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宇治市議会(行政視察報告 平成25年度) 4

[2013年8月22日]

市民環境常任委員会の行政視察報告

年月日:平成25年8月6日(火)~8月8日(木)
視察先:神奈川県、川崎市(神奈川県)、中野区(東京都)
出席委員:長野委員長、石田副委員長、水谷、木沢、鳥居、池内、金ヶ崎の各委員

《神奈川県》 (8月6日)

【調査項目】
●水源の森林づくり事業について

『県の概要』
*人口:9,061,378人(平成25年4月1日現在)
*面積:2,415.86㎢ 

1.水源の森林づくり事業について

(1)神奈川の森林の状況及び事業の背景と目的について

 神奈川県の森林は県土面積の約4割を占めており、県中央部と西部に集中している。その上部の丹沢山地が神奈川県の重要な水源地域となっている。県民1人当たりの森林面積が全国と比べて大きいといえない神奈川県の森林だが、近年さまざまな要因から林業活動が難しくなり、手入れの行き届かなくなった森林がふえていた。荒廃した森林は水を蓄えるなどの森林の持つさまざまな公益的機能が損なわれてしまう。そこで、神奈川県では一刻も早く森林の荒廃に歯どめをかけるため、900万の県民全てに恩恵をもたらす水源地域の森林を守り育てる取り組みを平成9年度から水源の森林づくり事業として進めてきた。
 水源の森林づくり事業は、手入れ不足の森林を手入れして下草などを生やすことで土壌の流出を抑えて水源涵養機能等、森林の持つ公益的機能の向上を図り、良質な水を安定的に確保することを目的として行っている。さらに、平成19年度からは、個人県民税の超過課税である水源環境保全税を導入して、その取り組みを加速させている。

(2)事業の計画とその手法について

 水源の森林づくり事業の対象エリアは、丹沢山地を中心とした水源の森林エリアと呼んでいるダム上流を中心としたエリアのうち、私有林約4万ヘクタールのおおむね3分の2に当たる2万7,000ヘクタールの公的管理・支援を行う計画となっている。私有林が対象のため、森林所有者の協力があって初めて事業が成り立つ。そのため、森林整備の前段階として、森林所有者と森林整備の契約を結んでおり、契約を結ぶことを「確保」と呼んでいる。確保の手法として「協力協約」、「水源協定林」、「水源分収林」、「水源立木林」、「水源公有林」、「長期施業受委託」の6つのメニューを用意している。
 協力協約は、市町村と森林所有者が協約を結び、森林所有者がみずから森林整備を行った場合に経費の一部を補助する手法で、こちらが公的支援。
 水源協定林は、県が森林所有者から土地を借りて森林整備を行う。借りるに当たっては県が賃借料を支払う。
 水源分収林は、県と森林所有者が分収育林契約を結び、県が森林整備を行う手法。
 水源立木林は、県が森林所有者から立木を買い取り、森林整備を行う手法。ただ、水源分収林と水源立木林は、近年木材価格が下落しており、ここ数年は実績がない。
 水源公有林は、県が森林そのものを買い取る手法。買い入れる森林は、水源の保全上、重要な森林としており、買い取りを行う範囲もダム周辺や源流部等、県境に近いところに限定している。以上の4つが公的管理。
 長期施業受委託は、公的管理と公的支援の中間的な性格を持ち、平成24年度から新たに導入した手法で、県にかわって森林組合が森林の整備と確保を行って、その経費に対して県が助成するという制度。
 こうした手法により確保した森林について、巨木林や針広混交林などの公益的機能の高い森林を目指して整備を進めていく。

(3)事業の実績とその効果について

 本事業は17年目を迎えており、平成34年度までに2万7,000ヘクタールを確保する目標に対して、平成24年度末時点で目標面積の約60%、約1万6,000ヘクタールの実績となっている。手法別では、水源協定林が約9,800ヘクタール、水源公有林では約900ヘクタール。水源林の整備については、平成38年度までに延べ5万5,000ヘクタールを目標としており、平成24年度末時点での実績は延べ1万9,000ヘクタールを超えている。この結果、間伐などが進んだ森林では、下草などが回復し成果があらわれている。
 平成15年度に県が公表した人工林調査結果では、長期間もしくは全く整備の形跡なしの森林が66%あったが、平成21年度の調査結果では24%まで減少しており、着実に成果が上がっていると考えている。現場の森林所有者からは、山がよくなってきているという声も聞いている。

(4)今後の課題と取り組みについて

 1つ目は確保の課題がある。公的管理による確保の場合、対象地の森林所有者や隣接所有者と所有境の立ち合いを行って、さらに、測量、森林の状況の調査等を行って契約を行うため、多くの労力を必要とする。また、相続や共有などの権利関係も複雑になっており、労力の軽減とともにこうした森林をいかに確保して一体的に整備していくかが課題となっていた。そこで、平成24年度の第2期計画から、多くの森林所有者が加入している森林組合が森林所有者と長期の施業契約を結び、水源林の森林を確保する長期施業受委託の制度を導入した。森林組合は地域の実情に精通しているので、多くの所有者がいる森林についても森林所有者の理解を得てまとめることが期待でき、また、県と比較して緩やかな基準で契約することが可能なため、今後は民間の力である森林組合によって確保や整備が進むことを期待している。
 2つ目は整備そのものの課題がある。丹沢山地にはニホンジカが多数生息している。整備を行って下草が生えてきても、生えるそばから鹿に食べられて、整備効果が必ずしも発揮されていないことが明らかになってきている。そこで、水源林整備を行ったところから鹿管理捕獲を重点的に行うなどの対策を始めた。また、鹿の生息密度の高いところでは間伐をすることによって鹿が入りやすくなってしまうことがある。そのため、植生保護柵等を優先的に設置し、森林整備の効果を発揮できるように取り組んでいる。

「神奈川県議会視察の様子」

《川崎市》 (8月7日)

【調査項目】
●CCかわさき(カーボン・チャレンジ川崎エコ戦略)について

『市の概要』
*市制施行:大正13年7月1日
*人口:1,440,474人(平成25年4月1日現在)
*面積:144.35㎢

1.CCかわさき(カーボン・チャレンジ川崎エコ戦略)について

(1)CCかわさき策定当時の経緯・概要について

 川崎市における地球温暖化対策への取り組みの基本的な考え方として、「環境」と「経済」の調和と好循環を推進し、持続可能な社会を地球規模で実現するため、「川崎の特徴・強みを活かした環境対策を進めます」、「環境技術による国際貢献を進めます」、「多様な主体の協働によりCO2削減に取り組みます」の3つを柱として取り組んだ。
 対策のステップアップとして、地球温暖化対策地域推進計画の改定、地球温暖化対策条例の制定、環境基本計画の改定、川崎市役所全体としてみずからのエコオフィス計画の改定に取り組んだ。
 このときの推進体制として、川崎温暖化対策推進会議(カーボン・チャレンジ川崎エコ会議)を創設した。また、タウンミーティング(環境ミーティング)を開催した。

(2)CCかわさき推進プランの概要について

 計画策定の主旨として、川崎市らしい計画とすること、川崎市新総合計画「川崎再生フロンティアプラン」との整合性を確保すること、地球温暖化対策を体系化することなどがある。また、計画の期間は2010年度から2020年度までのおおむね10年間とし、おおむね3年ごとに実施計画を策定する。
 地球温暖化対策の目標として、基本理念、削減目標及び基本方針を定めている。削減目標に「市域における温室効果ガス排出量の削減に取り組むとともに、本市の特徴である優れた環境技術を活かし地球全体での温室効果ガス排出量の削減に貢献する」とあるが、これは産業活動を行わないということではなく、公害を克服する過程で得た環境技術や低CO2の製品をつくる技術を展開することで、市域外でも温暖化対策に貢献していく。この地球温暖化対策の目標に沿って、「事業活動における温室効果ガス排出量の削減の推進」を初めとする12の基本施策を掲げ、基本施策ごとに施策課題と基本的方針を掲げている。
 推進体制としては、川崎の温暖化戦略ネットワークの推進としてカーボン・チャレンジ川崎エコ会議、行政の推進体制として川崎市温暖化対策庁内推進本部、地域住民等との連携体制としてかわさき地球温暖化対策推進協議会、地域地球温暖化防止活動推進センター、地球温暖化防止活動推進員を中心として取り組んでいる。

(3)現在の取り組みについて

 CCかわさき推進プランにおける重点的なプロジェクトとして4つのプロジェクトを設けている。
 1つ目は「低炭素都市推進プロジェクト」で、再生可能エネルギーの推進やスマートシティの検討を行っている。
 2つ目は「地域行動推進プロジェクト」で、川崎市の目玉である川崎大規模太陽光発電所を東京電力(株)との共同事業で運営している。浮島・扇島両地区で合計最大出力2万キロワットのメガソーラーを2年前に設置した。また、隣接地にかわさきエコ暮らし未来館を開館し、環境学習の場等に活用する場として運営している。そのほかにも、協働による地球温暖化対策の推進や循環型社会の形成の推進を行っている。
 3つ目は「国際貢献推進プロジェクト」で、ライフサイクル全体でいかにCO2削減に貢献しているかに着目した低CO2川崎パイロットブランド’11の選定や川崎国際環境技術展の開催等を行っている。
 4つ目は「市の率先行動推進プロジェクト」で、東日本大震災による電力不足への対応や市役所の率先取組の推進を行っている。

(4)今後の課題と取り組みについて

 CCかわさき推進プランは東日本大震災以前に定めたものであり、東日本大震災への対応が欠けているところがある。来年度が第2期実施計画のスタートであり、節電への取り組みや電力不足への対応を加えたものに改定していく必要がある。また、エネルギーの問題について、創エネ・蓄エネ・省エネをパッケージで取り組んでいくことが大きな課題となっている。
 川崎市は臨海部を中心に630万キロワットの発電能力を持っており、首都圏の一大エネルギー供給拠点となっている。また、川崎市内にはこれからのスマートシティ構築に向けてキーになるような事業者が多くいるので、このような川崎市の強みを生かして、市内の事業者等とも連携した取り組みを進め、それを市民に見える形で紹介する中でより市民の協力を得ながら、環境に配慮した社会の構築に向けた取り組みを進めていきたい。

「川崎市議会視察の様子」

《中野区》 (8月8日)

【調査項目】
●まるっと中野(中野区(公式)都市観光情報発信サイト)について

『区の概要』
*区制施行:昭和7年10月1日
*人口:312,303人(平成25年4月1日現在)
*面積:15.59㎢

1.まるっと中野(中野区(公式)都市観光情報発信サイト)について

(1)事業の実施に至る経過について

 中野は大体が住宅地で、1平方キロメートル当たり2万人を超える人口があり、人口密度で日本でも1、2を争っている。また、近隣には渋谷、新宿、池袋という大繁華街があり、中野区を観光地として売り出す視点が乏しかった。ただ、近年は中野ブロードウェイが漫画・アニメという視点で注目され、そこに中野駅周辺の再開発が始まったことが大きな転機となり、中野区を売り込んで、中野区に来て回遊してもらい、中野区を売り出していこうという機運が高まってきた。
 そんな中で中野区都市観光ビジョンを策定し、「観光資源の発掘・開発」、「観光受入体制の整備」、「情報発信による来街者誘致」の3つの柱のうちの「情報発信による来街者誘致」の具体的な取り組みがまるっと中野の開設である。
 ホームページの開設に当たり、記事をどうつくっていくか、また、運用のための広告をどう集めるかという難しさがあり、観光に関するホームページについては行政だけでやっていてはうまくいかないのではないかということで、最も効果的な方法を模索してきた。その結果として、中野区と民間事業者が協定を結び、民間の専門性や知見を活用し、効果的なホームページの運用をすることとなった。民間事業者の選定については、平成24年11月から12月にかけてプロポーザルを行い、10者から企画提案を受け、(株)サンケイリビング新聞社と協定を結んだ

(2)事業の内容について

 1つは基幹事業で、都市観光情報発信ホームページの構築・運営。もう一つは効果促進事業で、ホームページに連動した事業を行い、その効果を高めていく事業。
 基幹事業では、中野区はシステム基盤構築・運用費相当額の一部負担、区が持つ都市観光情報の提供や取材の協力、区としてホームページに関する広報等を行い、協定企業はシステム基盤の運用・構築を実施し、区の負担金で補えない部分を広告収入等で賄い運営する等を行う。また、公平性等を確保するため、協定で広告掲載基準を設けている。

(3)事業の実施状況について

 まるっと中野は平成25年4月19日に開設した。ページビュー数は7月実績で約3万7,000件で、今のところは順調に伸びている。中野区が負担した構築費が約530万円、同じく運用費が180万円。今年度ページビュー数50万件を目標としている。
 記事の更新については、一般公募により「なかのファン」23名を選定し、1カ月に1回程度、記事の掲載をお願いしており、協定企業で内容を審査した上で記事を掲載している。また、中野区内の事業者・団体にID・パスワードを渡し、記事を直接載せられるようにしている。
 そのほか、まるっと中野内での企画として「まるなか検定」を実施したり、「なかの里・まち連携自治体」も含めた区の魅力発信を行っている。
 また、効果促進事業として、協定企業が発行する新聞で中野特集を実施してもらったり、さらに、中野に限定した情報誌をつくって配付してもらう等している。

(4)今後の取り組みと課題について

 4月の開設以降、ページビュー数は順調に伸びており、これをさらに高めていきたいと考えているが、ホームページに来ても中で展開しないで帰る直帰率が6割を超えており、ホームページの中での回遊性も高めていきたい。そういうところで飽きないホームページをつくるのかが課題となっている。
 今後の取り組みとしては、フェイスブックページの開設や「なかのまちめぐり博覧会」の特設ホームページの開設を考えている。また、ホームページの充実のために、商店街等に働きかけて、みずから記事を掲載してもらえる方々をふやしていきたい。

「中野区議会視察の様子」

お問い合わせ

宇治市議会     議会事務局
電話: 0774-20-8747  ファックス: 0774-20-8786
E-mail: gikaijimukyoku@city.uji.kyoto.jp

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