの勉強を含めて、中国語と英語と、韓国語ができるひとを作っていく必要があると思っています。そして小学生も一緒に入って、色んな言葉も、身を持って体験できる、いい環境の中に置かれていると思います。

・小学生が歴史を勉強して、宇治のガイドをさせていただいたことがあるのですが、宇治橋の東詰めで、ここで天智天皇が亡くなったあと、大海人皇子(おおあまのおうじ)がここまで逃げてきて、家来がここまで送ってきたのだというような話をすると、とても実感があるみたいで、例えば「この道は額田王(ぬかたのおおきみ)が通ったかもしれない道なのですよ」といったことを言うと、子どもたちも歴史が身近なものに感じるようで、とても喜んで聞いてくれますので、これから歴史を好きになってもらうのにはとてもいいと思います。

参加者の主な発言(子どもたちを対象とした文化財愛護協会独自の事業について)

・市の委託事業として子どもたちに市内の文化財に親しんでもらうという機会を設けており、今年で28回目を迎えます。今年は11月の17日、24日の土曜日に黄檗山の萬福寺の解体修理現場に、京都府の協力をいただいて実際に入らせていただきます。子どもたちが今のところ24人、親と同伴で48人。屋根の半回転という修理が何十年に一回ということですので、子どもたちも楽しみに応募してくれたのではないかと思います。また源氏物語ミュージアムとの共催事業ということで、体験型の教室にも協力をさせてもらっています。

市民と市長の対話ミーティングの様子

参加者の主な発言(市内小学校6年生の「宇治学」における、ふるさと宇治の魅力大発信のねらいと目指す児童について)

・ちょうど2年前から「宇治学」という副読本を全国に先駆けて作るようにしました。総合的な学習の時間を私どもでは「宇治学」と称しておりまして、いわゆる教科書のある教科ではなくて、これまでも現場の先生方がそれぞれ頭を悩ませながら、地域の方、諸団体の方の力をお借りして教材化してきました。

 今回これを小学校3年生から、それから中学校3年生まで、ちょうどこの平成31年の4月にすべてが整うことになっています。ねらいは何かと言いましたら、特に6年生については、このふるさと宇治の歴史・文化・自然これらに関心を持つということで、ふるさと宇治の魅力を自分たちが主体的になって進んで調べよと。調べるだけではなくて、よりよい宇治を作るにはどうしたらいいかというところまで思考を深めてさらには発信していこうと、こういうサイクルの活動を進めております。

 目指す児童の姿は、実はこれまでにも「わたしたちの宇治」という社会科の副読本は作っておりました。ただし、これは読み物教材でして、今回は、宇治のことをより深く知る、自ら課題を見つけてから発信するまでのシステムや学び方を知る、この学び方を知ったことで、今後の高等教育にまで使えるようになるというものです。大学入試も改革されます。そういった活用する力、探究する力が大いに必要とされる時代ですので、こういった学習を通して自分の生き方を考えることができるようになる、という大きな目標を持っております。そして、ふるさとに関心を持って、ふるさと意識を持つということが大きな刺激になり、将来的に主体的にまちづくりに参画するということに通じるのではないか、ぜひそうなってほしいという願いのもとにこの総合的な学習の時間を再構成しております。

 先ほどお話しのあった茶摘みについても、「宇治学」では小学校3年生で宇治茶の勉強を位置づけているのですが、以前に比べますと、座学で終わっていた学校も周辺地域の生産農家さんのご協力を得て、実際の茶摘みの体験をさせてもらうようになってきました。

 また少しずつ、敷地の一角に茶園を整備している学校も増えてきています。茶の木が立派に成長するには時間がかかるのですが、これもいろいろなNPOなどの協力も得て、子どもたちの目の届く所に茶園が整備されつつあります。そして今一番、普及しているのは茶道の体験です。

 小学校3年生はすべての子どもたちが抹茶体験をできるように、茶道具と宇治市の市内産の高級抹茶を提供して学校でたてられるようにしています。聞いたところによると、そういった学習がここ数年に進んで、家庭でもお母さんが嫁入り道具として持ってきたお茶の道具を出して、家庭でも普及し始めているという嬉しいお話もあります。

 また今度は、煎茶で、急須を使ったお茶というのもなかなか日常生活の中に現れないということで、小学5年生の家庭科で急須でお茶を煎じて飲むということをやっております。こういったことも、「蛇口からお茶が出る宇治市ならではの子どもたち」ということでプライドを持って、将来宇治から羽ばたいても振り返った時に、「小学生の時にこんな学習をしたのだよ」とか「学校にはこんな施設があったのだよ」ということをどんどん発信してほしいと思っております。

市民と市長の対話ミーティングの様子

参加者の主な発言(観光振興や地域振興に貢献する人材の育成を目的とした大学の取組について)

・最近の言葉でいうと、地域観光人材教育という言い方をしますが、これはすごくホットなキーワードで、官公庁もおそらくはかなりの予算をそこに投入して進めつつあるという内容であります。また、例えば化学技術研究費で、今年から、「地域における観光人材戦略の構築と理論化」というテーマで研究を進めているというような状況でもあります。ただ実践的には、やはり地域連携学生プロジェクトがまさに教育そのものがアクティブラーニングそのものになっていると思います。

・地域学生プロジェクトの活動の取り組みの中で、キャンパスは宇治橋通り商店街の活性化を目標として40人近くの後輩たちと一緒に活動しています。主には商店街イベントに学生の立場で参加させていただくことであったり、高齢化される店主さんたちのお力になれるように、外国人観光客の対応のお手伝いや、SNSを通じた魅力の発信というところに学生目線で力を入れており、まちの文化や歴史を伝えていく活動として、ロゲイニングと呼ばれるチームスポーツを配布された地域の地図と地域の写真の一覧をもとに、ゲーム感覚でこなしていただけるイベントを開催し、生活の場として地域の魅力を学生目線で伝えていくイベントに関わっています。

 2年前から宇治で開催しているのですが、これまで伏見、和束町、飛騨高山でも「同じような活動をやりたいので教えてほしい」と連絡があり、宇治から色んな地域に広がっていくのがすごくうれしく思っています。地域連携学生プロジェクトは、アニメの「響け!ユーフォニアム」を応援するような団体や、宇治茶の魅力を広めて行くような団体など、学生の立場で出来ることを地域の方々と連携して活動する場になっています。

源氏物語ミュージアムの発言(子どもたちを対象とした講座等の実施目的について)

・地域の文化財みたいなものが豊富に存在しているのですが、実際に見られないと、なかなか見えてこないので、当館ではまさに、本当に注意深く丁寧によく見て考えるということを大切なひとつのコンセプトとして実施をさせていただいています。ですので、幼稚園児たちが来ても、展示品を使って蝶とかに隠れている虫や鹿はどこにいるか、というような『見る』ということをまず大切にして、そこから意識するものを増やしていくための活動を多様性のあるミュージアムという場を通して養っていけたらと思っています。

市長の主な発言

 「宇治学」の副読本は特徴があり、「宇治学」で子どもたちが見るものと、指導者側のポイントに力を入れたものがあります。

 これが非常に特徴的で、「宇治学」を子どもたちにどのように教えていくかを、京都文教大学のご指導をいただいて、宇治市の先生自らが作り上げてきましたので、先生の実力も上がりますし、ある意味で本当に素晴らしい全国にも誇れる副読本だと思います。私は「宇治学」で目指すものは小学校3年から中学3年まで、それぞれがふるさと宇治をどういうふうに成長過程で覚えていくかということだと考えます。宇治といったら確かに平等院、宇治上神社も有名ですが、やはり源氏物語なのです。いまだに千年昔に書かれたものが色あせることなく、ファンがだんだんと増えています。ヨーロッパの源氏物語のファンが、「平安時代の建物はどこにいったら見られますか」と尋ねられ、応仁の乱で京都市は焼き尽くされて無いので、宇治に来られます。

 平等院と宇治上神社と同時に、源氏物語は広く読まれていますので、そういうものをしっかり「宇治学」で学んで成長してもらったら、宇治のことを説明できるのではないかと思いますし、昔の子どもたちと違ってこれからは地球の裏側でもどこでも、グローバルな社会で生活していても宇治市のことは応援できます。

 また、「宇治学」で学んだことを他の土地で色んな歴史などを学ぶ時に、宇治と比較する、そういうチャンスになるのではないかと、つまり、いかにして先人たちが苦労して文化を守り、磨き、次世代に送り込んだのかということを知ってもらえれば、世界のどこにいってもそういうことを大事にするのではないかと思います。そしてもうひとつは、文化というのは人間性を成長させたり人間性そのものなので、私は宇治の宝物として、宇治の持つ良さをしっかり市民が共有することが大事だと思います。宇治に住んで魅力を感じる人をもっともっと増やすこと、宇治市の魅力を共有することは大事なことだと思っています。

 また、萬福寺の話ですが、隠元禅師(いんげんぜんじ)が黄檗文化として中国の文化を徳川時代の四代将軍の時に入れてきています。徳川家が、中国の文化を日本に生かすために黄檗の隠元禅師を大事にするということから、保護をしてきたのです。福建省にも萬福寺があるので、そちらと連携して、宇治市と萬福寺と交流したいという、中国の高官や経済界の人も宇治市に来られて、将来的にも楽しみなことも増えてきています。その先には松殿山荘(しょうでんさんそう)というのが文化財に指定されました。建物は新しいですが、素晴らしい自然と文化の融合なのです。

 さらに、白川の金色院です。いまはもう畑なのですが、これもすごくいいなと私は思っているのです。

 宇治市は一点主義ではなく、文化財が複合的にあるので、まだまだ磨けば楽しみがあるまちだということなのです。

市民と市長の対話ミーティングの様子

参加者の主な発言(豊富な歴史・文化遺産をはじめとした魅力ある宇治に住む子どもたちに、どのような大人になってほしいか)

・文化財を守るということは、私は、物を大事にするということだと思います。物を大事にするということは、自分の物に例えると、要る物と要らない物とを区別しなければいけない、つまり、整理整頓が必要だということです。身の回りを綺麗にするということになります。自分の生活環境を良くするということになりますので、こういったことが宇治のまちを美しくする、そういうことで文化の向上を図って、思いやりのある人間になるように子どもの時から植え付けて行くことが大事であるのかなと思います。文化財を守ることを通して育まれた精神を、物を大事にする、生活環境を守ることによって、いつも美しい宇治のまちづくりをすすめることが出来る、そして文化の高揚に貢献して宇治の文化を担う思いやりのある大人になってほしいと思うのです。

・「宇治学」のお話を聞いて、これは素晴らしいなと、会社に入っても、そこまで勉強して自分で物事を考えて行動できる人間に育っていれば、これに越したことはないと思いました。昔だったらとりあえず記憶して覚えればいい点数が取れるというものが随分変わってきて、自分で考えて想像の世界で自分なりのオンリーワンを出せということなので、非常にいいことに取り組んでいると思いました。

・宇治市というのは本当に世界に誇れる地域資源を有しているまちだと思います。多くの海外の方も訪れておられますし、一言でいうと「ローカルな場の中にグローバルな扉が開けている」そんなまちではないかと思います。

 また、この宇治市の中でそれぞれの地域の特性があるように思いますし、その多様化というのも住民の一人として住んでいていいものではないかと、そういった多様なものを認め合う時代だと思っています。

 これからの教育ですが、自分の生き方を考えるような、そして生涯に渡って学び続ける、そういったものが求められる、そういう環境としては非常に恵まれたまちではないかと、条件が優れているなと思っております。

 自分の未来に何が必要なのかとか、今の宇治、将来の宇治に何が必要なのかと、そういった自分育てとまちづくり、この両方の視点を意識して、義務教育に始まって生涯学習を継続的に展開する中で、ぜひ周囲の人の人材育成にも目が行くような人づくりにも考えを巡らせることができるような教育を展開して行きたい、大人へと成長してほしいと思っています。

 宇治の未来を託せるような市民づくり、私の中ではこれは「ローカル貢献」というのを考えているのですが、自分たちの、生まれ育った地域に貢献するということはこれは言うことがないと思います。ただ、宇治を離れる人もいると思います。これは別に縛る必要はないと思いますので、ぜひこの先宇治を離れることになっても、宇治で育まれた力を持ってそれぞれの地域で発揮してほしい。いわゆるグローバル貢献をしてほしいなと、両方が望ましいのではないかと思っています。そういうことで間違いなく人類の発展に貢献しようとする、人間の美しい、本来持っている心が育まれていくのではないかと思います。

・二子山古墳は残されて良かったなと思います。白川の金色院(こんじきいん)ですが、その佇まいはそのまま景観が残っているのです。お金をかけずに、平等院から金色院まで歩いて散策するという手法で、あの佇まいを残していただけたら、宇治にまた平安時代の資産が増えるので、ぜひともお願いしたいと思います。

・いま社会で郊外化というのがとても問題になっており、郊外化することでコミュニティがなくなるとか色んな問題が起こります。けれども、宇治は京都の郊外ではなくて、近く・隣にある・親しい・こじんまり・とても魅力いっぱいのまちという感じだと思います。子どもたちにとって自分のまちに歴史がある。いわゆる郊外には歴史がないのです。郊外の最大の弱点は、今しかない、現在しかないのです。宇治は千年前と同じ景色が見られるまちですからまずまちに歴史があるということはすごく感謝してほしいということ、それを忘れてはいけないということが一つ、もう一つはそう言いながらもその歴史はぜひ思いっきり遊んで自分なりに解釈し、そして上書きして新しい文化を作っていく、この二つをぜひ子どもたちには伸ばしてほしいと思います。

市長の主な発言

 学校教育はまず学力というのを避けて通れないので、まずオーソドックスに野球で言ったら直球だと思うのです。ただ、直球を厳しくやればやるほど文化とか道徳というのが非常に大事ですし、また身近にそういう文化を共有するところはあるので子どもたちには大いにその「ふるさと宇治」の文化を知って、今後どこに行っても学力を活かしながら経済活動をするとともに、人間としての品格と言うか、人間性というのを文化で持ち合わせていってほしいなと思います。それから二つ目は、若い人の意見も聞こうと、以前のミーティングで、成人式の実行委員の皆さんと話しをしました。その時に、ここに大劇場を作って遊べるようにとかとてもスケールの大きいことを言われたのです。けれどもやはり、こんなに素晴らしい文化財を持つ宇治市は、市役所のものではなく市長のものではない、皆さんのものであり、皆さんの文化財なのです。だからこれからどんな都市に行っても宇治のふるさとを守る立場でも、この文化をみんなのものとしてどうやって磨いて未来に送り出すのかという役割を持つと同時に喜びを持ってほしいと思いました。

 学力だけを求めるのではなくて、大きく人間として成長していく、そのために宇治市は本当に歴史のある、魅力あるまちであるし、こういうものを活かさないと損だなと思わせるようなそういう教育であってほしいし、この宇治橋から見た景色は自分たちのものなんだと、だから自分たちの先にもこれを守り届けたいというような思いをぜひ持ってもらいたいなと常々思っています。

 私の夢としては、金色院が素晴らしい、お寺もあれば神社もお茶も畑も山も全部があり、自活ができるいい場所で、藤原道長が孫をつれて行ったのかということを考える喜びというのはあるのです。やはりそこに私自身は夢が膨らんでいるのです。そういう意味で白川のまちも歩いて行けるような、そういう観光のコースも作らなければなと思っています。

市長の主な発言と閉会の挨拶(要旨)

 源氏物語ミュージアムが観光面を重視してはどうだという人もいれば、教育面を重視して子どもたちあるいは生涯学習として素晴らしい源氏物語を中心にして深みを出すのも必要だという人もいます。観光面と教育面のバランスをどうしていくかが悩みです。けれども、どちらも大事だし、どういう組織であってもこの2つをどうやって両立していくかという課題を再認識しました。今日は色んな面からご意見をいただきまして、文化の条例を検討していかなければならないと思っており、今日のご意見等は反映できればなという思いでございます。

 本日は大変多くのご意見ご提案等いただきまして、誠にありがとうございました。本日の市民と市長の対話ミーティンングでは、「源氏物語のまち・宇治の魅力、源氏物語ミュージアム20周年を迎えて」をテーマに、本市の豊富な歴史文化を切り口に、教育や観光について多岐にわたっていろいろなご意見をいただきました。皆さんとの活発な議論や対話を通じ、学校教育・生涯学習が連携した子どもたちの生きる力の育成や、豊かな歴史的文化的資産を誇るまちだからこそできる情報発信や、新しい観光に関わる貴重なご意見、物語観光なども含めてご意見をいただきました。

 今後少しでも生かせるように努力をしてまいりたいと思っております。今後はリニューアルした源氏物語ミュージアムや、2021年に整備される予定の「(仮称)宇治川太閤堤跡歴史公園」等の活用を図り、宇治の歴史文化を広く世界に発信できたらと考えております。また、茶摘みですが、歴史公園にはお茶を植えており、茶摘みをそこでやろうとしています。

 宇治の小学校で岡屋小学校とか南部小学校には茶畑があり、お茶の香りもするのです。今そういう学校はあまり多くない。そういう意味では体験ということで歴史公園を使っていこうということでございますので、また観光ボランティアでPRしていただけたらありがたいです。

 またこのような機会を通じて、さらに市民参加共同を推進してまいりたいと考えております。本日は誠にありがとうございました。

 今後も引き続きよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

市民と市長の対話ミーティングの様子