宇治市議会(行政視察報告 平成25年度) 6
[2014年2月12日]
【調査項目】
●議会改革について
●議会運営について
『市の概要』
*市制施行:昭和46年11月1日
*人口:146,282人(平成25年6月1日現在)
*面積:21.08㎢
議員定数:25人(条例定数26人)
常任委員会:4常任委員会
議会運営委員会:定数7人
会派要件:構成議員数3人以上
(1)女性議員の割合が高い
男性議員数 15人、女性議員数 10人
(2)一般質問は、ほぼ全員の議員が行う。
(1)都内自治体では初の制定
(2)反問権を認めている(第12条)。
(3)必要に応じて市民の発言も認めている(第6条)。
(4)条例案作成に当っては、出前委員会などの市民との意見効果を積極的に行った。
(5)市民意見を聞く機会として議会報告会のほかに意見交換会やパブリックコメントの規定がある(第5条)。
第5条 | 省略 |
---|---|
2 | 省略 |
3 | 議会は、市民の多様な意見を把握し、意思決定に反映させるため、次に掲げる方法のうち事案に応じて必要なものを用いるものとします。 (1) 議会報告会及び意見交換会の実施 (2) パブリックコメントの実施 (3) アンケート調査等の実施 |
4 | 議会は、前項の規定による市民意見を把握するに当たっては、意見表明の機会を十分に活用できない市民の意見等も含め、市民全体の意向を把握するように努めなければなりません。 |
第6条 | 議議会は、市民等からの請願及び陳情を政策提案等として受け止め、適切、誠実にこれを審議または委員会で審査するものとします。 |
2 | 省略 |
3 | 委員会の委員長は、当該委員会に諮り、必要に応じて、市民 の発言を許可することができます。 |
第12条 | 省略 |
2 | 市長等及び市長等から委任を受けた者は、議長の許可を得て、議員の質問に対して反問することができます。 |
第9条 | 議会は、決算審査に当たって、市長等が執行した事業等の評価(以下「議会の評価」といいます。)を行わなければなりません。 |
---|---|
2 | 市長は、議会の評価を予算に十分反映させるよう努めなければなりません。 |
前述の予算決算を連動させていく取り組みとして、議会による行政評価を実施。
(1)議長を除く全議員が所属
(2)6月から翌年3月までが任期
(3)常任委員会の委員が分科会に所属
(4)各分科会で選定した評価対象の2事業を4項目・6段階で評価する。
(5)各会派からの評価を分科会で集約し委員会に報告し、分科会の評価を委員会の評価とすることを諮る。
(1)議員間討議は、以前は休憩をとっていたこともあるが、最近は公開の方向で行っている。
(2)議会改革に対する市民の反応を求めるには、議会の機能をどれほど発信するかによる。
(3)代表者会議(宇治市の幹事会)は公開しているが、人事案件のような個人情報が関係するものは、非公開。
【調査項目】
●通年議会について
●議会基本条例の運用状況について
『市の概要』
*市制施行:昭和47年8月1日
*人口:68,482人(平成25年6月1日現在)
*面積:23.18㎢
議員定数:20人(条例定数20人)
常任委員会:4常任委員会
議会運営委員会:定数8人
正副議長・委員会:任期1年
平成23年6月28日に議会基本条例が可決され、施行は平成24年4月1日。基本条例第5条に通年議会の規定があり、平成24年2月から、議会運営委員会において「豊明市通年議会実施要綱」を決め、議長決裁により同要綱を制定した。
平成24年の地方自治法改正とともに通年議会は法制化されているが、法制化される前に通年議会実施に至ったのは、議長に招集権がないことに対する対応であり、基本は従来の年4回の定例会の開催から大きく外れるものではなく、随意に本会議を開けるメリットを生かすものであった。
通年会期中の本会議開催状況
第5条 | 市議会は、定例会の回数を年1回とし、会期を通年とする。 |
---|---|
2 | 市議会の会期を通年とするための必要な事項は、別に定める。 |
議会報告会の実施状況について
議会基本条例に議会報告会の規定はあり、実際に報告会は開催しているが、「市民と議会の距離を縮めることが大切」という観点からは、議長懇談会に力点を置いている。
(1)議会報告会の課題
参加する市民の多くの意見は、議員定数の削減が多く、議会に対する関心の低さが伺えた。
(2)議長懇談会の開催
PTA・民間の児童クラブ等の保護者との懇談会を開き市民意見を聞いている。率直な意見が聞けるため効果が大きい。例えば施策に対する要望が出ても半分くらいは、すでに実施されているもので施策の説明をすることにより、喜んでもらえる。また、30パーセント程度は、行政と相談する必要がある事項である。開催後の市民の反応は非常によい。
第13条 | 市議会は、議会活動について市民等に対し報告等を行う場(以下「議会報告会」という。)を設け、情報提供及び情報共有に努めなければならない。 |
---|---|
2 | 議会報告会に関し必要な事項は、別に定める。 |
(1)市民への働きかけは、議会に関心のない人をいかに引き込むかが重要。
(2)議会が活発だと議員定数を削減しようという議論は出ない。
(3)通年議会に対する市民の関心は低い。懇談会等を通じて周知する必要がある。
今回の視察は、現在議会運営委員会で検討している議会改革についての先進事例を学ぶという目的でテーマを設定したものであり、多いに参考になり、今後の検討の中に生かしていきたいと思っている。