ページの先頭です

宇治市議会(行政視察報告 平成25年度) 7

[2014年2月12日]

建設水道常任委員会の行政視察報告

年月日:平成26年1月20日(月)~1月21日(火)
視察先: 宇部市(山口県)、太宰府市(福岡県)
出席委員:川越委員長、稲吉副委員長、坂本、田中、木村、秋月の各委員

《宇部市》 (1月20日)

【調査項目】
●市道の里親制度について

『市の概要』
*市制施行:大正10年11月1日
*人口:172,415人(平成25年6月1日現在)
*面積:287.71㎢ 

1.市道の里親制度について

 宇部市では、市民に親しんでもらう目的で、市道の里親制度の愛称を「美化(ピカ)ピカロード宇部」と呼んでいる。地域住民共有の生活空間である市道において、市民・地元企業・各種団体及び市が協力して清掃、緑化活動等のボランティア活動を行うことで、地域美化に対する市民意識の高揚を図るとともに、市民と市が一体となった地域活動を推進することを目的としている。

(1)実施に至る経過と目的について

 昨今どこの自治体でも懸案事項となっているが、年々増加する公共施設の維持管理経費の抑制策として、また住民と市が協働で公共施設を維持管理することで地域活動の活性化にもつながる効果を狙って導入することとなった。
 平成12年に先進地である香川県善通寺市を視察し、取り組みを開始。その後、庁内の関係課で協議を重ね、同様の公共施設の維持管理として公園と道路に対し、市道の里親制度を導入することとなった。平成14年5月1日付で「美化ピカロード宇部」の実施要綱を施行。その後、広報活動、里親の募集を開始した。

(2)仕組みと具体的内容について

 市道の里親を希望する市民や企業、市民活動団体に里親認定申込書を提出してもらい、市が認定書の交付を行った後に、認定区間や里親の役割、市の役割について双方で合意書を交わす流れとなる。
 原則として、団体・個人を対象に、歩道のある市道で50メートル以上の区間を年4回以上、清掃などの活動をすることを認定要件としている。ただし、あくまでもボランティア活動なので、極端に認定要件の厳格な運用は行わず、例外的に認定をしているケースもある。現在の市道認定路線数は、989路線あり、総延長で約706キロメートルになる。そのうち、歩道のある市道は約70キロメートルで、市道の約1割が里親制度の対象となっている。
 活動内容については、主に清掃作業、除草作業、緑化作業の3種類に分けられる。清掃作業は、空き缶やたばこの吸い殻などのごみの回収、落ち葉の清掃などがある。除草作業は、歩車道ブロック付近に生える雑草の除去、道路ののり面草刈りなどがある。緑化作業は、花壇の花植え、水やり、施肥、除草などの花壇の手入れがある。なお、規模大きい除草作業で出た草の回収については、通常の家庭ごみと同様の回収が難しいことから、市が直接回収する場合がある。通常の量であれば、家庭ごみと同様にごみステーションで同様の取り扱いができるよう、制度導入時にごみ収集の部署と調整を行っている。
 支給物については、軍手とごみ袋がある。ごみ袋には燃えるごみ用と燃えないごみ用の2種類がある。里親団体を認定した際には、竹ぼうきなどの簡易清掃用具の支給も行っている。また、50人以上の大規模な清掃活動が行われる場合は、清掃用具の貸し出しも行っている。
 保険については、里親活動中の事故等によるけがに備えるため、市が加入していて、広く市民活動が対象となる、宇部市市民活動補償を適用している。宇部市市民活動補償は、市民が安心して市民活動に参加できるよう支援するため、宇部市市民活動補償取扱要綱に基づき、市内の市民活動団体等を対象に、活動中の事故に対して一定の水準の補償を行うもので、平成17年に導入された。これまでの記録によれば、平成23年に、個人が道路ののり面を草刈り中に、のり面から道路に落下、入院した事例があり、その1件のみとなっている。
 里親の表示については、里親の存在を知ってもらうため、団体等の名称を記載した表示板を設置することにしている。
 里親制度にかかる予算については、年間経費としてごみ袋が4万円、軍手が4万円、簡易清掃用具が1万円、表示板が9,000円で、市民活動補償を除けば、年間おおむね10万円となっている。

(3)実施状況と効果について

 平成26年1月10日現在で、里親団体は40団体ある。自治体が11団体、老人クラブ10団体、NPO、ボランティア等の市民活動団体が10団体、学校が3校、企業が4社、福祉施設が1施設、個人が1人であり、合計2,032人、区間延長は約23キロメートルとなっている。
 効果としては、里親によるごみの除去等で道路の美観が保たれている。また、除草等の視界確保によって、交通安全面の向上にもつながっている。道路管理者以外の市民が活動することで、社会貢献活動の機会の提供、団体間の交流促進の効果もある。道路をより身近なものに感じてもらうことで、道路愛護の精神の助成をする効果があると考えられる。

(4)今後の課題について

 平成14年度の制度開始から2年は、新規の認定団体が多く存在したが、その後は1~5団体を推移する程度になっていて、全体の活動数としては横ばいとなっている。また、毎年2~4団体が解消しており、解消の主な理由が会員の高齢化により活動ができなくなったことや会員の減少により、作業人員の確保が難しくなったこと、団体を維持することが難しくなったことなどがある。企業に関しては、会社内の人事異動で担当者が不在となったことが理由にある。
 制度開始から10年以上経過したが、現在里親活動の広がりが当初ほど見られなくなった。里親活動をいかに広げていくかが今後の課題となっている。今後、公民連携・協働による取り組みが求められる中、里親制度について、より多くの市民や団体にいかに賛同が得られ、里親活動に参加してもらえるか、PR方法や里親活動に取り組みやすい仕組み等、環境づくりについて今後も検討をしていく必要がある。

「宇部市議会視察の様子」

《太宰府市》 (1月21日)

【調査項目】
●景観と歴史のまちづくりについて

『市の概要』
*市制施行:昭和57年4月1日
*人口:71,234人(平成26年1月1日現在)
*面積:29.58㎢ 

1.景観と歴史のまちづくりについて

  太宰府市では、現在、景観まちづくり計画、歴史的風致維持向上計画、太宰府市市民遺産活用推進計画(歴史文化基本構想)の3つを連動してまちづくりに取り組んでいる。

(1)計画策定の経緯について

 平成16年に景観法が公布され、翌年5月に太宰府市景観まちづくり懇話会が設置され、景観のあり方についてまとめることとなり、その中で(1)市民、事業者、行政の連携・協働、(2)まちの賑わい、人々の暮らし、生業も景観、(3)太宰府市民遺産の取組との連動という、3つの柱を掲げた。この答申を受け、太宰府市景観まちづくり計画を策定した。また、このとき文化庁から歴史文化基本構想モデル事業を受けてほしいとの依頼があり、太宰府市市民遺産活用推進計画(歴史文化基本構想)を立ち上げ、2つを連動して一緒に協議を行うこととなった。また、同時に策定されていた太宰府市歴史的風致維持向上計画とも一緒に連動することで3つをどう動かすことが市民にとって最もよいのかを命題として取り組むこととなった。その結果、『根拠』の位置づけとして、太宰府市市民遺産活用推進計画(歴史文化基本構想)、『ルール』の位置づけとして、景観まちづくり計画、『事業』として姿にする位置づけで、歴史的風致維持向上計画を連動させることになった。

(2)計画の主な役割について

 1.太宰府市市民遺産活用推進計画

 文化遺産は、各時代で培われ、受け継がれてきた人々の生活の証であり、市民の大切な財産である。この計画は、文化遺産(モノ・コト)、市民が将来に伝えていきたい太宰府の物語及び育成していく活動を合わせて太宰府市市民遺産と定義し、育成していくための計画である。なお、文化遺産の調査や市民遺産の提案は、市民が主体的に行うことを基本とし、その成果は文化遺産情報及び市民遺産カルテとしてホームページ等で公開される。文化遺産は、地域の歴史や地形の文脈をあらわすもので、まちづくりの『根拠』として活用していく。

 2.太宰府市景観まちづくり計画(太宰府市景観計画)

 景観まちづくり計画は、良好な景観形成のための施策と、多様な主体と協働による景観形成の基本的な方針や考え方を示している。また、景観計画は、建築行為や開発行為などのルール及び景観上重要な建造物や樹木を保全するための方針を定めたものである。このため、まちづくりの『指針・ルール』と位置づけている。これらの計画は、市内で行われる建築行為や開発行為等を緑豊かで多数の文化遺産に恵まれた太宰府の特性に配慮したものとするため、新しいものを受け入れながらも文化遺産を守り育てる視点に立った行為を求めている。

 3.太宰府市歴史的風致維持向上計画

 失われつつある太宰府の歴史的風致を維持・向上していくための計画である。重点区域の中で、歴史的建造物の修理、歴史的通りのサイン整備、四王寺山周辺の緑地の整備などを行う。これらの事業が良好な景観や文化遺産を守り育てることにつながることから、3つの計画の中で『まちづくり事業』と位置づけている。

(3)今後の取り組みと課題について

 市民も行政も相互依存の意識が強い。お互いが自立してできることを持ち寄っていく仕組みになることが必要。また、ボランティア活動を通じて、さまざまな所で市民のつながりがふえて、市民の景観・歴史的意識は少しずつ向上しつつある。今後もさらなる向上に向けた努力が必要である。

「太宰府市議会視察の様子」

お問い合わせ

宇治市議会     議会事務局
電話: 0774-20-8747  ファックス: 0774-20-8786
E-mail: gikaijimukyoku@city.uji.kyoto.jp

[ページの先頭へ戻る]