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宇治市議会(行政視察報告 平成27年度) 8

[2016年1月20日]

市民環境常任委員会の行政視察報告

年月日: 平成28年1月13日(水)・ 1月14日(木)
視察先: 北九州市(福岡県)、宇部市(山口県)
出席委員: 久保田委員長、真田副委員長、山崎(恭)、今川、木本、稲吉の各委員

《北九州市》 (1月13日)

【調査項目】
 ●雇用創出を図る企業誘致について

『市の概要』
  *市制施行: 昭和38年2月10日
  *人  口: 97万2,264人(平成27年10月末日現在)
  *面  積: 489.60平方キロメートル
  *一般会計: 5,873億100万円(平成27年度当初予算)

1.雇用創出を図る企業誘致について

1.経緯について
  北九州市は、1901年操業の官営八幡製鉄所の誘致以来、「ものづくりの街」として主に製造業を中心に企業誘致を行ってきた。しかし近年、工場を初めとした製造業の誘致では大幅な雇用創出が見込めない状況となり、このことから新たな企業誘致の方向を模索することになった。

2.現状について
  平成27年11月における北九州地域の雇用状況は、有効求職者数1万3,224人に対して有効求人数1万2,631人であり、有効求人倍率は0.96倍である。しかし、第3次産業のニーズの高まりもあり、事務的職業に限ると有効求職者数3,745人に対して有効求人数1,017人であり、有効求人倍率は0.27倍にとどまる。

3.雇用創出について
  北九州市にはもともと誘致課があったが、従来型の企業誘致から一歩踏み込んだ、課題解決型の施策を実施するため、企業立地支援課へと組織を変更し、立地企業の事業継続・事業拡大に力を入れていく体制を整えた。
  そして、従来は交通の便が悪いがゆえに地方にも支店を置いていた企業が、新幹線の開通等で福岡市への一極集中が生じ、事務的職業が都市部以外になくなりつつあるという分析のもと、数百人規模の雇用創出が見込めるコンタクトセンターに対し積極的に誘致活動を行った。これは、コンタクトセンターには他社の仕事を請け負うアウトソーシング型企業として、事務的職業が集約されつつあり人手不足となる実態もあったため、雇用の吸収力があると考えたことにも起因している。
  その結果、多くのコンタクトセンターの誘致、約4,500人の雇用の創出に成功し、それにもかかわらず北九州市が雇用と設備の補助金として支出したのは15年間で約10億円にとどまった。また、北九州市が誘致した企業の雇用創出は、ここ数年を見てもコンタクトセンターが、新たに誘致した製造業(工場)全体の新規雇用数と同等の状況が続いている。
  行政側の企業誘致の目的は雇用をふやすことであり、補助金よりもアフターフォローという形での支援が企業側の魅力となるよう意識をしている。

4.コンタクトセンターの課題について
  コンタクトセンターの課題としては、採用が難しいことや採用コストの上昇が上げられる。正規職員はある程度集まるが、業務の繁閑を埋めるパート職員が集まらず、また、研修時間や学校側がコンタクトセンターのアルバイトの求人を受け付けないことによって学生のアルバイトが集まらないことになり、人材の確保を人材派遣会社に頼っている。また、離職率が高目であるため、採用・研修のコストが上昇している。この他、従業員の平均年齢が上がっていることや、顧客と年齢層の近い幅広い従業員が求められること等の課題がある。
  北九州地域の有効求人倍率は以前と比べて改善しているが、事務的職業に限っては圧倒的に求職者が多い状況が続いている状況の中、コンタクトセンターの採用活動が苦戦しているのは、依然としてコール業務や苦情対応のイメージが強く、事務的職業として認知されていないことが原因と考えられる。

5.北九州市の取り組み
  平成22年度の国勢調査によると北九州市の20代から50代の女性のうち3割が働いていないことが判明した。これを受け、北九州市に在住する女性約2,000人に対して就職に対する希望のアンケートを実施し、その結果を採用計画に生かしてもらうために企業に提供した。
  また、コンタクトセンター業務に携わる人材を育成するため、市の予算で、市内のコンタクトセンター事業者にOJTを含む研修事業を委託し、研修終了後に受講生と企業とのマッチングを行い、コンタクトセンターへの就業につなげている。
  このほか、企業と連携のもと、人材発掘・採用支援事業、再就職支援事業、人材定着支援事業等を行い、行政としては安定的な人材供給と、雇用の質の向上のために正社員雇用率の増加を目標にしている。
  さらに2015年末には北九州市内とその周辺に立地するコンタクトセンター事業者が北九州コンタクトセンター協議会を立ち上げ、同協議会と市が連携協力協定を結び、「日本一コンタクトセンターが立地しやすい街」を目指して今後活動をしていくこととしている。

6.その他
  視察に際しては、北九州市産業経済局企業立地支援課の方だけでなく、富士通コミュニケーションサービス北九州ソリューションセンター長より、企業と行政のかかわり方や企業側から見た魅力的な企業誘致についてのお話も伺った。

「北九州市視察の様子」

《宇部市》 (1月14日)

【調査項目】
 ●シティセールス推進事業について

『市の概要』
  *市制施行: 大正10年11月1日
  *人  口: 16万9,403人(平成27年11月1日現在)
  *面  積: 287.71平方キロメートル
  *一般会計: 627億円(平成27年度当初予算)

1.シティセールス推進事業について

1.シティセールス推進事業における2つの柱について
  宇部市におけるシティセールス推進事業は2つの柱をもとに取り組んでいる。1つ目は、市外に向けて町の売り込みをして宇部市のよさを知ってもらい、移住や観光のアピールを行うことである。何を売り込むかセールスポイントを明確にし、その先にいるターゲットに合わせた発信の仕方を考えることにより、市の知名度の向上やイメージアップに取り組む。2つ目は、子育て・教育・医療に関する情報発信等、市民に向けたものである。人口減少社会において、今宇部市に住んでいる人がずっと住み続けてもらえるよう、市の魅力を知ってもらうことが重要である。

2.背景について
  宇部市の人口は現在約17万人弱であるが、何も対策をしないと2040年には12万8,870人、2060年には9万6,295人になる予測である。
  市全体の目指すべき将来の方向として、若者が転出しないよう魅力ある仕事を創出することや他市から転入してもらえるよう交流人口をふやしてにぎわいを見せる取り組みを行い、転出と転入を均衡させること、また、子育て世代の転入を図って出生率の上昇を目指す。これを受け、宇部市への新しい人の流れをつくることを目的として、2012年にシティセールスを推進する部署を設置し、2014年には部として新設された。また、部のみでなく、市職員全員がシティセールスパーソンとして意識を持つよう、ハンドブックを配付している。

3.シティセールスの推進について
  シティセールスの推進に当たっては、何を売り込んでいくのかシティセールスポイントを決定しなければならない。宇部市は世界遺産等の突出したセールスポイントがあるわけではないので、いい意味で幅広く取り組むことができた。
  宇部市は戦後復興時に石炭による公害問題があったが、後に宇部方式と呼ばれることになる話し合いによる解決が行われた。この公害問題の解決の際、人々の心を癒やすものとして緑や花をふやす市民運動が広がったが、その予算で設置されたレプリカ彫刻に人が集まり出したことで、自然だけでなく文化も一目置かれることになり、町に彫刻を設置する運動も広がった。そのことを契機として、2015年に第26回を迎えたUBEビエンナーレが始まり、2年に1回開催されるこのUBEビエンナーレは、歴史のある国際コンクールとしての評価を得ている。こうして「緑と花と彫刻のまち」が宇部市のキャッチフレーズとなり、シティセールスのコンセプトとして、これらのまちづくりのドラマを市内外に伝えることを掲げている。このコンセプトをもとに、緑と花と彫刻の象徴としてときわ公園とUBEビエンナーレをシティセールスポイントにすることを決定し、このほか産業観光としてうべふるさとツーリズム、観光に欠かせないグルメをアピールすることになった。

4.具体的な取り組みの例について
(1)PR活動
  首都圏における市の認知度を上げるため、また、東京でPRしているということで県内でのイメージアップにもつなげるために、東京の渋谷ヒカリエでUBEビエンナーレのPR活動を行った。また、東京の飲食店で宇部市の食材を使うフェアの実施を依頼した。
  また、首都圏等のメディア訪問や宇部市へのメディア招致、先輩移住者の声や移住サポート情報等を掲載した移住ガイドブック「宇部移住計画」の作成等を行っている。

(2)シティセールスパートナーの活用
  宇部市にゆかりのある者にシティセールスパートナーとして登録をしてもらっており、現在約25団体から70人弱の登録がある。年に何回か意見交換会を開き、みずからが行った宣伝等についての情報共有をしている。
  また、宇部ラーメンのブランド化のため、ラーメンの特徴や店舗情報を紹介する冊子の作成や山口宇部空港内に顔出しパネルの設置、宇部ラーメンの定義をつくって定義に合う店舗を選抜してもらうなど、行政が行いにくい分野を協力してもらっている。メディアにも大きく取り上げられ、シティセールスを実感する取り組みとなった。
  このほか、市内の大学等で学ぶ留学生が就任する留学生シティセールスパートナー及び今では100人を超えるふるさと大使を設けていたり、首都圏や関西にある同郷会とのイベント協力や意見交換を行っている。

(3)観光集客
  実際に宇部市を訪問するきっかけとなる最大の観光資源として、ときわ公園を大きくアピールしてイベントの集客戦略もとり、平成26年度には24年ぶりに50万人の集客を達成した。また、新たな取り組みとしては、山間地域でもアートの取り組み及びグルメのおもてなしを行い、宇部市全体としても平成26年には初めて年間100万人の観光客が訪れた。
  さらに、CMやドラマのロケ地の誘致について、スタッフ等の滞在による経済効果やロケ地めぐりでの観光集客が期待されるため、積極的に取り組んでおり、同じくプロサッカーチームのホームタウンとして積極的にPRすることで観光集客に取り組んでいる。

「宇部市視察の様子」

お問い合わせ

宇治市議会     議会事務局
電話: 0774-20-8747  ファックス: 0774-20-8786
E-mail: gikaijimukyoku@city.uji.kyoto.jp

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