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宇治市議会(行政視察報告 平成30年度) 1

[2018年5月30日]

総務常任委員会の行政視察報告

年月日: 平成30年5月10日(木)~5月11日(金)
視察先: つくば市(茨城県)、千葉市(千葉県)
出席委員: 鳥居委員長、今川副委員長、坂本、石田、堀、木本、関谷の各委員

 

《つくば市》 (5月10日)

【調査項目】 
●ペーパーレス会議の推進、電子決裁の拡充について
『市の概要』
*市制施行: 昭和62年11月30日
*人  口: 23万575人(平成30年3月末現在)
*面  積: 283.72平方キロメートル

1.ペーパーレス会議の推進について

(1)導入に至った経過について
 ペーパーレス会議システムは、平成28年1月に運用を開始した。
 導入の経過としては、当時、多種多様な事業を推進することに伴う事務量の増加や、紙資料の増加が課題となっていたことから、印刷事務等に伴う人件費の削減、紙資料及び印刷コストの削減を図るため、ペーパーレス会議システムの導入を決定した。
 なお、導入費用としては、90台のタブレット購入費及びシステムの利用料を含む賃借料(5年リース)合わせて約3,135万円である。
 また、システムはNECのシステムを導入しているが、ふだん職員が使用しているシステム環境を構築しているのがNECであったため、当ペーパーレスシステムの導入に当たってもNECのシステムを導入した。

(2)ペーパーレス会議システムの概要について
 会議参加者がペーパーレス会議システムを起動すると、報告者が見ている画面と同じ画面が表示され、報告者が進行に合わせてページを切りかえたり拡大表示をすると、会議参加者の画面も一斉に切りかわる仕組みとなっている。また、会議参加者が別のページを見ることも可能で、個人が作業中でも報告者の画面が別途表示されており、いつでも好きな時に報告者と同じ画面に戻ることができる。個人作業中の画面では手書きでメモやテキスト入力もでき、完全なペーパーレス化が可能となっている。
 従来は会議資料作成時、事務局を含め会議参加者全員分の資料を印刷し、加えて、資料の差しかえがあったら都度、全員分の再印刷を行うなど大きな事務コストがかかっていたが、当該システムは電子データで1部登録するだけで済むため、大幅なコストの削減及び事務の効率化が可能である。
 実際の使用に当たっては、システムに会議の名称、時間、参加者、そして資料の登録を行う。現在は職員が出席する会議でしか当システムを使用していないが、事前に登録すれば外部の人間が参加する会議でも使用できるため、今後拡張性は高いと考えている。登録できる資料は、パワーポイント、ワード、エクセル、また、テキストデータの登録も可能である。システムの構造としては、別サーバに資料を登録し、タブレット側からシステムにログインすることで資料を読み取り、会議資料として用いることができる。また、メモ等は自分のデータとして持ち帰ることも可能である。

(3)主な取り組み及びその効果について
 現在システムを導入している主な会議には、庁議、部長等連絡会議、次長等連絡会議、入札審査会、答弁調整会議などがある。平成29年度の実績で、全46会議で当システムを使用し、A4用紙で換算すると約11万枚の紙の削減につながった。また、紙の使用量削減に伴うコストの削減に加え、資料印刷事務に伴う人件費の面での削減効果が大きいと認識しているところである。
 また、昨年度の3月議会から本会議における当局側の特別職及び部長の答弁書をPDF化し、当システム自体は使用していないものの、タブレットにて答弁を行っている。

(4)今後の課題と取り組みについて
 (1)ペーパーレス化はまだまだ推進できると考えており、当システムを外部の人間が出席する会議でも活用できるかの検討も含め、更なる推進を行う必要があると考えている。
 (2)現在は、タブレット端末のみで利用できる環境であるため、職員がふだん使いしているノートパソコンにおいても使用できるような環境の検討を行っている。
 (3)ライセンス形態上70名までしか同時にサーバログインができない。今後、同時ログイン数をふやすのか、70名までの会議を前提として運用を行っていくかを模索中である。

(5)その他、留意事項等について
 (1)タブレット端末等の専用の端末を導入する場合、会議以外における端末の活用方法を検討する必要があると考える。つくば市においては現在、各部の部長・次長については当端末をふだん使いの端末として使用してもらっている。
 (2)システム利用を庁内で推進するに当たり、システムへの資料の登録方法等、利用に当たってのフォローがないとなかなか利活用が進まない。つくば市においては、システム導入の際、各課から1名程度の出席をお願いする形で全庁的な説明会を開催した。また、初めて使用する部署においてはシステム担当課が資料登録等の準備に立ち会い、さらに導入1年目については、会議に担当課の職員が同席するといったフォローを行った。
 (3)タブレット端末等、持ち運びがしやすい端末を利用する場合、HDDへのデータ保存制限や使用できるネットワークの制限、外部デバイスの使用制限等、セキュリティー対策をしっかりと行う必要がある。

2.電子決裁の拡充について

(1)導入に至った経過・システムの概要について
 公文書の決裁については年々その数が増加しており、全国的に省資源化や保管場所の問題等が課題となっている。つくば市では、事務処理の効率化、迅速化、ペーパーレスによる省資源化などを目指し、職員研修やイントラメールにより周知徹底を図るなどして電子決裁の拡充を行っている。
 電子決裁の流れとしては、まず起案者が起案情報(起案者名、起案方法、タイトル等)・分類情報・本文の入力を行う。また、回付の順序は毎回設定を行うが、回付ルートの保存も可能である。次に、決裁者が「決裁」もしくは「却下」の判断を行うが、その際に意見を入力することも可能である。その後、起案者は必要があればオンラインから浄書を行った後文書番号を取得し施行という流れとなる。 

(2)主な取り組みとその効果について
 電子決裁利用の推移としては、平成26年度は全決裁約14万件中5%、平成27年度は全決裁約15万件中5%、平成28年度は全決裁約15万5千件中5%、平成29年度は全決裁約16万件中7%となっている。
 電子決裁を行うものとしては、勤休管理、文書管理(起案・収受)、庁内申請等の文書であり、電子決裁を行わず従来通り紙による決裁を行うものとしては、冊子、図面などの紙文書が起案に含まれるもの・その他紙による決裁が妥当と思われるものがある。
 全決裁中における電子決裁の割合はまだまだ数値として高くはないが、30年度から、市長、副市長等の特別職が外出先から決裁を行えるよう環境の整備を行った。

(3)今後の課題と取り組みについて
 電子決裁の割合が上がらない理由の一つとして、割印がある。現在のシステムでは、送付文書等割印を使用する文書については紙に印を割る必要があるため、どうしても紙での決裁が必要である。今後、割印が必要な文書についても電子決裁が導入できないか検討中である。
 今後としては、公印照合までの利用範囲拡大や電子公印の利用拡大等のシステム改修による電子決裁の利用拡大や、研修の継続実施による利用拡大により、まずは電子決裁率20%を目標として取り組みを進める。

(4)その他、留意事項等について
 (1)参考として、横浜市の状況を紹介。文書の収受、起案、決裁、保存、廃棄までの一連の文書事務を電子化し、電子決裁率は約95%と非常に高い数値となっている。
 (2)電子決裁を行った公文書について、電子データではなく紙として原本保管をしていくかどうかは現在模索中である。

「つくば市視察の様子」

《千葉市》 (5月11日)

【調査項目】
●消防用ドローンについて
『市の概要』
*市制施行: 大正10年1月1日
*人  口: 97万5,669人(平成30年4月1日現在)
*面  積: 271.77平方キロメートル

1.消防用ドローンについて

(1)導入に至った経緯について
 平成28年の熊本地震では、無人航空機を活用した情報収集により、行方不明者の捜索が実施され、平成29年7月の九州豪雨における緊急消防援助隊の活動に際しては、無人航空機による道路閉鎖状況や流木の流出範囲の確認等が行われるなど、災害時に無人航空機が活用されてきている。
 また、消防庁が平成29年6月に全国の消防本部を対象にアンケート調査を実施し、全国の消防本部732本部のうち77本部が無人航空機を所有していることが確認された。
 千葉市消防局においては、平成28年3月29日、消防組織法第50条により、無償使用資器材として消防活動用無人偵察システム(ドローン)が消防庁から無償貸与された。無償使用資器材としては全国初の導入となり、ドローンが災害に役立つかどうか検証する目的で千葉市とさいたま市へ導入され、平成28年10月1日から運用を開始している。

(2)機体の仕様等について
 (1)千葉市が導入しているドローンは、エンルート社製の「ZION CH940改」である。なお、エンルート社は埼玉県にある日本の会社である。
 (2)羽を含めた直径は1.4メートル、高さは44センチメートル。機体重量は3.8キログラムであるが、バッテリー等を含めるとさらに重くなる。
 (3)オートパイロットシステムの搭載によりオート飛行が可能である。さらに自動帰還機能も搭載しているため、プロポ(リモコン)との通信が途絶した場合、GPS機能により自動で帰還することができる。
 (4)積載可能重量は6.6キログラムであるが、実際の運用ではカメラまたは可燃ガス測定器のみを積載している。
 (5)耐風性能は10メートル毎秒であるが、千葉市では運用指針の中で平均風速4.5メートル毎秒、最大風速5メートル毎秒を地上で観測した時は飛行させないこととしている。
 (6)プロポとの電波到達距離は1,000メートルであるが、実際には350メートルほど離れると目視ができなくなる。

(3)災害発生等緊急時の対応等について
 (1)ドローンからの映像の共有について
 まず、プロポによりドローンへ操作情報を送信する。ドローンの飛行状況(GPSの検知具合・バッテリー残量等)については情報監視用ノートPCで把握する。そして、ドローンからの映像をモニターにて受信し、有線で無線中継車に映像を送信する。なお、このとき使用する無線中継車についても消防庁から無償貸与を受けたものである。無線中継車からの映像は衛星へ配信され、衛星から消防庁・県庁・市役所・消防局・消防署に映像が配信される流れとなっている。
 (2)活用事例について
 火災現場への出動実績は1件。スクラップ火災の延焼有無の確認及び火災原因調査の協力のため出動を行った。その他の出動として、前日発生した建物火災の火災原因調査の協力のため出動を行った実績がある。

(4)運用要員(操縦員)の人数・養成方法について
 (1)運用要員の人数について
 運用要員は13名である。
 (2)養成対象者等について
 ・運用要員になる者の要件として、消防各課に所属する毎日勤務員であること、司令補以下であること、原則として運転免許が中型以下の者としている。
 ・養成方法としては、外部に委託を行わず独自の養成方法を確立している。
 (3)養成期間について
 座学3時間程度(1日)、練習機訓練10時間以上(10日以上)、実機訓練1時間以上(6日以上)としている。訓練頻度は業務の都合上週に1回程度のため、最低でも約17週(4ケ月)程度はかかる想定となり、29年度は7名を養成するのに約10ケ月を要した。
 (4)養成の内容について
 第1段階【座学及び練習機飛行】・第2段階【練習機飛行】・第3段階【実機飛行】・第4段階【実機応用飛行】の4段階に分けて訓練を実施し、最終的に管理責任者の査閲を行った上で運用要員となる。
(5)維持管理費等のコストについて
 (1)導入経費機体費が約200万円、プロポ、ノートPC、モニター、積載資器材等の附属品費が約50万円であるが、無償貸与のため千葉市の支出はない。
 (2)主な消耗品
 ・バッテリー:22,500円/個。千葉市が保有しているドローンはバッテリーを4個使用しているため、交換の際には4個分:9万円の費用がかかる。このバッテリーは、充電回数150 回、使用時間約200~300時間で交換が必要となる。
 ・モーター:30,000円/個。千葉市の保有しているドローンはモーターを6個使用しているため、交換の際には6個分:18万円の費用がかかる。使用時間約100時間で交換が必要となる。
 ・その他、プロペラ12,000円/枚、練習機15,000円、サングラス5,000円、テント5,000円等。
 ・動産保険:130,000円/年。
              ※対人対物保険については、消防業務賠償責任保険で代用している。
 ・点検費:1年毎に点検を行っているが、5年間は国が負担しくれるため支出はない。
 ・訓練費(養成費):導入前に一度エンルート社にて訓練を受けたが、それも国の支出であるため千葉市の支出はない。それ以降は千葉市の運用指針の中で独自で訓練・養成を行っているため、訓練費はかかっていない。
 (6)今後の課題と取り組みについて
  (1)運用要員の確保
  千葉市消防局が作成した指針に基づき養成を行っているが、1人を養成するのに相当な時間が必要であり、さらには人事異動を考慮しなければならないため、運用要員の確保が課題となっている。
  (2)ドローンの高度化
  熱画像カメラや物件の投下ができる機構等、消防活動に有用である機構や資器材等を導入し、高度化を図る必要がある。
  (3)ドローン高度化に伴う訓練場所の確保
  ドローン情勢は今後、目視外飛行及び複数機のドローンを連携させた活動を目指しているが、どちらの飛行方法においても訓練をするためには広大な敷地が必要となる。現在千葉市は消防学校を訓練場所として利用しているが、さらに広い場所での訓練が必要になると考えている。
 (7)その他、留意事項等について
  (1)飛行禁止空域等を定めた航空法をはじめ、小型無人機等飛行禁止法、電波法、個人情報保護法、道路交通法、港則法、民法、地方条例、産廃法等、様々な法令に抵触しないか注意しながら運用を行う必要がある。
  (2)ヘリと比較すると、ヘリにしかできないことも当然多くあるが、燃料費や億の単位でかかる整備費等、非常に高いコストがかかる。そういった点も含め、さまざまな規制はあるもののドローンのコストパフォーマンスは高いのではないかと考えている。
  (3)ドローンは現在発展途上である。2020年頃にはさらに高精度なドローンが出るという話もあり、今後導入を検討する自治体はそのあたりの検討をよく行った上で、導入時期を決めたほうがよいと考える。

「千葉市視察の様子」

お問い合わせ

宇治市議会     議会事務局
電話: 0774-20-8747  ファックス: 0774-20-8786
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