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宇治市議会(行政視察報告 平成30年度) 2

[2018年5月30日]

文教福祉常任委員会の行政視察報告

年月日: 平成30年5月15日(火)~5月16日(水)
視察先: 佐賀市(佐賀県)、春日市(福岡県)
出席委員: 稲吉委員長、中村副委員長、宮本、大河、松峯、服部、浅井の各委員

《佐賀市》 (5月15日)

【調査項目】 
●未就学児の発達障害療育支援施設について

『市の概要』
*市制施行:平成17年10月1日
*人  口: 23万3,341人(平成30年3月末日現在)
*面  積: 431.84平方キロメートル

1.未就学児の発達障害療育支援施設について

1.現地視察について
  児童発達支援事業所「クラスルームといろ」を視察した。

2.未就学児の発達障害療育支援施設について
(1)未就学児の発達障害療育支援施設の概要について
      発達障害者支援法(平成16年成立)により、発達障害の早期発見・早期支援が市町村の責務として義務づけられている。
      近年、発達障害が疑われる子供が増加する中で、早期発見から早期診断、早期療育、就園、就学に至る一貫した支援を提供する体制づくりが必要である。
      佐賀市においては、平成23年度から発達障害児の早期診断、早期療育事業に力を入れてきたが、支援のより一層の充実を図るため、児童福祉法に基づく児童発達支援事業所「クラスルームといろ」を佐賀市が直営で設置し、発達障害と診断された未就学児を対象として、日常生活における基本的な動作、集団生活への適応を目的とした療育支援を行っている。
     「クラスルームといろ」という愛称は「十人十色」いろんな子供たちがいて、みんなそれぞれの個性があり、それを生かしながら成長できる場を提供できればという思いを込めて名づけられた。
      場所については、佐賀市保健福祉会館(ほほえみ館)4階の会議室として使用されていた部屋を改修して事業所を設置、平成29年10月2日に開設された。5人程度のグループ療育を実施する集団療育スペース、3歳児までの療育(ほっとカフェ)等を実施する個別療育スペースがある。また、保護者が事業所側から療育を観察できるマジックミラーを設置している。
      開所日及び開所時間は月曜日から金曜日(祝祝日及び12月31日から1月3日を除く)、9時から17時(療育時間は、午前の部は9時から12時、午後の部は13時から16時)となっている。
      利用対象者は発達障害の診断を受けた佐賀市在住の未就学児及びその保護者で、1日の定員は午前の部5人、午後の部5人の計10人、原則、週1回で親子同伴による通所となっている。利用者の負担は一月当たりのサービス費用の1割または世帯の所得に応じた負担上限月額となっている。
      職員配置は管理者1人((兼務)子育て総務課参事)、児童発達支援管理者1人(嘱託職員)、指導員3人(保育士1人(正職員)、保育士2人(嘱託職員))、事務担当者1人((兼務)子育て総務課主査)となっている。

(2)開所に至った経緯について
      早期療育事業(ほっとカフェ)は、3歳未満を対象としているため、3歳以上は民間等の療育施設で療育を受けることとなるが、市内の発達障害児の専門的療育ができる事業所が2カ所と限られているため、長期間の待機が発生しているという課題があった。
      解決策として、未就学児の発達障害児を対象とした児童発達支援事業所「クラスルームといろ」を市直営で設置し、早期発見から診断・就学前までの療育につながる一連の支援を途切れなく提供することとした。

(3)取り組み内容及び成果等について
       ・療育内容について
         3歳児までは超早期療養プログラムを用いて、個別療育スペースで個別療育を実施。3歳児以上は個別療育や集団療育スペースでの集団療育(5人程度)など、その子の特性に合わせた療育を実施。
     ・成果等について
        子供への対応、子供の将来について不安を抱えている保護者が多く、相談療育を行うことで、不安の緩和などにつながっている。
        保護者からは「といろ」での療育の実施により、子供にプラスの変化が生じたという声(視線をよく合わせるようになったなど)は寄せられているが、数値的な検証を行うのが難しいのが現状である。今後は「といろ」での療育の過程で実施する発達検査のデータなどを統計的に分析し、効果を検証する必要がある。
        利用実績は平成29年10月2日の開設から平成30年3月までで利用児童数495人、保護者数269人の合計764人である。

(4)課題について
      ・療育の質の確保(人材育成)
        療育施設においては人材が重要となってくる。発達障害についての専門的な知識を持っている人材は限られているのが現状なので、OJT、研修などによる計画的な人材育成の必要がある。
      ・待機の問題
        開所後半年で、既に受け入れ可能枠がいっぱいとなり、療育の質を確保しながら待機を受け入れていくことが難しい状況である。
        今後、指導員のスキルアップ等により、個別療育と集団療育を並行して実施するなど療育の質を確保しながら受け入れ数をふやすなど待機数の減少に向けた取り組みを検討していく必要がある。

(5)今後について
     「クラスルームといろ」に正職員である保育士を計画的に配置し、研修を積むことにより、「クラスルームといろ」で学んだ知識・スキルを公立保育所や幼稚園などの現場で生かしていく。将来的には、民間事業所の職員研修についても積極的に受け入れることで、療育支援のノウハウを民間にも拡充させ、発達障害児の療育の質を高めていく。

「佐賀市現地視察の様子」

「佐賀市視察の様子」

《春日市》 (5月16日)

【調査項目】
●春日市コミュニティ・スクールについて

『市の概要』
*市制施行:昭和47年4月1日
*人  口: 11万3,042人(平成30年3月末日現在)
*面  積: 14.15平方キロメートル

1.春日市コミュニティ・スクールについて

(1)コミュニティ・スクールについて
   コミュニティ・スクールとは、学校の運営に地域の皆さんの声を生かすとともに、学校・家庭・地域がそれぞれの役割と責任を果たしながら、共育(共に育てる)を進める新しい仕組み。また、この制度により子供たちが育つ地域基盤がつくられている。
      主な役割としては、(1)校長が作成する学校運営の基本方針を承認する。(2)学校運営について、教育委員会または校長に意見を述べることができる。(3)教職員の任用に関して、教育委員会規則で定める事項について、教育委員会に意見を述べることができる。の3つがある。

(2)コミュニティ・スクール導入について
      春日市の小中学校は平成17年度に春日北中学校ブロック3校がコミュニティ・スクールに移行してから順次導入が進み、平成20年度には全小学校に導入完了、平成22年度には全中学校に導入が完了し、全ての小中学校がコミュニティ・スクールとなった。平成23年度以降はコミュニティ・スクール評価指標の作成、書籍の発刊、全国コミュニティ・スクール研究大会の開催、地域学校協働活動の推進などを行っている。

(3)特徴について
       ・目標から見た特徴(双方向の関係構築による共育)
         コミュニティ・スクール導入前は家庭・地域でのPTA活動など、学校への支援活動が多かったが、導入してからは、学校は地域への貢献活動をし、学校・家庭・地域の三者によって双方向に協働活動をしていく。
       ・学校運営協議会の位置づけから見た特徴(協働・責任分担方式の学校運営協議会)
         学校運営協議会は、校長のよき理解者、学校の応援・支援団となり、学校・家庭・地域がそれぞれの役割を担い、協働しながら相互に責任を果たす協働・責任分担方式を採用している。
         学校運営協議会の委員は20名以内で構成している。特徴的なのは必ず行政職員2名が協議会に入っていること。行政として何ができるかを考えたり、状況を把握したりするためである。
       ・推進組織の位置づけから見た特徴(実働推進組織の設置)
         学校運営協議会で協議・承認された内容を課題ごとに具体化・具現化していく実働推進組織を設置しており、その実働推進組織は3つのタイプにわかれている。(1)合同部会組織タイプは学校・家庭・地域の代表が部会に入り一緒になって課題解決のために何ができるかを考えて、実践していく。(2)三部会組織タイプは学校・家庭・地域が役割分担をし、学校部会・保護者部会・地域部会をつくっている。学校・家庭・地域が目指す子供像を設定して、その子供像に近づくためにどんな取り組みをしていくかを考え、実践していく。(3)学校支援組織タイプはボランティア等を募り、学校の支援を実践していく。
       ・教育課程・取り組み、学校環境から見た特徴(社会に開かれた教育課程、各種連携)
         教育課程を介して地域社会とつながる学校にするために、学校・家庭・地域が双方向に連携する取り組みが必要であるため、(1)地域を生かす、(2)地域を学ぶ、(3)地域に還す、(4)地域と学ぶ、という4つの地域連携カリキュラムを作成している。
       ・学校の経営・運営範囲から見た特徴(家庭、地域のつなぎの経営・運営)
         コミュニティ・スクールでない場合、校長は学校の取り組みを考えるだけでよかったが、コミュニティ・スクールを導入すると、学校・家庭・地域が一体となって取り組んでいくものであるので、学校の取り組みに加えて、家庭・地域の取り組みを考えていかなければならない。

(4)成果について
       市内教職員へのアンケートの結果から子供の社会性・市民性の向上のほか、学校と地域との関係性の向上や学校活動の活性化、学力の向上等にも効果が上がっていることがうかがえる。
       学力の向上については、平成19年から平成27年までの推移を見ると、いずれの年も小中学校では全国平均を上回っており、子供たちの学びによい影響を与えている。また、地域への感謝や貢献意欲が成人式の代表挨拶や市長出前トークでの中学生の発言から、子供たちや地域住民の市民性の高まりがうかがえるなど、コミュニティ・スクールを導入することで確かな成果を上げている。

「春日市視察の様子」

お問い合わせ

宇治市議会     議会事務局
電話: 0774-20-8747  ファックス: 0774-20-8786
E-mail: gikaijimukyoku@city.uji.kyoto.jp

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