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第29回紫式部市民文化賞 研究『ダニヤ経』

印刷ページ表示 更新日:2019年11月4日更新 <外部リンク>

第29回紫式部市民文化賞 研究『ダニヤ経』

受賞の言葉(吉水 秀樹さん)

 『ダニヤ経』は私の第二作です。第一作は残念ながら、多くの人に読んでもらうことができませんでした。そこで、私はお釈迦さまの説かれた法の中味を薄めることなく、広く一般の方々に伝えるにはどうしたらよいだろうかと思案し、『ダニヤ経』を著しました。私が留意した点は、挿絵を入れて紙芝居のように仕上げること、難しい仏教用語を使わず、口語の優しい語り口で仏教の本質を表現することでした。そもそも、お釈迦さまは難しい言葉で説法をされませんでした。パーリ語という日常の話し言葉で、真理を説かれていたのです。『ダニヤ経』をじっくり読んでいただければ、「仏教とは?」「経とは?」、正真のお釈迦さまがどのような人物であったのか、少し理解してもらえるのではないかと思います。多くの方々にダニヤ経の世界を味わって、随喜いただきたいと願います。

吉水 秀樹さん
【著者略歴】
 1959年1月27日、宇治生まれ。60歳。宇治育ち。宇治小学校、東宇治高等学校、仏教大学卒業。元小学校教員。現在は宇治市莵道の旧大鳳寺村にある浄土宗安養寺の住職。初期仏教の実践とパーリ語経典の研究研鑽に努めている。毎月自坊でブッダの冥想と法話の会「みんなの仏教」を開催。著書に『ブッダとなる瞬間』(出版社:コスモスライブラリー)がある。

作品紹介と講評(鈴江 満選考委員)

 ダニヤ経は十七の偈(げ)からなる短い経で、二千五百年以上前、ブッダ(釈迦)在世時にあったできごとに基づく経とされています。問答形式でブッダの教えがわかりやすく説かれていますが、この作品は目の前に聞く人がいるかのような、寄り添う眼差しで描かれているのが特徴。魅力的な法話を聴くような読後感があります。

 また、最後に「パーリ語の読み方」として、原典のパーリ語の読みとご自身の対訳と一つ一つの偈のまとまった訳が付け加えられています。この丁寧な仕事に、原典に対する並々ならぬ愛情と経典に対する深い敬意と真摯な姿勢が感じられました。

 畠中光享氏のすばらしい挿画が作品を一層魅力的なものにしています。