ブックタイトル市政だより令和2年(2020年)2月1日号

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概要

市政だより令和2年(2020年)2月1日号

そして蓄積されたデータにより、「多品種単品・24時間無人加工システム」を完成させることが出来ました。このシステムを「ヒルトップシステム」と呼んでいます。機械や工程の決定、プログラムの作成など製品化するまでに必要とする項目を大幅に削減することが出来たため、全く知識のない新入社員でも、2週間でものを作ることが出来ます。HILLTOP を支える現代の名工平成30年度に「京都府の現代の名工(府優秀技能者表彰)」の称号を授与された、篠原滝太郎さんにお話を伺いました。後進の育成悩みやトラブルが起きた時に相談に来てくれるのでアドバイスしています。中には体験しないと処理出来ない問題があります。コツがいる場合は、自分でやらないと覚えられません。そういった相談には時間を惜しまず、本人が納得するまで説明します。また安全性は重要です。特に新人は経験や知識が乏しいので危険と隣り合わせです。事前に知っておいてほしいことを教え、事故につながらないように心がけています。「教える」は一方通行ではない人に教えるときには、覚えていることでも振り返り考えたり、内容によっては教えるために私も勉強したりする必要があります。「教える」ということは、実は「教えられる」ことだと思います。若い人の違った角度からの考えにヒントをもらうこともあるので、「まだまだ十分ではないな」と感じています。毎日が勉強です。ずば抜けたものはない昔から治じ こうぐ工具(工作物を固定し切削工具などの制御・案内をする装置)を作るのが好きで、現場で「こんなんがあればいいな」と思う工具は既製品では無いので、自分の手で生み出してきました。技術的に優れている人は府内にたくさんおられます。表彰はこれまでのキャリアと治工具の製作や後進の育成などを、総合的に評価してもらえたのかなと思います。品質だけでは勝てないなぜ単品の製作でここまでの事業規模まで出来たかを考えると、「他社との差別化」を図ってきたからだと思います。単品で製作するものが、どこでも出来るようなものでは生き残れません。他社では出来ない複雑で難易度の高いものを手がけているからこそ、ここまで頑張れていると思います。究極のところは人の業わざ定量化することで機械による自動化を進めていますが、機械にも限界があります。歪みなどがあった場合、商品として提供出来ません。特に寸法は、材質や温度などの条件によって影響が出ます。機械加工で出来ないところ、それは人の手で仕上げていきます。みんなに頼られる職人を紹介します。篠しの原はら 滝たき太た 郎ろうさん広報加かとう藤 彩あやみ水さん自ら開発した治工具を取り付ける篠原さん将来目指す「スマートファクトリー」を見立てた模型。おもちゃのブロックで出来ており、展示会では自動搬送ロボットを実際に動かしました。作業を見守る篠原さん5