ブックタイトル市政だより平成30年(2018年)12月15日号

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概要

市政だより平成30年(2018年)12月15日号

[ 受賞の言葉 ] この度は、紫式部市民文化賞を頂戴いたしまして大変光栄に存じます。 十代の頃から、「源氏物語」に憧れていた私は、結婚して宇治に住むことになり、初めて宇治橋から上流の景色を見た時の感激は今も忘れられません。 その後、小野為三先生の「源氏物語を読む会」に入って楽しく学び、また「宇治十帖の風土」の出版、「宇治十帖百首」かるたの作成にも関わらせていただき、よい思い出になっております。 歌集「木曽坊道」は、家族に促され、「孫に語る自分史を歌で綴る」という思いで作ったものですが、この受賞により、わたくしの自分史に大きな大きな華を飾って頂きました。 厚く御礼申し上げます。[ 受賞の言葉 ] 文章を書くことが好きだった亡父の導きでしょうか、博識の先輩知人の推薦により、私の作品を愚作ながら応募致しましたところ、特別賞受賞作品として決定したとのご連絡を賜りました。厚く御礼申し上げます。 多くの応募作品が寄せられる中で、これほど大きな賞を授かる事は人生85 年の中で二度とあるものではない、と手前味噌で喜んでおります。 作品完成には6 ヶ月間を費やした作品ですが、遠い昔、戦争により苦難の日々に耐えていた子ども時代の思い出は懐かしく、物語として書きました。?著者略歴  昭和12 年、広島市生まれ。広島市立基町高等学校卒業。平成30年に第1 歌集「木曽坊道」を出版。宇治市在住。?著者略歴昭和24 年、京都市立陶化中学(新制)3 年卒業。昭和55 年~平成22 年、民生児童委員を務める。宇治市在住。長谷川 昭子さん中川 晃さん? 『学童疎開物語「太郎は父のふるさとへ」』 中なかがわ川 晃あきらさん? 『木きそんぼみち曽坊道』 長はせがわ谷川 昭あきこ子さん紫式部市民文化賞選考委員特別賞 紫式部市民文化賞も、本年でもう28回を迎えました。今年の応募作品は52作品。昨年と同数です。毎年の応募総数がほぼ一定しているのと、応募作品の質も一定しているのには驚かされます。宇治市には市民文化を育てる特別の土壌があるのでしょうか。 今年はだいぶ選考が難航したのですが、市民文化賞に長谷川昭子さんの歌集『木曽坊道』が選ばれました。 「きそんぼみち」とは、作者が現在住む家の前の通り名だそうです。木曽義仲の妻が、夫の菩提を弔うために建てた御堂に人々が通った道だそうです。この歌集は、歌の集ですが、同時に自分史でもあるのです。最近歌の指導を受けるようになった「薔薇の会」の会主に、「子どもに語る自分史を歌で綴りたい」と申し出たそうです。 会主の神谷佳子さんは「序」で、「作品は手堅い日常詠でしっかりとゆるぎがない。言葉の機知や華やかな修飾語を遊んでみるという詠み方ではない。まっ直ぐにまわりを観、そこに生じた事象を詠みとるのに、一語が無駄なく一首に活き、見事に現実の様相を描き出している。」と書いている。全くその通りの歌集である。 疎開から父の死までを第Ⅰ部に収めるが、第Ⅱ部は15年程移住していたカナダでの詠歌を中心に、外国での歌が挟まる。英文で詠んだ歌があるのも楽しい。第Ⅲ部以降は、帰国して以降の近詠であり、夫と共に平穏で充実した傘寿を迎えるまでの歌が編まれている。 歌集の題に「木曽坊道」とつけられたのも、読後に思い返すとよくわかる。 選考委員特別賞は、『学童疎開物語「太郎は父のふるさとへ」』が選ばれました。戦時の学童疎開という異常時体験を、どうしても後世に伝えておきたいという筆者の思いと、それをどうしても市民文化賞に推薦したいという人の思いが、ひしひしと伝わってきます。 小説とありますが実に克明な記録を含んでいます。筆者は小学生の高学年のとき、200日に渡る自分の経験した苦難の日々を、記録ではなくドラマとして書いておきたかったと書いていますが、今となっては、貴重な戦争の体験記であり、資料です。 今年の応募作品には、他にも努力がよく分かる多くの作品がありました。山路興造選考委員長の講評52 作品の応募の中から選ばれた2 つの受賞作品を紹介します。  文化自治振興課文化係(  20-8721)受賞作品決定6