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宇治市議会(行政視察報告 平成23年度) 10

[2012年2月17日]

建設水道常任委員会の行政視察報告

年月日:平成24年2月1日(水) ~ 2月2日(木)
視察先: 倉敷市(岡山県)、松江市(島根県)
出席委員:坂本委員長、久保田副委員長、木沢、松峯、関谷、鳥居、木村の各委員

《倉敷市》 (2月1日)

【調査項目】
●景観計画について

『市の概要』
*市制施行:昭和42年2月1日
*人口:480,397人(平成23年3月末日現在)
*面積:354.72㎢ 

1.景観計画について

 倉敷市では昭和43年に「伝統美観保存条例(自主条例)」を策定するなど、全国に先駆けて伝統的な町並みの保全に取り組んできており、昭和54年には重要伝統的建造物群保存地区の選定も受けた。そのような中で平成16年に景観法が制定され、平成18年度より景観計画の策定に取り組み、平成22年1月1日より倉敷市景観計画と倉敷市都市景観条例を施行し、倉敷市全域で良好な景観の形成に取り組んでいる。
 景観法以前の取り組みとしては、戦後の美観地区の町並み保存は民間主導で行われてきた背景があり、行政は昭和40年頃から取り組んできたが、伝統美観保存条例には法的根拠がなく、また予算規模が小さすぎるといった課題があった。昭和50年に文化財保護法の改正があり、昭和53年に伝統的建造物群保存地区保存条例を制定した。
 美観地区は伝統的建造物群保存地区(伝建地区)と以前の自主条例による伝統美観保存地区(伝美地区)で構成されている。現在は伝建・伝美地区ともに、景観法に基づく景観地区となっており、倉敷市美観地区景観条例による実効力をもった規制を行っている。また、美観地区の背後で美観地区からの眺望景観を守るための背景地区が創設されている。
 これまでの取り組みとして、倉敷川畔を中心に電線類地中化事業を昭和62年と平成2年に行い、その後、一時中断されたが、平成17年度から再度事業を進め、一部を残し、ほぼ整備は完了した。また、電線の地中化に伴い、道路の美装化も行っている。
 近年の取り組みとして、美観地区を昼間だけでなく夜も魅力的な空間とし、市民や観光客の夜間の安全・安心を確保することを目的に夜間景観照明事業にも取り組んでいる。この事業による宿泊・観光客の増加も期待している。
 美観地区で暮らす市民の方々に歴史的な町並み保存に協力してもらうために、歴史的建造物の修繕、あるいは修景に対する補助制度、固定資産税の減免制度、建築基準法の緩和といったことで、歴史的な町並みを次の世代に引き継ぐ努力を行っている。
 また、美観地区の中の景観だけではなく、美観地区から眺めたときの背景も含めた景観を守ることも大切だという考えに基づき、平成2年に全国で初となる倉敷市倉敷川畔伝統的建造物群保存地区背景保全条例を制定した。
 景観計画の基本理念は『瀬戸内海と高梁川の恵みを生かし、伝統に根づいた風格のある美しい倉敷の景観づくり』としている。都市景観形成の基本方針は5つの類型別景観形成と8つの地域別景観形成にまとめており、この類型ごとに制限内容および措置の基準を設けている。また、各類型共通の色彩基準を設けているが、全国的に見ても厳しい基準となっている。
 建築物の高さについては用途地域ごとに最高限度を設けているが、都市計画法による高度地区とは異なる。この基準を超えるものについては基準内に収まるように指導を行うが、基準を超えたことで建築確認ができないといったようなことはなく、あくまでも景観形成のためのお願いにとどまる。
 実際に景観誘導を図る手法として届出制度を設けているが、届出が必要となるのは一定規模以上の建築物・工作物となる。また、今後、勧告だけでなく変更命令も行うことのできる特定届出対象行為を定め、より強制力を持った景観形成の誘導を行いたいと考えている。景観への影響が特に大きいと考えられる届出については、都市景観審議会に諮ることとなり、現在は届出対象行為となる新築建築物については、原則、全て審議会に諮るという運用をしている。
 今後の取り組みとして、よりきめ細やか、かつ、厳しい取り組みを行っていくために、景観形成重点地区の指定を行い、特定届出対象行為に設定することが必要と考えており、景観形成重点地区として倉敷駅周辺・下津井周辺・旧玉島港周辺・酒津の4地区を検討している。その他の特定届出対象地区として、眺望保全地区を考えている。これは背景保全と同様の考え方を美観地区周辺全体に広げるようなイメージで検討している。
 市民の取り組みとしては、倉敷伝建地区をまもり育てる会・NPO法人倉敷町家トラスト・倉敷市の3者協働でのまちづくりがあり、その活動が評価されて、平成22年度に都市景観大賞を受賞した。

「倉敷市議会視察の様子」

《松江市》 (2月2日)

【調査項目】
●中心市街地活性化基本計画について

『市の概要』
*市政施行:平成17年3月31日
*人口:206,632人(平成23年7月31日現在)
*面積:573.00㎢ 

1.中心市街地活性化基本計画について

1.大手前通り周辺地区まちづくり交付金事業について
(1)事業の実施に至る経過と目的について
  内環状道路(城山北公園線)の都市計画決定に際し、地域住民が安全安心に暮らし続けられるまちづくりが条件となり、観光客・日赤通院者・地域住民のための歩行空間確保と歩行時の安全性・快適性の向上を求めるまちづくり要望に対し、まちづくり交付金事業で対応することになった。

(2)事業の実施状況とその効果について
  事業の認可期間は平成20年度から平成24年度までの5カ年で、最終年度の24年度に施工するのは日赤前の南北道路の歩行空間整備、内環状道路沿いのポケットパークの整備、提案事業のホーランエンヤ記念館の整備の3事業。今回のメイン事業であった歴史観整備事業に伴う惣門橋通り整備については、松江城内堀の石垣崩落が発生したため、整備区間を縮小した。
  まちづくり交付金事業は当初の認可条件として目標指標が設定されており、「地区中心部の来街者10%増加」といった指標の達成は、まちなか居住人口が減少しているため困難でと感じている。

(3)今後の取り組みと課題について
  松江市は平成20年7月に中心市街地活性化基本計画の認定を受けており、まちづくり交付金事業による基盤整備も大きくは中心市街地活性化のためのインフラ整備と位置づけられる。中心市街地活性化基本計画の認定は平成24年度までとなっているが、中心市街地活性化が実現したわけではなく、引き続き再認定を目指す考えである。
  また、今回のまちづくり交付金事業は内環状道路の第1工区に対応していたが、基本計画の再認定に合わせ、第2工区に対応した第2期まちづくり交付金事業の認可を目指す考えである。

2.歴史館整備事業について
(1)事業の実施に至る経過と目的について
  松江歴史館は散逸しつつある地域の貴重な歴史資料を保存・修復し、確実に後世に残し伝えていくことを目的とし、郷土史にかかわる歴史資料を多面的に調査し、必要なものを収集し、研究を進める中心的役割を持つ。また、観光客・市民の歴史と観光情報の総合的なガイダンスセンターの役割を果たし、中心市街地活性化のため、新しいまちづくりの拠点として機能を持つ。

(2)事業の効果について
  入館者の当初の目標は初年度25万人、平年ベースでは15万人と想定しているが、周知不足で前半の観光客の伸びが悪かったこともあり、1月末時点で展示(有料)は9万6,500人、広間等(無料)は17万人あまりとなっており、今年度の目標達成は難しい状況にある。ただ、来館者からは総じて好評を得ており、また、松江市民からも今まで知らなかった松江の歴史を知ることができてよかったという声を聞いている。
  副次的な効果として、歴史館で活動する市民団体、あるいは市民のボランティア等も育ってきており、自主的にイベントを開催するなどしている。その他の市内のボランティア団体も歴史館を利用して独自のイベントを開催しており、歴史館を核として市民活動が広がってきている。
  歴史館のイベントは大きいものは展示の特別展、小さいものは各種講座や体験教室等があり、現時点で170件程度行われ、延べの参加人数は15万人程度となっている。

(3)管理運営・利用状況について
  収入については、当初予算では1億2,000万円を計上していたが、今年度は4,000万円程度を見込んでおり、運営費も1億2,000万円を予算計上している。
  現在は松江市の直営だが、平成26年度からは指定管理の導入を想定している。歴史館近辺の松江城や武家屋敷、小泉八雲記念館等の施設も指定管理者が管理しており、一体的に指定管理としてできるようになれば、さらに効果が上がるのではないかと考えている。

(4)今後の取り組みと課題について
  喫緊の課題としては、いかに入館者をふやすかということがあり、具体的な対策としては、旅行業者との契約をさらに拡大していく、市内・県内・県外への広報活動を活発にし、知名度を高めていく等を考えている。また、歴史館は松江市の中心に位置しているため、まち歩きの拠点として観光客・市民に歩いてもらう、あわせて、近隣商店街・商店会あるいは商工会議所等と連携し、歴史館だけではなくエリア全体の発展を目指している。

「松江市議会視察の様子」

お問い合わせ

宇治市議会     議会事務局
電話: 0774-20-8747  ファックス: 0774-20-8786
E-mail: gikaijimukyoku@city.uji.kyoto.jp

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