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宇治市議会(行政視察報告 平成26年度) 7

[2014年9月26日]

市民環境常任委員会の行政視察報告

年月日:平成26年9月2日(火)~9月3日(水)
視察先:下呂市(岐阜県)、岐阜県
出席委員:長野委員長、石田副委員長、水谷、木沢、鳥居、池内、金ヶ崎の各委員

《下呂市》 (9月2日)

【調査項目】
●観光計画について

『市の概要』
*市制施行:平成16年3月1日
*人口:35,201人(平成26年4月1日現在)
*面積:851.06㎢ 

1.観光の概況について

 下呂市は平成16年3月に萩原町・小坂町・下呂町・金山町・馬瀬村の4町1村が合併して誕生した。最大の観光資源は下呂温泉。平成25年度の宿泊者数は約102万人で、下呂市全体の宿泊者数は113万人。日帰りも含めた入り込み客数は273万人。ピークはバブル絶頂期の平成2年ごろで宿泊客数は160万人ほどだったが、バブルの崩壊とともに減少が続き、ここ数年は100万人台をキープしている。国内の他の観光地同様、外国人観光客が増加傾向にあり、平成24年度1万5,000人に対し、平成25年度は3万人となっている。今後、国内の人口減等を踏まえ外国人観光客を伸びしろとして考えると、受け入れ体制の整備が課題となる。

2.観光計画について

(1)計画策定に至る経過と目的について

 平成16年の合併により市域が広くなり、さまざまな観光資源を効果的に活用する必要が出てきた。これらの観光素材を使っての交流人口の増加、また、地域経営を豊かに、安定的にさせることを目的とし、さらに、景気低迷や人口が減少する中で地域総合産業として観光産業の発展は不可欠ということから、平成22年3月、観光計画の策定に至った。

(2)計画策定の手順・手法について

 旧町村の5地域で民間の方、市民代表の方、各部署の担当職員がまじって、それぞれの地域にある観光資源の掘り起こしや魅力を検討委員会の中で検討した。その上のプロジェクト委員会、さらに観光協会・商工会・温泉旅館協同組合の方々に諮問機関に入っていただき、最終的な意見の集約を図った。

(3)関連計画との整合性について

 国の観光立国推進基本法第4条の観光立国推進基本計画、県の飛騨・美濃じまん運動、岐阜の宝もの認定プロジェクト等を踏まえ策定した。
 また、第1期下呂市総合計画の中にも、滞在型の観光地づくりの推進、ホスピタリティ都市宣言、観光計画の推進といったことも据えられている。

(4)関連事業及びその進捗状況について

 基本施策として、(1)ホスピタリティ都市宣言、(2)受け入れ態勢の強化と情報の集中、(3)旅行商品の造成と情報発信、(4)集客交流事業の誘致活動強化(MICE)、(5)国外誘客事業の促進(インバウンド)、(6)観光の中心的施設の整備、(7)街並みや景観整備の促進の7つの柱がある。
 1つ目のホスピタリティ都市宣言では、都市宣言をすることによっておもてなしの心を理解し行動できるよう推進するために、また、地域の伝統や文化を子供たちが受け継げるようにしている。ちなみに、宣言文とロゴは商標登録している。
 都市宣言の一環として、観光教育の充実を目指し、平成22年より各小・中学校へ出向いての観光講座を実施している。市内20校の小・中学校のうち12校で実施済み。
 2つ目の受け入れ態勢の強化と情報の集中として、市内各所の観光資源にかかわる団体や人材を支援し、受け入れ体制の強化を目指すことと、滞在型の観光地を目指すということで、町歩き等を推進することを目指す。
 小坂地域には大小合わせて200以上の滝があり、この観光資源を生かそうということで、小坂の滝めぐりガイドツアーを実施している。運営はNPO法人飛騨小坂200滝がしており、現在26名のガイドが在籍している。昨年度は5万4,000人が滝めぐりに参加した。
 金山地域では、金山筋骨ガイドツアーを実施している。筋骨とは飛騨地方の呼び名で細い路地裏のことを指す。この筋骨をめぐるツアーを金山町観光協会が中心となって取り組んでいる。平成23年の秋から本格的にスタートし、近年旅行会社が商品化した。

(5)今後の課題と取り組みについて

 「見る、泊まる旅」から「暮らすような旅」へと観光客の目的が変化する中で、町のたたずまいや人との触れ合いが重要視されている。今後はまちづくりやホスピタリティあふれる人材の育成が課題となる。また、観光計画で掘り起こした観光資源と下呂温泉をつなぎ、長期滞在型の宿泊地を目指すため、2次交通等の交通網の整備が課題である。
 平成26年で第1期観光計画が終了するため、現在第2期計画の策定が進められている。また、これまで観光計画で掘り起こしてきた観光資源を冊子にまとめ、旅行会社等に広く配付している「G-STAY」事業をブラッシュアップして、精度の高いものにしていく取り組みを実施している。

※最後に、下呂市のプロモーションビデオを拝見した。

「下呂市議会視察の様子」

《岐阜県》 (9月3日)

【調査項目】
●観光振興プランについて

『県の概要』
*人口:2,053,286人(平成25年10月1日現在)
*面積:10,621.17㎢

1.観光情勢について

 観光入り込み客数は平成24年度で3,619万人、平成25年度で3,821万人で、202万人ほど増加しているが、日帰り客が8割から9割で宿泊客が1割から2割しかないため、観光消費額で見ると相対的に少ないことが悩み。全体として観光客数が増加傾向にあるため、観光消費額も増加している。平成25年度一人当たりの観光消費額は、日帰り客で3,802円、宿泊客で2万6,565円となっており、いかに宿泊してもらうのが大事かということがわかる。

2.観光振興プランについて

(1)プラン策定に至る経過と目的について

 観光振興プランは、平成19年7月公布、同年10月施行の「みんなでつくろう観光王国飛騨・美濃条例」第16条第1項に規定する「飛騨・美濃じまん運動実施計画(平成20年度から平成24年度までの5カ年計画)」の第2期計画(平成25年度から平成29年度までの5カ年計画)として策定された。
 岐阜県の県民性は、少し控え目というか、岐阜県のことを余り自慢に思っていないということがあり、観光も県外に行く雰囲気があるが、この条例は、できるだけ岐阜県のいいところを見つけてみんなに自慢していこうということが背景にある。その自慢を通じて観光客に来ていただいて、ブランド力を磨いて、観光の基幹産業化を図った。

(2)プラン策定の手順・手法について

 第1期計画の最終年度である平成24年度4月から6月の間にプランの素案を作成し、同年7月に「飛騨・美濃の観光を考える委員会」を開催した。この委員会も、県のじまん運動の方向性を検討する仕組みとして、「みんなでつくろう観光王国飛騨・美濃条例」第4条に規定がある。その下に県民会議の規定もある。委員会での意見を踏まえ、実施計画案を作成し、県民会議や有識者への意見照会やヒアリングを実施して修正をして、同年11月には委員会で意見を聞いている。その後、パブリックコメントを実施し、実施計画(最終版)を作成し、平成25年3月に議会(委員会)へ報告し、記者発表、ホームページに公開した。
 委員会のメンバーは県内の各界、経済・産業界、観光業界その他、県議会議員も入っている。

(3)関連計画との整合性について

 岐阜県には平成21年に策定した岐阜県長期構想があり、中間年の平成25年度に見直しを行い、平成26年3月に岐阜県成長・雇用戦略を策定した。岐阜県長期構想は市の基本計画に当たるもの。
 観光振興プランは、「みんなでつくろう観光王国飛騨・美濃条例」に基づいた計画で、平成25年3月に策定しており、本来であれば基本計画である岐阜県長期構想とそごがないようにしていかなければならないが、観光振興プランが1年前に策定されていたこともあり、観光振興プランをにらみながら、岐阜県成長・雇用戦略を立ち上げた。

(4)関連事業及びその進捗状況について

 観光振興プランの前期計画である「飛騨・美濃じまん運動実施計画」において、県下の観光資源の掘り起こしとブランディングを行った。これを「岐阜の宝もの」認定プロジェクトと呼んでおり、県内外から寄せられた「じまん」の中から「じまんの原石」を選び、さらにその中から全国に売り出せるものを地元の協力体制等も含めて、「岐阜の宝もの」あるいは「明日の宝もの」として認定し、県が集中的に、また海外にも積極的にPRしている。下呂市の小坂に大小200以上の滝があり、その滝をめぐる「小坂の滝めぐり」などは、ほとんど知られていなかったが、「岐阜の宝もの」に認定されたことにより、多くの観光客が訪れるようになった。
 第2期計画である観光振興プランでは、宿泊滞在型観光への展開を本格化している。地域特性を生かした観光資源間の連携を強化し、高品質かつ本物の宿泊滞在型観光地を提供できる「清流の国ぎふ観光回廊」を構築する。また、東海環状自動車道西回り区間や新東名高速道路、さらにはリニア中央新幹線開業等の交通インフラの充実を生かした広域観光ルートや商品造成を促進する。

(5)今後の課題と取り組みについて

 岐阜県の観光入り込み客や観光消費額は、ここ数年は比較的堅調に推移しているが、「飛騨・美濃じまん運動実施計画」で掘り起こした「宝もの」が全て実を結ぶかというと非常に難しく、地元の体制や観光客数によっては維持していくのが難しい状況も出てきている。あるいは、「宝もの」が見つからなかった地域をどう持ち上げていくかということも悩ましいところである。さらに、首都圏から人を引っ張れないかというのが積年の課題でもある。というのも、間に観光資源がそろっている長野県があるため、なかなか首都圏から来てもらえない。この3月に北陸新幹線が金沢まで延伸してくるが、いかに北陸から岐阜に来てもらうかが戦略的に難しいところである。
 観光の基幹産業化、宿泊客をふやすということで、宿泊なら遠くの首都圏なのか海外なのかというあたりをにらみ、できるだけ知恵を出し合いながら仕事を進めている状況にある。

「岐阜県議会視察の様子」

お問い合わせ

宇治市議会     議会事務局
電話: 0774-20-8747  ファックス: 0774-20-8786
E-mail: gikaijimukyoku@city.uji.kyoto.jp

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