ページの先頭です

宇治市議会(行政視察報告 平成29年度) 3

[2017年12月11日]

文教福祉常任委員会の行政視察報告

年月日: 平成29年11月21日(火)~11月22日(水)
視察先: 足立区(東京都)、千代田区(東京都)
出席委員: 稲吉委員長、中村副委員長、宮本、大河、松峯、服部、浅井の各委員

《足立区》 (11月21日)

【調査項目】 
●子供の貧困対策について

『区の概要』
*区制施行: 昭和7年10月1日
*人  口: 68万4,262人(平成29年8月1日現在)
*面  積: 53.25平方キロメートル

1.子供の貧困対策について

(1)取り組みに至った背景について
      他区では足立区に対しマイナスイメージを持っている人が多く、(1)治安(刑法犯認知件数が23区ワースト1)、(2)学力(小・中学校の学力テスト結果23区で低位)、(3)健康(区民の健康寿命が都平均より2歳短い)、(4)貧困の連鎖(生活保護・就学援助受給者が多く、貧困が子供たちに連鎖)の4つのボトルネック的課題を克服しない限り正当な評価が得られない根本的な課題と位置づけ、これまで取り組みを進めてきた。
      取り組みの結果、(1)治安では刑法犯認知件数が1万件以上あったのが、平成27年には6,000件台にまで減少している。(2)学力は教育委員会を中心に基礎学力の定着に力を入れ、区学力調査の結果、目標値以上の正答があった児童・生徒の割合が向上してきている。(3)健康では糖尿病対策のために野菜から食べる効果を知ってもらい糖尿病の重症化を防いでいる。
     (1)治安、(2)学力、(3)健康の3つの課題に取り組む中で(4)貧困の連鎖が共通の根底にあることが明らかになった。貧困の連鎖を断たなければボトルネック的課題を解決できないということが抜本的な貧困対策に踏み切ったきっかけとなった。

(2)足立区の現状について
     (1)生活保護受給者
         18歳未満の人口がほぼ横ばいで推移する中、生活保護受給者数は平成12年からの16年間で約1.2倍に増加している。
     (2)児童扶養手当受給者数
         児童扶養手当受給者数は平成3年からの25年間で約2倍に増加している。
     (3)就学援助率
         全国平均の2倍以上の34.2%。(平成26年度)
     (4)都立高校の中途退学者数
         足立区内の都立高校の中途退学者数は減少傾向だが、23区内では突出している。(平成27年度)
     (5)歯科健診
         歯科健診で未処置の虫歯がある子供の割合(小学1年生)は特別区の中で高い割合となっている。

(3)足立区における具体的な取り組みについて
      平成26年に子供の貧困対策推進に関する法律が施行され、平成26年8月に子供の貧困対策に関する大綱が閣議決定された。
      足立区でも平成26年8月に足立区子どもの貧困対策本部を立ち上げ、子供の貧困対策についての実施計画(未来へつなぐ あだちプロジェクト)を策定することにした。当初、対 策本部は福祉部にあったが、福祉部だけでは全庁をとりまとめるのが難しかったため、全庁を横断的にとりまとめができるようにということで平成27年には対策本部を政策経営部へ移した。
     実施計画策定に当たっては、足立区の子供を取り巻く社会的環境等の現状と課題を分析するとともに、国が子供の貧困対策に関する大綱で定める当面の重点施策を参照しつつ、計画の体系を「教育・学び」、「健康・生活」、「推進体制の構築」という3つに大別し、施策を構築した。
     (1)教育・学び
        施策1.学力・体験支援
              全ての子供達が家庭環境や経済状況に左右されることなく、自分の能力・可能性を伸ばし、夢に挑戦できるよう基礎的・基本的学力の定着に向けた取り組みを進めるととも に、自然や地域文化に親しむ体験活動などを通じて、学びの意欲向上を図る。
         施策2.学びの環境支援
             全ての子供達が安心して教育が受けられるよう、学校をプラットフォームとした相談体制の充実や関係機関との連携により支援強化を図るとともに、就学援助等による就学支援など、学びの環境を整える。
         施策3.子供の居場所づくり
             学習習慣の定着と学習意欲の向上を図るため、家庭での学習が困難な子供たちに学習の場所を提供。また、就労等により保護者が不在の家庭の子供が放課後等に安心して過ごせるように、遊びや交流の場を確保し、多様な子供の居場所づくりを推進する。
          施策4.キャリア形成支援
              社会人への円滑な移行のために、高校生のキャリア教育を促進。また、高校中途退学を防止するために東京都との連携を強化し、情報交換等を行うとともに、中途退学者が無業者やフリーター等にならず、自立した生活が送れるよう、学び直しや就労等の支援機関を案内する。
     (2)健康・生活
          施策1.親子に対する養育支援
              子育て世帯が孤立することなく子供を養育できるよう、妊娠届時から支援を要する世帯を把握し、関係機関と連携して効果的な対策を実施。
          施策2.幼児に対する発育支援
              円滑に小学校教育に移行できるよう就学前教育の充実を図っていく。また、食や生活の正しい習慣の定着と総合的な発達課題の早期発見と適切な対応を図る。
          施策3.若年者に対する就労支援
              学校との関係が希薄となった高校中途退学者、高校を卒業したものの無業や不安定就労にある者、青年期・成人期の発達障害者などの若年者に対し、学び直しや就労を支援することで、社会的な自立を促す。
          施策4.保護者に対する生活支援
              保護者に対し、生活状況に応じた給付事業などの支援を行うとともに、社会的孤立等に陥らないよう、つなぐシートを活用する等により相談機能の連携を強化していく。貧困率が50%を超えるとされているひとり親家庭に対しては、専門的技能の修得により正規雇用につなげる支援や精神的負担を軽減するための居場所づくりなどに重点的に取り組む。
     (3)推進体制の構築
         経済的問題に限らず、仕事、家庭、健康など、様々な区民からの相談を、1箇所の窓口で留めることなく、必要となるサービスや情報について、それを必要とする区民に着実に届けるため、つなぐシートを活用した相談事業の相互連携によって支援していく。
         子供の貧困対策を効果的に推進するには、個々の世帯の生活実態を把握する必要がある。社会情勢や社会環境の変化を踏まえながら、子供の健康・生活実態調査などの多角的な調査を実施し、対策の効果を分析する際や今後の計画・指標見直しに当たり有効活用していく。

(4)子供の健康・生活実態調査について
       プロジェクトと同時進行で子供の状況を把握するために、アンケート方式で実態調査を行った.。
   この調査では子供の貧困状態を経済的な困難だけでなく、子供がおかれた家庭環境全体で把握すべきと考え、以下の3つのいずれか1つでも該当する場合を生活困難世帯と定義した。
       ・世帯年収300万円未満の世帯。
       ・生活必需品の非所有世帯(子供の生活に必要と思われる物品や急な出費に備えた5万円以上の貯金がないなど)。
       ・水道・ガスなどのライフライン等の支払い困難経験世帯。
       この調査(平成28年)の結果、生活困難世帯の条件に該当したのは1,499世帯(24.9%)であった。非生活困難世帯と生活困難世帯を比較すると生活困難世帯のほうが朝食欠食の割合が高い、読書数が少ない、運動する習慣が少ないという結果になり、子供の健康な生活は、少なからず生活困難の影響を受けているという結果を得ることができた。
       この調査から、平成27年度は子供が運動・読書習慣を身につけることや困ったときに保護者が相談できる相手がいることなどが、子供の健康に及ぼす生活困難の影響を軽減できる可能性があることがわかった。
       平成28年度は、子供が地域活動に積極的に参加することで、生活困難な状況でも逆境を乗り越える力を培える可能性があることがわかった。

(5)今後について
      アンケート調査の結果を区の各所管で共有し、子供に良い生活習慣が身につくよう支援するとともに、保護者支援や子供が地域につながり、経験や体験を積む機会をふやす施策等を充実させ、プロジェクトに反映していく。

「足立区視察の様子」

《千代田区》 (11月22日)

【調査項目】
●ICT教育について

『区の概要』
*区制施行: 昭和22年3月15日
*人  口: 6万828人(平成29年8月1日現在)
*面  積: 11.66平方キロメートル

1.ICT教育について

(1)導入について
      神田一橋中学校は千代田区教育委員会から情報教育推進校の指定を受けており、平成26年の校舎の改修を契機にICTの環境を整備した。
      (1)目指した環境について
       ・生徒1人にタブレットを1台配付。
       ・普通教室にはインタラクティブホワイトボード(電子黒板)とテレビモ二ターの2画面を設置。
    ・スイッチ一つですぐに使える環境を整備。
         休み時間が10分しかなく授業準備に時間がかかると使用頻度が減ってしまうことにつながるので、ICT機器の電源を教室前方に集中させることで、1つのスイッチを入れるだけで授業の準備が整うようにした。
       ・電子黒板を使用しないときは、黒板が全面使用できるようにした。
       ・黒板の下にクラス全員のタブレットを充電保管できるように工夫した。
       ・校内のどこからでもネットワークが利用できる環境の整備。
         インターネットの無線環境については、校内にアクセスポイントを66カ所設置した。

(2)授業での活用について
       (1)英語の授業
           英語の授業では学年ごとにさまざまな使い方をしている。1年生では授業の中で自分たちが会話している動画を撮影して、後で再生して振り返りをすることで、課題を見つけている。2年生ではスピーキングソフトを活用し、発音の上達を図る。3年生では電子黒板を使用してのプレゼンテーションを行い、英語だけでなくプレゼンテーション能力を高めている。
       (2)家庭科の授業
           教師のミシンの使い方の様子を画面で生徒に見せることで、生徒の理解を深めている。また、使い方を繰り返し再生して、わからない場面を見ながら作業ができるため、作業をスムーズに行うことができる。
     (3)体育の授業
           プールの授業では模範的な泳ぎと撮影した自分の泳ぎを動画で比較することで、課題を明確にして改善していくことができる。このような授業で撮影した動画は生徒の評価活動に生かすことができる。

(3)授業以外の活用について
      中学校のホームページにパスワードが必要な、生徒・保護者しかアクセスできないサイトを作成した。そのサイトに学習教材を入れたり、教員が作成した10分から15分の授業の映像をユーチューブで限定公開するなど、学校外でも勉強できる環境をつくった。

(4)職員研修について
      ICT環境の中で、教員が生徒にICTを活用した授業を行うためには、教員のICTを活用する能力の向上が必要だった。そこで段階に合わせて研修を行った。
      平成24年には大学教授を呼んで先進校の取り組みを知るための集合研修を校内で行い、この研修によって目指すべき方向性を合わせた。平成25年には書画カメラを導入し、納入業者に依頼して研修を行った。
      新校舎が完成した平成26年には新しく導入した機器やソフトについての導入研修を頻繁に行った。導入する時期には、ICT支援員にできるだけ多く授業に入ってもらった。そうしなければ、本来教員がやらなければならない授業ができなくなり、タブレットの使い方の授業になってしまうことになるため欠かせない存在であった。
     平成27年以降、教員が機器になれてからはICTのための集合研修はほとんど行っていない。教員同士がお互いに授業を観察し合い、指摘するような研修を行っている。

2.現地視察について
     神田一橋中学校を視察した。

 

「千代田区視察の様子」

「千代田区実地調査の様子」

お問い合わせ

宇治市議会     議会事務局
電話: 0774-20-8747  ファックス: 0774-20-8786
E-mail: gikaijimukyoku@city.uji.kyoto.jp

[ページの先頭へ戻る]