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宇治市議会(行政視察報告 平成28年度) 10

[2016年12月2日]

議会運営委員会の行政視察報告

年月日:平成28年11月21日(月)~11月22日(火)
視察先:関市(岐阜県)、可児市(岐阜県)
出席委員:松峯委員長、稲吉副委員長、宮本、山崎(恭)、真田、久保田、木本、長野の各委員、石田議長、坂本副議長

《関市》 (11月21日)

【調査項目】
●タブレット端末の活用について

『市の概要』
*市制施行: 昭和25年10月15日
*人  口: 9万302人(平成28年10月1日現在)
*面  積: 472.33平方キロメートル

1.タブレット端末の活用について

 資料を全てデータ化し、タブレットで閲覧できることを目的に導入を検討した。

(1)導入目的について
 関市議会では一定例会ごとにかなりの枚数の資料が、執行部及び事務局から配付されていたため、議会へのタブレット端末の導入によりペーパーレス化を図り、事務の効率化、コスト削減、省資源化を推進することを目的とした。

(2)導入の経緯について
 そもそもの導入のきっかけとしては、4年ほど前に議員からタブレット端末の導入について提案があり、その年度から事務局としても検討を始めた。
 まずは試験的な使用を行うため、平成24年12月定例会に補正予算を計上し、平成25年2月にタブレット端末機のiPadを12台購入した。当時の議員数は24名であり、まずは正副議長、議会運営委員及び事務局で試験的に使用を開始した。
 平成25年3月定例会からは、本会議でいきなり使用するということではなく、委員会で資料を閲覧することから始めた。ただし、紙資料もあわせて配付した。
 当時は、タブレット端末を個人的に所有している議員が3名ほどいたことから、会派代表者会議において、議会事務局から貸与するタブレット端末だけでなく、個人が所有するタブレット端末についても使用を認めることを確認した。個人所有のタブレット端末については、個人からの申請を議長が許可することにより、使用を認めることとした。
 本格導入に向け、平成25年6月定例会において補正予算を計上し、タブレット端末機のiPadを11台購入した。議員によっては初めてタブレット端末を使用する者もいることから、使い方の研修会を3回ほど開催した。研修会の内容としては、基本的な電源のオン・オフ、画面の切りかえの仕方、画面の拡大・縮小などの操作方法を事務局が説明した。半年ほどの試験的な使用期間を経て、平成25年9月定例会より本格導入を開始したが、このときは、ペーパーを併用していた。
 10月には会派代表者会議において、タブレット端末機使用規定を確認し、承認した。使用規定の内容としては、会議中の使用制限、情報管理等を規定している。使用制限については、当時は、使いなれない議員もまだまだいたことから、会議中に関係ないページを閲覧し傍聴者から苦情が出ることも想定されたため、会議中はインターネットに接続できない規定としていた。情報管理については、タブレット端末は24時間365日、議員に貸しっ放しであったことから、情報漏えいが起こらないような規定とした。
 平成25年12月定例会より、基本的に完全ペーパーレスとした。
 平成26年8月には議会棟のWi-Fi環境の整備を完了した。導入したタブレット端末機はWi-Fi専用機であったため、当時はWi-Fiルーターを使用していたが、接続環境が悪いことがあったことから、Wi-Fiスポットの工事を行い、インターネット環境を整備した。また、環境が整備されたこと、議員のタブレット端末への習熟度が上がったことから、タブレット端末機使用規定の使用制限を改定し、会議中もインターネットに接続できるようにした。ただし、会議中にSNSへの投稿は禁止する規定とした。
 平成27年6月には各派代表者会議において、それまでiPadに限定していた使用を他機種にも広げての使用を許可することを確認した。また、12月にはノート型パソコンについても使用を許可することを確認した。さらに、タブレット端末では複数の資料を画面上で一度に確認することができないことから、複数の端末の使用を許可することを確認した。

(3)データ配信の仕組みについて
 執行部の資料等については行政ネットワークに接続された事務局のパソコンで作成・保存し、そのデータを事務局のタブレット端末にメールで送信する。事務局のタブレット端末からクラウドサーバーにデータを保存し、クラウドサーバーに保存されているデータを各議員が閲覧するという運用にしている。関市議会では、クラウドサーバーについてはドロップボックス(Dropbox)というアプリを無料の範囲で使用している。データについては、それぞれのフォルダごとに管理しているが、各資料を事務局がクラウドサーバーにデータを保存しても議員には通知が行かないことから、議員の携帯メールを併用して使用し、事務局から必要事項については携帯メールに送信している。

(4)タブレット端末の便利な機能(メリット)と活用について
 「クラウドサーバーを利用して、最新の情報を共有」ということで、資料の差しかえが必要なときも、クラウドサーバーに新しいデータを送信することにより最新の情報が閲覧できることから、執行部及び事務局の手間が減った。また、これまで冊子として配付していた例規集等を全てデータで送信することにより、変更があった際の差しかえも容易になり事務局の負担が減るとともに、印刷代等の費用負担がなくなった。
 「スケジュールを共有、事務局で一括管理」ということで、議会や議長の行事を事務局が入力することにより、各議員もタブレット端末で確認することができる。また、議員個人のスケジュールもタブレット端末で管理することができる。
 「現場写真などの整理や送信も簡単」ということで、写真を見せながら執行部と協議することにより、具体的な話し合いができる。ほかにも、新聞記事を写真に撮って保管できるアプリもあり、それらを活用することによりタブレット端末に保存し、整理することができる。
 「従来のファクスにかえて、メールで通知」ということで、これまで情報提供資料などをファクスや自宅に持っていくなどして対応していたものが、クラウドサーバーに保存しメールで通知することにより、迅速に行えるようになった。

(5)導入に係る経費について
 導入時の経費としては、主にはiPad本体の価格であり、1台4万2,800円で23台購入した。Wi-Fiルーターは2台の購入で6万7,200円であったが、現在はWi-Fi環境が整備されたことから、視察時等に使用するための1台のみとなっている。ほかには消耗品等を購入し、合計で127万2,490円かかった。
 導入後にかかった経費としては、平成26年8月に約60万円でWi-Fiスポットの設置工事を実施し、平成27年8月には議場でタブレット端末の充電ができるように16万2,000円で電源工事を実施した。
 ランニングコストとしては、Wi-Fiルーターの使用料が月額3,883円、Wi-Fiスポットの通信料が月額5,940円となっている。

(6)ペーパーレス化の実績・効果について
 使用する紙・印刷費の削減としては、平成25年9月定例会からの導入後、平成25年は2回の定例会で、紙資料は3万9,450枚の削減、金額はおおよそであるが13万6,497円の削減、平成26年は4回の定例会、3回の臨時会で、紙資料は8万8,060枚の削減、金額はおおよそであるが30万7,500円の削減、平成27年は4回の定例会、1回の臨時会で、紙資料は9万1,986枚の削減、金額はおおよそであるが32万5,560円の削減、平成28年は9月までで、3回の定例会、1回の臨時会で、紙資料は7万6,979枚の削減、金額はおおよそであるが27万3,309円の削減となっている。これらは、本会議及び議会運営委員会の実績であり、他にも特別委員会や行政視察に係る資料についてもペーパーレス化を実施している。
 紙資料の削減に伴い、印刷製本等に係る人件費・委託費の削減が考えられるが、関市ではタブレット端末の導入は議会のみであり、執行部側は導入できていないため、議案や予算書等の冊子については、今まで100冊作成していたものがゼロになったということはなく、議員及び事務局分が減少したということであり、委託費が大幅に削減されたということはない。
 資料配付・情報提供等の迅速化・効率化については、全員同時に議案等を配付できることなどが大きなメリットである。
 ほとんどの資料はクラウドサーバーにおいて提供しているが、タブレット端末では閲覧しにくい決算書のような見開きの資料や、個人情報が記載されている資料については、紙資料を配付している。

(7)今後の課題について
 議員によって習熟度が異なることが一番の課題である。研修会を開催することにより対応しているが、ふだん使用しないと次の定例会では操作方法を忘れていることがあるため、改めて操作方法を教える必要が出てくる。関市議会ではタブレット端末に自由にアプリを落とすことができることにしているため、事務局としても便利なアプリがあれば情報提供に努め、議員の習熟の一助となるようにしている。
 また、タブレット端末を使用した電子採決も課題であるが、現在はまだ検討もできていない。今後、できるかどうかも含めて検討する必要があると考えている。
 会議以外での活用については、議員個人での活動や会派での活用を推進してもらうことを考えている。スケジュール機能については、会派だけで共有することもできるため、そのような活用の推進も考えている。
 タブレット端末は導入から約3年が経過しており、新しい機種も出てきていることから、貸与機種等を検討する段階に来ている。
 会議で使用できる電子機器の検討については、スマートフォンの使用を現在検討している。ただし、タブレット端末よりスマートフォンを使用している姿が、傍聴者から見たときに懸念が出ることも考えられることから、今のところ許可はされていない。
 現状としては、自ら資料を印刷して会議に臨まれる議員もいることから、タブレット端末だけでは難しいこともあるのではないかと考えている。

(8)その他
 関市議会議員の方から、実際に使用した感想や操作方法について説明があった。また、委員からは、トラブル発生時の対応について、資料のデータ化はどの部署がするのかについて、使用規定について等の質疑が行われた。

「関市視察の様子」

《可児市》 (11月22日)

【調査項目】
●議会改革について

『市の概要』
*市制施行: 昭和57年4月1日
*人  口: 10万1,414人(平成28年10月1日現在)
*面  積: 87.57平方キロメートル

1.議会改革について

(1)取り組みの経緯について
 議会基本条例の策定までに、一問一答・対面方式の導入、議員みずから研さんを積むため平成20年7月から名城大学都市情報学部のゼミに参加、平成23年8月には議会改革のためのアンケート調査の結果を取りまとめて公表、平成24年2月には第1回議会報告会を実施、そして、議会基本条例を平成24年12月に制定、平成25年4月に施行した。
 その後も議会改革に努め、議会の情報伝達の方法として議会フェイスブックを開設、議会ホームページのリニューアル、議会広報紙の全面的な見直しを行った。
 平成26年には地域課題解決型キャリア教育支援事業に取り組み、高校生議会及び地域懇談会を開催した。最近では、選挙権が18歳以上に引き下げられたことから、地域懇談会の一環として高校に出向き出前講座を実施、平成28年8月にはママさん議会を開催した。また、市民の方に議会を身近に感じてもらえるよう、議場コンサートを行った。

(2)大学との連携の取り組みについて
 平成20年7月から名城大学都市情報学部の地方自治を専門にしている昇教授のゼミに参加しており、費用は参加する議員の政務活動費から支出している。参加議員は11名で、学生とともに学習している。この取り組みから議会報告会には、昇教授とゼミ所属大学生10名程度に参加してもらっている。

(3)議論の充実のための取り組みについて
 一般質問・議案質疑では、大項目(議案)ごとに一括質問、一括答弁方式とし、再質問から一問一答方式とする方法と大項目ごとに完全に一問一答方式の方法との選択方式を採用している。また、反問権及び自由討議についても規定している。議場内には議場モニターを設置し、パソコン等を活用した一般質問ができるようにし、傍聴者にもわかりやすいよう配慮している。

(4)正副議長立候補制度について
 議会運営委員会に立候補の届け出をし、全員協議会室において全議員の前で、所信表明を10分以内、その内容に対し質疑を10分以内で行う。所信表明は公開で行い、動画配信も実施している。

(5)議会改革のためのアンケート調査について
 平成23年2月に実施したが、年度末であり予算がなかったことから、全議員の政務調査費を使ってアンケート調査を実施した。回収率は40.6%であり、調査結果として「市民の声が市議会に反映されていると感じている」と回答した人がわずか6.4%、90%以上の方が市民の声が議会に反映されていないと感じていることを重く受けとめ、議会改革を進める必要性を再認識させられた。それから5年後の平成28年1月に第2回のアンケート調査を実施した結果、今後の取り組むべき課題として、議会の見える化を推進し、さらなる情報公開の徹底、議会だよりを軸としたわかりやすい広報の展開、市民の意見を聞く意見交換会の充実を掲げている。

(6)議会運営サイクルについて
 前期議長が次期議長に引き継ぎ事項を提言として申し送りしており、議長の任期1年目に提言の内容を議長マニフェストとして議員に提示し、それぞれの委員会で協議し、方針を立てる。なお、可児市議会の議長任期は申し合わせで任期1年としているが、再任も可能という運用にしている。

(7)予算決算審査サイクルについて
 可児市議会では決算審査に重きを置いており、そこで出た課題等を提言として市長に通知し、次の予算編成に生かすように取り組んでいる。
 決算審査では、まず執行部より決算の説明を1日半かけて受ける。後日質疑を行うが、質疑は通告制としている。質疑の内容を全て洗い出し、単純に数字等を確認するようなものについては直接執行部に確認するよう促すなどしている。質疑をまとめたら、執行部には書面で通知し、次に予算決算委員会で委員の質疑に対し答弁を行う。この質疑・答弁は3日間かけて行い、出てきた課題等については、それぞれの所管ごとに設けている分科会で詳細に審査する。分科会で全会一致となったものについては取りまとめて、最終日の予算決算委員会において審査し、ここで全会一致となったものについてのみ提言として取りまとめる。
 予算決算委員会は、議長・監査委員を除く議員20名で構成している。

(8)政策サイクルについて
 春の予算終了後、秋の決算終了後の年2回行っている議会報告会や、随時開催している地域課題懇談会及び各種団体との懇談会で出された意見を、それぞれの委員会で協議し、委員会として取り組むものを決めて協議を進める。

(9)議会基本条例特別委員会について
 平成23年9月に特別委員会を設置し、延べ20回開催した。制定までには視察・住民説明会・意見募集等を行い、専門的知見の活用として名城大学都市情報学部の昇教授に依頼した。

(10)ICTを活用した委員会運営について
 無料のグループウェアであるサイボウズライブを活用している。資料を事前にアップしておくと委員がすぐに確認できるため、円滑な対応や活発な調整ができるようになっている。

(11)基本条例に基づく議会報告会の実施について
 春(5月ごろ)と秋(11月ごろ)に各公民館単位で実施している。公民館は市内に14ヶ所あり、年間各公民館に1回は出向くようにしている。
 これまでは、議員と市民が対面となり、議員が一方的に話す方式であったが、市民の意見が出にくいこともあり、現在は議員と市民で10人程度のグループに分かれ、議会だよりを活用して報告を行うようにした。この方式に変更したことにより、参加した市民の方から意見が言いやすかったという声をもらっている。

(12)議会の情報発信の取り組みについて
 議会だよりは年4回発行しており、平成25年5月よりフルカラー化している。議会だよりを単独で印刷するのではなく、市の広報紙とあわせて印刷し、広報紙の中に議会だよりが含まれるような形をとることにより、経費削減に努めている。
 議会だより以外では、ケーブルテレビ、FMラジオ、ホームページ、ユーチューブ、グーグルカレンダー及びフェイスブックを活用し、議会の情報発信に努めている。

(13)各種団体との懇談会について
 市民参加の推進と情報公開を目的としており、各種団体との意見交換により考え方等を聞いている。これまで、可児商工会議所、教育委員及び民生委員等との懇談会を開催している。懇談会は委員会ごとに行っている。

(14)議員研修の充実について
 議員の資質の向上を図ることも目的に、これまで5回開催している。開催に当たっては、近隣市町にも案内をしている。また、市議会議長会の研修会等も活用し、資質の向上に努めている。

(15)定数・報酬・委員会のあり方について
 議長マニフェストにあり、平成23年には調査・研究を始めた。現在は、全議員に活動記録の報告を義務づけており、1日を15分単位で記録するようにしている。当面は、議長・副議長については1年間、議員については3カ月間の実施としている。

(16)地域課題懇談会について
 若い世代の都市部への流出が起こり、地方都市の衰退が問題となる中、可児市では魅力を知ってもらい地域への愛着を深めてもらうため、地域課題解決型キャリア教育として大人と高校生が意見交換できる場の提供に取り組んでいる。
 キャリア教育支援開始のきっかけとして、可児高等学校が大人とかかわる機会を求めていたが、執行部側がすぐに対応できないことから議会に話が回ってきた。結果、高校生議会を開催することとなり、その開催に先立ち、可児高等学校が実施するキャリア教育の目的・内容などを把握するため、研修会を実施した。
 高校生議会の開催前に、議員と高校生がグループとなり意見交換を行い、課題を取りまとめて議場で高校生が発表している。最後に高校生が意見書として取りまとめたものを高校生の代表から議長に提出する。この意見書の中身によっては、地域課題懇談会を開催し、各種団体と高校生との意見交換の場を提供している。
 18歳選挙権を課題に可児高等学校にて出前講座を議会主催により開催し、市長にも参加してもらい開催に当たり講演をしてもらった。その後、「どうしたら選挙に行くのか」をテーマに、市長・選挙管理委員会・議員・生徒による意見交換を行い、取りまとめた内容を生徒が発表した。この出前講座のアンケート結果を見ると、参政意識の醸成が図れたと考えている。また、高校生から出された意見をもとに、マニフェストの作成や期日前投票など実際の選挙と同じように模擬選挙を行った。

(17)その他
 委員からは、議会報告会の準備・参加人数について、投票率の変化について、提言に対する当局の対応について等の質疑が行われた。

「可児市視察の様子」

お問い合わせ

宇治市議会     議会事務局
電話: 0774-20-8747  ファックス: 0774-20-8786
E-mail: gikaijimukyoku@city.uji.kyoto.jp

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