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宇治市議会(行政視察報告 平成27年度) 6

[2015年11月21日]

総務常任委員会の行政視察報告

年月日:平成27年11月10日(火)~11月11日(水)
視察先:徳島市(徳島県)、鳴門市(徳島県)
出席委員:水谷委員長、長野副委員長、大河、松峯、服部、坂下、秋月の各委員

《徳島市》 (11月10日)

【調査項目】
●「心おどる水都・とくしま」発信プランについて
●地震・津波対策行動計画について

『市の概要』
*市制施行:明治22年10月1日
*人口:256,351人(平成27年9月1日現在)
*面積:191.25平方キロメートル

1.「心おどる水都・とくしま」発信プラン

(1)プラン策定の趣旨について
 これまで阿波踊りや豊かな農産物などの地域資源を生かした取り組みを行ってきたが、各事業ばらばらの方針のもとで魅力づくりや情報発信に取り組んでいるケースが多く見られた。それらを産学官民一体となって取り組めるよう、発信プランを策定した。

(2)プランの推進体制について
 市民・事業者・行政が円滑に連携できるように、市長を会長として、商工会議所、地元テレビ局、NPO法人、大学などの代表による徳島シティプロモーション推進協議会を発足した。また、市役所でも全庁的なシティプロモーションを推進していくために、シティプロモーション推進本部をつくり、オール市役所・オールとくしま体制で全国に魅力を発信している。

(3)シティプロモーションに取り組む背景について
 1点目に全国に先駆けて進む少子高齢化・人口減少がある。平成10年をピークに人口減少が始まっており、25年後には今より4万人減るという予測も出ている。2点目に交通道路網の発達に伴う消費の流出がある。平成10年に神戸淡路鳴門自動車道が開通、平成15年には高松自動車道が完成し、京阪神地区・高松への消費の流出が起き、徳島市中心市街地の空洞化に拍車がかかっている。
 こういった状況のため、シティプロモーションにより人とお金が流れ込む仕組みを構築する必要があった。

(4)プランの概要について
 市の将来像「心おどる水都・とくしま」の実現に向けて、ここにしかない物語性のある市のイメージとモノの開発を行い、その魅力を全国に発信していくことで、人々のあらゆる目的や場面に応じて、市が優先的に選択される状態にすることを目的とする。
 コンセプトは「ここにしかないモノとまちの物語」とし、「水都」・「歴史」・「阿波おどり」・「特産品」の4つの魅力を総合的に発信している。4つのキーワードそれぞれに戦略プロジェクトがあり、それらをまとめてイメージアップ推進プロジェクトとしている。
 このプランは平成23年から28年までの6年間の計画で、25年までを前期アクションプログラム、26年から28年までを後期アクションプログラムとして、戦略的なプロモーション展開を行っている。
 魅力発信のターゲットとして、日常的な交流が拡大している関西圏を第1ターゲット、人口の多い首都圏を第2ターゲットとしている。また、世代的なターゲットとしては、学ぶ・見る・買うの意欲が高い20代から30代の女性としている。

(5)具体的な取り組みについて
 イメージアップ推進プロジェクトとして、徳島市イメージアップキャラクター、トクシィととくしまブランドロゴマークを平成23年度に作成した。トクシィは阿波踊り・おしゃべりが得意な魚の妖精。ロゴマークはブルーとピンクでひょうたん島のモチーフを重ね、水都の静寂感と心躍る躍動感という静と動のコントラストを表現している。
 トクシィを利用した具体的な活動として、東京・高円寺で行われる阿波踊りに参加し、阿波踊りをPRした。また、ふるさと市民クラブ(トクシィクラブ)ということで、徳島をもっと元気にしたい方に申し込みをしてもらい、会員に市の魅力を発信する情報(会報誌)を月1回発行し、個人レベルで魅力発信してもらえるよう取り組んでいる。現在の会員数は983人。
 その他の取り組みとして、女性職員のチームで作成した徳島自慢本「あわいろ」の発刊やフェイスブック・ツイッター・ブログの活用、シティプロモーションウエブサイトの開設などがある。
 水都とくしま創造プロジェクトとして、徳島LEDアートフェスティバルを開催し、地場産業のLEDを町の活性化に生かしている。また、水都徳島を実感できるように、ひょうたん島の各所に川の駅(船の発着場)を整備し、周遊船で結ぶことでにぎわいの広がりを創出している。
 まちの歴史体験交流プロジェクトとして、ことし7月に徳島ひょうたん島水都祭2015を開催し、3日間で約3万人の観客が訪れた。段ボールボートレース、ござ走りといった水上アクティビティー、徳島の食材を存分に楽しめる食楽市といった飲食ブースも設けている。
 阿波おどり全国展開プロジェクトとして、阿波踊り先生として任命されたトクシィが市内の子供たちに阿波踊りを教えている。しゃべれるキャラクターなので、子供たちに対して直接阿波踊りを教えている。非常に多くのメディアの注目を集め、およそ3億円のPR効果が出ている。阿波踊り教室は全国展開しており、各地のゆるキャラと連携し、保育所、幼稚園等を訪問している。また、阿波踊りの新たな魅力発掘のため、昨年阿波おどりフラッシュモブプロジェクト(場所・時間を選ばずに突然阿波踊りが始まるパフォーマンス)を展開した。
 ええもんパワーアッププロジェクトとして、たくさんある特産品を全国に発信し販路拡大を目指している。徳島といえばこれ、という新たな名物料理をつくり出すことを目的としてとくしまグルメメニューコンテストを実施し、ハモを使った徳島ハモ天丼が大賞に選ばれた。

(6)今後の取り組みと課題について
 今年度、市民が自分たちの町への愛着心・誇りが向上できるように、観光ボランティアガイド、地域文化コーディネーター、タウン誌編集長、博物館学芸員、農産物生産者等でシティプロモーションラボ(研究会)を発足した。まだまだたくさん魅力のある地域資源が眠っているので、それらを掘り起し見直すことで、市民が町への愛着を深め、誇りを持てるようにすること、そして一人一人が徳島の魅力発信者となることを目的として、ラボで魅力の発掘に取り組んでいる。
 今後の課題・方向性として、これまで取り組んできた魅力づくりの成果の効果的・戦略的な情報発信を今後も続けていきたい。また、トクシィの活動を通じて、阿波踊りだけでなく徳島ブランドのイメージアップを図っていきたい。

2.地震・津波対策行動計画について

(1)計画策定に至る経過と目的について
 平成23年3月に発生した東日本大震災の検証と被害想定の見直しを国・県で進められたが、その結果を待つのではなく、地震・津波対策の現状分析、課題分析・抽出・対策等を洗い出し、施策に反映させるとともに、地域防災計画の見直しにつなげていく必要がある。そのため、地震対策検討会議の部会・幹事会において調査・研究を行い、平成23年11月、重点的に取り組む基本目標、(1)地震・津波から命を守る、(2)地域防災力で命を守る、(3)迅速な応急対策と早期復旧の実施及び方針等を定めた地震津波重点対策(素案)を取りまとめ、種々の防災・減災対策案を検討し、緊急的な施策から実施してきた。
 この地震津波重点対策(素案)をもとに、さらに検討を加え、逼迫する南海トラフを震源とする巨大地震等に備えるため、「市民の命と生活を守る安心とくしまの実現」を基本理念とした具体的な施策をまとめた地震・津波対策行動計画を平成25年6月に策定した。

(2)計画策定の手順・手法について
 地震対策検討会議にて、地震・津波対策の現状分析、課題分析・抽出・対策等を洗い出し、部会・幹事会において調査・研究を行った。地震対策検討会議は、東南海・南海地震その他の地震対策の重要事項について、全庁的に検討・審議し総合的に調整するため、平成15年7月に設置した。
 重点的に取り組む施策を中心に、地震津波重点対策(素案)を取りまとめた。素案では、東日本大震災を踏まえた今後の対応策について、緊急的に対応するもの(3年以内)と中・長期的に対応するものとしている。この取り組みはできるものから前倒しして対応するほか、限られた予算・時間の中で関係部局が連携して取り組むこととした。
 地震津波重点対策(素案)をもとに、さらに検討を加え、具体的な施策をまとめた地震・津波対策行動計画(案)を作成し、パブリックコメントを実施した。

(3)関連計画との整合性について
 地域防災計画(地震対策編・津波対策編)において、市が実施する災害対応について平時から取り組む各種施策を示している。また、地震・津波対策は各部局において実施するため、各部局に関連する計画を修正するなどの対応が必要である。

(4)今後の課題と取り組みについて
 地震・津波対策行動計画は中・長期的に取り組むべき課題も見据え、平成33年度までの計画としており、特に平成28年度までの期間を集中取り組み期間と位置づけ、緊急かつ重点的に地震・津波対策を推進している。今後は計画した施策の進捗状況を精査するとともに、地震対策検討会議において、現状分析、課題分析を行い、計画の見直しを行うこととしている。

「徳島市視察の様子」

《鳴門市》 (11月11日)

【調査項目】
●地域防災計画の見直しについて
●地震津波対策推進計画について
●自治基本条例について

『市の概要』
*市制施行:昭和22年3月15日
*人口:60,211人(平成27年9月30日現在)
*面積:135.66平方キロメートル

1.地域防災計画の見直しについて

(1)編構成について
 平成26年3月28日に開催された地域防災会議において、当該計画の構成について審議され、一般災害対策編、震災対策編、東南海・南海地震対策編であったものを、上位計画である徳島県地域防災計画との整合を図るため、徳島県地域防災計画と同様に災害種別ごとに再編成し、各災害対策に共通している事項(予防、応急対策、復旧・復興)は共通対策編として整理・統合の上、南海トラフ地震対策編を初め、直下型地震対策編、風水害対策編及び大規模事故等災害対策編で構成することとなった。また、大規模事故等災害対策編に原子力災害対策指針等を踏まえ、原子力災害対策を新設することとなり、現在の構成になった。

(2)危険区域調査・指定と対策について
 土砂災害警戒区域及び土砂災害特別警戒区域は、土砂災害防止法に基づき都道府県が調査を行い、指定・公示する。県内には土砂災害危険箇所が1万3,001カ所あり、県が基礎調査を行い、順次土砂災害警戒区域等の指定が行われている。平成27年9月18日現在の市内の指定状況は、土砂災害警戒区域279カ所、土砂災害特別警戒区域249カ所となっている。
 対策としては、土砂災害警戒区域及び土砂災害特別警戒区域や県が調査し抽出した土砂災害危険箇所などを、がけ崩れ(急傾斜地の崩壊)・土石流・地すべりといった土砂災害の種類、範囲等に応じて色分けした土砂災害・洪水ハザードマップを平成27年3月末に作成し、市公式ウエブサイトに掲載するとともに、カラーユニバーサルデザインに配慮した印刷物を10月に全戸配布した。また、自主防災会や婦人会等の市民を対象に、防災に関する情報や災害時の正しい対応等の説明を行う出前講座の中で、地域の土砂災害警戒区域及び土砂災害特別警戒区域を周知し、市民等の危機意識・防災意識の高揚を図っている。

(3)屋内での退避等の安全確保措置等について
 平成26年度の地域防災計画の見直しの際に、共通対策編に新たに屋内での待避等の安全確保措置等について、文言を追加した。あわせて、市公式ウエブサイトや広報誌等において、屋内での待避等の安全確保措置等について啓発を行った。また、土砂災害・洪水ハザードマップの中に屋内での待避等の安全確保措置等について記載した。

2.地震津波対策推進計画について

(1)計画策定に係る経過・目的・内容等について
 東日本大震災発生時における市の初動対応の検証を行うとともに、市民や各地域の自主防災会を初めとする関係団体からの意見や要望を取りまとめた結果、全市を挙げた対策を講ずべき課題が多くあることが明らかとなった。これらの課題に迅速・的確に対応するには、地震や津波に特化した計画を策定する必要があると判断し、計画策定に向けて組織の設置を検討した。
 平成23年6月に地震津波対策推進計画の策定及び実施に向けて、市長を会長とする防災・災害対策会議と会議の検討事項に係る資料収集、調査、検討及び取りまとめ等を行うワーキンググループを設置した。その後、4回の防災・災害対策会議及び8回のワーキンググループ会議の中で協議を重ね、平成23年10月に地震津波対策推進計画を策定した。
 この計画は地域防災計画で定めるさまざまな防災対策のための施策を計画的に推進することを目的とし、市民・事業者・地域・行政がきずなを深めながら連携し、安全で安心して暮らせるまちづくりを推進することを理念とする。計画期間は平成23年度から32年度までの10年間。
 地域防災計画に定める地震・津波対策を推進するための施策や事業を体系的に位置づけるとともに、具体的な取り組み内容、重要度・緊急度・着手時期の3つの視点から優先順位をつけ、実施予定の事業年度を表記するなど、地震・津波対策の迅速かつ確実な推進を図っている。具体的には、防災意識の醸成や高揚、地震・津波に対する備えを初め、災害情報等の収集や伝達、迅速で適切な避難、また救助や救急医療、ライフライン等の確保や環境整備、生活支援などの取り組みを重点的に推進する。
 前年度の取り組み内容の確認と評価を行った後にウエブサイトに公表するとともに、その結果等を参考にしながら毎年ローリングによる見直しを行う。

(2)関連計画との整合性について
 国が定める防災基本計画、南海トラフ地震防災対策推進基本計画、徳島県が定める徳島県地域防災計画-南海トラフ地震対策編等との整合性を確保することとしており、防災・災害対策に関する重大な想定の見直しなど、大幅な条件や制度変更等があった場合は、年度の途中であっても見直しを行うなど、臨機応変な対応を図ることとしている。

(3)今後の課題と取り組みについて
 平成23年度より約90事業の進捗管理を定期的に行うとともに、事業完了後には評価を行うこととしているが、事業の中には実施期間どおり完了できておらず、思うように進んでいないものもある。また、担当課が複数で主体的に実施すべき責任者が不明確であったり、マニュアル等を作成すべき事業であるが、資料作成に必要な国や県の手引等がなく、参考とする資料がないなどの課題もある。
 その対策として、危機管理課が主体となって事業に取り組むこととし、各事業の進捗状況・課題・対策をまとめた調書を作成し、事業の完了に向けて目標達成までのプロセスを計画することとした。また、国や県等に働きかけ、各事業に関係する資料を収集し、マニュアル作成の手助けとなる情報を担当課に提供することとした。

3.自治基本条例について

(1)条例制定の必要性と目的について
 全国的な流れで、複雑・多様化する市民ニーズに応えるため、地域のことは地域で考え地域みずからの責任で決める、自己決定・自己責任という考え方のもとに、地方分権改革が進められる中で、従来の画一的なまちづくりではなく、地域の個性・特性を生かしたまちづくりを地域が主体となって進めていく必要がある。そこで市民や議会、行政といった異なる主体が適切な役割分担のもと、協力して課題の解決に向けて取り組み、市民参画と協働のまちづくりの実現に向けて、自治体運営の基本的な理念や仕組みを定めたまちづくりの憲法ともいうべき自治基本条例を制定する必要があった。
 自治基本条例は、市民やコミュニティーなどが主体となってまちづくりを進めていくためのルールで、市における自治のあり方を初めとして、市民等や市の役割等を明らかにするとともに、市政に関する基本的な事項を定めることによって、市民の参画と協働を推進し、市民等が主役のまちづくりを推進することを目的としている。

(2)条例制定の経過と手法について
 条例の制定は平成19年度に始まり、約4年間という長い年月をかけたが、市民への経過説明や意見交換、市民ワークショップでの白熱した議論、市民で構成する策定審議会等を経るなど、市民の意見や考えがもととなっている。策定の過程において、延べ109回の会議等で1,648人が参画した。

(3)条例の特徴について
 この条例には市民の思いが詰まっており、親しみが持てる条例となるように、従来の条例にはないですます調のやわらかい文面が特徴となっている。
 第2章、まちづくりの主体では、まちづくりの主体となる市民等、議会・議員、行政について、それぞれの権利や役割等を定めている。
 市民等が主役のまちづくりを実現するという目的に向けて、第4条に基本原則が書かれている。主なものは参画・協働・情報共有の3つで、条例の端々に出てくる。
 第6条には市民等の役割、第10条には議会の責務、第12条には市長の責務、第13条には行政の責務が規定されている。
 第20条では市民投票について規定されている。複雑かつ多様化した社会において、市民の総意を的確に反映し間接民主制を補完する制度は、市民参画と協働のまちづくりを行う上で有効な手段であると捉えている。手続については、市政に関する重要事項について、議員・市長の選挙権を有する者の50分の1以上の連署をもって、市民投票の実施を請求できる。市長は市民の意思を確認する必要があると認めるときは、住民投票条例案を作成し議会に提案する。議会で条例案が可決されると、市民投票が実施される。市民投票の結果は尊重しなければならないと規定されているが、尊重するとしたのは、市長・議会の権限を侵すことなく、間接民主制を補完する制度として位置づけるため。投票条例案を請求者が添付しなくても市民投票を請求できるとした点が、市民の負担を軽減しようと工夫した点である。
 「市民等と市は、相互理解を深めるとともに信頼関係のもとに」、「市長は、市民の目線に立った市政運営に努める」、「行政は、市政について、市民等にわかりやすく説明する」など、当たり前のことばかり書かれているが、条例の中で明示されたことにより、これからのまちづくりのあり方、行政や市民のまちづくりに対する取り組み、姿勢などについて行政や市民で共有する規範ができ、まちづくりのよりどころができたことについては大きな意義があると考えている。

(4)条例制定後の動きについて
 条例制定後、全庁的な推進体制として、市長をトップとした市民協働推進本部を設置し、1人でも多くの市民に自治基本条例を周知し理解してもらうため、広報なるとに連載記事を掲載したり、各地域を回り説明会を開催した。また、条例の施行とあわせて、市民との協働のまちづくり行政行動指針を策定した。

「鳴門市視察の様子」

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宇治市議会     議会事務局
電話: 0774-20-8747  ファックス: 0774-20-8786
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