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宇治市議会(行政視察報告 平成29年度) 1

[2017年8月23日]

市民環境常任委員会の行政視察報告

年月日:平成29年8月8日(火)~8月10日(木)
視察先:塩尻市(長野県)、高岡市(富山県)、富山市(富山県)
出席委員:渡辺委員長、岡本副委員長、山崎(恭)、真田、荻原、池田、秋月の各委員

《塩尻市》 (8月8日)

【調査項目】
●市民交流センターの取り組みについて

『市の概要』
*市制施行: 昭和34年4月1日
*人  口: 6万7,531人(平成29年7月1日現在)
*面  積: 290.13平方キロメートル

1.市民交流センターの取り組みについて

(1)塩尻市の概要について
  塩尻市は松本盆地の南端、長野県のほぼ中央に位置し、北アルプスを遠方に望み田園風景が広がる自然環境に恵まれた地域である。
  市内の基幹産業は製造業で、昭和39年の松本・諏訪地区新産業都市の指定を契機に、長野県内陸部特有の精密機械・電気機械・一般機械製造の各種工場が立地し、交通の利便性等の地理的優位性を背景に進展している。
  また、都市近郊型の農業としてレタスを中心とした高原野菜やリンゴ、ブドウ、梨などの果樹の栽培も盛んであり、特にブドウを原料とするワインの醸造は地場産業として脚光を浴びている。
  一方で、大門商店街や塩尻駅などを中心とした中心市街地は、近年のモータリゼーションの進展によって国道19号線沿道などの郊外に商業・業務施設の立地集積が進んだことや、昭和57年の塩尻駅舎移転に伴い、空き店舗の増加や交流人口の減少が進み、地域の魅力や活力が大きく低下していたため、活性化を図る必要がある。

(2)市民交流センターの概要について
  複合施設による多面的な機能を生かした、「知恵の交流による人づくりの場」を創出することを基本コンセプトとし、平成22年7月末にオープンした。図書館、子育て・青少年支援、市民活動支援、ビジネス支援、シニア活動支援の5つを運営の柱としており、あわせて中心市街地の活性化の拠点となることも期待されている。課題解決型の図書館運営や協働のまちづくり、子育て支援センターの取り組み等により年間60万人以上の来館者を迎えている。
  愛称の「えんぱーく」は全国からの公募によるもので、「えん」は丸い円のえん、御縁のえん、塩尻のえん(塩)を意味している。「ぱーく」には公園のように誰でも気軽に寄ることができる施設であってほしいとの願いが込められ、親しみやすいように平仮名で表現している。
  主な施設は、図書館、子育て支援センター、ICT室、音楽練習室、多目的ホール、商工会議所、ハローワーク、イベントホール、民間オフィスなどであり、約800台とめることができる6時間無料の市営駐車場も確保している。

(3)市民交流センターの特徴について
  施設の設計における特徴として、周辺との町並みとの調和を図るため建物の高さをなるべく低く抑え、内部の各部屋の大きさも周辺の民家のスケールを取り入れ、町の中を散策しているような空間づくりを目指した。また、建物の三方をガラスで囲んだことや、建物内にも吹き抜けを4つ設けたことで、とても明るくオープンな空間を創出したことが大きな特徴である。このほかにも、回遊しやすくするために各階ともに廊下を最小限しか設置していないことや、薄い板状の壁で建物を支えていることも施設の特徴として上げられる。
  施設利用における特徴として、図書館以外のスペースは飲食が自由であり、イベントホールにおいては飲酒も可能なこと、ごみ箱を設置しておらずごみは来館者自身に持ち帰るように案内していること、できる限り注意喚起の張り紙を張らずに自由な雰囲気の空間を創出していること、有料ではあるが壁面・床面を一般利用に貸し出ししていること、会議室やイベントホール等は営利目的の催しにも貸し出しできること、住民票・戸籍・印かん証明・所得証明等発行などの行政サービスの機能も有していることなどが上げられる。
  特にイベントホールにおいては、企業の懇親会や塩尻ワインをテーマにした試飲会・セミナーなどの飲酒を伴うイベントの開催でも利用される点は公の施設としては特筆すべき事項である。

(4)施設運営について
  基本コンセプトの実現に向け、役立つ情報を提供すること、意欲と活動を応援すること、センター自身が進化することを目指した運営を行っている。多面的な機能を有する複合施設を一元的に管理・運営するため、行政組織としても図書館・交流支援課・子育て支援センターを一つの部、市民交流センターとして組織することにより行政の縦割りの弊害を無くすための工夫を行っている。
  図書館の児童書コーナーと子育て支援センターが同じフロア、同じカウンターになっており、子供連れのお母さんが児童書を借りに来たついでに子育ての相談をして帰ることができるといった点で市民に喜ばれている。

(5)市民協働の考え方と今後の課題について
  施設の整備段階から中心市街地の活性化ワーキンググループや市立図書館の在り方ワーキンググループ、飛び込み市民会議などの市民参加の会議を数多く開催したこと、各種アンケート調査を行ったことなど、とにかく市民の声を生かし、できる限り市民の意に沿った取り組みを行うこと、市民が参画することに重点をおいて取り組んだ結果、当初の目標であった年間40万人を大きく上回る年間60万人の来館者につながっている。
  市民と一緒につくったから、たくさんの市民に利用されていると分析しており、今後もより市民と協働した取り組みを行い、より市民に来てもらえる施設となるよう運営していくことを目指している。
  当面の間は市の直営による運営を行うが、多様化するニーズに即したサービス提供等の観点から、将来においては市民公益団体等が運営を担う公設市民営を目指しているが、市民団体の運営・事務能力はまだまだ不足しており、そこを行政がどのようにサポート、育成していくのかが大きな課題である。また、施設整備の初期段階からワークショップ等に参加いただいている市民の高齢化も進み、市民団体の役員やサポーターなどのなり手不足も表面化してきており、人材の確保・育成も課題となっている。

(6)その他
  議員からは、市民協働の取り組みの詳細について、市民サポーター組織の規模や役割について、市民交流センターの総予算について、運営に係る人員体制について、財政が逼迫した中でも事業を進められた理由について等の質疑が行われた。

(7)実地調査
  市民交流センターを視察した。

 

「塩尻市視察の様子」

《高岡市》 (8月9日)

【調査項目】
●高岡御車山会館整備事業について

『市の概要』
  *市制施行: 平成17年11月1日
  *人  口: 17万3,564人(平成29年7月1日現在)
  *面  積: 209.57平方キロメートル

1.高岡御車山会館整備事業について

(1)高岡市の概要について
  平成17年11月1日、高岡市と西砺波郡福岡町が合併し、新しい高岡市が誕生。豊かな自然に恵まれ、長い歴史の中で培われてきた薫り高い文化と伝統、多彩な産業が息づく富山県西部の中核市である。
  南北の交通軸には東海北陸自動車道と能越自動車道が整備され、東西の新しい交通軸には平成27年3月に北陸新幹線が開業し、また、伏木富山港の総合的拠点港の選定などを機に、飛越能地域の玄関口、環日本海沿岸地域における交流拠点都市として新たな飛躍を目指している。
  産業では高岡銅器や高岡漆器といった伝統産業もあり、藩政期以来の長い歴史の中で受け継がれてきた、「ものづくりのわざと心」が今もなお脈々と息づいている。先人たちがつくり上げ洗練させてきたものづくりの技を継承しつつ、アルミ、化学・薬品、紙・パルプなどの近代工業も高岡市の産業として根づいている。

(2)歴史文化都市高岡について
  加賀前田家の領地であり、加賀藩の文化のもと成長してきた歴史文化都市である。慶長14年(1609年)に二代・前田利長が隠居するために高岡に城を築いたことが都市の歴史の始まりである。慶長19年(1614年)に前田利長が亡くなり、城下町としての高岡は幕を閉じた。加賀藩の政治の中心は金沢に移り、高岡は経済の中心、商工業都市としての役割を担うことになり、加賀百万石を支える加賀藩の台所と呼ばれるようになった。

(3)高岡御車山祭について
  高岡御車山は天正16年(1588年)に豊臣秀吉が後陽成天皇を聚楽第に迎え奉るときに使用したもので、加賀前田家初代当主前田利家が秀吉より拝領し、高岡開町の祖、二代前田利長が慶長14年(1609年)に高岡城を築くに当たり町民に与えられたのが始まりと伝えられている。
  御車山は御所車形式に鉾を立てた特殊なもので、高岡町民の心意気と財力に支えられ、格式を保ち高岡の金工、漆工、染色等のすぐれた工芸技術の装飾が車輪や高欄、長押等に施された日本でも屈指の華やかな山車である。
  高岡御車山祭は国の重要有形民俗文化財・無形民俗文化財の両方の指定を受けている。これは日本全国でも5件、京都祇園祭・高山祭・日立風流物・秩父祭・高岡御車山祭しかなく、高岡市民の誇りとなっている。また、高岡御車山祭を含む全国33件の山・鉾・屋台行事がユネスコ無形文化遺産に登録されている。

(4)高岡御車山会館の概要について
  高岡御車山会館は全国で5つしかない国の重要有形・無形民俗文化財である高岡御車山を通年展示する施設である。
  その山車に凝縮された「ものづくりのまち高岡」の工芸技術や御車山を今日まで守り伝えてきた地域の文化を紹介し、保存・振興などを図る機能を持たせ、近世高岡の文化遺産群を巡る町歩きの拠点施設となっている。
  会館の建設構想は昭和40年代から幾度か議論が浮かび上がりながらも、容易に実現を見なかったが、高岡開町400年を契機とし、事業の実施に向けて会館の建設適地を山町の総意で選定していただくなど、関係各位の協力のもと事業が進捗した。

(5)御車山会館の特色について
  高岡御車山祭で使われる7基の山車を1基ずつ4カ月交代で展示しており、来館の時期をずらせば全ての山車を観覧することができる。4Kの高精細画質を迫力ある233インチのスクリーンで楽しむ体感シアターを常設しており、祭りの準備から祭礼当日までを追体験することができる。
  また、外壁や吹き抜け部手すりのアルミキャスト、室内装飾の着色銅版、カフェの合わせガラスなど地場産の素材を随所に使用し、「ものづくりのまち高岡」を感じる施設となっている。

(6)今後の課題と取り組みについて
  高岡御車山祭や御車山会館のレベルの高さ・魅力を余り高岡市民に認知されていない現状がある。全国に誇れる内容であり、高岡市民がより愛着を持てるように情報発信する仕掛けが必要である。
  「ものづくりのまち高岡」の発信及び稀代の技術を持つ名工・職人が後継者を育成し、高岡の伝統産業技術の伝承を図るため、平成の御車山制作事業を平成25年度から平成29年度の5カ年で展開している。現在、仕上がった部分から随時展示しており、制作が完了すれば二つの山車が御車山会館で常時展示されることになり、さらに魅力が高まる。
  国の重要有形・無形民俗文化財である高岡御車山、現在制作中の平成の御車山をそれぞれどのように管理・活用していくかについても今後の課題である。

(7)その他
  議員からは、来館者の交通手段について、観光交流と伝統文化保全のバランスについて、リピーターを生むための工夫について、御車山会館の年間の総予算について、開館以来の来館者の推移について、運営方式と運営に係る人員体制について、市内観光の滞在時間や周遊観光について、高岡市の歴史的背景について、高岡御車山祭への人出について、会館整備に伴う祭りへの影響について、伝統産業について等の質疑が行われた。

(8)実地調査
  高岡御車山会館を視察した。

 

「高岡市視察の様子」

《富山市》 (8月10日)

【調査項目】
●富山市シティプロモーション推進事業について

『市の概要』
  *市制施行: 平成17年4月1日
  *人  口: 41万7,988人(平成29年6月末日現在)
  *面  積: 1,241.77平方キロメートル

1.富山市シティプロモーション推進事業について

(1)富山市の概要について
  富山市は日本海側のほぼ中央に位置し、水深1,000メートルの富山湾から標高3,000メートル級の北アルプス立山連峰までの標高差4,000メートルの多様な地勢と雄大な自然を誇り、また、古くから「くすりのまち」として全国にその名が知られるように、薬業を初めとする様々な産業と高度な都市機能、そして多様な文化と歴史を併せ持つ日本海側有数の中核都市として発展を続けている。
  明治以降、富山県の県庁所在地であり、平成8年には旧富山市が中核市に移行し、平成17年4月には富山市・大沢野町・大山町・八尾町・婦中町・山田村・細入村の7市町村が合併し、新しい富山市が誕生した。
  現在は将来にわたって持続可能な都市を構築するため、公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくりを初め、様々な施策に取り組んでいる。

(2)選ばれるまちづくり事業について
  我が国では平成20年をピークに人口が減少に転じ、少子・超高齢化社会が進展する中、大都市部では人口吸引力が働くものの、地方都市においては人口減少が地域経済の縮小・地方財政の硬直化を呼び、それが公共サービスの質の低下・町の魅力の低下につながり、さらに人口減少を加速させるといった負の連鎖に陥るリスクが高いと言われている。
  そういった負の連鎖を断ち切り、暮らしたい町、訪れたい町として市内外の多くの方から選ばれる町を目指す必要があり、(1)シティプロモーション(魅力発信)の推進、(2)シビックプライド(地域への誇り・愛着)の醸成の2つの観点からの取り組みを総合的に展開し、相乗効果による人口の維持・増加を目指している。

(3)シティプロモーションの取り組みについて
  シティプロモーション(魅力発信)とは、富山市の認知度・イメージの向上、来訪者の増加、交流人口の増加を狙う取り組みを総合的・戦略的に実施することを意味している。
  幅広い層をターゲットとする全国規模の雑誌等に富山市の特集を掲載するシティプロモーション全国広告事業、山岳・アウトドアに関心のある層をターゲットとした「山ガール」富山市PR事業、インバウンド対策としてのミシュランガイド富山・石川の作成、フィルムコミッション、市立探偵ペロリッチ(オリジナルキャラクター)や人気キャラクターの鷹の爪団が登場するショートアニメムービーの作成と配信など様々な媒体で情報を発信している。
  「ハローキティをさがせ!富山市スタンプラリー」の開催や、柴田理恵さんに特別副市長を委嘱するなど、知名度や情報発信力の高い俳優・タレント・キャラクターとのコラボ企画も多く実施している。
  また、ANA総合研究所とシティプロモーション推進事業に関する協定を締結し、機内情報誌への記事掲載、機内モニターでのPR映像の放映、ご当地プレーンの就航、汐留マルシェへの出展、富山市におけるCAサミットの開催などの取り組みも行っている。

(4)シビックプライドの取り組みについて
  市民一人一人が我が町に対して愛着や誇りを抱く「シビックプライド」を育むことが大切であるとし、コンセプトを「AMAZING TOYAMA(アメイジング トヤマ)」とし、象徴となるモニュメントの設置と関連事業を一つのパッケージとして展開している。
  「AMAZING TOYAMA」とは、富山市民が当たり前に享受していたものが、改めて驚きのある新鮮なものとして感じられるためのキーワードであり、我が町の魅力や価値の再発見を促すためのものである。富山城に設置したモニュメントはフォトスポットとして認知され、フェイスブック、ライン、ツイッター、インスタグラム等のSNSを通じて拡散している。
  町なかの広告パネルで富山市の魅力をPRすることや、職員名刺の裏面に職員各々の「AMAZING TOYAMA」を表現。市内の事業者にも協力を依頼し、物販の包装紙やホームページ、店舗の壁面や窓ガラスなどあらゆるところに「AMAZING TOYAMA」を表示してもらっている。
  この他にも、大学進学等により県外に転出した若年層をターゲットに、富山市の質の高いライフスタイルをPRする冊子を作成し、家族から県外の子への仕送りの際に同封する仕組みを構築する「Homing現象」促進事業の展開や、市民の暮らしをテーマとしたムック本「富山市 by AERA」の制作、工事中の仮囲い壁を活用したシビックデザインプロジェクト、刻々と変化していく富山市内の町並みのBEFORE(過去)とAFTER(未来)を写真で比べることで地域への愛着を深めることを目的とした「とやまビフォーアフターフォトプロジェクト」なども実施している。

(5)今後の課題について
  ここ数年で富山市への観光入り込み客数がふえてはいるものの、シティプロモーション推進事業の取り組みによる効果なのか、北陸新幹線開業によるものなのか、インバウンドによるものなのか検証することが難しく、事業の費用対効果の分析も含め課題となっている。平成29年度に効果を検証するための調査費を予算化しており、調査方法含めてこれから検討していく。

(6)その他
  議員からは、アイデア・企画について、事業の費用対効果について、御当地ナンバーについて、事業の総予算と人員体制について、庁内の協力・連携について、若者向けのPRを積極的に行っている理由について、企業とのライセンス契約について、ANA総合研究所と提携を締結したきっかけについて、ANAとの人材交流について、議会の反応について等の質疑が行われた。

 

「富山市視察の様子」

お問い合わせ

宇治市議会     議会事務局
電話: 0774-20-8747  ファックス: 0774-20-8786
E-mail: gikaijimukyoku@city.uji.kyoto.jp

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