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宇治市議会(行政視察報告 平成30年度) 4

[2018年8月16日]

建設水道常任委員会の行政視察報告

年月日: 平成30年7月30日(月) ~ 8月1日(水)
視察先: 加須市(埼玉県)、群馬東部水道企業団、豊島区(東京都)
出席委員: 久保田委員長、山崎(匡)副委員長、水谷、西川、坂下、長野の各委員

《加須市》 (7月30日)

【調査項目】
  ●「かぞ絆号」等の公共交通施策について

『市の概要』
  *市制施行: 平成22年3月23日
  *人  口: 11万3,429人(平成30年6月1日現在)
  *面  積: 133.3平方キロメートル

1.「かぞ絆号」等の公共交通施策について

(1)コミュニティバス「かぞ絆号」について
 加須市のコミュニティバスは「かぞ絆号」の愛称で呼ばれており、3つの運行方式で平成24年10月1日より運行されている。3つの運行方式とは、「デマンド型乗り合いタクシー」、「シャトルバス」及び「循環バス」であり、加須市内全域を運行区域として月曜日から土曜日までの間運行している。ただし、例外としてデマンド型乗り合いタクシーが、隣接市にある栗橋駅まで乗り入れている。

 (1)デマンド型乗り合いタクシーについて
  デマンド型乗り合いタクシーは、事前に利用登録をしている市民がドア・ツー・ドアで利用できるものとして運行している。利用に当たっては、かぞ絆号予約センターに電話をして予約することで、自宅や外出先まで車が迎えに行き、複数の予約者を乗り合いで運送する。1人当たり片道300円で利用できる。
  運行エリアについては加須市内全域(隣接市の栗橋駅を含む)であるが、加須市内を利根川より北の「北エリア」、東武伊勢崎線の線路より南の「南エリア」、北エリアと南エリアの間の「中エリア」の3つに分けて、エリアごとに運行している。別のエリアにまたがって移動する場合は、エリアの境に設けられた乗りかえ場所(加須駅、花崎駅及び道の駅童謡のふる里おおとね農業創生センター)で、行き先のエリアを走るデマンド型乗り合いタクシーに乗りかえて利用する。ただし、例外として、別のエリアに行く場合でも乗りかえせずに行ける場所(乗り入れポイント)を、それぞれのエリアで複数箇所設けている。
  運行時間については午前7時から午後6時まで(午後1時から午後2時の間を除く)とし、1時間置きに1日10便運行している。また、運行台数については、10人乗りのワンボックス車両で、北エリアは1台、中エリアは3台、南エリアは2台の合計6台である。

 (2)シャトルバスについて
  シャトルバスは、主に加須市内中央部を南北に走る形で22カ所の停留所が設けられている。
  運行時間は午前7時から午後7時58分までの間であり、1日8便(4往復)運行している。また、運行台数については、10人乗りのワンボックス車両1台である。利用料金は1回当たり200円であり、予約は不要で誰でも利用することができる。

 (3)循環バスについて
  循環バスは、加須駅と花崎駅の周辺29カ所の停留所を循環している。
  運行時間については、午前7時から午後7時20分までの間であり、1日10便運行している。また、運行台数については、34人乗りのバス車両1台である。
  利用料金は1回当たり100円であり、予約は不要で誰でも利用することができる。

(2)事業に至る経過と目的について
 平成22年3月23日に1市3町の合併により誕生した現在の加須市であるが、合併前の各地域では旧加須市が循環バス、騎西町がデマンド型コミュニティバスが運行されており、北川辺町及び大利根町がコミュニティバスや民間の路線バスの運行がないというように、それぞれコミュニティバスの運行状況に違いがあった。そこで、合併に際して、合併後、新たな実施方法を検討した上で新加須市全域を対象とした新たなコミュニティバスを導入することが合意され、コミュニティバスの導入の是非ではなく、どのような方式で導入するかの検討が行われた。
 事業の目的は、高齢者などの交通弱者の足の確保、病院や公共施設などへのアクセス利便性の確保、公共交通不便地域の解消である。

(3)事業の手順・手法について
 実施方法の検討・協議をする外部組織として、加須市副市長を会長として関係団体等で構成する加須市地域公共交通会議を、内部組織として、関係部局の課長級で構成する加須市地域公共交通庁内検討委員会を設立した。
 この加須市地域公共交通会議や加須市地域公共交通庁内検討委員会、懇談会、既存バス利用者アンケート、目的地別意向調査、新たなコミュニティバス運行に関するアンケート等を経て平成24年3月に策定された加須市地域公共交通総合連携計画では、地形的な特性や地域性を考慮して効率的な公共交通体系を構築するため、運行エリア及び幹線・支線を設定する必要性を記載した。幹線については、加須市の公共交通施策の軸として南北の地域を広域に連絡するものであり、合併した1市3町を結んでいる。現在の3つの運行方式のうち、シャトルバスがこの幹線の役割を担っている。支線については、民間の路線バスや幹線の役割を担うシャトルバスでは対応し切れない地域をカバーしてきめ細かな公共交通を実現するためのものであり、デマンド型乗り合いタクシーと循環バスがこの役割を担っている。これらの幹線・支線や乗り入れポイントである結節点を設けた上で、加須市全域の公共交通ネットワーク化を図っている。
 運行については、加須市コミュニティバス円滑運行協議会との連携が重要である。同協議会は、加須市のコミュニティバス事業の趣旨に賛同する3者の市内交通事業者で構成される組織であり、予約センターの管理・運営業務、利用者登録、受け付け・配車業務を行い、同協議会と交通事業者との間で運行委託がされている。また、加須市から同協議会へは、運営費補助金や業務委託料が支払われ、あくまでもコミュニティバスの計画主体・事業主体は加須市であり、基本協定を結び、市が定めた計画に基づいて同協議会が運行を担っている。同協議会を設置することで、事業者間の連携や市と事業者間の連携が密に図れるようになっており、行政と事業者が一緒に地域の公共交通を支えているという考えで同協議会を設置している。

(4)事業にかかる経費及び予算について
 平成28年度決算でいくと、利用料金や国庫補助金等の収入が約1,821万円、運行経費等として使用される補助金や予約センター管理運営経費として使用される委託料の支出が約8,928万円であり、市負担額としては約7,107万円となっている。近年は3つの運行方式とも利用者は増加しているが、平成30年度の見込みとしては、国庫補助金の減額や人件費や燃料費の高騰もあり、利用者数を厳しく見積もってはいるものの、市負担額は約8,231万円となる予想である。
 収入はふえずに支出がふえる予想のため、今後はいかに収入をふやして、かかるコストを削減するかが求められている。

(5)コミュニティバスの利用状況について
 デマンド型乗り合いタクシーは、平成29年度における延べ利用者数が3万4,099人で1日当たりの平均利用者数は111.1人であり、平成29年度末時点での利用登録者数は1万4,114人である。北エリアでの利用が少なく、1日当たりの平均利用者数を120人にすることを目標としている。また、利用者の約8割が65歳以上となっており、平日の利用が約85%である。
 循環バス及びシャトルバスの平成29年度における延べ利用者数は、それぞれ2万297人と6,126人であり、1日当たりの平均利用者数は、それぞれ65.9人と19.9人である。

(6)関連事業及びその進捗状況について
 平成28年度に創設された埼玉県元気なバス需要創出モデル事業は、単なる赤字の補塡のための補助金ではなく、赤字解消のために路線バスの新たな需要を創出する取り組みを実施する事業者への補助金である。この制度により埼玉県・加須市・久喜市の協調補助が行われ、平成29年5月31日から一部の民間バス路線が延伸され、平成28年度に12万7,771人だった利用者が平成29年度には17万966人になった。
 ちょこっとおたすけ絆サポート事業は、有償ボランティアが高齢者の買い物代行や外出支援などの軽度の生活支援を行うものである。サポートを受けたい者が、1枚500円の地域通貨を有償ボランティアに渡すことでサポートを受けられる仕組みになっている。商工会が運営主体となっており、市は事業費の2分の1を補助している。高齢者福祉の充実と、地域通貨を商店等で使用することによる地域商業の振興を目的として行われており、支えられる側と支える側が同じ地域にいることによって、顔の見える住民同士の支え合い活動につながるものである。

(7)今後の課題と取り組み予定について
 加須駅南に新病院を誘致しており、当該病院の建設を見据えたコミュニティバスの想定ルートの検証が必要となっている。また、本事業は配車等において予約センターのオペレーターの役割が重要であって効率的な運行に大きく影響を与えるものであるため、オペレーターの人員確保が課題となっている。さらに、(4)で先述したように、コスト削減も課題である。
 また、民間の公共交通事業者との共存を意識している。地域公共交通イコールコミュニティバスではなく、あくまでもコミュニティバスは民間のバス、タクシー、鉄道等を補完する役割であると考えており、将来にわたって地域交通を維持していくためにもコミュニティバスが便利になることで民間事業者の経営を圧迫することがないように配慮している。

(8)その他
 委員からは、利用者がふえているのに今年度の利用料金収入予想が低い理由について、市負担額がふえる傾向にあるが市負担額の限度は幾らで考えているのかについて、利用登録者数のうち実利用者数について、新病院誘致の詳細について、3つの運行方式にした理由について、当該事業について地域や議員から出された意見について等の質疑が行われた。

「加須市視察の様子」

「加須市視察の様子」

《群馬東部水道企業団》 (7月31日)

【調査項目】 
  ●上水道事業の統合について

『企業団の概要』
  *設  立: 平成27年10月1日
  *給水人口: 45万5,078人(平成29年3月末日現在)
  *年間総給水量: 6,261万3,000立方メートル(平成30年度予定量)

1.上水道事業の統合について

(1)群馬東部水道企業団の概要及び群馬東部が広域化を進めた理由について
 群馬東部水道企業団は、群馬県東部に位置する太田市、館林市、みどり市、板倉町、明和町、千代田町、大泉町及び邑楽町の3市5町の水道事業を統合することを目的として平成27年10月1日に設立されたものであり、平成28年4月1日から事業がスタートした。
 事業統合前の各構成団体では、人口減少に伴い給水量が減少したことによる給水収益の減少、水道施設の老朽化による更新費用の増加等により、財政状況が悪化していた。これにより余剰な施設及び料金値上げの課題が生じ、これらの課題は各構成団体単独では解決しがたいものであったため、国庫補助が活用できる事業統合によって施設の整備や運用におけるメリット、経営の効率化や事業運営のメリット等を得ようとして水道事業の広域化が進められた。

(2)企業団設立の経緯について
 (1)3市5町の枠組みについて
  昭和56年以来、群馬県の太田市、桐生市、館林市及びみどり市並びに栃木県の足利市及び佐野市の計6市で構成する両毛地域水道事業管理者協議会があり、災害応援協定の締結やその時々の課題や問題を話し合う各種会議を行っていたが、平成21年に当該協議会において、水道事業の行き詰まりに対応するため水道事業の広域化の検討が議題に上がった。その後、群馬県の地域・大学連携モデル事業や経済産業省の水ビジネス支援事業での研究・支援等を経て、地域の需要者の利益を優先して事業基盤の強化と経営の効率化を図ることを目指し、現在の構成団体である3市5町の枠組みで事業統合の検討を進めることとなった。

 (2)研究会の設立について
  平成24年5月31日に開かれた8構成団体首長会議では、住民サービスの充実、料金安価の維持、安全・安心の強化及び持続可能な経営を図ることができ、デメリットはほとんどないとして、事業統合に向けた研究会の設立が全首長から承認された。この承認を得られたことにより、事務レベルのボトムアップであったものがトップダウンになり、また、平成24年7月2日には群馬東部水道広域研究会が設立され、事務方の共同研究がスタートした。その結果、8構成団体とも全国的な流れと同じく人口減少により事業収益が落ち込む傾向にあり、高度経済成長時代に投資した施設の更新を計画的に進めていくことが中心的な課題であるとされた。

 (3)基本構想及び基本計画について
  平成25年7月には、当該研究会において、各構成団体の事業評価と課題抽出を行い、広域化で目指す将来目標や施設統廃合等を重視した基本方針を示した群馬東部水道広域化基本構想が策定された。当該構想では、重要目標を「新たな水運用による施設の統廃合」とし、各構成団体が保有する浄水施設を活用した水運用の融通によって施設のダウンサイジングを進め、22浄水場のうち、平成36年度までに8浄水場を、平成62年度までにさらに4浄水場を廃止する方針を打ち出した。また、同年9月には、当該基本構想をベースにした各事業計画及び当該事業計画を反映させた財政計画を示した群馬東部水道広域化基本計画が策定された。
  これら基本構想及び基本計画では、施設の老朽化による安全・安心な水道水供給の危機、収入減少による安定した事業運営の崩壊、職員減少によるノウハウ・技術継承の喪失及び基盤不安定化によるリスク対応が各構成団体の共通の課題として認識され、広域化によりこれらの課題の解決や施設の有効活用による過度な投資の抑制、包括業務委託等を活用した機能集約によるコスト削減及び各種災害に対するリスクマネジメント強化が図れるため、国庫補助金などを積極的に活用して広域化を早期に実現する必要があるとした。
  また、この際の財政シミュレーションにおいて、各構成団体がそれぞれ水道事業を進めた場合は数年のうちに全構成団体が赤字になるが、広域化した企業団経営を行う場合は90億円の費用削減効果が期待できることで、少なくとも平成36年度までは黒字が確保できるという結果が出たため、広域化の流れに拍車がかかることになった。

 (4)水道事業統合協議会及び水道統合準備室について
  平成25年10月21日には、8構成団体の首長により水道事業統合基本協定調印式が行われ、同年11月26日には組織の設置に向けた群馬東部広域水道事業統合協議会が設立され、平成26年4月1日には、8構成団体のうちの3市から各2名の職員を派遣した水道統合準備室が設置された。当該準備室では、統合の方法及び時期、組合議会議員の定数及び任期、条例や規則等の取り扱い等、企業団設立のために必要な15の協議項目の協議・調整並びに国庫補助及び創設認可の申請がされたほか、基本構想及び基本計画に基づく具現化作業もスタートされた。なお、協議・調整された項目のうち、水道料金の取り扱いについては、さまざまな意見があり、広域化の阻害要因になりかねなかったことから、各地域での水道料金に違いがあるままとして、まずは広域化を優先させるために広域化後4年目以降に料金統一のための議論を行うこととされた。

 (5)企業団事業開始までの主なロードマップについて
  水道統合準備室が設置された以降、平成27年6月に企業団規約を作成し、同年10月の群馬県からの企業団設立許可を経て、同年12月に各構成団体がそれぞれの水道事業廃止条例を可決、平成28年2月に企業団臨時議会を開いて条例及び予算を可決、同年3月の厚生労働省からの創設事業認可を受けて、同年4月より事業がスタートした。
  なお、企業団は、各構成団体の議会から選出される12人の議員で構成される企業団議会、各構成団体の首長で組織されている理事者会議において互選される企業長・副企業長及び各構成団体より派遣される職員で組織されている。職員数については、各構成団体がそれぞれで水道事業を行っていたときには合計で93人だったが、事業所の集約や業務委託の拡充により、企業団設立時には78人に、そして現在は68人へと組織のスリム化も実現できた。

(3)事業費と費用削減効果について
 事業費としては、再構築事業費が平成27年度から平成36年度までの間で約54億円、更新需要算定費が平成27年度から平成36年度までの間で約283億円かかるが、国庫補助を活用することで平成27年度から平成36年度までの間で約97.6億円が補助される。また、施設再構築による統廃合等により10年間で約17億円、国庫補助活用による投資額により10年間で約97億円、包括業務委託の拡充による人件費等で10年間で約25億円の費用削減効果が期待できる。このため、事業統合により新たにかかる再構築事業費約54億円を、費用削減効果が期待できる合計約139億円で賄い、残る約85億円を老朽施設及び老朽管の改修工事費用に充て、安全・安心な水道事業の運営を行っていく計画としている。

(4)今後について
 企業団の設立当初の施設の統廃合の考え方を現在ではより進め、将来的には群馬県が運営する2つの浄水場を譲り受けることで、22ある浄水場を7つにまで統廃合させて施設の維持管理費用をさらに削減することや、県営水道の購入費用の削減によって安価な水道料金を維持することを目指している。
 また、平成28年度からは官民共同で出資した会社である(株)群馬東部水道サービスを設立し、官民連携による包括委託業務をさらに進めることとしている。当該会社は企業団が51%を出資しており、施工工事における発注方式等において柔軟な対応ができ、官民双方のノウハウを生かした効率的な事業運営を目指している。

(5)その他
 委員からは、目指す職員の削減数について、有収水率について、現在各地域の水道料金が違うことに対する市民の反応について、官民出資会社の構成企業への応募数について等の質疑が行われた。

「群馬東部水道企業団視察の様子」

《豊島区》 (8月1日)

【調査項目】 
  ●パークマネジメント(南池袋公園)について

『区の概要』
  *区制施行: 昭和7年10月1日
  *人  口: 28万9,677人(平成30年6月1日現在)
  *面  積: 13.01平方キロメートル

1.パークマネジメント(南池袋公園)について

(1)公園の概要について
 南池袋公園は、東京都豊島区南池袋2-21-1に所在し、公園面積は7,811.5平方メートルで、芝生広場・多目的広場・サクラテラス・キッズテラスがある。
 芝生広場は、冬でも枯れることなく一年中緑の芝生が広がる広場であり、多目的広場は、イベント等で主に利用される公園施設脇にある広場で、エリアWi-Fi「TOSHIMA Free Wi-Fi」が利用できるようになっている。また、サクラテラスは、小高い丘になっている桜の木の下に広がるデッキであり、芝生広場側は階段状になっているため、ベンチに座りながら芝生広場を広く見渡せるようになっている。キッズテラスは、小山から滑りおりる大きな滑り台(リボンスライダー)、シーソー、回転遊具等がある。

(2)整備経緯について
 昭和26年11月に区画整理事業により整備されて開園した南池袋公園は、昭和50年の東京メトロ有楽町線の整備に伴い再整備されたが、平成19年6月に東京電力株式会社から豊島区へ提出された「南池袋公園地下への変電所設置について」文書により地下変電所設置計画が動き出した。
 平成21年9月に公園を閉鎖し、基本計画及び基本設計の説明会を経て工事に着工、平成27年3月にカフェ・レストランの事業者の選定及び決定、同年4月に一部開園した後、平成28年4月に全面開園された。整備前の木が鬱蒼と茂る公園から、現在の開かれた公園へと変わった。

(3)カフェ・レストランの導入について
 南池袋公園の立地を生かし、公園内に魅力的な店舗を誘致することにより、住宅や職場・学校ではない第3の場(サードスペース)として、質の高い憩いの場と公園周辺のにぎわいの創出を図る。また、カフェ・レストランがあることで人の目が行き届き、公園の雰囲気が明るくなる効果もあった。
 事業者の選定の際はプロポーザル方式によって審査し、オープンスタイルのカフェ・レストランの導入となった。5者の事業者から応募があったが、リピーターを呼ぶためにはチェーン店ではなく、ここにしかない店であることに着目して選定された。再整備に当たりカフェ・レストランを導入することは、公園という公共空間の良質な環境の維持と価値の向上に資する新たな手法として展開しており、収支等のさまざまな検証が行われた。
 また、平成26年3月に策定された現庁舎周辺まちづくりビジョンに基づき、池袋副都心の新たな回遊性とにぎわい創出の場として活用するとともに、日常的には人々が憩える空間の整備に加えて、災害時には帰宅困難者対策を担う機能を備えている。
 さらに、カフェ・レストラン事業者から建物使用料を得て公園の維持管理費に充てており、また、南池袋公園でのカフェ・レストラン事業を、グリーン大通りでのオープンカフェと相互連携させることで、公共空間を活用した事業の充実とエリアマネジメントの組織化及び機運を高めていくこととしている。
 施設概要は、建築面積265.27平方メートル、延べ床面積439.65平方メートルの地上2階建てで、飲食店、教養施設、備蓄倉庫、管理室及びトイレからなる複合施設である。都市公園法第5条第2項の規定による許可により、公園管理者以外の者が管理する公園施設として飲食店の管理運営を実施している。なお、2階フロアにある体験学習施設、図書館等は都市公園法に基づく教養施設として位置づけており、地域貢献の活動の場所として活用している。

(4)工事費及び維持管理費について
 工事費としては、歳出は公園工事約4億円及び建物工事約1億8,000万円で合計約5億8,000万円、歳入は東京電力地下変電所工事に伴う復旧経費約2億9,000万円及び基金利用約1億3,000万円で合計約4億2,000万円となっており、当該事業に伴う新たな区の負担としては約1億6,000万円である。
 平成29年度実績の維持管理費としては、歳出は芝生の維持管理や夜間閉鎖時の警備員の人件費等で約2,800万円、歳入はカフェ・レストランの建物使用料約1,930万円(固定分約1,230万円・歩合分約700万円)、東京電力より地下変電所の地下占用料約1,520万円及び東京メトロより地下鉄の地下占用料約350万円で合計約3,800万円となっており、歳入が歳出を約1,000万円上回っている。

(5)公園の運営について
 地域住民の参加による持続可能な公園経営を行うための運営組織として、商店会、町会、寺町関係者、学識経験者、カフェ・レストラン出店者及び豊島区で構成する「南池袋公園をよくする会」を立ち上げ、芝生の管理方法やイベントの開催等についてどのようにすれば南池袋公園がより良くなるか話し合い、運営を行政だけが担うのではなく、カフェ事業者とともに地域住民が主体となって行うことで公園の魅力を高めている。
 地域には、南池袋公園でのイベントによる売り上げの0.5%とカフェ・レストランの売り上げの0.5%が地域還元費として月々入る仕組みになっている。

(6)関連事業について
 南池袋公園の再整備により、雑誌等でも池袋の雰囲気が変わったという評価を受け、これを成功事例として、造幣局跡地の整備、西口公園の芸術劇場横の公園の整備及び旧庁舎跡地の前庭の整備等についてもカフェ・レストランを設置することで、収益だけでなく地域コミュニティーの場として、また、人の目による防犯上の効果も期待する同様の手法を検討している。

(7)その他
 委員からは、再整備の際に公園規模の縮小は検討されたのかについて、他の公園の整備も利益が出るように考えているのかについて、施設の使用料について、事業者の選定について、コンサルト事業者の活用について等の質疑が行われた。

「豊島区視察の様子」

「豊島区視察の様子」

お問い合わせ

宇治市議会     議会事務局
電話: 0774-20-8747  ファックス: 0774-20-8786
E-mail: gikaijimukyoku@city.uji.kyoto.jp

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