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宇治市議会(行政視察報告 平成27年度) 7

[2015年11月24日]

建設水道常任委員会の行政視察報告

年月日:平成27年11月11日(水)~11月12日(木)
視察先:吉野ヶ里歴史公園(佐賀県)、佐賀市(佐賀県)
出席委員:関谷委員長、渡辺副委員長、坂本、岡本、西川、堀、池田の各委員

《吉野ヶ里歴史公園》 (11月11日)

【調査項目】
●吉野ヶ里歴史公園について

1.吉野ヶ里歴史公園について

(1)公園整備の概要について
 国営吉野ヶ里歴史公園は、我が国固有のすぐれた文化的遺産である吉野ヶ里遺跡の保存及び活用を図るため平成4年10月の閣議決定により、設置された計画面積約54ヘクタールの国営公園である。
 国営公園の周囲には国営公園と一体となって、遺跡の環境保全及び歴史公園としての機能の充実を図るために約63ヘクタールの県立公園が整備されており、総面積約117ヘクタールの区域が吉野ヶ里歴史公園として、開園区域及び計画区域を4つのゾーンに区別し、「入口ゾーン」、「環壕集落ゾーン」、「古代の原ゾーン」、「古代の森ゾーン」としてそれぞれ整備している。

(2)利用の状況
 開園した平成13年度の年間入園者数は約68万人だったが、オープン効果の希薄化や北部九州観光の低迷等により入園者数は年々減少していた。
 しかし、平成17年度に利用促進行動計画を策定し、福岡都市圏への重点的な広報活動、効果的な媒体を活用した広報、イベントの充実などを実施した結果、増加に転じ、平成18年度は前年度より10万人増の約57万人、平成19年度も6万人増の約63万人となっている。なお、開園から平成23年度末までの入園者累計は約630万人となっている。

(3)遺跡の保存方法について
 発掘された遺跡は専門家によって詳しく調査され、集められた情報を古代建築や考古学等の専門家が検討して弥生時代の吉野ヶ里の集落、建物、人々の様子を推測され、当時使われたと考えられる手法を用いる具体的な復元案を作成し、弥生時代の吉野ヶ里の復元が行われている。
 整備に当たっては、遺構面が傷つかないよう、確認された遺構面より30センチの保存盛り土を行っている。

(4)平成28年度までの整備・管理運営の重点事項について
 基本テーマ「弥生人の声が聞こえる」を実践しながら、地球温暖化対策、高齢者・障害者等の快適な利用への配慮、低迷する地域経済への対策等の社会的要請にも積極的に応えていくため、国の特別史跡や県の史跡に指定されている吉野ヶ里遺跡を適切に保存するとともに、弥生時代の植生に基づき、豊かな森を再現し、広く弥生時代の景観を感じさせるとともに地球温暖化対策にもつながる緑化を図ることを重点事項として定めている。また、園内の移動や施設利用等において年齢や障害の有無にかかわらず、全ての利用者が安全で快適に楽しめる公園、歴史公園にふさわしく、周辺地域の歴史的・文化的遺産との連携を図り、広域観光の拠点として、まちづくりの核として地域振興の一翼を担う公園、復元された環壕集落施設等を活用した演出や体験プログラムの充実を図り、体験等を通じて歴史・環境など、弥生時代を感じる歴史のロマンあふれる魅力ある公園を目指すといったことも重点事項としている。

(5)整備・修繕方針について
 平成25年3月開園の弥生時代の豊かな森を再現した「古代の森ゾーン」は、県立公園側の平成27年度供用に合わせ、県立公園側と国営公園側の境界付近の調整及び整備を行っている。
 既開園区域では、復元建物の補修や木柵等の更新を計画的に実施し、ライフサイクルコストの低減を図る長寿命化対策に取り組んでいる。

(6)管理運営方針について
 吉野ヶ里遺跡の価値や魅力、復元された環壕集落施設や体験プログラム等を生かし、弥生時代を感じることのできる柔軟な管理運営を目指している。また、地域の多様な生物の育成に適した自然環境を創出し、自然や環境学習にすぐれた歴史公園として多彩な魅力が発揮できるよう管理運営を行う。さらに、地域に貢献できる公園として県立公園と連携し地域イベントを積極的に実施している。
 維持管理では、各植物の特性に配慮した上で適正に育成するよう管理した歴史的景観づくり、利用者の安全安心の確保、コスト縮減に取り組んでいる。
 運営では、復元施設及びそのエリアを活用した事業を実施し、弥生時代を体験・体感できる場の創出や弥生時代を想起させる多彩な体験プログラムや行催事を効果的に実施するとともに、地元と連携した行催事の実施により地域振興に役立てる。また、佐賀県、地元自治体等と連携して幅広い広報を行うとともに、世界の代表的な遺跡との連携を図ることで、歴史文化を通じて相互理解を深めることができる国際交流拠点の創出を目指している。 
ボランティアの活動拠点等の充実を図るため、民との協働や地元自治体と連携して地域の行催事を行うことで公園の管理運営への参加を促し、地域の活性化に寄与している。
 また、月に一度、地元自治体・県・管理センター等と協議の場を設けており、情報交換を行うことでよりよい公園づくりに努めている。

(7)事業効果について
 古代の植物の森や古代植物館では、弥生の「森」と人とのかかわりについて、ビジュアルや体験的手法により楽しみながら弥生時代の雰囲気や生活感を学習でき、当時の生活について誰もがわかりやすく理解を深めてもらえる場を提供している。
 また、公園の管理運営への参加等を通して、地域に対する誇りや社会への参画意識の醸成、地域の活性化に貢献している。

(8)イベント等の実施状況について
 歴史公園が実施する勾玉づくり、火おこし体験等を実施しているほか、駐車場を開放して開催する吉野ヶ里夢ロマン軽トラ市を毎月実施しており、平成27年11月には、9,000人程度来場している。また、「ふるさと炎まつり」におけるたいまつ行列を実施している。

(9)今後の課題について
 リピーターをふやす取り組みやインバウンド対策が必要であると考えている。また、フェイスブック等を活用した広報やWi-Fiの整備、老朽化施設の長寿命化計画の策定等の課題がある。

(10)現地視察について
 吉野ヶ里歴史公園内の環壕入り口広場、南内郭、中のムラ、北内郭、北墳丘墓等の視察を行った。

「吉野ヶ里歴史公園視察の様子」

「吉野ヶ里歴史公園現地視察の様子」

《佐賀市》 (11月12日)

【調査項目】
●下水処理汚泥の堆肥化事業について

『市の概要』
*市制施行: 平成17年10月1日
*人  口: 23万5,513人(平成27年8月末日現在)
*面  積: 431.42平方キロメートル

1.下水処理汚泥の堆肥化事業について

(1)佐賀市下水浄化センター及び堆肥化施設等の現状について
 昭和53年11月、佐賀市下水浄化センターが供用を開始され、現在の処理水量は1日当たり5万1,501立方メートルとなっている。
 汚泥堆肥化施設は平成21年10月1日から供用が開始され、建設費は発酵棟・脱臭棟・管理棟を合わせて7億4,200万円であった。平成26年度の肥料の生産状況としては、脱水汚泥を8,334トン受け入れており、生産量は1,472トン、その内1,463トンを出荷した。
 堆肥化事業の運営については、民間企業4社が出資する特別目的会社が市と運営管理業務委託契約を締結して実施している。

(2)堆肥化施設建設の経緯について
 従前、脱水汚泥は焼却による処分と民間産廃処分場に運んで処分していた。平成16年から18年ごろ、焼却炉が寿命を迎える時期となり、焼却炉運転中止後の脱水汚泥の処分方法について検討を始め、焼却炉の再設置、溶融スラグ、活性炭など、さまざまな検討を行った結果、堆肥化を選択した。その理由としては、他の処分方法より安価であること、農業が盛んであり生産した肥料については一定の需要が見込めること、資源の地域循環、環境への配慮が上げられる。
 平成19年5月から8月にはPFI導入の可能性調査を行い、民間事業者5社から提案があったが、処理単価が高い提案が多く、PFI方式を断念した。平成19年11月、建設費用を市が負担すれば国庫補助が活用できるため、市が民間に支払う処分単価を低く抑えることができるDBO方式での導入を決定した。その後、プロポーザル提案を募集し、堆肥製造試験、地元自治会・漁協等への説明などを経て、平成21年10月1日に供用を開始した。

(3)堆肥利用促進の取り組みについて
 生産した堆肥を使ってもらうため、平成22年4月から平成23年3月までの間、無料配付するとともに、市の広報、新聞、テレビ、ラジオ等で利用を呼びかけた。また、農業振興課や農業生産集団との連携による試験圃場の設置や農業関係のNPO等へ利用を呼びかけた。さらに、下水道汚泥を使用してつくった堆肥であり、重金属などに関して不安を感じる方がいることから、安全性を数値で示すことで使用に当たっての不安を取り除くことに努めている。
 平成23年4月から有料販売を開始し、800キログラム1,600円、350キログラム800円、10キログラム20円で販売している。生産した堆肥が余ってしまうと処分に費用がかかってしまうため、多くの堆肥を出荷できるように袋代程度の金額を設定している。

(4)経費等について
 堆肥の販売収益が年間約290万円あり、それらは堆肥化施設運営会社の収益となっている。委託費は年間7,820万円であるが、産廃処分場で処分していた際に比べ、年間約1,000万円のコスト削減が図れている。

(5)堆肥の質、反響等について
 佐賀市の堆肥化事業の特徴としては、堆肥にする過程でYM菌という微生物を混ぜることで、通常より高い温度で発酵させることができ、雑草種子や病原菌が死滅するために良質で完熟した堆肥をつくることができる。また、市内のアミノ酸を多く含む食品会社の発酵副産物を添加することで堆肥の品質向上を図っている。
 定期的に開催している農業勉強会では、60人から80人の農業者・家庭菜園者・消費者等が参加し、その中では、「成長が早く、高品質の作物を安定して生産することができる。」、「市販の肥料や農薬をほとんど使わなくなり、経費も大幅に削減できた。」、「大きく育って驚いた。」などの意見が出されている。また毎年、沖縄県の宮古島に堆肥を送っており、マンゴーの糖度のアップやピーマンの収穫量が2倍に増加するなどの反響があった。

(6)今後の取り組みについて
 今年度から、メタン発酵において発生するバイオガスからCO2を分離回収し、回収したCO2と脱水分離液で微細藻類の培養を行い、微細藻類の生産や脱水分離液による水処理に係る負荷軽減効果等を実証する下水道革新的技術実証事業、B-DASHプロジェクトに取り組んでいる。

(7)現地視察について
 下水浄化センター内の堆肥化施設の視察を行った。

「佐賀市視察の様子」

「佐賀市現地視察の様子」

お問い合わせ

宇治市議会     議会事務局
電話: 0774-20-8747  ファックス: 0774-20-8786
E-mail: gikaijimukyoku@city.uji.kyoto.jp

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