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宇治市議会(行政視察報告 平成29年度) 2

[2017年11月21日]

総務常任委員会の行政視察報告

年月日: 平成29年11月8日(水) ~ 11月9日(木)
視察先: 北九州市(福岡県)、熊本市(熊本県)
出席委員: 鳥居委員長、今川副委員長、坂本、石田、堀、木本、関谷の各委員

《北九州市》 (11月8日)

【調査項目】
●空き家対策について

『市の概要』
*市制施行: 昭和38年2月10日
*人  口: 96万1,876人(平成29年8月末現在)
*面  積:491.95平方キロメートル

1.空き家対策について

(1)空き家対策の取り組み経過について
  平成26年3月に北九州市空家等対策基本指針を策定し、平成26年4月に空き家対策推進室を新設した。
  平成27年5月に空き家対策特別措置法が全面施行され、平成28年6月に北九州市空家等対策計画を策定し、同月に着実に計画を進めるために北九州市空家等の適切な管理等に関する条例を制定した。

(2)条例制定・計画策定について
  条例は法律に書かれていない細かい部分を補完している。条例の内容としては総則的事項、市民の安全・安心な生活環境の構築に関する事項、特定空家等に係る措置に関する事項、北九州市特定空家対策審査会、委任という構成となっている。
  空家等対策計画は地域住民や大学教授等学識経験者により構成される北九州市空家等対策計画推進協議会を開催し策定した。本計画期間は平成28年度から平成37年度までの10年間としている。本計画は空き家等に関する問題について北九州市が取り組むべき対策の方向性等について、基本的な考え方を示したものである。北九州市基本構想・基本計画を上位計画とし、北九州市都市計画マスタープラン(北九州市立地適正化計画)や北九州市住生活基本計画等の関連計画と連携をとりながら、空き家等対策に取り組む。
   
(3)老朽空き家実態調査について
  平成26年度に老朽空き家実態調査を実施し、市が把握している老朽空き家に加え、200を超える自治会・区会などから、老朽空き家等に関する情報提供を受け、その情報をもとに、市が現地調査を行い、空き家の危険度等について判定を行った。
  調査項目は(1)空き家の状況として、所在地、構造、階数、老朽度合い(危険度)を、(2)その他の状況として、コンクリートブロック塀・擁壁の危険性の有無、衛生上の問題(雑草、ごみなど)の有無である。
  調査結果をもとに危険度を高・中・低・危険なしに分類し、調査件数7,296件のうち、危険ありの判定が3,397件(46.6%)であった。老朽空き家分布の状況としては斜面地の多い門司区と八幡東区で約半数を占めている。門司区には国鉄、八幡東区には製鉄所があったことやその当時車が普及していない状況の中で会社の近くの斜面地に住宅が建てられたことが要因である。
  実態調査等を踏まえた課題について空家等所有者等の意識、老朽化した空き家、良好な空き家、空き家の跡地、庁内関係部局、関係団体等との連携があり、空き家等に関係する問題は多岐にわたるため、庁内関係部局や関係団体等と連携しながら、総合的な空き家等対策を行うことが求められている。
  なお、平成29年7月31日に議会へ提出した「空き家の状況(住宅・土地統計調査より)」によると、平成25年では住宅総数49万6,600戸であり、そのうち空き家数は7万1,200戸、また、空き家のうち利用目的のない空き家数が2万7,900戸であり、いずれも政令市の平均を上回っている状況であった。

(4)空き家等対策に関する基本的な方針について
  基本目標を、快適に暮らせる安全で安心な居住環境の実現を図るとして、空き家等の老朽度と立地状況から5つに分類を行い、空き家等対策の基本方針を示している。
  良好な空き家については積極的な活用を促進する。管理不全な放置された空き家については立地が良い場合は空き家の適切な改善による活用を促進し、立地条件が悪い場合は空き家の老朽化を予防するための適切な管理の促進や、その状況によってはニーズに応じた活用の促進を行う。老朽化した危険な空き家については立地が良い場合は除却により安全性を確保し、積極的な跡地活用を促進し、立地が悪い場合については除却の促進により安全性を確保し、跡地の適切な管理による住環境の保全を促進することとしている。
 
(5)空き家等対策の具体的な取り組みについて
  基本方針に基づく主な具体的取り組みとして、(1)空き家等の適切な管理の促進では、空き家等所有者等への意識啓発として固定資産税の納税義務者への空き家等対策に関するチラシの送付(約34万通)、(2)空き家等及び跡地の活用の促進では空き家の流通を促進するための空き家バンク制度の推進、空き家等・跡地活用方法に関する情報提供として空き家等の相談等をまとめたリーフレットの作成、(3)特定空き家に対する措置及びその他対処では老朽化した空き家の除却促進として北九州市老朽空き家等除却促進事業の推進、(4)住民等からの空き家等に関する相談への対応では相談窓口のワンストップ化、地域との連携による情報収集、関係団体・事業者との連携等により、空き家等対策に取り組んでいる。

(6)北九州市空き家バンクについて
  北九州市内の空き家状況としては平成25年には長期間居住者がいない住宅や取り壊し予定の住宅が2万7,900戸あり、住宅総数に対する割合は5.6%で、過去10年で約1.5倍となっている。
  このような状況の中、北九州市空き家バンクが平成26年4月にスタートした。本制度は既存住宅の流通を促進するため、市内の利用されていない空き家の情報を市に登録してもらい、市が不動産流通団体と連携して仲介支援等を行うとともに、物件情報を広く発信するものである。
  運営状況としては市と不動産協会で、空き家バンクの運営についての協定を締結し、市内の各協会員(宅地建物取引業者)と連携して制度運営を行っている。登録事業者数は平成29年3月末現在で119者である。
  空き家バンクの流れは、(1)空き家所有者は空き家バンクへの登録申請を行う。(2)市は申請された空き家情報を登録事業者へ提供し、商談会を開催する。(3)空き家所有者は宅地建物取引業者を選定し、媒介契約を行う。(4)市と媒介事業者はホームページ等で空き家情報を発信する。(5)媒介事業者の仲介により、空き家所有者と利用希望者とで売買、賃貸借契約の締結となる。
  空き家バンクに登録する人は自分で不動産屋に行けない人や不動産屋に断られた人が多い。
  空き家バンク実績件数としては平成26年度から平成29年3月末日現在までの累計で登録件数157件、そのうち成約件数が77件という状況であり、市場にのればある程度成約することがわかった。

(7)今後の課題と取り組みについて
  実態調査において危険度判定で上がってきた物についての所有者の確認は「高」や「中」の中でも中程度までの判定の物しか取り組みが進んでいないが、今後、危険度判定が比較的低い物も順次進めていく予定である。
  現在さらに強力なパンフレットを作成しているところであり、次回の固定資産税の納税義務者への課税通知と併せて送付する予定であり、加えて、メディア・SNS・出前講座等によりできるだけ目に触れてもらって、わかってもらえるように取り組みを進めている。
  空き家として放置になる前の啓発や放置された後の除却補助など総合的に取り組んでいるが、建物が安価で納税義務のない物については課税台帳に載ってこない。また、所有者が不在の場合は相続財産管理人制度を活用することとなるが、本当に所有者がわからないのかということや予納金を預けて弁護士に依頼をすることとなるので、一件当たりの費用が高くなるという課題はあるものの、次年度から持ち主がわからない空き家の対策を進める予定である。
  使わない空き家について市に寄附受けの相談をされることが多くなってきているが、そういう物件は市としても活用できないので受け付けはしていない。できるだけ説明して寄附受けができないことを理解していただいている。寄附受けの相談については今後もふえていくと予測している。
  空き地については課税情報がとれないので空き家よりも問題となっているところであるが、現在は国の動向を注視しているところである。
  

「北九州市視察の様子」

《熊本市》 (11月9日)

【調査項目】
●熊本地震における災害復旧・復興の状況について

『市の概要』
*市制施行: 明治22年4月1日
*人  口: 73万3,824人(平成29年9月1日現在)
*面  積: 390.32平方キロメートル

1.熊本地震における災害復旧・復興の状況について

(1)熊本地震における被災状況について
  平成28年4月14日(木)午後9時26分にマグニチュード6.5、震源の深さ11キロメートルの地震が発生し、益城町で震度7、熊本市内においては震度6弱や5強の規模であった。これが前震であり、想定されていなかった2回目の本震が平成28年4月16日(土)午前1時25分にマグニチュード7.3、震源の深さ12キロメートル、益城町や西原村で震度7、熊本市内においては震度6強や6弱の規模のものが発生し、立て続けに大きな地震が2回発生したことにより、甚大な被害をもたらした。地震発生後も震度1以上の余震が平成29年9月30日現在で4,403回観測されている。
  人的被害としては、死亡者77名(直接死6名、関連死71名)、重傷者753名である。建物被害としてはマンション駐車場など1階ピロティー部分が押し潰されたような状況もあり、現在もそのままになっているところもある。宅地では液状化が見られ、電柱が1メートル以上下がったり、下水道関係ではマンホール周辺が陥没、下水管付近では道路に亀裂が発生する状況で遭った。学校施設関係では熊本市内136カ所の小・中学校のうち25カ所が被害にあった。市民病院では天井が崩落する等の被害があり、テントを張って医療活動を行う状況であった。その他熊本城や商店街などさまざまなところで大きな被害が見られた。
  避難所及び避難者の状況は、市が把握しているだけでも最大11万750人であり熊本市の人口の約7分の1が避難された。ただ、この数字には車中泊などにより避難された方などが含まれていないため20万人くらいは避難していたと推測される。最大避難所数は平成28年4月21日の267カ所であり、平成28年9月15日に全避難所が閉鎖となった。

(2)災害復旧・復興の取り組みについて
  災害復旧・復興についてライフライン等は、水道は平成28年4月30日に通水完了、電気は平成28年4月18日午後に復旧、ガスは平成28年4月30日に供給開始となった。
  動植物園は平成29年2月25日から土・日・祝日に限って部分的に開園をしており、現状も復旧を進めている状況である。
  市民病院は平成31年度中の再建、熊本城の復旧は平成31年度に天守閣再建、熊本城ホールの建設を平成31年度完成としてこれからの復興のシンボルとする取り組みが行われている。

(3)今後の課題と取り組みについて
  5,000人意識調査アンケートを実施したが、75%の方が避難したと回答し、車中での避難が4割という結果となった。対応の課題として避難所運営、避難所数、避難者把握、被災者支援、備蓄・支援物資、受援・ボランティアなどがある。
  避難所については避難生活に欠かせない情報共有・発信の取り組みとして、新聞配付、テレビ設置、無料Wi-Fiの整備がされた。
職員による避難所運営体制については避難所運営を3人から4人の職員が交代で行っていたが、鍵の施錠や引き継ぎがうまくいかず、特に4月の異動直後に発生したことも少なからず影響した。また、職員個々のスキルも対応もばらばらな職員頼りの避難所運営形態であった。これは避難所に従事する職員を固定化することで改善を図った。なお、自治会、地域、ボランティアや避難者自身が中心となり運営した避難所はおおむね順調であった。
  避難所における高齢者、要援護者、ペット同伴の受け入れに課題があり、福祉避難所がほとんど開設できなかった。
  多くの自治体職員やボランティアにより支えられたが、受援体制が整備されていなかった。応援職員も何をどう支援したらいいかわからない状況であり、余震による危険があるためボランティア活動も制限された。このような状況を踏まえて指定都市市長会や九州市長会を窓口にした人的支援受け入れや被災者のニーズとボランティアのマッチングを行うことで改善を進めた。
  支援物資の受け入れについても負担があり、4月14日から4月24日までは拠点集積所を通称うまスタとしていたが1日最大100台受け入れたことによる非効率な積み下ろし、物資がどこに保管されているのか把握できないなど受け入れ体制の整備が必要となり、物流のプロである佐川急便に民間委託を行った。このことでフォークリフトの活用による運搬の効率化や在庫が適切に管理され、どこに何があるのか整理されている状態となった。また、当初に集積所をうまスタと発信したことによって全国から物資が大量に集積され、数多くの人がうまスタへ直接物資を取りに来る状況となり、集積所を公開したことが課題となった。
  地域防災計画を策定していたが、想定外だらけとなり、計画が全く機能していなかった。この反省を踏まえて、基本理念と6つのポイントにまとめて計画を新たに策定した。基本理念は市民・地域・行政の災害対応力強化として、基本理念を取り巻く6つのポイントは1つ目が災害に強い都市・ひと・地域づくりとして、自助・共助の重要性、2つ目が行政の災害対応力の強化として職員スキルの向上、職員初期行動マニュアルの策定、3つ目が避難対策の強化として、地域・学校・行政の連携による避難所運営、避難所運営マニュアルの策定、4つ目が備蓄・供給体制の整備として家庭内・企業・地域による備蓄、備蓄計画や物資受け入れ・配送計画の策定、5つ目が広域連携・受援体制の整備として、人的支援・物資支援の受け入れ体制の充実、業務継続計画・受援計画の策定、6つ目が被災者の生活支援に向けたトータルケアの整備として、罹災証明発行の早期対応という内容に地域防災計画を大幅に改定した。

(4)経験や教訓を生かした取り組みについて
  災害に対する危機管理意識が高まり、災害備蓄をしている人が震災前の34.2%から80.6%まで増加した。
  市民による避難所運営、市民と協働によるまちづくりとして、校区防災連絡会を立ち上げてその傘下に運営委員会を設置して、学校、地域、地域に属する職員及び担当課の三者が連携する体制をとっている。ふだんから顔を合わせ、みんなで災害時のことを考えたり話したりする仕組みづくりや地域の皆さんが、いざというときに実行できるような訓練を企画し参加してもらうことや、発災前から避難所運営委員会を設置するよう改善した。
  教訓を生かした地域での新たな取り組みとして、地域の訓練で行われた避難所運営ゲームやJR九州との合同避難訓練を平成29年4月16日に実施した。また、災害時にも支えあう地域づくりに向けてまちづくりセンターを設置し、49人の地域担当職員を配置することとした。また、企業と連携した災害対応として、
  LINE社と情報活用に関する連携協定の締結や、井戸を所有する民間企業団体との防災井戸活用に関する協定の締結を行った。
  熊本は過去にも大地震に襲われており、新たな教訓として震災の記憶を次世代へつなぐプロジェクトに取り組む予定である。
 
2.実地調査
  熊本城の被災及び復興状況を視察した。

「熊本市視察の様子」

「熊本市実地調査の様子」

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宇治市議会     議会事務局
電話: 0774-20-8747  ファックス: 0774-20-8786
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