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宇治市議会(行政視察報告 平成29年度) 6

[2018年2月23日]

総務常任委員会の行政視察報告

年月日: 平成30年1月31日(水) ~ 2月2日(金)
視察先: 前橋市(群馬県)、宇都宮市(栃木県)、小田原市(神奈川県)
出席委員: 鳥居委員長、今川副委員長、坂本、石田、堀、木本、関谷の各委員

《前橋市》 (1月31日)

【調査項目】
●空き家対策について

『市の概要』
*市制施行: 明治25年4月1日
*人  口: 33万8,226人(平成29年12月末現在)
*面  積: 311.59平方キロメートル

1.サウンディング型市場調査について

(1)サウンディング型市場調査の対象案件(旧嶺小学校)について
  (1)旧嶺小学校の概要
     旧嶺小学校は、赤城山の山麓に位置し市街化調整区域内に立地している。敷地面積約1万2,000平方メートル、建物は校舎が2棟、体育館が1棟である。建物の概要としては、昭和43年に建設された校舎はRC造2階、延べ床面積1,313平方メートルであり、耐震補強、大規模改修済みの建物である。平成5年に建設された校舎はRC造2階、延べ床面積1,165平方メートルである。また、体育館は昭和44年に建設され、S造1階、延べ床面積413平方メートルであり、耐震性を満たしていない。その他プールや遊具等の工作物がある。本小学校は児童数減少等により、平成27年3月末をもって近接の小学校へ統合された。
(2)廃校活用の課題
   ア.市街化調整区域に立地
              総合計画や都市計画マスタープランでの位置づけがされておらず、また、全庁に照会をかけたが、跡地を行政利用したい所属がなかった。
        イ.地域住民の思い
            地域住民は過疎化が進む地域に新たなにぎわいが生まれる活用を望んでいた。
        ウ.公設公営の限界
             全体最適に向けた展開として、跡地は売却・貸し付けが基本であった。このことを踏まえて、活用検討の方向性を過疎地域の再生(地域貢献)、民間事業者の活用、財政負担の軽減としたが、立地ポテンシャルが高くない前提の中で、検討の方向性をこれ以上具現化することの困難さがあった。

(2)調査実施に至った経過について
   これまでの市有資産の活用検討方法では、市側としては事業検討開始から事業者公募実施までの全てを市役所内部で検討したため、アイデア不足や市場と乖離した公募条件の設定となり、また、事業者側としては市の検討過程が分からないまま、いきなり事業者公募を実施するため、地域課題や行政側の公募の趣旨が見えない中公募に参加しにくい状況があった。この結果、事業者の手が挙がらないことが課題であった。
   このため、市場性の把握、活用のアイデアの募集、算入しやすい公募条件の設定のためには、市と事業者による直接対話が課題を解決する方策であるということになり、サウンディング型市場調査を導入することとなった。

(3)サウンディング型市場調査導入の背景と目的について
   サウンディング型市場調査とは市有地等の有効活用に向けた検討に当たって、その活用方法について民間事業者から広く意見・提案を求め、対話を通じて市場性を検討する調査のことである。
       実施時期としては活用検討の早い段階で行い、事業者側としては、自らのアイデアが一定程度公募要項に反映する可能性、市職員との対話を通じ行政課題等を肌で感じられる、公募の際に市の意図を理解した事業提案が可能となる。
       この調査を実施することで、官民の歩み寄りにより、事業成立の確実性を高めるとともに、行政だけでは考えられなかったアイデアによる保有資産の有効活用を図れる。

(4)旧嶺小学校に係るサウンディング型市場調査の概要について
  (1)実施スケジュール
     調査実施の公表を平成27年4月10日に行い、参加事業者説明会、現地見学会を平成27年5月13日、参加受け付けを平成27年5月14日から6月8日まで、実施日時及び場所の連絡を平成27年6月9日までに行い、調査実施を平成27年6月10日から6月23日までとして約2カ月半の期間で行った。
  (2)対話のイメージ
     事業者との対話に当たっては、市側から資産経営課(活用担当)、教育施設課(施設担当)、建築指導課(開発担当)が出席し、事業者側は5名以内として1グループあたり30分から60分程度を目安に、ざっくばらんな対話ができる環境で対話を行った。
  (3)調査実施要領の主な記載事項
   ア.対話内容
              市街化調整区域にあることから、用途等を例示しながらもその他ここで何ができるかをお聞かせくださいということを記載した。
   イ.参加対象者
              対話の出席人数を1グループにつき5名以内とすることでざっくばらんな対話を実施できるようにした。
        ウ.参加事業者の扱い
              ノウハウ(アイデア)保護のため、対話は個別実施とし、公募実施の際に対話参加実績に優位性はなく、プロポーザル等での加点は行わないこととした。
        エ.参加費用
              対話への参加費用は参加事業者の負担とした。
        オ.追加対話への協力
              対話実施後に追加対話を実施する場合の協力を要請することとした。
        カ.対話結果概要の公表
              結果概要の市のホームページへの掲載・公表にあたり、ノウハウ保護のため、事前に参加事業者へ内容確認を実施、参加事業者名は非公表とした。
  (4)調査実施に当たって留意した点
          実施公表の前にサウンディング型市場調査の位置づけや扱い等について、庁内調整、地元周知をきちんとしておく必要がある。コスト実績や貸付基準による貸付料など客観的に示せる情報は先に示すことにより、ビジネスとして実現できるか同課の判断材料を極力提供する。参加事業者のメリットを実施要領に明文化し、みずからのノウハウが公募内容に反映する可能性がある、公募段階で市の意図を理解した提案が可能になる。
          費用と時間をかけて参加するサウンディング型市場調査は公募上の一連の手続ではないため、手続が事業者にとって過度の負担にならないようにする。単なるアイデア募集で終わらせず、追加対話により事業者の本気度などを把握していく。
          調査結果は極力オープンに公表することとし、事業者のノウハウ保護に配慮した上で、政策決定過程をブラックボックス化しない。このことにより事業者との信頼を構築する。
          事業公募時の調査参加者への優先配慮(プロポーザルの加点等)は行わない。サウンディング型市場調査のメリットは気軽にできることであり、何かインセンティブを与えると手続が堅くなってしまう。
          民間事業者相手の取り組みでは跡地の最大限の活用という思いはあるが、行政の内部検討だけではやり方が分からないことをさらすことがポイントと考えている。

(5)結果の公表と公募へ向けた検討について
  (1)結果概要の公表
     対話に参加した16グループから寄せられた活用アイデアの概要について、ノウハウ保護の観点から参加事業者に内容確認の上、定例記者会見を経てホームページにて公表を行った。
  (2)対話で寄せられた共通課題等
     対話を行った結果、土地・建物を取得する意向の事業者はおらず、売却ではなく賃貸として検討すること、廃校活用は事業性の前に社会性が求められること、低額な賃料による貸し付けを要請する事業者が多数を占めること、耐震性に課題のある体育館を自前で耐震補強する事業者はないことなどいくつか課題が寄せられたものの、対話において公募成立へ向けた一定の感触が得られたため、まちづくり貢献や地域貢献など跡地の最大限の利活用を図れる活用事業に係る事業者公募を目指すこととなった。
  (3)モデル団体支援制度を活用した課題整理
     対話で寄せられた課題を整理しながら公募要項をつくり上げるためには、法制度の理解や他事例把握など一定の専門的なノウハウが必要となる。今回は公募要項作成、事業者選定に関して、日本総研から金融面、法務面に係る各種支援があった。

(6)事業者公募の実施について
  (1)旧嶺小学校活用事業事業者公募の概要
   ア.事業内容
              前橋市総合計画の将来都市像の実現を図れる活用事業として、特定の事業内容に特化しないこととした。
        イ.対象範囲
              既存建物及び敷地全体として一部だけを借り受ける提案は不可とした。
        ウ.施設改修等
              活用事業の実施に必要となる施設の改修・運営・維持管理は事業者自ら行うこととした。
        エ.貸付条件
              20年間の定期建物賃貸借契約として、賃料は提案額に基づき決定した。なお、不動産鑑定による基準額(92万3,000円/月)を下回る場合には市議会の議決が必要となる。
        オ.事業者選考
              外部委員及び市職員で構成された審査委員会にて優先交渉権者を決定することとした。
         このように対話内容や日本総研からの助言を参考に公募要項を整理し、庁内委員会で要項を固め、事業者公募を開始した。公募の際にはサウンディング参加者へは個別に公募実施の周知を行った。
  (2)事業者選考における審査項目
     外部委員及び市職員により構成される審査委員会において、優先交渉権者を選考することとした。
     審査項目としては内容評価として基本事項、活用内容、公共公益性、地域貢献等として将来都市像の具現化、経済波及効果、時代背景、地域交流等とし、確実性評価としてスケジュール、収支計画、資金計画、施設運営等、価格評価として賃貸借料提案価格とした。
     審査項目・審査配点は他市の同種事例や日本総研の助言により整理し、その中でも廃校という性格を考慮し、内容評価を厚めに配点した。審査委員会については専門家から弁護士、中小企業診断士、大学教授、民意(民間の意見)から自治会連合会長、自治会長、行政から副市長、市教委次長という構成とした。
  (3)優先交渉権者の決定
          公募の結果、最終的に2グループが公募に参加し、一次審査、二次審査を経て、「英語村(イングリッシュビレッジ MAEBASHI)」を提案した中央カレッジグループ(前橋市内の専門学校)に優先交渉権者が決定した。

(7)契約書締結へ向けた協議について
  (1)基本協定書について
     前橋市より基本協定書案を示した上で、事業計画協議書(事業方針、協議項目、事業へ向けた課題等)の提出を求め、優先交渉権者と協議を行い、平成28年1月末に基本協定書を締結した。基本協定締結の目的としては契約締結前の必要手続へ着手するためであり、公募結果による優先交渉権者のままでは扱いが弱いということから基本協定締結を行った。主な協議内容としては開発許可申請手続への協力(関係図面等の貸し出し等)、地元連携へ向けた協力(住民説明会の開催等)、事業開始へ向けた市広報への掲載などである。
  (2)減額貸し付け議案について
          公募要項に示した貸付基準賃料(92万3,000円/月)を下回る提案(5万円/月)であったことから、地方自治法の規定に基づく財産の減額貸し付けとして、市議会に議決を求めた。その際に、市議会に対して参考資料として、県内の廃校活用の実態、経済波及効果、施設維持管理の実態について提供を行った。施設維持管理の実態については未利用な状況でも維持管理に行政コストが年間200万円かかっていることを説明した。その後、平成28年3月議会において減額貸し付けに係る議決を得た。
  (3)契約書締結について
          他都市事例や日本総研からの助言を参考に整理した契約書案を元に、優先交渉権者と各条項についての協議を行い、平成28年3月末に定期建物賃貸借契約を締結した。主な協議内容としては賃貸借料改定の扱いについて毎年報告される収支書類をもとに、甲乙協議により改定できると整理した。補修、修繕等による費用負担の扱いについては公募要項上で原則事業者負担としていたとおりとした。契約期間中における譲渡・転貸の扱いについては譲渡は不可とするが、転貸は市と事前協議が整えば可と整理した。
           このように公募要項、基本協定書の内容を遵守しつつ、事業者との協議は法務部門と連携しながら対応した。

(8)モデル実施したサウンディング型市場調査の検討について
  (1)対話による成果
    対話実施による成果として、16グループと対話ができ、対象地のおおむねの市場性が把握できた。また、検討の早い段階で対話を行ったことによりオリジナルな廃校活用となった。気軽に対話参加してもらえたため、大手ディベロッパー等を介さず地元事業者が公募に参加できた。
  (2)今後へ向けた課題について
     サウンディング型市場調査の位置づけが庁内・参加事業者にきちんと理解されていない面があったため、事例を積み上げていくことにより理解につなげていくこと、サウンディング型市場調査実施後の公募要項作成段階において専門的なノウハウが必要となるため、国の事例集や手引書の活用のほか、専門家による支援体制の構築などを検討していくこと、対話から事業者公募開始まで3カ月以上要したため、事業者の参加意欲低下を防ぐためにも時間をかけ過ぎないようにすること、サウンディング調査の段階では事業者公募の参加を担保する手段はないことから追加対話で感触をつかむ必要があること、異なる用途のアイデアがあった場合に政策的にどう整理していくか少し曖昧であったことから、政策的な条件付与と行政関与とのバランスを考慮した公募の位置づけをどう庁内調整するかといったことなどが課題として上げられる。

(9)今後の展開ついて
    前橋市ではサウンディング調査はあくまで公募の精度を高めるための手段と捉えており、公募参加の際のインセンティブは現時点では考えておらず、必要な時にコストをかけずに実施できることがメリットと考えている。ただし、一定の参加事業者の確保が困難となれば、事業者にとって対話や公募へ参加する呼び水となるような制度検討も必要と考えている。
  また、特段の案件基準を定める予定はないが、行政の本気度が成功の鍵と捉えており、事業者との信頼関係を継続するためにも今後の参考にという程度の案件はサウンディング型市場調査にかけないほうが良いと考えている。
  公共施設等総合管理計画の実践段階として、今後予定している統廃合や移転等による市有施設の適正配置を本格的に進めていくためには、施設所管課の理解や住民合意が非常に重要な要素となる。跡地や空きスペースの民間活用事例(対話から事業化までのプロセス、事業化後の形)を蓄積することが、複数の案件を全庁的に同時検討していく段階のモデルになると考えている。

「前橋市視察の様子」

《宇都宮市》 (2月1日)

【調査項目】
●宇都宮市鬼怒川洪水ハザードマップの改訂等について

『市の概要』
*市制施行: 明治29年4月1日
*人  口: 52万457人(平成29年12月1日現在)
*面  積: 416.85平方キロメートル

1.宇都宮市鬼怒川洪水ハザードマップの改訂等について

(1)ハザードマップ改訂の経過について
   平成19年3月に改訂前の鬼怒川ハザードマップを公表した。この時には河川整備の基本となる降雨(計画規模の降雨)により、河川が氾濫した場合に浸水が想定される区域や避難所などを記載していた。
   平成27年5月に水防法の一部改正があり、想定し得る最大規模の降雨に対して浸水が想定される区域を洪水浸水想定区域として指定・公表する、水深・浸水継続時間などについても明示することとなった。
   平成28年5月に国交省による鬼怒川洪水浸水想定区域等に係る説明会が開催され、国交省が今後指定・公表していく洪水浸水想定区域等の事項について事前説明会を実施し、平成28年6月に第1回関係課長会議を開催し、ハザードマップ修正に向けた基本的な進め方について協議を行った。会議には関係部局計11部局、関係課計17課が出席した。
   平成28年8月に国交省による洪水浸水想定区域等の指定・公表が行われ、洪水浸水想定区域を、想定し得る最大規模の降雨により浸水が想定される区域に見直し、また、水深・浸水継続時間・家屋倒壊等氾濫想定区域なども公表した。
   国交省の公表を踏まえて、庁内関係課による内容検討を進め、平成28年12月の12月議会にて、洪水ハザードマップに係る補正予算を計上した。平成29年2月に洪水ハザードマップ修正業務委託を発注した。平成29年5月に第2回関係課長会議を開催し、公表に当たり市民への周知方法について協議、ハザードマップの内容確認を行った。
   平成29年6月下旬には庁内合意をとり、洪水ハザードマップの修正が完了した。その後、全議員への報告・配付を行い、記者発表・公表を行った。
   平成29年7月上旬から各地域の関係自治会や地区自主防災会において説明会等を開催し、対象区域内の市民への配付、地区市民センター等での配布を行った。
  
(2)ハザードマップの内容について
  (1)想定雨量・洪水浸水想定区域の見直し
     国は近年多発する豪雨災害を受け、計画規模を3日間雨量402ミリ(100年に一度程度)から、想定し得る最大規模3日間雨量669ミリ(1000年に一度程度)の大雨によって氾濫が起こった場合の想定へ見直しを行われた。浸水想定区域については鬼怒川(市内)では40.12平方キロメートルから47.87平方キロメートルに、鬼怒川流域では360平方キロメートルから389平方キロメートルに見直された。
  (2)浸水想定深さの見直し
     宇都宮市では浸水した時の想定深さが5メートル未満から20メートル未満まで設定された。これに伴いハザードマップの浸水深区分の色分けも見直された。
  (3)浸水継続時間の追加
     宇都宮市では浸水継続時間が12時間、24時間、72時間の区域が存在するが、そのほとんどが12時間である。24時間と72時間の区域は色つきの枠線で囲み、付近の住民の注意を促すこととした。
  (4)家屋倒壊等氾濫想定区域の追加
     ハザードマップに示されている斜線や格子線で囲まれた区域内の住宅は濁流により流されたり、壊されたりする場合があるため早期の避難が必要となる。対象範囲は12.71平方キロメートルで約800戸が含まれる。

(3)平成27年関東・東北豪雨災害を踏まえた洪水ハザードマップの作成・周知について
   平成27年関東・東北豪雨災害において茨城県常総市では堤防の決壊に伴う氾濫流による家屋の倒壊や浸水が長時間続くことにより住民の孤立が発生した。このことを踏まえ、家屋倒壊等氾濫想定区域、浸水継続時間の項目をマップ上にわかりやすく表示し、実際の水害時には危険な区域となることを説明会で詳細に説明した。

(4)市民への周知活動について
   鬼怒川の浸水想定区域内の全戸(約4,300戸)に、ポスティングによりハザードマップを配布した。また、各地区市民センター、コミュニティセンター、その他市の関連施設に改訂した鬼怒川洪水ハザードマップを設置した。広報では市広報誌において鬼怒川洪水ハザードマップに関する特集ページを掲載した。説明会ではハザードマップの改訂点について、住民への周知を徹底するため、鬼怒川の浸水想定区域内にある6つの連合自治会で説明会を実施した。そのほか、各地区の自主防災会が集まる全体会議において鬼怒川洪水ハザードマップの改訂に関する説明を行った。
  
(5)地域との連携等について
   河川の水位等により避難勧告等が発令された場合について、緊急速報メール・登録制防災情報メールによる通知、テレビやラジオ等による情報提供を行うほか、消防団等による臨戸訪問や住民同士の声かけの取り組みを行っている。また、地域住民が学校体育館の鍵を保管し、夜間や休日でも自主的に避難所を開け、避難所を自主運営する体制を整備している。そのほかにも備蓄避難所を設置し、各地区で1カ所以上の避難所にペットボトル飲料水や毛布、発電機等の備蓄品を保管している。また、自助と共助による迅速な避難が重要であることを広く市民に周知している。

(6)今後の課題と取り組みについて
  (1)要配慮者利用施設への対応
     平成27年の水防法の改正により、地域防災計画に位置づけられた要配慮者利用施設の所有者等は、避難確保計画の策定、避難訓練の実施が義務となった。鬼怒川の浸水想定区域内にある要配慮者利用施設の所有者や管理者に対しては、既に義務化の経緯について説明している。今後、施設所管課や危機管理部局等が協力しながら各施設が策定する避難確保計画を受け、必要に応じて指導を行う。
  (2)田川・姿川ハザードマップの作成
    平成29年12月に栃木県管理の一級河川田川・姿川について、想定最大規模の降雨による浸水想定区域等が指定・公表された。特に一級河川田川が宇都宮中心市街地を貫くように南北に流下しており、新たな浸水想定区域に含まれる家屋の数は大幅に増加する。鬼怒川周辺に比べ人口の密集している地域であり、説明を要する対象自治会や市民も多いことから、公表後の平成30年1月から出水期に入る5月までの短期間で説明会など周知活動を行うためのマンパワーや会場確保などの課題がある。新たな浸水想定区域は田川が約1,500戸から約3万1,500戸に、姿川が約10戸から約300戸となる。
  (3)洪水に対する訓練の実施
     宇都宮市においては総合防災訓練、水防訓練などを実施しているが、市民が主体となる各地区自主防災会における訓練は地震・火災に関する訓練が主となっている。このため、洪水浸水想定区域内の各地区自主防災会に対して、洪水に備えた訓練を行うよう、関係部局で連携しつつ働きかけていく。

「宇都宮市視察の様子」

《小田原市》 (2月2日)

【調査項目】
●公共施設等総合管理計画(公共建築物マネジメント基本計画等)について

『市の概要』
*市制施行: 昭和15年12月20日
*人  口: 19万2,211人(平成29年12月1日現在)
*面  積: 113.81平方キロメートル

1.公共施設等総合管理計画(公共建築物マネジメント基本計画等)について

(1)小田原市の状況について
   小田原市の人口推計は2010年比で見ると30年で2割減となり、高齢者が約1万2,000人増加し、生産年齢層が4万人減少する状況となる。また、扶助費は2009年度比で150%以上増加する状況である。さらにインフラが老朽化し小田原市においては築40年以上が50%を占める割合となっている。

(2)小田原市の公共施設に係る計画等について
   小田原市では平成21年度に177施設の実態把握、現状分析及び将来的推計をまとめた施設白書を作成した。平成22年度に市有施設の管理運営に係る基本方針を策定し、平成26年度にこの基本方針を公共インフラに係る将来費用の見込みを追加し改訂したものを公共施設等総合管理計画として位置づけている。また、平成25・26年度には市有建築物劣化等調査を実施、平成27・28年度には長期保全費用のシミュレーション、平成28年度には公共建築物マネジメント基本計画・市有建築物維持修繕計画を策定した。現在は平成30年度までに公共施設再編基本計画を策定する予定である。

(3)公共建築物を取り巻く状況と課題について
   小田原市では公共建築物を昭和40年代から50年代にかけて一時期に集中して整備をしたことにより、建てかえなどの時期も一斉に来る状況となっている。現有建築物を全て築60年で、建てかえる場合の長期保全費用として将来費用額が1,820億円、投資可能額750億円であるため財源不足が1,070億円生じることとなる。また、人口減少・人口構成等の社会経済環境の変化、建てかえ等の財源確保が厳しい、公共建築物に使われている多額の費用、一斉に建てかえの時期を迎える、老朽化に伴い不具合の発生リスクの増加などの状況がある。
      課題としては人口減少で一人当たりの負担が増加、求められる機能の変化、安全性の低下、建て替え等の財源不足がある。
  
(4)課題解決に向けた取り組みについて
  (1)目標について
          財源不足1,070億円の解消、安心して使える公共建築物、使いたい公共建築物、必要なサービスを効果的・効率的に提供し暮らしを豊かにすることを目標として、公共建築物を市の経営資源と捉え、まちづくりの視点を持ってマネジメントすることとした。
  (2)視点について
          安全性の確保、サービス(ソフト)と建築物(ハード)の両面から考える、トータルコストで判断する、前例踏襲による安易な従来どおりの選択をしない、できることから職員一丸となって取り組むことを視点としている。
  (3)取り組みについて
     計画的な保全・長寿命化、機能・配置・運営の見直しと総量縮減、公民連携・近隣自治体との連携の3つの取り組みを行うとともにそれを支える仕組みづくりを行うこととしている。
   ア.計画的な保全・長寿命化
              目標耐用年数は70年を標準とし、建設・大規模改修等の際には、用途・整備手法、トータルコスト等から最適な使用年数・目標耐用年数を検討して設定する。また、平成29年3月に市有建築物維持修繕計画を策定、各種点検結果の活用により劣化状況を観察し、技術的視点による優先順位の判定、計画的な保全のための業務サイクルづくりや日常点検の強化、予算査定においては公共施設マネジメント課と建築課で施設所管課から点検結果の情報集約を行い、優先度判定を行った上で財政課に査定資料の提出などを行っている。
   イ.機能・配置・運営の見直しと総量縮減
              公共施設再編基本計画の策定、シンポジウムや市民とのまちづくりワークショップ、回覧板・広報紙による市民へのアプローチ、個別事業との調整を並行して実施している。
   ウ.公民連携や近隣自治体との連携
              公民連携に関する取り組み方針や手引の作成、近隣自治体との情報交換等の交流を行っている。
         また、財源不足1,070億円については総面積の約18%縮減が必要であり、築70年まで長寿命化の取り組みを行うことにより財源不足の解消を図る。

(5)取り組みを支える仕組みづくり
       平成29年度に公共施設マネジメント課を設置、意思決定の仕組みづくりとして関係部長間の調整会議の設置、固定資産台帳と施設白書、劣化調査データの連携を図ることにより公共建築物に関するデータの集約と管理、職員への公共建築物マネジメントに関する研修の実施、「たてもの保全活用通信」などを活用した職員に向けた情報の発信、シンポジウムやワークショップを通じた市民との課題の共有などの仕組みづくりに取り組んでいる。

(6)今後について
       施設の老朽化と深刻な財源不足により、今ある施設を全て維持することはできないことはデータからも明らかである。したがって、将来世代に負担を残さないために総量を減らして使い方を工夫する必要がある。皆が元気になる公共施設ということで、施設の安全・安心な利用、持続可能な行政サービス提供などを行い、その先については行政単独で考えるのではなく、市民を交え、皆さんで考えていくこととなる。

「小田原市視察の様子」

お問い合わせ

宇治市議会     議会事務局
電話: 0774-20-8747  ファックス: 0774-20-8786
E-mail: gikaijimukyoku@city.uji.kyoto.jp

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