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宇治市議会(行政視察報告 平成27年度) 2

[2015年7月29日]

建設水道常任委員会の行政視察報告

年月日:平成27年7月14日(火)~7月16日(木)
視察先:津和野町(島根県)、広島市(広島県)、津山市(岡山県)
出席委員:関谷委員長、渡辺副委員長、坂本、岡本、西川、堀、池田の各委員

《津和野町》 (7月14日)

【調査項目】
●日本遺産について
●歴史的風致維持向上計画について
●上下分離方式のタクシー事業について

『町の概要』
*町制施行:明治22年4月1日
*人口:7,953人(平成27年5月末日現在)
*面積:307.09平方キロメートル

 

1.日本遺産について

(1)観光の現状について
 津和野の知名度は、昭和50年代の「ディスカバージャパン」や「アンノン族」によって脚光を浴び、ピークの昭和54年には観光客数152万人を記録した。近年では、平成26年度で113万7,000人となっており、平成17年の町村合併前の旧津和野地区で限定すると81万4,000人となっている。また、宿泊者数では約3万7,000人であり、観光客数に対して宿泊者数が非常に少ない状況である。

(2)日本遺産(津和野今昔~百景図を歩く~)のストーリー概要について
 幕末の津和野藩の風景等を記録した「津和野百景図」には、藩内の名所、自然、伝統芸能、風俗、人情などの絵画と解説が100枚描かれている。明治以降、不断の努力によって町民は多くの開発から町を守るとともに、新時代の風潮に流されることなく古き良き伝統を継承してきた。百景図に描かれた当時の様子と現在の様子を対比させつつ往時の息吹が体験できる城下町となっている。
 津和野百景図に描かれている対象は、旧津和野藩全域に広がっており、一部は益田市の風景も含まれているが、大半が津和野城を中心として南北約3キロメートル、東西約1.5キロメートル四方に集中している。百景図の絵を通して感じられる水や風の音、自然の醸し出すにおい、当時の生活文化を直接肌で感じられることが津和野の最大の魅力となっている。

(3)事業の概要について
 津和野百景図を(1)すぐ体感できる百景図、(2)旬をとらえた百景図、(3)武家の暮らしを描いた百景図に分け、当時の絵と現在の町の様子の写真を撮り、比較して見ることができるようにしている。百景図のうち、約半数は現在もその風景が残っている。
 国から日本遺産魅力発信推進事業に係る補助金の交付を約3,700万円受けており、ウエブやSNSを活用した町歩きを促進するためのアプリの開発等を行う情報発信事業等を実施することとしている。
 まち歩きサイン及び情報発信設備整備事業では情報発信するための施設整備として、現在空き家となっている美術館を改修し、この秋に日本遺産センターを開設する。この施設は重要伝統的建造物群保存地区や歴史的風致維持向上計画の内容もあわせて説明する施設にすることを考えている。

 

2.歴史的風致維持向上計画について

(1)概要について
 津和野町では、歴史文化基本構想によって文化財の総合的把握を行い、将来的な文化財の保護のあり方を決定した上で、その特徴を捉えて歴史的風致維持向上計画を策定した。風致地区の面積は約1,113ヘクタールあり、中世から現代に至るまでの伝統的な芸能及び城下町の風情を残す町並みである「街の歴史的風致」、高津川の流域に広がる集落・伝統的な芸能である「野と山の歴史的風致」の区別をして、それぞれの特徴を生かした固有の歴史的風致を形成している。

(2)事業計画について
 平成25年度から12の事業を10年間かけてそれぞれ実施していく予定としている。歴史的建造物の保存及び修理等として、藩校養老館の保存・修理・活用や地区防火施設の整備事業を実施する。歴史的な風情を伝える良好な環境の保全・形成として、空き家再生事業や津和野駅の周辺整備、棚田が旧城下町のすぐ近くにあることから町並みの眺望の場としての活用、ハナショウブのある水路やコイが泳ぐ水路の整備事業などを実施する。また、案内板等の設置を行う旧城下町等サイン整備事業や伝統行事にかかる関係団体の支援事業も取り組むこととしている。

 

3.上下分離方式のタクシー事業について

(1)タクシー事業を取り巻く環境について
 平成17年9月に旧津和野町と旧日原町が合併して津和野町が誕生した。総面積307平方メートル、その内90%を山林が占めており、平坦地が少なく、農地や集落が点在している。人口減少が顕著であり、高齢化率は41.6%にまで達している。
 観光客数は平成21年に約103万人であったが、平成25年に約77万人に減少している。原因として、平成25年7月に発生した豪雨災害により、SLやまぐち号が運行する路線が被災し、平成26年8月まで津和野駅から山口側が運休したことによる影響が考えられる。

(2)タクシー事業者撤退の経緯について
 町内の自動車燃料用の液化石油ガス(LPG)供給業者が平成26年3月末で供給中止を表明したことや売り上げの減少により、津和野地域に1社あったタクシー業者が平成26年7月末で撤退を表明した。
 空白期間を設けずにタクシー事業を継続するため、撤退を表明した事業者に対して平成27年3月までの撤退延期を要望し、平成26年8月から翌年の3月までの間に生じた損失を補塡することとした。その期間に補塡した額は、128万8,000円であった。

(3)上下分離方式の検討について
 町は空白期間を設けずタクシー事業を存続させるための方策や福祉や定住施策としてのタクシー事業の検討を行った。代替となるタクシー事業者を検討する上で町内や近隣市町の事業者に打診を行ったが、運行意思のある会社はないことから、事務所や車庫等の施設や車両などの資産部分を第三セクターが保有(資産の購入は町が購入資金を全額補助)し、民間事業者がその資産を借り受けてタクシー事業を行う一般乗用タクシー上下分離方式の検討を進めることとした。
 タクシー事業に関する調査・検討業務を委託し、今後のタクシー需要、必要な車両数、設備計画や事業費など事業計画に必要な検討を行った。調査では、営業範囲の中心は町内の津和野地域になり、町の人口は15年後には5,200人程度になると予測された。今後のタクシーの需要は縮小すると予想されることから、年間売上高は年間3,000万円と推定した。

(4)上下分離方式による事業の展開について
 事業者は公募型プロポーザル方式により選定し、3者の応募があった中、広島県の事業者に決定し、平成27年4月1日から空白期間を設けることなくタクシー事業をスタートさせることができた。
 車両は小型タクシー4台と観光対応が重要であるとのことからジャンボタクシー1台の計5台で、7時から22時を基本として運営している。車両の購入などを含め、町の総事業費は3,840万円となっている。

(5)今後の展望等について
 マイカーを持たない高齢者の移動手段の確保は課題となっている。一般乗用タクシーはこのような課題解決策の1つとして地域公共交通の一翼を担っているが、民間企業の営利活動として捉えられ、行政や住民の支援が受けられない状況にあった。タクシー事業者の撤退に伴い、上下分離方式によるタクシー事業に取り組んだが、初期費用に多額の費用がかかることとなった。民間企業が自立して事業を展開していくことが望まれるが、人口減少などの影響により、容易ではないため、一般乗用タクシーによる輸送サービスを維持する仕組みの検討が重要である。町では今年度に出産と子育て支援の一環として妊産婦が通院のためタクシーを利用した場合の運賃を9割(上限1万8,000円)まで助成する事業を試行実施している。
 今後も地域から一般乗用タクシーをなくさないため、運行業者や地域と一体となって利用してもらえるタクシー事業の推進が重要である。

「津和野町視察の様子」

《広島市》 (7月15日)

【調査項目】
●復興まちづくりビジョンについて

『市の概要』
*市制施行:昭和22年4月1日
*人口:1,189,518人(平成27年5月末日現在)
*面積:905.41平方キロメートル

 

1.復興まちづくりビジョンについて

(1)平成26年8月20日の土砂災害の概要について
 人的被害は、死者74人、負傷者69人。物的被害は、全壊179件、半壊217件、一部損壊189件、床上浸水1,084件、床下浸水3,080件。雨量では、多いところで時間雨量112ミリ、3時間では236ミリを観測した。

(2)平成26年8月20日豪雨災害復興まちづくり本部について
 平成26年10月に市長をトップとした復興まちづくり本部を設置し、その中で復興まちづくりビジョンを策定した。本部会議は4回開催され、第2回本部会議の後には復興まちづくりビジョン(第1版)に関する地元説明会を開催し、第3回本部会議の後には、地元公民館に職員が一定期間詰め、面談方式の説明の場を設けるなど、地域への説明・住民の不安解消に努めた。

(3)復興まちづくりビジョンの目的及び対象等について
 早期の復興と安全・安心なまちづくりを推進するため、中・長期的な視点に立って、防災・減災のための施設整備など被災地域のまちづくりの骨格とその実現に向けた実施方針を示すために復興まちづくりビジョンを策定された。対象地区を広範囲にわたって被害を受けた5つの地区とし、対象地区ごとに市が実施する施策に加え、国・県が実施する防災・減災のための施設整備等についてもその骨格を示している。
 災害に強い安全な町を実現するために、砂防堰堤等の整備、避難路の整備、雨水排水施設等の整備、住宅再建の支援の基本的な施策を進める。

(4)地域別の方向性(安佐南区八木・緑井地区)
 10カ所以上の渓流で土石流が発生し、農業用水路である八木用水が大量の土砂により閉塞したため、用水路沿いの広い地域で浸水被害が発生する等、多くの被害が発生した。
 国により、ほぼ全ての渓流に砂防堰堤を緊急に整備することで、早期に地域の基本的な安全性を確保する。また、市では広域避難路となる都市計画道路と豪雨時の水を処理する雨水渠を同時に整備することで安全性を向上させることとしている。

(5)土砂災害特別警戒区域等の指定について
 広島市域だけでも土砂災害の危険のある場所は1万数千カ所あり、これまでは土砂災害警戒区域等に指定されると地価が下がるなどの住民の意見から、スムーズな指定が進んでこなかった。復興まちづくりビジョンの対象地区では、これまでに土砂災害警戒区域等が指定されたのは1地区だけであった。
 県では平成30年度までの間に県内全域の基礎調査を終え、翌年度までの指定完了を目指すとの方針を打ち出している。

(6)住宅再建等への支援について
 被災者生活再建支援法に基づく支援として、住宅再建には基礎支援金に加えて、住宅を建設または購入する場合の加算支援金として200万円が支給されるなどの支援策が講じられている。
 また、義援金による支援として、広島県大雨災害義援金からの配分額を合わせて約61億9,000万円に上っている。第1次配分では10万円、第2次配分では全壊住宅に500万円を決定されている。さらに、第3次配分では住宅再建等への支援に加え、私道やお墓などに対しても義援金を出している。

(7)現地視察について
 安佐南区の災害地(県営緑丘住宅)を視察した。

 

 

「広島市視察の様子」

「広島市現地視察の様子」

《津山市》 (7月16日)

【調査項目】
●ごんごバスについて

『市の概要』

*市制施行:昭和4年2月11日
*人口:104,246人(平成27年5月1日現在)
*面積:506.36平方キロメートル

 

1.ごんごバスについて

(1)交通ネットワークの状況について
 現在、津山市には2者が運営する民間路線、市営バス、共同運行バス、地域巡回バス、過疎地有償運送、高速バス、福祉移送バス、ごんごバス等が交通ネットワークとして存在している。
 ごんごバスについては、平成11年10月に循環線の運行を開始し、平成17年10月には、市町村合併に伴い支所間ごんご線を運行開始した。路線の競合・混在などにより、非常にわかりにくくなっていることから、平成22年には運行ルートの大幅な見直しを行った。

(2)現状について
 年間の利用者数はおおむね順調であるが、交通空白地を埋めるために平成23年12月から運行を開始した小循環線は当初から利用者数が低迷している。その理由としては、人口減少やこれまでバス路線がなかった地域であったため、住民は自家用車などの他の交通手段を持っており、バスに乗る習慣がないことが考えられる。
 各循環線の運行に際しては補助を支出しており、国庫補助は全線合計で約3,200万円、市の補助は約3,400万円となっている。市の支出が最も多かった平成23年度の約4,200万円と比較すると循環線の導入で800万円程度の補助金の抑制が図れた。

(3)効果・目標について
 各路線利用者数の前年度対比2%増を目標に掲げ、利用促進の取り組みを行っている。東・西循環線については、利用者数も堅調であるため、現状確保と収益率の向上に努めることとしている。小循環線については、平均乗車人数が2名を切るような状態であるため、利用実態の把握に努め、路線の見直しや運行形態の検討を行うこととしている。支所間ごんご線については、利用者数は減少傾向であるものの、人口減少による影響と捉え、交通弱者のための基幹路線として、維持を目指すこととしている。

(4)津山市地域公共交通総合連携計画(平成22年度~24年度)再編の状況について
 交通体系の整備方針として、(1)幹線と支線を明確にした効率的運行体系の構築、(2)競合路線・運賃の是正、(3)小循環線の運行、(4)「乗って残すバス路線」啓発を掲げて取り組みを進めた。
 主な取り組みとして、平成22年度には、加茂・勝北ごんごバス、東循環線の路線の見直しを実施し、重複路線の解消を行った。平成23年度には、ごんごバス小循環線の新設や市営阿波バスとスクールバスを併用して使う混乗等を実施した。平成24年度には、不採算区間の短縮のため、ごんご久米線を見直し、折り返し運転に変更した。また、運行時刻の改正やバスマップの作成に取り組んだ。「乗って残す」取り組みとして、これまで無償で運行していた福祉巡回バスを有償化し、利用者の方に応分の負担をしてもらうこととした。

「津山市視察の様子」

お問い合わせ

宇治市議会     議会事務局
電話: 0774-20-8747  ファックス: 0774-20-8786
E-mail: gikaijimukyoku@city.uji.kyoto.jp

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