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宇治市議会(行政視察報告 平成27年度) 10

[2016年2月3日]

文教福祉常任委員会の行政視察報告

年月日: 平成28年1月20日(水)・ 1月21日(木)
視察先: 一宮市(愛知県)、豊橋市(愛知県)
出席委員: 荻原委員長、鳥居副委員長、宮本、山崎(匡)、石田、中村、浅井の各委員

《一宮市》 (1月20日)

【調査項目】 
 ●一宮市立中央図書館について

『市の概要』
  *市制施行: 大正10年9月1日
  *人  口: 38万6,412人(平成27年10月1日現在)
  *面  積: 113.82平方キロメートル
  *一般会計: 1,104億5,000万円(平成27年度当初予算)

1.一宮市立中央図書館について

1.尾張一宮駅前ビル(i-ビル)の施設概要について
  iビルの「i」は一宮市の頭文字であり、愛・私という意味から市制90周年記念事業である、尾張一宮駅前ビルの愛称募集により応募総数982件の中から選ばれた。中央図書館、中央子育て支援センター、市民活動支援センターなどを配置し、「市民活動・文化活動」、「歴史・文化の伝承」、「新たな市民文化の創造」などを目的とした交流・文化拠点として、都市機能・集客機能の強化及び中心市街地全体の活性化を目指した施設である。
  鉄骨造の7階建て、延べ床面積2万1,400平米のうち、中央図書館は6,700平米を占める。建物所有者は一宮市だが、土地所有者はJR東海であることから、現在は定期借地権契約を結んでいる。今年度までは市直営として運営しているが、28年度からは指定管理制度に移行する予定となっている。
  5階には一宮市の中央子育て支援センターがあり、市の子育て支援課と連携している。また、同フロアには子育て一時預かり施設があり、おおむね生後6カ月以上の未就学児を保育士が預かっている。利用時間は1日当たり4時間まで利用できる。
  ほかにも、文化活動や交流の場として、6階はビジネス支援センター、4階には社会福祉協議会や日本赤十字社、3階は市民活動支援センター、1階には観光案内所もある。
  イベントなどの開催が可能な施設として、7階には300人規模の催しに対応できるシビックホールがあり、部屋の分割利用も可能となっている。また、プロレスや発表会などが実施されるシビックテラスや多目的ルームも存在する。

2.中央図書館の特徴について
  図書館ネットワークの中核拠点として、専門的資料や地域資料の提供、多様なメディアを利用した高度で専門的なサービスの提供により、利用者の多様なニーズに対応している。また、駅前立地という特性を生かし、講座・講演会・展示会などの主催により、にぎわいと触れ合いの場、生涯学習の場としての機会を提供している。
  施設面としては5階から7階の3フロアであることを生かし、5階は児童と親子、6・7階は一般利用者を対象とすることで、利用目的にあった機能的な図書館を目指している。児童向けを5階に集約することで、子供の安全にも配慮している。また、本などにICタグを貼付し、自動貸し出し機や自動化書庫の導入による貸し出し時間の短縮など、利用者の利便性向上にも努めている。

3.中央図書館の運用について
  第1・3月曜日、祝休日の翌日、年末年始及び特別整理休館日を除く年間約320日間開館しており、開館時間は午前9時から午後9時までとなっている。貸し出し対象者については、従来は隣接市町村に限定していたものを、平成24年から氏名と住所を明らかにできる方であれば全国貸し出し可能となった。
  現在は市直営方式で事業を行っており、カウンター業務など図書館運営業務の一部を公募型プロポーザルで選定した業者に委託して運用している。業者による職員の人数は全部で60名であり、1日当たり30名から40名ほどの委託会社の契約社員が勤務している。市職員は9名で館長と局長はほかの市立図書館も兼務している。

4.各フロアごとの特徴及び最新技術について
 (1)児童書エリア(5階)
  絵本・紙芝居・児童書が取りそろえられており、子供や親子が気兼ねなく本と親しめる空間となっている。読み聞かせをする「おはなしのへや」、靴を脱ぎリラックスして絵本を読むことができる「じゅうたんコーナー」、「児童調べ学習室」では子供たち同士で調べ物ができる資料が取り揃えられており、小学生以下であれば利用できる。
  また、トイレは大人用と幼児用の2カ所が設置されており、幼児用については、洗面台や便器など子供の背の高さに合った構造になっており、授乳室なども備えられている。
 (2)一般書・視聴覚エリア(6階)
  一般書・視聴覚資料・新聞・雑誌などがあるフロアとなっている。「大活字本・点字本コーナー」や10代に読んでほしい本を取りそろえた「ティーンズコーナー」があり、「新聞・雑誌コーナー」では窓の外を眺めながらゆったりとくつろいで読むことができる。ほかにも160席備えた「学習室」は一席ごとに仕切りがあり、学生に大変人気がある。あと、公衆無線LANを備えた「休憩室」や「インターネットブース」なども存在する。
  ほかにも、障害のある方を含め、誰もが快適に利用できるよう、対面朗読室、車椅子用閲覧席及び拡大読書器なども存在する。対面朗読室では常駐するボランティアによる代読サービスを予約なしで利用することができる。
 (3)一般書・参考図書エリア(7階)
  一般図書・参考図書・郷土資料などがあるフロアとなっている。レファランスカウンターを設けた調査・研究のためのエリアで、ビジネスに役立つ資料が取りそろえられた「ビジネス支援コーナー」や一宮市の地場産業である繊維産業に関する資料がそろえられた「せんいコーナー」がある。
 (4)最新技術の活用について
  一宮市では平成21年から3年間かけて緊急雇用創生事業資金を活用し、80万点にICタグを貼付し、それを活用するための児童貸し出し機がある。処理されない本を外に持ち出そうとすると入り口で警告音が鳴る仕組みとなっている。
  また、自動化書庫が屋上にあり、32万点収容可能な閉架書庫を自動化書庫出納ステーションによって管理している。それにより、遠隔操作で閉架書庫の書物を取り出すことが可能となった。

5.今後の展開
  一宮市は読書を基盤とした人づくり、まちづくりに力を入れている。平成25年に「子ども読書のまち宣言」をしており、子供の読書の啓発を初め、さまざまな子供の読書活動につながる事業を実施している。
  今後は、市内のほかの図書館とのネットワークの形成、市民への多様な学習ニーズへの対応として、ますます高度で専門的なサービスの充実、高度情報化・国際化への対応にも努めたいと考えている。また、地域における触れ合い充実に積極的に取り組むことも今後の課題と捉えている。

 

「一宮市視察の様子」

《豊橋市》 (1月21日)

【調査項目】
 ●豊橋市子ども・若者支援地域協議会の取り組みについて

『市の概要』
  *市制施行: 明治39年8月1日
  *人  口: 37万8,383人(平成27年10月1日現在)
  *面  積: 261.86平方キロメートル
  *一般会計: 1,216億8,000万円(平成27年度当初予算)

1.豊橋市子ども・若者支援地域協議会の取り組みについて

1.豊橋市の子供・若者を取り巻く環境について
  豊橋市は愛知県内でも外国人人口が多く、人口の約3.6%を占めている。子供についても外国人人口が非常に多く、学校生活においてドロップアウトが起きやすい状況となっている。特に高校中退者が非常に多く、県内同規模の市と比較しても2%ほど高い。原因としては経済的要因や帰国によるものが多い。

2.設置に至った経緯について
  平成19年度に市の若手職員によりつくられた、まちづくり研究会からスタートした。平成20年度にはNPO法人「いまから」が市民協働事業により、居場所・宿泊訓練事業を開始し、平成21年度に厚生労働省からの事業を受託し、若者サポートステーション事業を開始し、就労に対する支援事業をスタートした。その事業の中に存在した豊橋市若者自立支援ネットワーク協議会にはさまざまな団体が参加し、実務者レベルでのざっくばらんな情報共有を行った。
  平成22年4月に子ども・若者育成支援推進法の施行を受け、豊橋市はいち早く内閣府のモデル事業を受託し、同年11月に子ども・若者支援地域協議会が設置された。全国で最初に立ち上げられた協議会は、当時は豊橋市を含めた5カ所のみだった。

3.豊橋市子ども・若者支援地域協議会の概要について
  教育・福祉・保健・医療・矯正・更生保護・雇用など関連する分野が連携して、複雑化する子供・若者への課題に包括的に支援するために組織されている。
  法律では協議会の設置は努力義務となっており、全国1,100自治体のうち約80自治体に設置されており、他の自治体とも連携を図っている。協議会は、代表者会議、実務者会議、子ども・若者相談窓口、ユースアドバイザーの4つから構成されている。
 (1)代表者会議
  協議会の基本的な運営方針の決定や実務者会議が円滑に運営されるために環境整備を図ることが目的で、年度当初に年1回開催となっている。今年度は要保護児童対策地域協議会との一本化に伴う協議のため、来月に2回目の臨時代表者会議を開くこととなった。
 (2)実務者会議
  実務者による各関係支援機関の役割の明確化や活動状況の情報交換、個別ケース検討会議での課題を踏まえた対応策の検討などを行う。また、支援機関同士の情報交換を行うことで、連携関係を強固にすることを目的としている。年度中に2回開催され、1回目は代表者会議を兼ねたものとして行い、2回目はより具体的な情報交換などを行っている。
 (3)子ども・若者相談窓口
  市の青少年センター研修棟を利用して開設されている。従来より、少年愛護センターがあったところに教員OB1名が非行を初めとした相談にのっていた。平成23年度から新たに子供・若者のための相談窓口として開設をし、26年度には心理カウンセラーを1名増員し、体制強化を図った。相談活動を行うだけでなく、事例によっては協議会に参加をしている関係機関・支援機関と相談できるようネットワークのハブのような役割も担う。
 (4)ユースアドバイザー
  地域での困難や悩みを抱える子供や若者の発見と相談窓口への誘導などを行い、地域における子供や若者の見守り体制を構築する役割を担っている。民生委員やPTA役員などが多く存在する。年間約10回行われるユースアドバイザー養成講習会を経て、ユースアドバイザーを委嘱している。
  今年度は既にユースアドバイザーとして活躍している人たちを対象としたさらなる専門的な研修として、フォローアップ講座を4回実施した。

4.豊橋市独自の取り組みについて
(1)支援機関フォーラム
  関係機関・支援機関同士が顔と顔が見える関係をつくりより強固な連携を実行するために開催。かた苦しいものではなく、ざっくばらんな情報交換を行っている。平成27年10月開催時には40機関56人が参加した。
(2)三遠子ども・若者ネットワーク会議
  東三河地域と浜松市を中心とした西遠地域において子供・若者支援に係る連携関係の構築を目的に設立された。市域を越えて通勤・通学する高校生・大学生への支援体制の強化とともに、相談機関同士の連携を図り相談員のスキルアップなどを図る。協議会PRの場としての役割も担っている。
(3)定時制・通信制高校合同説明会
  高校生の不登校・中退対策、中学生の進路未決定者対策事業として、東三河エリアで初の定時制・通信制高校を対象に合同説明会を開催し、幅広い進路先についての情報提供を実施した。保護者、本人、教員及び支援者を対象として開催している。

5.成果と今後の課題について
  協議会設立以来、相談対応件数が着実にふえてきている。継続案件もあるが、対応できる体制が整いつつあることで市として手応えは感じている。また、それに伴い、就労や就学人数も少しずつではあるが増加しつつある。
  今年度から500万円の予算を組み、訪問・同行支援(アウトリーチ)などの一部を民間団体へ委託することになった。従来は嘱託職員であることから10時から17時といった限られた時間での相談であったが、早朝や夜間の相談ニーズにも応えられるようになった。導入直後のため、今後は体制の充実を図る必要があると考えている。

「豊橋市視察の様子」

お問い合わせ

宇治市議会     議会事務局
電話: 0774-20-8747  ファックス: 0774-20-8786
E-mail: gikaijimukyoku@city.uji.kyoto.jp

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