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第26回紫式部文学賞 『戯れ言の自由』

[2019年9月5日]

第26回紫式部文学賞

受賞作品: 『戯れ言の自由
著      者: 平田 俊子(ひらた としこ)さん


 

作品紹介(著者 平田 俊子)

  『戯れ言の自由』には、2004年から2015年の間に書いた28編の詩が収録されています。書き下ろしの4編と、新聞や雑誌などに発表した24編です。言葉遊びを多用した「犬の年」「『イラッとする』にイラッとする」、蚊についての想像をふくらませた「か」「いざ蚊枕」「まだか」の3部作、10代で戦死した伯父の詩、高村光太郎や草野心平のことを書いた詩、東日本大震災を意識して書いた「美しいホッチキスの針」「ゆれるな」「寒い春」など題材や書き方はさまざまです。

 タイトルはもちろん「表現の自由」をもじっています。詩を書くことは「表現」なのでしょうが、この言葉はわたしにはどうも気恥ずかしい。わたしの書くものは「戯れ言」であり、戯作であるという思いがあります。これは卑下ではなく、むしろ自負のようなものです。言葉と真剣にたわむれることが詩を書くことではないかと思います。ふりかえってみると、これまでに出したすべての詩集が「戯れ言」だったような気がします。

受賞の言葉

 『戯れ言の自由』は8年ぶりに出した詩集です。それまでは3、4年ごとに詩集を出していましたが、今回、時間があきました。

 2011年3月11日の東日本大震災のあと、詩とは何なのか、自分はなぜ詩を書くのか、あらためて考えるようになりました。震災のことを詩に書くのか、書かないのか。書くとすればどういう立場で何を書くのか。詩と自分との関係を問い直しました。詩を書くことが困難な日々でした。詩集を出すこともためらわれ、喪に服するようにしばらく控えていました。

 遠慮がちに出したささやかな詩集にまばゆい光をあてていただき、大変驚いています。紫式部文学賞に選ばれるのは小説や歌集やその周辺の書物が中心で、詩は遠いと思っていました。賞をいただき、紫式部が急に身近な人になりました。「次は清少納言エッセイ賞だわ」という「戯れ言」をつぶやいたりしています。どうもありがとうございました。これからも書いていきます。

 

著者略歴

1955年6月30日島根県生まれ。出身は福岡県。

父の転勤により鳥取、山口、福岡などに居住。立命館大学文学部卒業。

高校在学中から詩を書き始める。

1983年思潮社が募集した「現代詩新人賞」に応募し、受賞。

84年第一詩集「ラッキョウの恩返し」刊行。

以後の詩集に「ターミナル」(晩翠賞)「詩七日」(萩原朔太郎賞)など。

他に小説「二人乗り」(野間文芸新人賞)「スロープ」、戯曲集「開運ラジオ」、エッセイ集「スバらしきバス」などがある。

立教大学文学部特任教授。東京在住

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