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宇治市議会(行政視察報告 平成28年度) 4

[2016年5月20日]

建設水道常任委員会の行政視察報告

年月日:平成28年5月11日(水)~5月13日(金)
視察先:松本市(長野県)、山梨県、岐阜市(岐阜県)
出席委員:関谷委員長、渡辺副委員長、坂本、岡本、西川、堀、池田の各委員

《松本市》 (5月11日)

【調査項目】
●街なみ環境整備事業について

『市の概要』
  *市制施行: 明治40年5月1日
  *人  口: 24万1,112人(平成28年4月1日現在)
  *面  積: 978.47平方キロメートル

 

1.街なみ環境整備事業について

(1)事業の概要について
   生活道路などの地区施設が未整備であったり、住宅等が良好な美観を有していないこと等により住環境の整備を必要とする区域において、ゆとりと潤いのある生活空間形成のため、住環境の整備改善を行う事業であり、社会資本整備総合交付金を受けて実施している。

(2)事業実施に至る経過と目的について
   松本市は城下町で豊富な観光資源があり、地区の特性を生かした個性ある街なみの整備が求められており、地域の活性化、住環境整備を目指して事業の実施に至った。地区の住民と市とが協力して事業を行っている。目的として自然資源や景観、伝統的な建築物、歴史的資源の活用により、回遊性を考慮した中で、松本市らしさが感じられる街なみ形成に取り組んでいる。

(3)歩いてみたい城下町整備事業の概要について
   松本城周辺の(1)中町地区・(2)お城下町地区・(3)お城東地区・(4)中央東地区・(5)お城周辺地区の5地区でそれぞれまちづくり推進協議会を設立し、各地区の特徴を生かした整備を地区ごとに行ってきた。
      (1)中町地区では城下町の歴史的建造物(蔵づくり)を生かしたまちづくりの取り組みをしている。(2)お城下町地区では明治末期以降、娯楽(映画館)・飲食・ショッピングの中心となり、大正・昭和を通じて庶民文化の先端を行くハイカラな場所として栄えた経過があり「大正ロマンのまち」をコンセプトにまちづくりの取り組みをしている。(3)お城東地区では商人町であると同時に職人町として、物販、飲食、娯楽の中心として発展してきたが店舗が減少傾向にあった。最近では道路の美装化等の整備よりにぎわいが戻りつつある。(4)中央東地区では湧水や水路などの豊富な水資源に恵まれている。松本駅から徒歩圏内にあり、商業・医療施設への利便性にすぐれている地区だが近年空き店舗がふえ、空き地が駐車場になっている。道路の高質化・美装化を行うなどの努力をしている。(5)お城周辺地区はオフィス街から住宅街まで混在している地区である。他地区と同様に高質化・美装化を行っている。松本城以外にも歴史的な建物や武家屋敷などが残っており、その活用と保全が大きな課題となっている。
     歩いてみたい城下町整備事業では、この5地区を一体的に整備することで、地区間の回遊性を高め、地域の活性化と居住環境の向上を図る。平成22年度にこの5つのまちづくり推進協議会を統合し「歩いてみたい城下町まちづくり連合会」が設立された。平成23年度には、地区全体の整備計画を策定し、順次整備を実施している。

(4)その他のまちづくりにかかわる事業について
   (1)街なみ修景事業
     歴史や文化を生かした統一感のある街なみ景観の形成を図るために、まちづくり協定に基づいて個人宅の建物のファサード(正面)改修を行う場合、整備費用の3分の2相当額を補助(上限300万円)する事業。補助金を受けるには、まちづくり推進協議会内の協定運営委員会で、建物の様式が協定に沿ったものかどうかの審査を受け、協議会の推薦が必要となる。平成24年までに121件実施された。
     (2)水めぐりの井戸整備事業
     地下水が豊富である地域の特性を活用するために、平成18年から21年まで市民の水飲み場として活用するとともに、災害時の生活用水の確保を図るため公共井戸の整備を行った。平成22年からは既存の個人所有の井戸を公共の用にも利用可能に整備する場合、整備費用の3分の2相当額を補助(上限30万円)している。平成24年度まで公共の井戸10カ所、個人所有の井戸9カ所を整備した。

(5)現地視察について
     松本城周辺の街なみを視察した。

 

「松本市視察の様子」

「松本市現地視察の様子」

《山梨県》 (5月12日)

【調査項目】
●富士五湖の名勝指定の取り組みについて

『県の概要』
  *人  口: 83万49人(平成28年4月1日現在)
  *面  積: 4,465.27平方キロメートル

1.富士五湖の名勝指定の取り組みについて

(1)富士五湖の概要
     山中湖・河口湖・西湖・精進湖・本栖湖を総称して富士五湖といい、平安時代初期の富士山の大噴火により現在の5つの湖が形成された。また、平成23年9月には名勝指定されている。平成25年6月に富士山が世界文化遺産に登録され、富士五湖は構成資産となっている。

(2)名勝としての価値について
     富士五湖が名勝に指定される価値としては3つの理由がある。
     1つ目は、風光明媚な景観としての景観的価値。昔から写真や絵画の題材になり続け、多くの観光客を引きつけてやまないすばらしい景観がある。
     2つ目として「八海巡り」信仰の歴史的価値。「八海巡り」とは富士講の始祖とされ宗教者長谷川角行が富士山周辺の8つの湖水で修業を行ったことに始まるとされ、その後富士講信者も「八海巡り」を行っていた。八海をつなぐ古道等も一部残されており、歴史的価値が高い。「八海巡り」の対象は時代によって変化するが、富士五湖は終始その対象となっており、信仰の対象となる聖なる湖水としても歴史的価値が高い。
     3つ目は富士山と一体の自然的価値。富士五湖と富士山とは伏流水との関係及び湖の成り立ちなど自然現象面においても関係が密接である。富士山周辺の自然景観を考える上では、一体のものとして捉えるべきものであり、文化的景観とあわせて価値が高い。

(3)課題と対応について
     富士五湖は昔から観光地として、毎年多くの観光客が訪れている。湖上でボート、ウインドサーフィン、ジェットスキー、釣り等など多様なレジャー行為が行われている。課題としては、観光客の増加によって駐車場が必要となっているが、駐車場が少なく湖岸に駐車されていること。相当な数量の動力船及びジェットスキーが周辺の平和な環境を阻害していること。富士五湖の特に大きな山中湖・河口湖は観光・開発により、周辺が名勝にふさわしくない状態になる可能性があることなどが上げられた。
     動力船及びジェットスキーについては「山梨県富士五湖の静穏の保全に関する条例」で届け出義務により規制しており、富士五湖適正利用推進協議会から規制強化の要望を受け、今後検討予定である。その他については関係市町村の景観条例等に基づく取り組みや地元関係者による協議会等により調整している。また、名勝として維持するための設計図となる保存管理計画を市・県・文化庁と共同作業で5つの湖についてそれぞれ作成している。

(4)住民の対応について
     富士五湖の名勝指定と富士五湖を富士山の世界文化遺産の構成資産にするに当たってプロジェクトチームを立ち上げ、住民への説明を行ったが、指定されると何か著しく規制されるのではないかと心配する住民の同意を得るのに時間がかかった。規制されることもあるが歴史的価値・文化的価値を理解してもらい、世界文化遺産になることで地域の価値が上がるということを説明し、理解してもらったとのことだった。
     世界文化遺産に認定後、世界文化遺産の価値を理解されてきており、地域から保全を優先し、開発のルールをつくろうとする動きが出てきている。

「山梨県視察の様子」

《岐阜市》 (5月13日)

【調査項目】
●日本遺産について

『市の概要』
  *市制施行:明治22年7月1日
     *人  口: 41万2,589人(平成28年4月1日現在)
     *面  積: 203.60平方キロメートル

1.日本遺産について

(1)日本遺産(「信長公のおもてなし」が息づく戦国城下町・岐阜)のストーリーの概要について
     戦国時代、岐阜の町を手に入れた織田信長。ここを拠点に天下統一を目指した信長は戦いを進める一方、城の山麓に「地上の楽園」と称される宮殿を建設。さらに、軍事施設である城を「魅せる」という独創性を加え、岐阜の城下一帯を最高のおもてなし空間としてまとめ上げた。自然景観を生かした城内外の眺望や長良川での鵜飼観覧による接待。冷徹なイメージを覆すような信長のおもてなしは、宣教師ルイス・フロイス、堺の茶人津田宗及ら多くの有力者を魅了した。その様子は手紙を通じて広くヨーロッパにも伝わった。信長が形づくった城・町・川文化は城としての役割を終えた後も受け継がれ、現在の岐阜の町に息づいている。
    「信長公のおもてなし」を物語る文化財を訪ねて歩けば、各所で日本遺産の歴史と文化を感じることができる。

(2)取り組みについて
     日本遺産を紹介するリーフレット(4万部)を作成、観光向けの冊子まっぷるとタイアップして「まっぷる岐阜市 信長公のおもてなし」(3万部)を作成、信長公PRバッジ(4,000個)などを作成している。その他の取り組みとして、各種イベントでも情報発信をしている。ツーリズムEXPOジャパンという17万人が来場する観光イベントに参加し、観光産業に携わる実務担当者約100人を対象にしたセミナーで講座を開催した。また、世界にも情報を発信するために、フランスで開かれた文化庁主催の日本遺産国際発信事業で「信長学フォーラム en France」を実施し、プレゼンテーションをしたとのことだった。
    平成27年・平成28年の2カ年かけて現地でタブレットをかざすと当時の風景が出現するようなバーチャルリアリティー映像等、幾つかのバーチャルリアリティー映像の作成を予定している。公開は平成29年になる予定。

(3)日本遺産事業の効果について
     メディア等での紹介は新聞・雑誌で42件、テレビ・ラジオで20件。出前講座を28件、現地案内を16回実施した。市内宿泊者統計(長良川温泉協同組合)平成26年29万9,897人から平成27年32万2,802人へ約8%(約2万3,000人)増加している。

(4)連携について
     日本遺産に認定された18団体で日本遺産連盟を結成した。団体間や省庁との連携・情報の共有や発信を目的としている。平成28年度は岐阜市が代表を務めており、岐阜市で「日本遺産サミットin岐阜」が平成28年7月1日に開催される。

(5)今後について
     平成27年に日本遺産に認定され、平成28年は日本遺産の定着を目指すためにPR素材の充実、広域的なPRを実施していく。平成29年は、織田信長公が岐阜入城し、岐阜と命名してから450年の記念の年になるということで、信長公450プロジェクト推進課という課を立ち上げている。「岐阜市信長公450プロジェクト」では観光振興、地域活性化を目指しており、このプロジェクト一体で日本遺産をPRしていく。平成30年以降は継続的な事業実施体制の構築をし、長良川鵜飼文化のユネスコ無形文化遺産への登録につながる動きをしていく。

(6)現地視察について
    長良川うかいミュージアムを視察した。

 

「岐阜市視察の様子」

お問い合わせ

宇治市議会     議会事務局
電話: 0774-20-8747  ファックス: 0774-20-8786
E-mail: gikaijimukyoku@city.uji.kyoto.jp

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