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宇治市議会(行政視察報告 平成30年度) 3

[2018年7月27日]

市民環境常任委員会の行政視察報告

年月日: 平成30年7月10日(火)・7月11日(水)
視察先: 流山市(千葉県)、さいたま市(埼玉県)
出席委員: 渡辺委員長、岡本副委員長、山崎(恭)、真田、荻原、池田、秋月の各委員

《流山市》 (7月10日)

【調査項目】 
●マーケティング戦略について
●シティセールスについて

『市の概要』
*市制施行: 昭和42年1月1日
*人  口: 18万8,040人(平成30年6月1日現在)
*面  積: 35.32平方キロメートル

 

1.マーケティング戦略及びシティセールスについて

1.マーケティング戦略及びシティセールスについて
(1)マーケティング課の設置について
 急激な少子高齢化による人口減少と大規模区画整理事業(つくばエクスプレス開業に伴う区画整理)の遅延という課題により財政破綻の危機にあった。流山市の歳入構造は住民税への依存割合が高いベッドタウン特有のものであり、このまま少子高齢化が続くと市民サービスの維持が困難な状況となるため、若い世代の人口増加こそが継続的な発展の鍵であるとの市長の考えのもとマーケティングに注力することとなった。
 また、交流人口や定住人口の増加を狙うための広報は、一般行政の広報とはターゲットや考え方が異なり、マーケティングに特化して戦略的に取り組むためにも従来の組織から分ける必要があったため、平成16年に自治体マーケティングの先駆けとなる日本初のマーケティング課を設置することになった。

(2)マーケティング課の業務について
 市の知名度アップ、イメージアップを図るとともに市のブランド化を推進するため、市の魅力を市外、特に首都圏を対象にしてPRしている。都市間競争を意識した市の魅力ある情報を発信することにより子育て中の共働きファミリーの定住化を促進するシティセールスを行っている。
 また、交流人口の増加につながる魅力あるイベントを実施することや、フィルムコミッションなど各種の情報メディア・ツールを駆使して発信することもマーケティング課の業務である。

(3)マーケティング課長の公募について
 マーケティング課長を含め、マーケティング課6名のうち3名は民間から公募した任期つき職員(延長有り)である。内訳はマーケティング課長1名、シティセールスプロモーションマネージャー(課長補佐級)1名、メディアプロモーション広報官(係長級)1名の合計3名。シティセールスに関連する業務に従事した経験を有することなどの条件のもと、「人口減少時代に人口が増え続けている流山市を全国、そして世界へ売り込める方を募集します!あなたの知識と経験を、ぜひ、この街で生かしてみませんか!」のうたい文句で公募した。今後も基本的にはマーケティング課の人員構成や公募の方針は変わらない。

(4)シティセールスについて
 一般的にシティプロモーションとシティセールスは同義のように扱われることが多いが、流山市では明確に定義を分けており、シティセールスはあくまで「市の売り込み」である。そのため、「流山市の何を、どう売るか」の視点に立ち、SWOT分析(環境分析)を行って、流山市の強みやポテンシャルを確認し、首都圏の住宅マーケットにおいて「都心から一番近い森のまち」というポジショニング・ステートメントを確立し、目指すべき都市ブランドとしての一環したイメージの方向性を明確にすることからシティセールスをスタートさせた。

(5)シティセールスプランについて
 シティセールスの課題を、つくばエクスプレス沿線の市区自治体の中で真っ先に選ばれる「住んでみたい町」としての都市ブランドとして認知されることに設定、住民誘致を図る上でこれからの長寿社会を支えるDEWKS(Double employed with kids、30歳代から40歳代の共働き子育て夫婦)に訴求対象を絞ったマーケティングを開始した。
 DEWKSへのメッセージを「母になるなら、流山市。」、「父になるなら、流山市。」とし、首都圏の主要駅(路線や駅は厳選)にPR広告を出すとともに、テレビや各種メディア・ツールを積極的に活用したプロモーション事業を展開している。
 平成28年12月に流山市第2期シティセールスプランを策定し、都市ブランドとして競争優位性のある、「人口の減りにくいまち=住み続ける価値の高いまち」という流山市ブランドを確立することを目指し、下記のアプローチにより体系的に取り組みを進めている。
 (1)首都圏向け広告・ウェルカムガイド:認知獲得から興味・関心喚起へ
 (2)PR(媒体パブリシティ)・シティセールスWeb・SNS:興味・関心喚起から比較・検討へ
 (3)シティセールスイベント:比較・検討から体験を通じた転入意向形成へ
 (4)シビックプライドの醸成:転入から熱烈ファン層へ
 (5)グッドデザイン・シティの推進:流山市ブランドをより高い位置、新たな次元へと引き上げる

(6)その他
 委員からは、メディアプロモーション広報官について、ディベロッパーとの連携や関係性について、各種情報分析の予算について、企業誘致について、転入者アンケートに見る流山市の強みについて、空き家やシャッター商店街について、流山市の目指すべき理想像について等の質疑が行われた。

「流山市視察の様子」

《さいたま市》 (7月11日)

【調査項目】
●産業連関表の作成と活用について

『市の概要』
*市制施行: 平成13年5月1日
*人  口: 129万7,811人(平成30年6月1日現在)
*面  積: 271.43平方キロメートル

1.産業連関表の作成と活用について

(1)産業連関表の概要について
 産業連関表とは、1年間における市の経済活動を一覧表としてとりまとめたものである。縦方向は「どれだけ買ったか」、横方向は「どれだけ売ったか」をそれぞれ示しており、そのまま読み取ることにより市内の産業構造や産業相互の依存関係等、経済の構造を総合的に把握することができるとともに、各種係数表を用いて分析することにより、経済の将来予測や経済政策の効果の測定・分析、あるいはイベント等に伴う経済波及効果の計測等が可能である。
 経済センサスや国勢調査などの各種統計を反映させて作成するため、5年に一度作成するのが基準となっており、国内では全ての都道府県と約7割の政令指定都市で作成されている。
 さいたま市産業連関表についても、約5年をかけて業務委託により作成しており、平成22年度に「平成17年さいたま市産業連関表」を初めて公表し、昨年度に「平成23年さいたま市産業連関表」を公表している。また、「平成27年さいたま市産業連関表」を現在作成中で、平成32年度に公表する予定である。

(2)産業連関表から見るさいたま市の経済状況について
 平成23年さいたま市産業連関表によると、市内生産額は7兆3,575億円となっており、埼玉県の県内生産額(37兆8,464億円)の19.4%、全国の国内総生産額(939兆6,749億円)の0.8%であった。
 供給部門を縦方向に、市内生産額の内訳を見ると、生産のために必要となった原材料、燃料等の財・サービスの中間投入は3兆909億円、生産活動によって新たに生み出された粗付加価値は4兆2,666億円であった。また、需要部門を横方向に見ると、総供給がそのまま総需要に等しく、そのうち3兆909億円は生産活動の原材料等として中間需要され、最終需要額は7兆5,695億円となった。
 市内生産額に占める比率は、サービスが82.0%、財が18.0%でサービス業に特化した産業構造となっている。サービス業中心であるため、人件費の割合が大きくなることに伴い粗付加価値率が高いという特徴がある。また、埼玉県や全国に比べて、全産業に占める公務の構成比が高くなっていることも特徴である。これはさいたま市が県庁所在地かつ政令指定都市であることから、国の出先機関を初め官公庁が多く存在することが要因であると考えられる。

(3)さいたま市における活用事例について
 「2016ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」や「さいたま国際マラソン」などのイベント開催や、「商店街豪華賞品収穫キャンペーン事業」などの経済波及効果分析での活用事例が多い。この他にも施策や事業の費用対効果を分析する手段として活用したいとの庁内からの要望が多いことから、市職員に向けて「産業連関表を用いた経済波及効果の求め方」の研修を実施している。
 また、産業連関表からさいたま市の産業構造を見ると98%から99%が中小企業で、製造業が多いこと、その中に高度な基盤技術を持った事業所が多くあることが分析から読み取れた。これからの成長産業の一つである医療産業とさいたま市の業者の高い技術・ポテンシャルをいかにマッチングさせるかがテーマとなり、さいたま医療ものづくり都市構想をつくるなどの施策にも結びつけている。
 産業連関表が特効薬的に直接に施策決定に結びつくものではないが、ほかの工業統計調査などの各種統計と合わせて分析することで特徴を捉え、将来を見据えた施策検討のエビデンスとすることが可能である。

(4)今後の展開や予定について
 平成27年さいたま市産業連関表を作成中であり、平成32年度に公表を予定している。
 また、庁内研修は好評かつ人気があるため、今年度は回数をふやして実施する予定である。

(5)その他
 委員からは、産業連関表作成に係る業務委託について、委託予算の変遷について、産業連関表を作成して発見できたことについて、経済波及効果の計測について、統計情報室の業務について、中小企業や商工会議所との連携について、将来的な展望について等の質疑が行われた。

「さいたま市視察の様子」

お問い合わせ

宇治市議会     議会事務局
電話: 0774-20-8747  ファックス: 0774-20-8786
E-mail: gikaijimukyoku@city.uji.kyoto.jp

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