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宇治市議会(行政視察報告 平成25年度) 9

[2014年2月18日]

市民環境常任委員会の行政視察報告

年月日:平成26年1月27日(月)~1月28日(火)
視察先:田辺市(和歌山県)、和歌山市(和歌山県)
出席委員:長野委員長、石田副委員長、水谷、木沢、鳥居、池内、金ヶ崎の各委員

《田辺市》 (1月27日)

【調査項目】
●観光アクションプランについて

『市の概要』
*市制施行:平成17年5月1日
*人口:79,716人(平成25年11月30日現在)
*面積:1,026.77㎢ 

1.田辺市の観光について

(1)田辺市の概要

 和歌山県のちょうど真ん中ほどに位置し、田辺市・龍神村・中辺路町・本宮町・大塔村の5市町村が合併し、今の新田辺市になっている。旧田辺市以外は中山間地域で林業等が盛んで、人口の多くは旧田辺市周辺に集中している。
 市街地は紀州藩田辺領の城下町で、古くからは流通の要衝として栄えた地域である。一方で、山間地は熊野信仰を育んだ熊野ということで険しい山々で、道路・耕作地をつくるにしても非常に厳しく、そういう意味で信仰ということが注目された地域である。

(2)市内主要観光地・主なイベント・観光拠点施設

 田辺市を訪れる人の多くは、やはり世界遺産をメーンに訪れる。世界遺産というネームブランドもそうだが、オンリーワンという部分の強さがあり、不便ではあるが多くの人が訪れている。
 熊野本宮大社が市内にあり、熊野参詣道、いわゆる熊野古道の道が全て本宮に集まってくるという立地条件にある。古くから貴族、皇族、それから一般の人も含めて、京都から信仰の道をたどりながら、熊野本宮大社、あるいは熊野速玉大社、熊野那智大社を参詣された。
 熊野古道の魅力のもう一つは、田辺地域でいうと温泉が上げられる。温泉については、有名なところでは、世界遺産のある川湯温泉・湯の峰温泉・渡瀬温泉の本宮の温泉郷や日本三美人の湯である龍神温泉がある。
 広いエリアが合併したため、海・山・川と自然豊かな地域で食材も豊富にある。和歌山といえば、みかん・梅干が有名で県内でも一、二を争う生産量である。また、海岸に近く海からの恵みも非常に豊かで、観光客が地元の居酒屋で食事をとると、非常においしいと評判である。地理的な条件もあり大手が出店せず、地元の食材を使う居酒屋文化が田辺市の特徴である。
 主なイベントには大きく分けて3つあり、千年の歴史がある熊野古道にちなんだイベント、地域の伝統行事、和歌山県の特徴である体験型のイベントがある。
 世界遺産登録前は施設整備が追いついていなかったが、登録後は観光客に情報提供する施設を構えている。熊野古道は巡礼の道であるため、囲い込み型の施設ではなく、いろんなところに拠点が必要である。
 田辺市観光案内センターを紀伊田辺駅の隣に平成25年9月にオープンした。ここには海外からの来市を想定して、365日営業で、英語の話せるスタッフを配置している。田辺市のみならず、紀南地方の観光情報を集約・発信している。
 熊野本宮館は熊野本宮大社のそばにあり、世界遺産を取り巻く文化的景観を恒久的に保存するとともに、文化遺産の調査・研究のみならず、産業・文化の情報発信基地としての役割を担う。
 熊野古道館は熊野古道が世界遺産登録されたスタート地点であり、熊野古道中辺路の情報拠点である。

(3)市の観光動態

 平成16年に世界遺産登録がされ、翌17年には観光客数が400万人を超えたが、その後、平成22年までは350万人前後で推移した。熊野古道という性質上、リピーター化が進んでいるのではないかと考えている。ただ、平成23年に紀伊半島台風被害により300万人を切ったが、それでも世界遺産登録前よりは多く、世界遺産登録がいかに誘客に効果的であったかが見てとれる。平成24年は災害前の数字には届いていないが、今は災害前と同程度には回復してきている。課題としては、世界遺産だけに頼らない新たな観光の創出が上げられる。

(4)着地型観光について

 これまで主流であった発地型観光は、いわゆる定番の旅で、地元情報が少なく、きめ細やかなサポートは困難な旅行システムで、観光客の多様なニーズに対応できなくなってきた。
 着地型観光とは、きめ細やかな対応で観光客の多様なニーズに応えることが可能な旅行システムで、地元にしかわからないような旅行メニューをつくって提供するため、地元のネットワークを生かしたサポートが可能である。ただ、着地型観光は手間がかかるがそれほどもうからないため、大手の旅行会社はあまり手を出していない。

(5)田辺市熊野ツーリズムビューローについて

 田辺市では、市町村合併の翌年に「田辺市熊野ツーリズムビューロー」という旅行会社を設立した。市町村合併時に5つの観光協会を一元化せず、それぞれの地域の魅力や個性を継承するということで観光協会をそのまま残しており、それぞれの行政局と連携して各地域のPRは保持しつつ、田辺市全体のPRをツーリズムビューローに委託している。ツーリズムビューローは2010年に法人格と旅行業法に基づく第2種旅行業を取得し、観光PRと着地型旅行業(DMC)の2本立てで事業展開している。
 ツーリズムビューローではFIT(海外からの個人旅行者)を軸に考えている。FITに対応するため、国の支援を受け、海外からのインターネット予約、カード決済のシステムを構築した。FITの場合、連絡なくキャンセルされることがよくあるが、キャンセル料もカード決済でもらうことができる。
 市が直接運営できない部分をツーリズムビューローが行い、地域への誘客を図っている。ツーリズムビューローは単に観光客を呼んでくるだけの組織ではなく、それぞれの地域の団体等の橋渡しをしていく。田辺へ来る観光客はこの地域の文化・伝統を好んでもらっており、いろんな団体のワンストップ窓口としての役割を担っている。

2.観光アクションプランについて

(1)プラン策定に至る経過と目的

 合併前の平成16年に合併後の田辺市広域観光ビジョン(田辺・龍神・大塔・中辺路・本宮)を策定し、合併後の平成18年度に田辺市観光アクションプラン(1)を策定。このアクションプランは3カ年の中・短期計画で、必要に応じて策定しているため、アクションプランのない年度もある。その後、平成24年度に総合計画等と整合性を図り、観光アクションプラン(2)を策定。
 現在、田辺市においては、国土交通省の補助事業である広域観光圏事業を初め、田辺市熊野ツーリズムビューローの着地型旅行社の設立等、多くの新規事業を始めているとともに、世界遺産登録10周年事業を初めとした大型周年事業が行われる等、非常に大きな節目を迎えている。こうしたことから、平成25年から27年の3カ年のアクションプランを策定した。

(2)プラン策定の手順・手法について

 策定委員会メンバーは10名で、ツーリズムビューロー、市内5地域の観光協会、JR、バス会社及び学識経験者で構成されている。前回のアクションプランはコンサルタントに委託したが、今回は委託せずに、委員会と事務局の手づくりで策定したのが特徴。
 策定手順としては、前回のアクションプランにおける各事業計画について、実施できたか整理を行うとともに、全ての項目について5段階評価を行い、課題抽出を行った。それと同時に、策定委員とは別に、市内5地域においてワーキングチームをつくり、地域ごとに協議し意見集約を行った。その後、そこで出された各地域の意見も踏まえて、策定委員会で協議を行った。

(3)プランの概要

 プランには大きく3つの柱があり、1つは熊野古道を田辺市の観光の地域ブランドとして強化するということで、熊野古道をキーワードに各地域への来訪者の誘導を図る。前回のアクションプランでは、合併して間もないこともあり総花的な表現になっているが、今回については、熊野古道が田辺市の中心の観光資源であるとはっきりうたっている。また、和歌山県が伊勢神宮式年遷宮、世界遺産登録10周年、高野山開創1200年を迎える平成25年から27年までの3年間をゴールデンイヤーと位置づけており、県内では県が中心となって、和歌山デスティネーションキャンペーン等を展開しているが、それにあわせて田辺市でも独自の取り組みで誘客を図っている。
 2つ目は温泉とウオークと食をキーワードとした誘客である。特に食については、食材は豊富にあるがインパクトのあるものがないため、地域の食をきちっと見せて、食による誘客に力を入れていかなければならない。
 3つ目は着地型観光を軸とした情報発信と受け入れ地のレベルアップである。特に海外からの観光客の誘客に取り組むため、外国語の話せるスタッフの拠点配置や熊野古道の看板の整備・統一化、市内パンフレットの二カ国語表記等、誘客促進ツールの活用を図っている

(4)今後の課題と取り組みについて

 今後の課題については、宿泊客数の増加、海外からの誘客の強化、ホスピタリティが上げられる。
 宿泊客数の増加に向けた取り組みとしては、熊野古道のロングコースを設定し、宿泊しながら歩いてもらうことを提案したり、温泉等の活用による滞在促進の強化がある。熊野古道を歩くことで健康になるとアピールするNPO等もあり、ただ単に歴史・文化だけを感じるのでなく、健康になろうという違った切り口での取り組みも進めている。
 海外からの誘客の強化に向けた取り組みとしては、熊野古道以外の観光案内看板の英語表記や通訳案内士の育成がある。和歌山県では特区をとり、一定の研修期間を経て試験を受けた者に通訳案内士のライセンスを与えている。それらの通訳案内士に田辺市の歴史的な情報も勉強してもらっている。
 ホスピタリティの向上については、語り部やガイド等の技能向上や受け入れ地のレベルアップを図ることで、人の魅力からリピーターを獲得していく。
 田辺市の観光戦略の基本スタンスとして、「ブームよりルーツ」、「インパクトを求めずローインパクトで」、「マスより個人」、「乱開発より保全・保存による活用」の4つがあり、これらを基本に「世界にアピールする上質な観光地田辺市」を目指している。

「田辺市議会視察の様子」

《和歌山市》 (1月28日)

【調査項目】
●ごみ減量アクションプランについて

『市の概要』
*市制施行:明治22年4月1日
*人口:366,011人(平成25年12月1日現在)
*面積:210.25㎢

1.ごみ減量アクションプランについて

(1)プラン策定に至る経過と目的について 

 和歌山市では資源ごみを除いた可燃・不燃ごみが平成23年度で一人一日当たり1,173グラムで、中核市42市中、常にワースト5に入っている。
 和歌山市一般廃棄物処理基本計画の中で、平成32年度には資源ごみを除く一人一日当たりのごみ排出量を約30%削減する目標を定めている。この目標を達成するため、ごみの排出抑制や資源化を推進する施策をより具体的に市民・事業者・行政が協力し合って行動できるよう定めたものがごみ減量アクションプランである。

(2)プラン策定の手順・手法について

 策定に当たり、家庭系ごみについては市民・事業者・行政が、また、事業系ごみについては事業者・行政がそれぞれの立場からそれぞれの考え方や意見を活発に投じ合う必要があるとされたため、家庭系部会及び事業系部会を平成24年度に設置した。部会の委員は、公募による市民を初め、学識経験者、婦人会や自治会、NPO団体等各種団体役員、事業者、行政で構成しており、平成24年7月28日から平成25年1月21日まで計4回ずつ開催し、それぞれの立場からさまざまな意見や提案がなされ、平成25年5月30日(ごみゼロの日)にごみ減量アクションプランを策定した。

(3)主な取り組みについて

  • ごみ減量推進員制度の導入

 平成25年11月19日に開催した和歌山市ごみ減量推進員発足会で、和歌山市42地区中、41地区よりリーダー41名、サブリーダー100名の合計141名に「和歌山市ごみ減量推進員」として市長より委嘱を行った。現在、各地区において市民と行政とのパイプ役として活動している。
 具体的には、今福地区では持ち去りが多いので、市のつくった看板を設置したり、楠見地区では腕章をつけてごみ減量の啓発活動をしてもらっている。各地区のごみ集積場所に立ってもらい、推進員そのものの啓発や他の場所からの持ち込みの抑制、ごみの分別の意識改革等をお願いしている。実際にごみの排出時間に立って啓発している地区もあり、市だけでは広報できない細やかな指導を推進員にしてもらえるということで制度を導入した。
 推進員には本来ごみの減量等に関心のある人になってもらいたいが、実際は自治会長等が多い。ただ、推進員の活動には自治会・婦人会等の地域の協力が必要になってくるので、協力員(メイト)を広めていってもらう中で、地区全体で考えてもらえるように、会長以外の推進員を出してもらえるようお願いしている。

  • 小型家電のリサイクル

 これまで主に一般ごみや粗大ごみとして処理されていた携帯電話やパソコン、電話機等の小型電子機器から扇風機や掃除機、電子レンジ等の大型電化製品等の使用済み小型電子機器等を別途回収し、ベースメタル(銅、鉄)や貴金属(金、銀)、レアメタル(希少金属)等の有用金属のリサイクルを推進するため、平成25年10月1日から事業を開始した。
 10月から12月までの3か月間で7万2,000キロの小型家電が集まり、うち4,200キロが有用金属を多く含む携帯電話等であった。収集物はS・A・B・Cの4つのランクに分けられ、S・Aランクは売却、B・Cランクは処理・売却を合わせて見積もり合わせをしている。収集経費は直営のため見ていないが、今のところプラスにはなっている。ただ、いつまで続くかということと、A・Bランクがいつまでプラスになるかが課題である。

  • 事業系ごみの減量指導・規制強化及び事業系ごみ排出者の管理徹底

 和歌山市では可燃・不燃ごみの一人一日当たり1,173グラム中434グラムが事業系から排出されている。事業系ごみには受託収集と直接搬入があり、その比率は3対7で、直接搬入のうち半分が業種不明という状況にある。
 事業者にさらなる分別、資源化の徹底を進めるため、一般廃棄物収集運搬業(ごみ)の許可制度を導入し、受け入れ段階での管理により排出者責任を明確にできるよう管理徹底を行う。
 許可制度導入に合わせ、一般廃棄物収集運搬業(ごみ)の許可を与えられた事業者が適正な処理をすることができるように、また、バランスのとれた処理費用となるよう、手数料の改定を実施する。
 許可を出すことにより、一般廃棄物処理マニフェスト等を提出させ、適正に処理しているかどうかのチェックを行ったり、自己搬入者には搬入時に現場で検査することにより、識別困難なごみの抑制や不明ごみを規制することで青岸清掃センターへのごみの搬入量を削減する。
 以上のことを一体で行うため、平成26年度中の実施に向け、現在取り組みを進めている。

(4)今後の課題と取り組みについて

 ごみ減量アクションプランは平成25年度から平成28年度までの4年間に実施する施策、実践行動及び協働によるごみ減量の取り組み内容を定めており、平成28年度のごみ処理基本計画の中間評価に合わせて、平成28年度以降の取り組みを改めて検討する。
 また、策定されたアクションプランがそれぞれの目標や具体的施策の進捗に対し計画どおり遂行しているか、方向の修正が必要でないか、優先度の変更がないか等の定期的な点検や調整を行い、さらなる具体的かつ実効性の高いごみ減量の推進を目指す。

「和歌山市議会視察の様子」

お問い合わせ

宇治市議会     議会事務局
電話: 0774-20-8747  ファックス: 0774-20-8786
E-mail: gikaijimukyoku@city.uji.kyoto.jp

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