ブックタイトル市政だより令和元年(2019年)6月1日号

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概要

市政だより令和元年(2019年)6月1日号

産業振興の3つの理由産業振興がなぜ大切かというと、一つ目は所得の確保と社会参加です。市民の皆さんが安定した生活を送るためには、所得を確保しなくてはなりません。必要な所得を創出する働く場所を確保することが重要となります。さらに働くことにより、社会とつながりが出来、また個人の生きがいや社会参加につながります。二つ目は税収の確保です。近年の自治体の非常に厳しい財政状況の中、企業やそこで働く人たちの税収(法人税や住民税)が、これまで以上に重要視されています。三つ目は地域コミュニティの活性化です。宇治市にも多くの中小企業がありますが、中小企業は地域に根付いて活動をします。地域と密着した中小企業が、それぞれの地域の良さや特色を守っていくことが大事です。バランスの取れた産業都市宇治市は「歴史」「文化」「産業」と非常にバランスのとれたまちです。特に「ものづくり」が盛んで、「観光」が大きな力を持っており、これらは所得を稼ぎ出す産業として重要です。「産業戦略」において、市内経済の循環、すなわち所得を稼ぐと共に、稼いだ所得を市内で循環させることを掲げています。宇治市の場合、京都市などの大都市が近隣にあり、所得が市外へ流出している傾向があるため、いかに市内で所得を循環させるかということが、これからの課題となります。なお、所得を市内で循環させるための具体例は、個人レベルでは、生活に身近な商品は市内で購入する、企業レベルでは、商品の受発注等の取引を市内で行うなど、市内での取引を増やし、連携を強化していくことなどがあります。ものづくりの特徴ものづくりに関する中小企業を見てみると、技術力の高い、ニッチトップ型(特定分野の市場において大多数のシェアを得ること)の中小企業が多いのが特徴です。これは良い傾向ですが、一方で、せっかく育った企業が移転等により宇治市で定着していないというのも事実です。大きな課題として企業用地の問題がありますが、今後新たな用地の創出が出来ると、さらに特色ある「ものづくりの企業」が育っていくと思います。現場を知り、現場のニーズに応える特色ある中小企業を育て、地域産業を活性化させるために関係機関とのネットワークを取り持つことが、宇治NEXTの役目だと考えます。そこで宇治NEXTの担当職員にとって大切なのが、現場を知るために積極的に企業へ出向き、現場のニーズに応えることです。産業施策はすぐに成果が見えにくいところもありますが、宇治NEXTについては相談件数が増加するなど、比較的成果が見えやすいと思います。成果が見えることで、評価が高まり、企業から信頼され、さらに口コミが増えるといった好循環が生まれるのではないでしょうか。そして企業から頼りにされることで、宇治NEXT側の士気も高まります。ぜひ職員の皆さんには、産業振興のスペシャリストとしての意識を持ち、積極的に支援活動に取り組んでほしいと思います。産業振興が私たち市民の暮らしとどんな関係があるのでしょうか。「産業戦略」の策定にご協力いただいた白須教授に、お話を伺いました。龍谷大学 政策学部 白しら須す 正ただし教授教えて!白須教授5