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宇治市議会(行政視察報告 平成27年度) 4

[2015年8月17日]

議会運営委員会の行政視察報告

年月日:平成27年7月29日(水)~7月30日(木)
視察先:秦野市(神奈川県)、相模原市(神奈川県)
出席委員:松峯委員長、稲吉副委員長、宮本、山崎(恭)、真田、久保田、木本、長野の各委員、石田議長、坂本副議長

《秦野市》 (7月29日)

【調査項目】
●政治倫理審査会の運営について

『市の概要』
*市制施行:昭和30年1月1日
*人口:168,297人(平成27年6月1日)
*面積:103.76㎢

1.政治倫理規程の策定について

 平成21年3月定例会において、地方分権の進展により地方議会に求められる役割や責任が増す中、二元代表制のもと市の事務事業執行の監視機能や立法機能を十分発揮できるよう新たな視点で議会の活性化に取り組み、市議会におけるさまざまな課題を調査・研究するため、議会活性化特別委員会を設置した。
 議会活性化特別委員会では、議会や議員の活動原則、市長並びに執行機関と議会の関係、議会運営、議員定数、議員報酬のあり方などについて、協議等行った。
 平成23年6月定例会において、議会基本条例を制定し、第19条第2項において「議員の政治倫理に関する事項については、別に定める。」と規定した。これにより、平成23年7月に秦野市議会議員政治倫理規程を定め、その規程は、目的、議員の責務、政治倫理基準、調査請求の手続、政治倫理審査会、対象議員に対する措置等で構成している。
 政治倫理規程の第3条で、議員が遵守しなければならない6項目を規定している。第1項では金品の授受の禁止、第2項では寄附等を受けることを禁止、第3項では有利な取り計らいの禁止、第4項では権限または地位による影響力を不正に行使するような働きかけの禁止、第5項では職員人事への関与の禁止、第6項では不正の疑惑を持たれるおそれのある行為の禁止を上げている。第4条では調査請求の手続を、第5条では政治倫理審査会及びその運営について定めている。
 なお、政治倫理規程は議会基本条例を制定してから1カ月で定めたのではなく、2年間ほど議会基本条例の検討をする中で、政治倫理規程も含めて議論を重ねている。

2.政治倫理審査会の運営について

(1)審査会設置までの流れについて
 議員から調査請求が議長に提出され、それを受けて議長が審査会を設置し、請求のあった事項について調査・審査を付託する。審査会の委員は10人以内とし、対象議員を除く議員のうちから議長が指名する。
 本市議会でも、平成26年10月3日に政治倫理審査会が設置された。経過としては、10月2日付で複数の会派代表から連名で、議長に調査請求書が提出され、翌日、議長は8名の議員で構成する秦野市議会議員政治倫理審査会を設置した。審査会では調査対象者の行為が、政治倫理基準に反するかどうかを調査し、審査が行われた。審査に当たっては、対象議員に弁明の機会を与えるとともに、関係者等に対し事情聴取を行った。審査会は公開で行われ、全5回開催された。12月2日付で議長に対し審査結果報告書が提出され、その報告をもとに議長は対象議員の行為が政治倫理基準に反すると判断し、12月5日付で対象議員に対し「議員連絡会等の場における謝罪」及び「平成26年第4回定例会閉会日の翌日から30日間の市庁舎への登庁禁止」とする旨を文書により通達した。通達の内容についてはホームページにて公表し、議会だよりにも掲載した。

(2)事前に準備すべき点について
 本市議会の政治倫理規程には定めていないが、政治倫理審査会をスムーズに行うため議会事務局において、提出された調査請求書の事実関係を確認する、スケジュール調整する、必要と想定される資料を準備しておく等がある。

(3)注意すべき点について
 調査請求書が提出されると、議長は速やかに政治倫理審査会を設置する必要があるため、委員の指名も速やかに行う必要がある。また、政治倫理審査会の運営に当たり、委員長の進行のもと、他の疑念を持たれることがないよう公開で開催すべきである。

(4)審査会委員の指名の基準について
 特に規定されていないが、本市議会では委員を会派から選出してもらい議長が指名した。

(5)対象議員に対する措置等の基準について
 政治倫理規程第6条に措置の内容が規定されている。審査の結果、政治倫理基準に反するとの結論になれば、どの項目に該当するか政治倫理審査会で協議・検討を行う。協議に当たっては、過去の事例や他市の事例を参考にしている。この点についても、特段の定めはない。
 措置については、地方自治法の懲罰とは別であり、あくまでも規程の中の話である。また、登庁禁止とは、議員の立場で公の席に参加しないでくれとの意味である。

(6)課題について
 本市議会では政治倫理規程としており、他市のように条例となっていないため法的拘束力がなく、議長の措置に対して対象議員が従わなかった場合、罰則等もないことから、あくまでも対象議員がみずからどのように律するかに委ねられてしまう。ただし、条例とせず規程としたのは、議会基本条例の中に議員として一般的な倫理観を持ち市民の代表としてふさわしい立ち居振る舞いをすべきという大前提があるため、補足的な位置づけとの意味からである。
 今回の政治倫理審査会の例であれば、対象議員は議長の措置に従わず、謝罪もしなければ登庁禁止も守らなかった。そのため、次の定例会で対象議員に対する議員辞職勧告決議が19名の議員の連名で提出され、賛成多数で可決された。この内容についても、議会だよりに掲載している。

(7)その他の留意事項
 (1)政治倫理審査会の開催に当たり、措置までの流れを各委員に提示し、全委員が共通認識を持って審査に臨むとよい。
 (2)調査及び審査すべき事項を明らかにし、議論が横道にそれないよう政治倫理審査会委員と事前の打ち合わせをするほうがよい。
 (3)次の政治倫理審査会の参考となるよう審査会終了後、速やかに会議録を作成し、議員に配付するとよい。
 (4)関係者の事情聴取や対象議員への弁明の機会の付与に当たっては、その趣旨を十分説明した上で行うほうがよい。
 (5)本市議会では政治倫理委員会委員の選出を各会派に依頼したが、結果的に調査請求をした議員5人のうち4人が委員となってしまった。できれば、請求した議員と政治倫理審査会委員は同じ人にならないほうがよかった。

「秦野市視察の様子」

《相模原市》 (7月30日)

【調査項目】
●政務活動費マニュアルの策定について
●通年議会について
●審議会等への議員の参画について
●地方自治法第96条第2項について

『市の概要』
*市制施行:昭和29年11月20日
*人口:723,573人(平成27年5月1日)
*面積:328.82㎢

1.政務活動費マニュアルの策定について

 最初にマニュアルの形で策定されたのは、平成19年3月に議長決裁により策定、平成19年5月から適用となった政務調査費マニュアルである。マニュアル策定前には、経理手引書を作成していた。
 平成25年3月1日に地方自治法の一部を改正する法律が施行されることに伴い、政務調査費マニュアルから政務活動費マニュアルに名称を変更した。その後、継続的に開催される経理責任者会議における協議結果を反映し、平成27年4月に改訂した。

(1)策定に至る経過と目的について
 平成17年7月1日開催の各派代表者会議において、外部監査において領収書のあり方が課題となったことから、検討を行うことが決定された。政務調査費は交付金として会派に交付していたが、通常の交付金については領収書が添付されているのに、政務調査費については領収書が添付されていないことが外部監査において問題とされていると、各派代表者会議で議題となった。
 各派代表者会議の決定を受けて、政務調査費に係る検討会を平成17年7月28日に開催し、領収書を添付することについての課題を検討することが決定された。政務調査費に係る検討会の中で、実務を行っていく上での判断基準となるマニュアル作成の検討が必要ではないかという意見が出され、マニュアル作成の検討が決定された。
 平成17年7月から平成18年11月まで、全7回の政務調査費に係る検討会を行い、平成18年12月20日開催の各派代表者会議において、マニュアルの作成と領収書の公開が決定された。
 平成19年のマニュアル策定以降は、継続的に社会的な動向を勘案しつつ見直しが行われており、課題や疑義については、経理責任者会議等を開催して協議を行っている。その協議内容をもとに、マニュアルの改訂を行っている。
 その後の政務調査費マニュアルの策定経過としては、平成20年に政務調査費研究会を設置し、平成20年5月から平成21年2月までに全10回の協議を行い、平成21年4月にマニュアルの改訂を行った。次に、平成23年に政務調査費検討会を設置し、平成23年7月から平成24年1月までに全8回の協議を行い、平成24年4月にマニュアルの改訂を行った。
 平成25年3月1日に地方自治法の一部を改正する法律が施行されることに伴い、政務活動費検討会を設置し、「政務調査費マニュアル<改訂版>平成24年4月」をもとに、平成24年9月から平成25年1月までに全8回の協議を行い、平成25年3月に政務活動費マニュアルを策定した。また、平成27年4月には政務活動費経理責任者会議での協議結果を反映した、マニュアルの改訂版を策定した。

(2)その他
 議員の費用弁償については、職員の費用弁償の例による。本市職員の費用弁償はかなり厳しいが、その例によることを議員も理解した上で、政務活動費マニュアルを策定している。
 政務調査費から政務活動費に改定される際、本市議会でも政務活動費の使途の範囲を広げるかが議論されたが、結果として同じ基準となっている。
 政務活動費の実績報告の開示については、閲覧がベースであり、領収書や報告書等を行政資料コーナーに配架している。ホームページには総括的な収支の状況を掲載している。ホームページにも詳細な情報を掲載すべきとの声もあるが、今後の検討課題であると考えている。
 議会事務局の負担については、議員が期限を守って政務活動費の実績報告を出してくれないと整理する期間が短くなるため、期限を守らない議員がいると負担がふえることがある。
 マニュアルが策定される前は、議員の裁量の範囲によるところが大きかったため監査請求等が提出されることもあったが、マニュアルの策定により裁量の範囲が減ったため、職員としても助かっている部分がある。
 万が一、不適当な使途が判明した場合には、過年度においても返還する仕組みとしている。
 マニュアルの策定に当たっては、議員の調査・研究活動の妨げとならないように慎重に議論をした経過があり、仮に議員間で政務活動費の使途に疑問が生じた場合は、経理責任者会議において新たなマニュアルにおけるルールをつくるかどうかも含めて協議を行う。経理責任者会議の開催について、経理責任者より事務局に対し開催の申し出があれば事務局より各会派の経理責任者に開催の案内をする。

2.通年議会について

 趣旨として、議会機能の強化・議会の活性化・市民意見の公聴機能の向上(臨時会議の開催)、緊急時における議会対応・専決事項の対応・機動性のある常任委員会の開催を諮ることができる。通年議会にすると、議長の権限で議会を開催でき、緊急時には臨時会議を開催することができるため、議会機能の強化・活性化につながると考えている。
 本市議会では、定例会の回数を年1回とした通年議会としている。今まで3月、6月、9月、12月に定例会を開催していたが、通年議会になってもそのままの開催となっている。名称については、会期を決定する会議を開会会議、3月、6月、9月、12月に開く会議を定例会議、臨時に開く会議を臨時会議としている。
 通常の場合、1月に開会会議を行うが、このときは市長が招集する。ここで会期の決定を行い、一旦散会となる。休会期間を経て、3月定例会議が議長の招集により開催される。12月定例会議まで同様の流れで開催され、必要な場合において、議長の招集により臨時会議が開催される。
 通年議会の導入による議会事務局の負担については、導入時や、臨時会議の開催などによりふえたため、職員を1名増員した。

(1)運営上の取り扱いについて
 一事不再議については、これまでの会期と同様に会議を異なる審議期間とし、同一会議中は提出できないとしている。請願・陳情の取り扱いについても、これまでと同様の取り扱いとしている。専決事項については、地方自治法第180条第1項の規定においては、これまでと同様に専決事項としている。発言の取り消し・訂正、議案の送付、委員の選任等の取り扱い、会議録の作成についても、これまでと同様の取り扱いとしている。

(2)課題について
 現在は、全議員了解されているが、導入に向けては、全議員への共通認識の周知に時間がかかった。
 また、年度末の3月31日に地方税法の改正などで臨時会議を開催することがあるが、国の告示が何時になるかわからないので、臨時議会の開会が何時になるのかがわからないことや、退職する理事者を本会議に出席させるのかという議論もあった。しかし、通年議会の一番の焦点は、3月31日に臨時会議を開催することであったため、全議員及び執行部とも理解をした上での開催となっている。

3.審議会等への議員の参画について

 附属機関については、民生委員推薦会、都市計画審議会、社会福祉審議会、表彰審査委員会に議員が委員として選出されている。いずれも法令等に基づき議員が選任されている。附属機関に準ずる協議会である、米軍基地返還促進等市民協議会、公共交通整備促進協議会へは全議員を委員として選出している。
 附属機関等への議員の選出については、毎年5月に議会人事等を決める議会運営委員会を開催し、その中で協議しているが、各会派の構成人数による案分で決めているような状況である。
 法令等に基づく審議会等にのみ議員を選出するとしたのは、平成10年10月に市において、相模原市審議会等のあり方に関する基本指針が定められ、この中で法令等に特別に定めがない限り一般の職員は委員にしないと規定され、これを受けて議会においても協議され、平成12年11月に協議が調い、来期の平成15年4月から法令等に定めたもの以外は議員の選出を辞退すると決定し、議長から市長に対し申し入れを行った。
 議員選出の委員の任期については、議会としては2年と定めている。

4.地方自治法第96条第2項について

 平成26年6月に制定された相模原市議会基本条例の第11条に定めがあり、総合計画の基本構想の策定及び改廃、市民憲章の制定及び改廃、都市宣言の制定及び改廃を、議会の議決すべき事件としている。
 議会基本条例特別委員会の検討では、別条例で定めたほうがよいのではないかとの意見も出たが、議会の権限にかかわることであり、基本条例に定めたほうが市民にもわかりやすいのではということもあり、基本条例に定めることとした。
 議決すべき事件と定めた3つについては、従前から議会で議決していた事項を定めたものである。

「相模原市視察の様子」

お問い合わせ

宇治市議会     議会事務局
電話: 0774-20-8747  ファックス: 0774-20-8786
E-mail: gikaijimukyoku@city.uji.kyoto.jp

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