ブックタイトル市政だより令和元年(2019年)7月1日号

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概要

市政だより令和元年(2019年)7月1日号

肺がんだけではないたばこには、ニコチンやタール、一酸化炭素、それ以外に200種類以上の有害物質が含まれていると言われています。肺がんになりやすいというのは皆さんご存知かもしれませんが、他にもCOPDなどの呼吸器疾患、喉頭がんや食道がんなどの原因になったり、血管などにも悪影響があります。COPD(慢性閉塞性肺疾患)喫煙者の5人に1人がCOPDを発症しています。名前が少々分かりくいため認知度が低いですが、COPD患者のほとんどが喫煙者で「たばこ病」と言われています。症状は、動いたときに動悸や息切れ、咳・痰が出ます。多くの人は、年齢を重ねてから発症するので、息切れしても年齢のせいかなと思ってしまい、病院に行かず見逃されがちになっています。喫煙習慣があり症状が長引く場合は、一度病院で検査を受けてほしいと思います。禁煙外来たばこは長年吸い続けるとニコチン依存症になり、自分の力だけでやめるのは難しくなります。「たばこをやめられないのは意思の問題ではない」とよく患者さんに伝えています。やめるために依存症から離脱していきましょう、それをお手伝いするのが「禁煙外来」です。当医院が禁煙外来を始めた当初、年間で30人ぐらいの患者さんが来られました。多くは自分の意思で来られますが、中には家族の勧めで来られる人もいます。禁煙に成功されるのは6割ぐらい。3カ月で5回通院するのですが、きっちり通うことで成功率は高くなります。意識をずらすたばこを吸っている人を見たりして、吸いたい衝動に駆られたときにどう行動が出来るかがポイントになります。衝動に駆られたときに、違うことを考えたり行動したりすると2~3分で吸いたい気持ちがどこかに行ってしまうと言われています。どう行動をするかということを、禁煙外来でアドバイスしています。たばこを吸うのにはお金がかかります。吸いたいなと思った時に、そのお金を貯めて、旅行に行くなど、何か楽しいことに発想を転換しませんか。加熱式たばこ患者さんから、「加熱式たばこに替えたんです」と言われます。加熱式たばこにもニコチン等の有害物質が含まれています。加熱式たばこが健康被害の低減につながり、代替品として推奨されるという売り手側の伝え方もありますが、完全な禁煙に向けて加熱式たばこが役立つという科学的根拠は確立されていません。禁煙外来に来る人の中には、加熱式たばこをやめられないという人もいるので依存性もあります。禁煙に必要なことまず「たばこをやめようと思うこと」が大事です。禁煙外来に来た人には、「よくやめようと決心されましたね」と労いの言葉をかけています。「禁煙は愛」と言われています。結婚や子どもが生まれたなどのきっかけで禁煙を始める人は多いです。自分の健康被害だけでなく、家族や周りの人のことを考えて思いやれる心があるといいですね。たばこを吸う夫の妻は、肺がんのリスクが1.3倍に上昇すると言われています。受動喫煙をなくすためには、100%禁煙だけが唯一の対策です。早めはやめの禁煙を昨年、COPDで亡くなられた落語家の桂歌丸さんも、闘病中に大変苦しい思いをされたそうです。病気を発症し、辛い思いをしてからやめるのではなく、早いうちに禁煙に取り組んでいただきたいです。呼吸器内科医からの禁煙のススメ市医などを務め、禁煙外来もされている「おやいづ医院」の小柳津治樹先生に、たばこによる健康被害や禁煙について伺いました。おやいづ医院 院長小おやいづ柳津 治はる樹き超簡単!イライラ解消法 先生●外へ出て深呼吸 ●読書や音楽●顔を洗う ●歯を磨く(効果的!)●冷たい水を飲む ●顔をパチパチ●ガムやシュガーレスキャンディ、ミントタブレットを口に入れる●散歩やサイクリング ●部屋の整頓や車の掃除●スポーツやストレッチ●入浴やシャワー など自分のために、みんなのために今号16 ページに掲載の健康コラムで、たばこと歯周病の関係を紹介しています。6